JP2958194B2 - キトサン誘導体及び化粧品組成物 - Google Patents
キトサン誘導体及び化粧品組成物Info
- Publication number
- JP2958194B2 JP2958194B2 JP23882792A JP23882792A JP2958194B2 JP 2958194 B2 JP2958194 B2 JP 2958194B2 JP 23882792 A JP23882792 A JP 23882792A JP 23882792 A JP23882792 A JP 23882792A JP 2958194 B2 JP2958194 B2 JP 2958194B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chitosan
- parts
- water
- chitosan derivative
- solution
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
更に詳しくは溶液とした場合に該溶液の長期透明性に優
れ、化粧品等の原料として有用であるキトサン誘導体及
び該誘導体を使用する化粧品組成物に関する。
キチンの一種であるヒドロキシプロピル化キトサンは、
例えば、特公昭64−005601号公報に記載されて
おり、又、該公報にはヒドロキシプロピル化キトサンが
水溶性高分子として各種用途に有用であることが記載さ
れている。しかしながら、上記ヒドロキシプロピル化キ
トサンの出発原料であるキトサンは、その脱アセチル化
度が通常70〜80%程度のものである為、ヒドロキシ
プロピル化反応自体に有機溶剤の使用やpHの調整等の
煩雑な条件設定が要求され、均一なヒドロキシプロピル
化キトサンが得られず、多くの不純物を含むという問題
がある。
ンは製造直後には透明性のよい溶液であるが、原料キト
サンの脱アセチル化度が不均一である為、時間の経過と
共に透明性が低下し、化粧品原料や食品添加剤として使
用するには問題がある。これらの不純物の問題はヒドロ
キシプロピル化キトサンが水溶性である為、水中でキト
サンをヒドロキシプロピル化する際に多くの副生物が生
成され、これらの副生物も同様に水溶性であることか
ら、これらの水溶性副生物をヒドロキシプロピル化キト
サンから水洗によって除去することが困難であることに
よる。
プロピル化キトサンの純度の問題は、適当な溶解性を有
する有機溶剤を使用して多数回の分別沈澱で精製した
り、透析等の特別の方法を使用して精製すればある程度
は解決されるが、これらの精製方法はいずれにしてもコ
スト高であり、工業的には使用困難である。従って本発
明の目的は、不純物の含有量が少なく、水溶液とした場
合にも長時間高い透明性を保持することが出来るキトサ
ン誘導体及び該キトサン誘導体を含む化粧品組成物を提
供することである。
によって達成される。即ち、本発明は、脱アセチル化度
が90%以上のキトサンに1種又はそれ以上のアルキレ
ンオキサイドを反応させて得られる95重量%エタノー
ル水溶液に5重量%濃度で可溶であることを特徴とする
キトサン誘導体、及び該キトサン誘導体の水性溶液又は
アルコール溶液からなることを特徴とする化粧品組成物
である。
が90%以上のキトサンを用いることによって、アルキ
レンオキサイドとの反応は有機溶剤を使用せず水中で可
能であり、且つアルキレンオキサイドの付加率が高いの
で95重量%エタノール水溶液に5重量%濃度で可溶で
あり、水溶液にした場合、白濁が生じることなく、長期
間透明性を保持することが出来るキトサン誘導体が提供
される。
発明を更に詳しく説明する。本発明において使用する脱
アセチルキチンとは、カニ、エビ、昆虫等の甲殻或いは
キノコ等に含まれている天然高分子物の1種であるキチ
ンの脱アセチル化物であり、2−アミノ−2−デオキシ
−D−グルコースを1構成単位とする塩基性多糖類であ
る。この様な脱アセチルキチンそれ自体は既に工業的に
生産されており、種々のグレードのものが市場から入手
することが出来るが、工業的に入手されるキトサンの脱
アセチル化度は約70〜80%程度であり、そのままで
は本発明の目的には使用することが出来ない。
るには、特公昭56−34201号公報及び同58−0
0441号公報に詳述されている様に、濃アルカリ溶液
でキチンを脱アセチル化処理し、アルカリ溶液を除いた
後水洗いし、更に濃アルカリ溶液で処理する操作を繰り
返すことによって得られる。特に好ましいキトサンは脱
アセチル化度が95〜100%の完全脱アセチル化キト
サンである。
例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドが挙げられるが、特に好ましい
ものはプロピレンオキサイドである。これらのアルキレ
ンオキサイドは、キトサンのアミノ基1個当たり約5〜
20モルの割合で使用することが好ましい。アルキレン
オキサイドの使用量が少なすぎると、生成物の水に対す
る溶解安定性が不十分となり、多すぎても何らの利益も
ない。
イソプロピルアルコール等のアルコール系有機溶剤を含
有する水性媒体中で行ってもよいが、有機溶剤を含まな
い水中でも容易に行うことが出来る。最も好ましい反応
方法は、水中に前記キトサンを懸濁させ、50〜100
℃の温度で3〜24時間程度反応させることによって、
分散していたキトサン原料はヒドロキシアルキル化の進
行に従って膨潤状態となってくる。次にこの状態で膨潤
分散しているキトサンを含む反応系に適当な鉱酸や有機
酸を添加してpHを2〜5程度に調整して、反応生成物
を完全に水中に溶解させ、この状態で反応系をそのまま
で或いは微酸性からアルカリ性に戻して反応を継続する
ことによって、キトサンを高度にヒドロキシアルキル化
することが出来る。
誘導体の分子量は40万以下が好ましく、更に好ましい
範囲は1万〜10万である。分子量を上記範囲に調整す
る方法は、特開昭61−40303号公報に述べられて
いる様に、キトサン原料又は生成物を過硼酸ナトリウム
等の酸化剤水溶液中で加温処理すること等によって行わ
れる。分子量が40万を越えると水溶液にした場合に水
溶液の粘度が高く、高濃度キトサン溶液が得られにく
く、又、化粧品等の原料としては使用しにくくなる。
明のキトサン誘導体を水、水とアルコール等の有機溶剤
の混合溶媒或はアルコールに溶解し、更に必要に応じ
て、香料、着色剤、その他の副成分を必要に応じて添加
混合して調製され、キトサン誘導体の好適な濃度は0.
