JPH0670239B2 - 水溶性増粘剤 - Google Patents

水溶性増粘剤

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JPH0670239B2 JP22004486A JP22004486A JPH0670239B2 JP H0670239 B2 JPH0670239 B2 JP H0670239B2 JP 22004486 A JP22004486 A JP 22004486A JP 22004486 A JP22004486 A JP 22004486A JP H0670239 B2 JPH0670239 B2 JP H0670239B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水溶性増粘剤に関し、更に詳しくは、各種界
面活性剤溶液においても優れた安定性及び溶解性を有す
る水溶性増粘剤に関する。
〔従来の技術およびその問題点〕
増粘剤は、例えばアニオン,カチオン,ノニオン等の各
種界面活性剤溶液に適度な粘度を与える必要がある場合
に使用され、化粧料,塗料,接着剤,染料など非常に広
範な分野で利用されている。一般に上記界面活性剤溶液
に用いられる増粘剤としては、ポリオキシエチレン(以
下POEと略す)直鎖脂肪酸エステル、あるいはPOEメチル
グルコシド直鎖脂肪酸エステル等のPOE直鎖脂肪酸エス
テルタイプのもの、あるいはヒドロキシエチルセルロー
ス,メチルセルロース,ポリビニルピロリドン等の水溶
性ポリマー等が従来より知られている。
しかしながら、POE直鎖脂肪酸エステルタイプの増粘剤
は、水溶液系では加水分解されやすく、粘度安定性が悪
いという欠点があり、水溶性ポリマータイプの増粘剤
は、ある種のアニオン界面活性剤や無機塩等が存在する
強電解質水溶液では、塩析されるため溶解性が悪く、例
えばシヤンプー等を増粘させる場合において、その配合
処方が著しく制限されるという問題があつた。
したがつて、アニオン,カチオン,ノニオン等の各種界
面活性剤溶液において、粘度安定性がすぐれ、かつ溶解
性のすぐれた増粘剤の開発が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる実情において、本発明者は鋭意検討した結果、多
価アルコールのエチレンオキサイド付加物又はポリエチ
レングリコールの分岐脂肪酸エステル、あるいは多価ア
ルコールの分岐脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付
加物が、従来の直鎖脂肪酸エステルでは考えられないほ
ど界面活性剤溶液を安定にしかも溶解性よく増粘させる
ことを見い出し、本発明を完成させるに至つた。
すなわち、本発明は、多価アルコールのエチレンオキサ
イド付加物(40〜400モル)の分岐脂肪酸(炭素数8〜3
6)エステル,ポリエチレングリコール(分子量2000〜2
0000)の分岐脂肪酸(炭素数8〜36)エステル及び多価
アルコールの分岐脂肪酸(炭素数8〜36)エステルのエ
チレンオキサイド付加物(40〜400モル)からなる群か
ら選ばれる1種あるいは2種以上からなる水溶性増粘剤
を提供するものである。
本発明の多価アルコールのエチレンオキサイド付加物の
分岐脂肪酸エステル,ポリエチレングリコールの分岐脂
肪酸エステル及び多価アルコールの分岐脂肪酸エステル
のエチレノキサイド付加物は、公知の製造方法により製
造され、その製造方法及び条件等は限定されるものでは
ない。製造法としては、例えば多価アルコールと分岐脂
肪酸とをアルカリ触媒及び酸触媒の存在下で反応せしめ
て得られた多価アルコール分岐脂肪酸エステルに、更に
アルカリ触媒の存在下でエチレンオキサイドを付加する
