JP2756061B2 - キトサン誘導体の製造方法 - Google Patents

キトサン誘導体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキトサン誘導体の製造方
法に関し、更に詳しくは溶液とした場合に該溶液の長期
透明性に優れ、化粧品等の原料として有用であるキトサ
ン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒドロキシプロピル化脱アセチル
キチンの一種であるヒドロキシプロピル化キトサンは、
例えば、特公昭64−005601号公報に記載されて
おり、又、該公報にはヒドロキシプロピル化キトサンが
水溶性高分子として各種用途に有用であることが記載さ
れている。しかしながら、上記ヒドロキシプロピル化キ
トサンの出発原料であるキトサンは、その脱アセチル化
度が通常70〜80%程度のものである為、ヒドロキシ
プロピル化反応自体に有機溶剤の使用やpHの調整等の
煩雑な条件設定が要求され、均一なヒドロキシプロピル
化キトサンが得られず、多くの不純物を含むという問題
がある。
【0003】又、得られるヒドロキシプロピル化キトサ
ンは製造直後には透明性によい溶液であるが、時間の経
過と共に透明性が低下し、化粧品原料や食品添加剤とし
て使用するには問題がある。これらの不純物の問題はヒ
ドロキシプロピル化キトサンが水溶性である為、水中で
キトサンをヒドロキシプロピル化する際に多くの副生物
が生成され、これらの副生物も同様に水溶性であること
から、これらの水溶性副生物をヒドロキシプロピル化キ
トサンから水洗によって除去することが困難であること
による。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】上記ヒドロキシ
プロピル化キトサンの純度の問題は、適当な溶解性を有
する有機溶剤を使用して多数回の分別沈澱で精製した
り、透析等の特別の装置を使用して精製すればある程度
は解決されるが、これらの精製方法はいずれにしてもコ
スト高であり、工業的には使用困難である。従って本発
明の目的は、不純物の含有量が少なく、水溶液とした場
合にも長時間高い透明性を保持することが出来るキトサ
ン誘導体を提供することである。
【0005】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、キトサンと少な
くとも1種のアルキレンオキサイドとを反応させるにあ
たり、反応途中において生成している軽度反応物を水性
溶剤或は有機溶剤に一旦溶解した後、溶解状態で或は軽
度反応物を析出させて反応を継続することを特徴とする
キトサン誘導体の製造方法である。
【0006】
【作用】キトサンとアルキレンオキサイドとの反応を2
段階で行うことによって、アルキレンオキサイドの付加
率が高くなり、水溶液にした場合、白濁が生じることな
く、長期間透明性を保持することが出来るキトサン誘導
体が提供される。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明において使用する脱
アセチルキチンとは、カニ、エビ、昆虫等の甲殻或いは
キノコ等に含まれている天然高分子物の1種であるキチ
ンの脱アセチル化物であり、2−アミノ−2−デオキシ
−D−グルコースを1構成単位とする塩基性多糖類であ
る。この様な脱アセチルキチンそれ自体は既に工業的に
生産されており、種々のグレードのものが市場から入手
することが出来るが、工業的に入手されるキトサンの脱
アセチル化度は約70〜80%程度であり、そのままで
も本発明の方法によれば、溶解性の良好なキトサン誘導
体が得られるが、より好適なキトサン原料は脱アセチル
化度が90%以上のものである。
【0008】脱アセチル化度90%以上のキトサンを得
るには、特公昭56−34201号公報及び同58−0
0441号公報に詳述されている様に、濃アルカリ溶液
でキチンを脱アセチル化処理し、アルカリ溶液を除いた
後水洗いし、更に濃アルカリ溶液で処理する操作を繰り
返すことによって得られる。特に好ましいキトサンは脱
アセチル化度が95〜100%の完全脱アセチル化キト
サンである。
【0009】本発明で使用するアルキレンオキサイドの
例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドが挙げられるが、特に好ましい
ものはプロピレンオキサイドである。これらのアルキレ
ンオキサイドは、キトサンのアミノ基1個当たり約5〜
20モルの割合で使用することが好ましい。アルキレン
オキサイドの使用量が少なすぎると、生成物の水に対す
る溶解安定性が不十分となり、多すぎても何らの利益も
ない。
【0010】上記キトサンのヒドロキシアルキル化は、
イソプロピルアルコール等のアルコール系有機溶剤を含
有する水性媒体中で行ってもよいが、有機溶剤を含まな
い水中でも容易に行うことが出来る。最も好ましい反応
方法は、水中に前記キトサンを懸濁させ、50〜100
℃の温度で3〜24時間程度反応させることによって、
分散していたキトサン原料はヒドロキシアルキル化の進
行に従って膨潤状態となってくる。この反応途中の膨潤
分散しているキトサンを含む反応系に適当な鉱酸や有機
酸、例えば、塩酸、硫酸、燐酸、スルファミン酸等の無
機酸又は酢酸、乳酸、クエン酸、アジピン酸、ピロリド
ンカルボン酸等の有機酸或はそれらの混合物を添加して
pHを2〜5程度に調整して、反応生成物を完全に水中
に溶解させ、この状態で反応系をそのままで或いは微酸
性からアルカリ性に戻して反応を継続することによっ
て、キトサンを高度にヒドロキシアルキル化することが
出来る。
【0011】以上の如くして得られる本発明のキトサン
誘導体の分子量は40万以下が好ましく、更に好ましい
範囲は1万〜10万である。分子量を上記範囲に調整す
る方法は、特開昭61−40303号公報に述べられて
いる様に、キトサン原料又は生成物を過硼酸ナトリウム