5〜5重量%である。本発明の化粧品組成物は人の毛髪
処理用に適しており、スプレー等で噴霧適用した場合、
髪の毛に、さらさらとしながらも優れたしっとり感及び
滑らかさを与え、櫛の通りも良好となる。
具体的に説明する。尚、文中部とあるのは特に断りのな
い限り重量基準である。 実施例1 圧力反応容器にキトサン(95%脱アセチル化、平均分
子量10万)50部、水300部、20%水酸化ナトリ
ウム水溶液6部及びプロピレンオキサイド300部を仕
込、撹拌下70℃で20時間反応させる。冷却して、反
応混合物のpHを8〜9に調節する。この反応混合物を
90℃の熱水5リットル中に撹拌下滴下して目的のヒド
ロキシプロピルキトサンを折出させる。更に熱水5リッ
トルで洗浄した後、50℃で乾燥し、その後粉砕し、ヒ
ドロキシプロピルキトサン粉末81部を得た。更に溶液
の透明性を見る為に、得られたヒドロキシプロピルキト
サン粉末を95%エタノールに5%の濃度に溶解し、そ
の透明性を確認したところ長期間良好であった。
子量4万)50部、水150部及びプロピレンオキサイ
ド100部を仕込、撹拌下100℃に徐々に昇温する。
そのまま8時間反応させると、圧力は当初5K部/cm
2 から、反応終了時には0.5K部/cm2 まで下が
る。一旦冷却し、室温にてピロリドンカルボン酸(PC
A)20部を添加し、4時間撹拌して反応混合物を溶解
する。20%水酸化ナトリウム水溶液37部を滴下して
中和する。プロピレンオキサイド200部を添加し、7
0℃で8時間反応させる。冷却して反応混合物のpHを
8〜9に調節する。この反応混合物を90℃の熱水5リ
ットル中に撹拌下滴下して目的のヒドロキシプロピルキ
トサンを折出させる。更に熱水5リットルで洗浄した
後、50℃で乾燥し、その後粉砕し、ヒドロキシプロピ
ルキトサン粉末80部を得た。溶液の透明性を見る為
に、得られたヒドロキシプロピルキトサン粉末を95%
エタノールに5%の濃度に溶解し、その透明性を確認し
たところ長期間極めて良好であった。
又は2と同様にしてヒドロキシプロピルキトサン粉末を
得た。実施例1と同様にして透明性を確認したところ、
いずれも透明性は長期間良好であった。 比較例1〜3 表3に示す如く原料及び反応条件を種々変えて実施例1
又は2と同様にしてヒドロキシプロピルキトサン粉末を
得た。比較例1と2は、それぞれ実施例1及び2におい
て、原料キトサンを75%又は80%脱アセチル化物に
代えて行ったものであるが、得量が悪く、得られたヒド
ロキシプロピルキトサンの溶液の実施例1と同様にして
確認した透明性は不十分であった。比較例3は、実施例
1において原料キトサンの分子量を50万のものに変え
て行った結果である。反応が進むにつれて高粘度とな
り、撹拌が難しい状態であった。又、、熱水での精製に
おいて可溶成分が存在する為得量が極端に悪く、ヒドロ
キシプロピルキトサンの溶液においても一部ゲルが存在
し、透明性も悪かった。
ト性が得られた。
り良く、コンディショニング効果に優れていた。
サンとして、脱アセチル化度が90%以上のキトサンを
用いることによって、アルキレンオキサイドととの反応
は有機溶剤を使用せず水中で可能であり、且つアルキレ
ンオキサイドの付加率が高いので95重量%エタノール
水溶液に5重量%濃度で可溶であり、水溶液にした場
合、白濁が生じることなく、長期間透明性を保持するこ
とが出来るキトサン誘導体が提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】 脱アセチル化度が90%以上のキトサン
に1種又はそれ以上のアルキレンオキサイドを反応させ
て得られる95重量%エタノール水溶液に5重量%濃度
で可溶であることを特徴とするキトサン誘導体。 - 【請求項2】 キトサンの脱アセチル化度が95〜10
0%である請求項1に記載のキトサン誘導体。 - 【請求項3】 キトサンの脱アセチル化度が95〜10
0%であり且つ分子量が40万以下である請求項1に記
載のキトサン誘導体。 - 【請求項4】 キトサンの脱アセチル化度が95〜10
0%であり且つ分子量が1万〜10万である請求項1に
記載のキトサン誘導体。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のキ
トサン誘導体の水性溶液又はアルコール溶液からなるこ
とを特徴とする化粧品組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23882792A JP2958194B2 (ja) | 1992-08-17 | 1992-08-17 | キトサン誘導体及び化粧品組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23882792A JP2958194B2 (ja) | 1992-08-17 | 1992-08-17 | キトサン誘導体及び化粧品組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0665304A JPH0665304A (ja) | 1994-03-08 |
JP2958194B2 true JP2958194B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=17035864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23882792A Expired - Lifetime JP2958194B2 (ja) | 1992-08-17 | 1992-08-17 | キトサン誘導体及び化粧品組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958194B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101805417A (zh) * | 2010-04-09 | 2010-08-18 | 华南理工大学 | 一种磁场强化制备羟丙基壳聚糖亚铁衍生物的方法 |