方法、多価アルコールにアルカリ触媒の存在下でエチレ
ンオキサイドを付加し、更にアルカリ触媒及び酸触媒の
存在下で分岐脂肪酸とエステル化させて得る方法,ポリ
エチレングリコールと分岐脂肪酸とをアルカリ触媒及び
酸触媒の存在下で反応せしめて得る方法あるいは分岐脂
肪酸にエチレンオキサイドを付加反応する方法(ポリエ
チレングリコールの分岐脂肪酸エステル)などが挙げら
れる。
エチレンオキサイドの付加モル数については、原料多価
アルコール分岐脂肪酸エステル又は原料多価アルコール
1モルに対し、40〜400モルであり、更に好ましくは80
〜300モルである。
分岐脂肪酸としては、炭素数8〜36の分岐脂肪酸が用い
られるが、更に好ましくは、一般式(I)で示されるα
−分岐脂肪酸である。
(式中R1は炭素数4〜18の直鎖又は分岐のアルキル又は
アルケニル基を示し、R2は炭素数2〜16の直鎖又は分岐
のアルキル又はアルケニル基を示す) 具体的には、例えば2−エチルヘキサン酸、2−エチル
イソヘキサン酸,2−プロピルヘプタン酸,2−プロピルイ
ソヘプタン酸,2−ブチルオクタン酸,2−イソブチルイソ
オクタン酸,2−ペンチルノナン酸,2−イソペンチルノナ
ン酸,2−ヘキシルデカン酸,2−ヘキシルイソデカン酸,2
−ブチルドデカン酸,2−イソブチルドデカン酸,2−ヘプ
チルウンデカン酸,2−イソヘプチルウンデカン酸,2−イ
ソヘプチルイソウンデカン酸,2−ドデシルヘキサン酸,2
−イソドデシルヘキサン酸,2−オクチルドデカン酸,2−
イソオクチルドデカン酸,2−オクチルイソドデカン酸,2
−ノニルトリデカン酸,2−イソノニルイソトリデカン
酸,2−デシルドデカン酸,2−イソデシルドデカン酸,2−
デシルイソドデカン酸,2−デシルテトラデカン酸,2−オ
クチルヘキサデカン酸,2−イソオクチルヘキサデカン
酸,2−ウンデシルペンタデカン酸,2−イソウンデシルペ
ンタデカン酸,2−ドデシルヘプタデカン酸,2−イソドデ
シルイソヘプタデカン酸,2−デシルオクタデカン酸,2−
デシルイソオクタデカン酸,2−トリデシルヘプタデカン
酸,2−イソトリデシルイソヘプタデカン酸,2−テトラデ
シルオクタデカン酸,2−イソテトラデシルオクタデカン
酸,2−ヘキサデシルヘキサデカン酸,2−ヘキサデシルテ
トラデカン酸,2−ヘキサデシルイソヘキサデカン酸,2−
イソヘキサデシルイソヘキサデカン酸,2−ペンタデシル
ノナデカン酸,2−イソペンタデシルイソノナデカン酸,2
−テトラデシルベヘン酸,2−イソテトラデシルベヘン
酸,2−テトラデシルイソベヘン酸,2−イソテトラデシル
イソベヘン酸等が挙げられる。
多価アルコールとしては、3価以上の多価アルコールが
好んで用いられ、例えば、グリセリン,トリメチロール
プロパン,ペンタエリスリトール,アラビニトール,キ
シリトール,ソルビトール,マンニトール,ガラクチト
ール,ヘプチトール,イノシトール,ソルビタン,ソル
バイド,グルコース,ガラクトース,マンノース,マル
トース,フラクトース,シユクロース,ラクトース,マ
ルチトール,ラクチトール,メチルグルコシド,メチル
ガラクトシド,メチルマンノシド,メチルマルトシド等
が挙げられるが、熱安定性,経済性及び増粘効果等の理
由より、グリセリン,トリメチロールプロパン,ペンタ
エリスリトール,ソルビトール,マンニトール,ソルビ
タン,ソルバイド,イノシトール及びメチルグルコシド
等を用いることが好ましい。
ポリエチレングリコールとしては、分子量2000〜20000
のものが用いられるが、より好ましくは分子量3500〜15
000のものである。
分岐脂肪酸は、原料ポリオキシエチレン多価アルコール
エーテル及び多価アルコールに対し1〜8倍モル使用さ
れる。
本発明の水溶性増粘剤である上記分岐脂肪酸エステルの