等の酸化剤水溶液中で加温処理すること等によって行わ
れる。分子量が40万を越えると水溶液にした場合に水
溶液の粘度が高く、高濃度キトサン溶液が得られにく
く、又、化粧品等の原料としては使用しにくくなる。
【0012】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中部とあるのは特に断りのな
い限り重量基準である。 実施例1 圧力反応容器にキトサン(95%脱アセチル化、平均分
子量4万)50部、水150部及びプロピレンオキサイ
ド100部を仕込、撹拌下100℃に徐々に昇温する。
そのまま8時間反応させると、圧力は当初5K部/cm
2 から、反応終了時には0.5K部/cm2 まで下が
る。一旦冷却し、室温にてピロリドンカルボン酸(PC
A)20部を添加し、4時間撹拌して反応混合物を溶解
する。20%水酸化ナトリウム水溶液37部を滴下して
中和する。プロピレンオキサイド200部を添加し、7
0℃で8時間反応させる。冷却して反応混合物のpHを
8〜9に調節する。この反応混合物を90℃の熱水5リ
ットル中に撹拌下滴下して目的のヒドロキシプロピルキ
トサンを折出させる。更に熱水5リットルで洗浄した
後、50℃で乾燥し、その後粉砕し、ヒドロキシプロピ
ルキトサン粉末80部を得た。溶液の透明性を見る為
に、得られたヒドロキシプロピルキトサン粉末を95%
エタノールに5%の濃度に溶解し、その透明性を確認し
たところ長期間極めて良好であった。
【0013】実施例2〜6 表1及び表2に示す如く反応条件を種々変えて実施例1
と同様にしてヒドロキシアルキルキトサン粉末を得た。
いずれも透明性は長期間良好であった。 比較例1〜3 表3に示す如く原料及び反応条件を種々変えて実施例1
と同様にしてヒドロキシプロピルキトサン粉末を得た。
比較例1は、実施例1において、原料キトサンを80%
脱アセチル化物に代えて且つ反応途中での酸による溶解
を行わず、反応を1段で行ったものである。比較例2
は、実施例1において、原料キトサンを80%脱アセチ
ル化物に代えて且つ反応途中での酸による溶解を行わ
ず、反応を2段で行ったものである。比較例1及び2共
に得量が悪く、得られたヒドロキシプロピルキトサンの
溶液の透明性は不十分であった。比較例3は、実施例1
において原料キトサンの分子量を50万のものに代えて
行った結果である。反応が進むにつれて高粘度となり、
撹拌が難しい状態であった。又、熱水での精製において
可溶成分が存在する為得量が極端に悪く、ヒドロキシプ
ロピルキトサンの溶液においても一部ゲルが存在し、透
明性も悪かった。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】使用例1(ヘアスプレーへの応用) A液 実施例1で得られたヒドロキシプロピルキトサン 5部 95%エタノール 95部 以下の配合でスプレー容器に充填した。 A液 25部 ジメチルエーテル 35部 ブタン 40部 毛髪に適用すると、しっとり感とつや及び良好なセット
性が得られた。
【0018】使用例2(透明シャンプーへの応用) コカミドプロピルベタイン(35%) 40部 水 54部 実施例3で得られたヒドロキシプロピルヒドロキシブチルキトサン 2部 グルカメート DOE−120 3部 メチルパラベン 1部 以上の配合のシャンプーで洗髪したところ、毛髪の櫛通
り良く、コンディショニング効果に優れていた。
【0019】
【効果】以上の如き本発明によれば、キトサンとアルキ
レンオキサイドとの反応を2段階で行うことによって、
アルキレンオキサイドの付加率が高くなり、水溶液にし
た場合、白濁が生じることなく、長期間透明性を保持す
ることが出来るキトサン誘導体が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 堀口 正二郎 東京都中央区日本橋馬喰町1丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08B 37/08

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キトサンと少なくとも1種のアルキレン
    オキサイドとを反応させるにあたり、反応途中において
    生成している軽度反応物を水性溶剤或は有機溶剤に一旦
    溶解した後、溶解状態で或は軽度反応物を析出させて反
    応を継続することを特徴とするキトサン誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 キトサンが、脱アセチル化度90%以上
    のキトサンである請求項1に記載の誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 キトサンが、脱アセチル化度95〜10
    0%のキトサンである請求項1に記載の誘導体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 キトサンが、脱アセチル化度95〜10
    0%であり且つ分子量が40万以下である請求項1に記
    載のキトサン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 キトサンが、脱アセチル化度が95〜1
    00%であり且つ分子量が1万〜10万である請求項1
    に記載のキトサン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 アルキレンオキサイドが、エチレンオキ
    サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド又
    はそれらの混合物である請求項1に記載のキトサン誘導
    体の製造方法。
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