-
1992
- 1992-08-17 JP JP23882792A patent/JP2958194B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101805417A (zh) * | 2010-04-09 | 2010-08-18 | 华南理工大学 | 一种磁场强化制备羟丙基壳聚糖亚铁衍生物的方法 |
CN101805417B (zh) * | 2010-04-09 | 2011-12-28 | 华南理工大学 | 一种磁场强化制备羟丙基壳聚糖亚铁衍生物的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0665304A (ja) | 1994-03-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4243802A (en) | Surfactant-soluble cellulose derivatives | |
JP2647166B2 (ja) | カルボキシメチルにより疎水化されたヒドロキシエチルセルロースおよびこれを使用した保護塗料組成物 | |
JP3790278B2 (ja) | 身辺世話用及び家庭用途のためのセルロース系多糖類の流動サスペンション | |
EP0664301A1 (en) | Chitosan derivatives, preparation process thereof and cosmetic compositions containing same | |
JPS63503149A (ja) | N−ヒドロキシブチルキトサンに基く化粧品、新規なn−ヒドキシブチルキトサンおよびその製造法 | |
CA2713849A1 (en) | Crosslinked polysaccharides and methods of production thereof | |
JPH0680704A (ja) | ヒドロキシアルキルキトサン塩、その製造方法及び化粧品組成物 | |
KR19990083100A (ko) | 비이온으로 유도된 전분 및 낮은 voc, 폴리아크릴산 함유 모발 미용 조성물에서의 용도 | |
AU2122999A (en) | Method for preparation of amphoteric guar gum derivatives | |
JP2958194B2 (ja) | キトサン誘導体及び化粧品組成物 | |
JP2005517051A (ja) | 両性多糖類、組成物及び用途 | |
JP2756060B2 (ja) | キトサン誘導体の製造方法 | |
JP2756061B2 (ja) | キトサン誘導体の製造方法 | |
JP2905093B2 (ja) | キトサンの希硫酸水溶液及びその製造方法 | |
JPH0474108A (ja) | 化粧料 | |
JP2619304B2 (ja) | ヒドロキシプロピル化脱アセチル化キチンの製造方法 | |
JPS6363701A (ja) | 水溶性低分子化キトサンの製造方法 | |
JP2573544B2 (ja) | キチン溶液 | |
JPH03234702A (ja) | ヒドロキシプロピル化脱アセチルキチン及びその製造方法 | |
KR100381387B1 (ko) | 키토산유도체의제조방법 | |
JPH089641B2 (ja) | 抵分子量キトサンの製造方法 | |
EP0471866A1 (en) | Modified water-soluble cellulose ether | |
JP3731007B2 (ja) | N−カルボキシアシルキトサン及びその製造方法 | |
EP0457672A1 (en) | Toiletry preparation | |
JP3803123B2 (ja) | 水溶性部分脱アセチル化キチン及びその製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070723 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080723 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 10 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090723 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100723 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110723 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120723 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 13 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120723 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 14 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130723 Year of fee payment: 14 |