エステル化度は1〜8、好ましくは1.0〜5.0である。な
お、本発明による増粘剤は、1種類のみあるいは2種類
以上を任意の割合で混合したかたちでも使用することが
できる。
〔発明の効果〕
本発明による増粘剤を使用すれば、アニオン,ノニオ
ン,カチオン等の各種界面活性剤溶液を安定性あるいは
溶解性よく増粘させることができる。
〔実施例〕
以下、合成例及び実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。
合成例1 70%ソルビトール345g,2−ヘプチルウンデカン酸1147g
を4つ口フラスコにとり、水酸化ナトリウム1.49g,85%
リン酸1.15g及び活性炭5.96gを加え、窒素ガス中で250
℃において10時間エステル化させる。反応後、反応混合
物をロ過し、ソルビタン2−ヘプチルウンデカン酸エス
テル(平均エステル化度2.85)を主成分とする黄色油状
液体1205gを得た。
このソルビタンエステル100gを水酸化ナトリウム触媒
下、原料エステル1モルに対し酸化エチレンを160モル
付加するまで吹き込んだ。反応混合物は、リン酸で中和
し、35%過酸化水素水で脱色を行い、ロ過してPOE(16
0)ソルビタン2−ヘプチルウンデカン酸エステルを主
成分とする淡黄色固体905gを得た(増粘剤1) 合成例2〜7 合成例1と同様の方法で下記増粘剤2〜7を得た。
合成例8 粉末ソルビトール91gに水酸化カリウム触媒下、ソルビ
トール1モルに対し酸化エチレンを200モル付加するま
で吹き込み、POE(200)ソルビトールエーテルを主成分
とする淡黄色固体4450gを得た。
このソルビトールエーテル900g,2−ヘプチルウンデカン
酸115gを4つ口フラスコにとり、水酸化ナトリウム1.0
g,85%リン酸0.77gを加え、245℃で20時間エステル化さ
せる。反応後、反応混合物をリン酸で中和した後、ロ過
してPOE(200)ソルビトール2−ヘプチルウンデカン酸
(平均エステル化度3.8)を主成分とする淡黄色固体100
2gを得た。(増粘剤8) 合成例9,10 合成例8と同様の方法で下記増粘剤9及び10を得た。
合成例11 2−ヘプチルウンデカン酸140gに、水酸化ナトリウム触
媒下、脂肪酸1モルに対し酸化エチレンを200モル付加
するまで吹き込み、POE(200)モノ2−ヘプチルウンデ
カン酸エステルを主成分とする淡黄色固体4412gを得
た。(増粘剤11) 合成例12 平均分子量10000のポリエチレングリコール1000g,2−ヘ
プチルウンデカン酸58gを4つ口フラスコにとり、水酸
化ナトリウム1.02gを加え、255℃で24時間エステル化さ
せる。得られた反応混合物をリン酸で中和して、ポリエ
チレングリコールジ2−ヘプチルウンデカン酸エステル
を主成分とする淡黄色固体1052gを得た。(増粘剤12) 上記の合成例1〜12で合成した増粘剤1〜12について増
粘性,安定性及び溶解性の試験を実施した。
実施例1 モノラウリルホスフエート・トリエタノールアミン塩20
%水溶液(pH7.5)における各増粘剤による増粘性試験
を実施した。
なお、比較例としてポリエチレングリコール(平均分子
量10000)のジステアリン酸エステルを用いて、同様の
増粘性試験を行つた。結果を表1に示す。
実施例2 モノラウリルサルフエート・トリエタノールアミン塩20
%水溶液(pH7.5)における各増粘剤による増粘性試験
を実施した。
なお、比較例としてポリエチレングリコール(平均分子
量10000)のジステアリン酸エステルを用いて、同様の
増粘性試験を行つた。結果を表2に示す。
実施例3 ポリオキシエチレンラウリルエーテルサルフエートNa塩
20%水溶液(pH7.5)における各増粘剤による増粘性試
験を実施した。
なお、比較例としてポリエチレングリコール(平均分子
量10000)のジステアリン酸エステルを用いて、同様の
増粘性試験を行つた。結果を表3に示す。
実施例4 ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサ
イド付加モル数30モル)10%水溶液(pH7.5)における
各増粘剤による増粘性試験を実施した。
なお、比較例としてポリエチレングリコール(平均分子
量10000)のジステアリン酸エステルを用いて、同様の
増粘性試験を行つた。結果を表4に示す。
実施例5 モノラウリルホスフエート・トリエタノールアミン塩20
%水溶液中での各増粘剤の粘度安定性試験(50℃)を実
施した。
なお、比較例としてポリエチレングリコール(平均分子
量10000)のジステアリン酸エステル及びPOE(120)メ
チルグルコシドジオレイン酸エステルを用いて、同様の
粘度安定性試験を実施した。
50℃,20日間,pH7.5にて保存。結果を表5に示す。
実施例6 モノラウリルサルフエート・トリエタノールアミン塩
(AS/TEA系)15%水溶液、ポリエキシエチレンラウリル
エーテルサルフエート・Na塩(ES/Na系)15%水溶液及
びモノラウリルサルフエート・トリエタノールアミン塩
15%+NaCl1%水溶液(AS/TEA+NaCl系)での各増粘剤
(3%)の溶解性試験を実施した。
比較例として、分子量約10万のヒドロキシエチルセルロ
ース(HEC),分子量約9万のメチルセルロース(MC)
及び分子量約10万のポリビニルピロリドン(PVP)の溶
解性試験も同様に実施した。結果を表6に示す。
実施例7 合成例1〜12で得た増粘剤の鹸化価を異なる加水分解時
間(1〜3時間)において測定し理論鹸化価に対する加
水分解率を求めた。
鹸化価測定法 試料約3gを精秤し、その試料に0.5N-KOH(アルコール
性)20mlを加えて、50℃で鹸化を行う(鹸化時間1〜3
時間)。鹸化後、その反応混液を0.5N-HClで逆滴定を行
い、試料の鹸化価を求めて理論鹸化価に対する加水分解
率を求めた。
比較例としてPOE(120)ソルビタンジオレイン酸エステ
ル,POE(120)メチルグルコシドジオレイン酸エステ
ル,ポリエチレングリコール(分子量約10000)ジステ
アリン酸エステルの鹸化価(鹸化時間1〜3時間)及び
加水分解率を記載する。結果を表7に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣田 一 東京都目黒区目黒本町5―31―9

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多価アルコールのエチレンオキサイド付加
    物(40〜400モル)の分岐脂肪酸(炭素数8〜36)エス
    テル、ポリエチレングリコール(分子量2000〜20000)
    の分岐脂肪酸(炭素数8〜36)エステル及び多価アルコ
    ールの分岐脂肪酸(炭素数8〜36)エステルのエチレン
    オキサイド付加物(40〜400モル)からなる群から選ば
    れる1種あるいは2種以上からなる水溶性増粘剤。
  2. 【請求項2】分岐脂肪酸が、次の一般式(I)で示され
    るα−位分岐脂肪酸である特許請求の範囲第1項記載の
    水溶性増粘剤。 (式中R1は炭素数4〜18の直鎖又は分岐のアルキル又は
    アルケニル基を示し、R2は炭素数2〜16の直鎖又は分岐
    アルキル又はアルケニル基を示す)
  3. 【請求項3】多価アルコールが、3価以上の多価アルコ
    ールである特許請求の範囲第1項又は第2項記載の水溶
    性増粘剤。
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