JP3076212B2 - 低分子量キトサンの製造方法 - Google Patents
低分子量キトサンの製造方法Info
- Publication number
- JP3076212B2 JP3076212B2 JP07035905A JP3590595A JP3076212B2 JP 3076212 B2 JP3076212 B2 JP 3076212B2 JP 07035905 A JP07035905 A JP 07035905A JP 3590595 A JP3590595 A JP 3590595A JP 3076212 B2 JP3076212 B2 JP 3076212B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chitosan
- molecular weight
- parts
- low molecular
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
法に関し、更に詳しくはキトサンが効率よく且つ任意の
分子量に低分子量化される低分子量キトサンの製造方法
に関する。
ビの甲殻中に含まれる天然高分子物であり、多量に入手
でき、その誘導体であるキトサンは得意な性質、例え
ば、塩基性、保湿性、生理活性等を有することから水処
理技術の凝集剤、化粧品原料、医療用材料、食品添加剤
等の各分野で注目されている。上記キトサンは一般的に
高分子物であり、殆どの一般的溶剤に不溶性であり、唯
一酸性の水に可溶であるが、キトサンの濃度の上昇とと
もに液の粘度が著しく高くなり、例えば、数%以上では
殆どゲル化して使用上取扱困難である。従って、上記の
事情に鑑み、キトサンを低分子量化して高濃度且つ低粘
度のキトサン水溶液を得るための検討が重ねられ、数多
くの提案がなされている。
しては、キトサンを酸水溶液中で加熱して分解する方法
(例えば、特開平1−128775号公報等)、キトサ
ンを酵素によって分解する方法(例えば、特開昭63−
63388号公報等)あるいはキトサンを酸化剤により
分解する方法(例えば、特公昭56−33401号公報
等)等が提案されている。
の方法では、種々の問題点があった。酸分解によるキト
サンの低分子量化は分解の程度を調節することが困難で
あり、また強酸溶媒を使用して加熱するなど反応条件が
厳しく、操作性の悪いものであった。酵素によるキトサ
ンの低分子量化は反応の条件が緩やかであり、さらに酵
素によって反応特異性にバラエティーがあるため低分子
量化の程度を調節しやすいという利点があるが、低分子
量化速度や効率の面で劣るという問題点がある。又、酸
化剤によるキトサンの低分子量化はある程度の低分子量
化は可能であるが、より低分子量化するには酸化剤の濃
度を高くする必要があり、得られた低分子量化物は黄色
〜褐色に着色すると共にアミノ基含有量が低下する等の
問題点があった。従って本発明の目的はキトサンを効率
良く低分子量化でき、且つ低分子量化の程度を簡便に調
節できる方法を提供することである。
によって達成される。すなわち、本発明は、キトサンを
液媒体に分散させ、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸およ
びこれらの塩から選ばれる少なくとも一種の酸化剤で処
理することを特徴とする低分子量キトサンの製造方法で
ある。
して特定の臭素酸系化合物を用いることにより任意の低
分子量化の程度で低分子量キトサンが簡便に効率良く提
供される。これら臭素酸系化合物特有の酸化性が作用し
ているものと推測される。
発明を更に詳しく説明する。本発明において使用するキ
トサンとは、カニやエビの甲殻或いはキノコ等に含まれ
ている天然高分子物の一種であるキチンを脱アセチル化
して得られるものであり、又、キトサン自体を市場から
入手して本発明において使用することができる。これら
のキトサンは通常白色の粉末であり、1%酢酸水溶液中
1重量%濃度の粘度が500cps以上の分子量を有し
ている。
特に水系媒体に0.1及至30重量%の濃度で分散させ
た分散液を調製する。この中に酸化剤としての臭素酸系
化合物を加え、好ましくは0及至60℃の温度で1及至
24時間混合攪拌してキトサンを分解して低分子量化を
行う。本発明において使用する臭素酸系化合物としては
次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸又はこれらの塩が挙げら
れる。塩としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、
マグネシウム、アンモニウム等の如く一般的なものでよ
い。これらの臭素酸系化合物は単独で使用してもよい
し、2種以上を混合して使用してもよい。これらの臭素
酸系化合物の使用量はキトサン100重量部当り0.0
5及至30重量部の範囲が好ましい。上記の範囲を下回
ると低分子量化が困難となり、上記範囲を超えると生成
物の着色の原因となる。更に好ましくは0.1及至10
重量部、より好ましくは0.1及至5重量部の範囲であ
る。また、本発明の効果を妨げない範囲で該臭素酸系化
合物と他のキトサン低分子量化剤とを併用してもよい。
更に、低分子量化剤の他に炭酸ナトリウム、硫酸、等の
pH調整剤の使用も分子量を制御する上で好ましい。
又、酸化剤による低分子量化反応の後に、水素化ホウ素
ナトリウム等の還元剤による処理は、保存安定性の良い
生成物を与えるので好ましい。
は、水あるいは含水有機溶媒が挙げられる。含水有機溶
媒は10重量%以上の水を含むものであり、有機溶媒と
しては炭素数4以下の脂肪族アルコール、脂肪族カルボ
ン酸、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、ハロゲン化脂肪族
カルボン酸等;アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド等;炭素数8以下の炭化水素または炭素数8
以下のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
は、1重量%酢酸水溶液中1重量%濃度の粘度が300
cps以下であり、収率は80%以上である。又、本発
明の低分子量化反応における温度、反応時間、臭素酸系
化合物の種類や量等の調整によって種々の分子量のキト
サンが任意に得られる。本発明にいう「低分子量キトサ
ン」とは、分子量が数万の低分子量キトサンを示す。低
分子キトサンは着色もせず、アミノ基含有量が低下する
こともない。
具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるのは特
に断りのない限り重量基準である。尚、文中、キトサン
の分子量は1重量%酢酸水溶液中1重量%濃度の20℃
における粘度で表示した。
00cps。以下では「粘度5,000cps」と略
す。)100部を2,000部の水に分散させ、表1記
載のように炭酸ナトリウムを溶解した。続いて亜臭素酸
ナトリウム10gを添加し、室温で表1記載の反応時間
で反応させた。反応終了後、生成物を水洗し、50℃で
乾燥した。表1に記載した種々の分子量のキトサンが得
られた。これらは、いずれも無着色で、アミノ基含有量
にも変化は認められなかった。
応において、液媒体のpHと反応時間により種々の分子
量の低分子量化キトサンが得られることがわかる。
0部の水中に分散させ、炭酸ナトリウム2.5部を添加
溶解する。続いて亜臭素酸ナトリウムを表2記載の量添
加して、室温で6時間、攪拌下に反応させた。反応後、
生成物を水洗し、50℃で乾燥して種々の分子量のキト
サンを得た。収量及び粘度を表2に示す。
臭素酸ナトリウムの添加量により任意の分子量の低分子
量キトサンが得られた。生成物は無着色で、アミノ基含
有量にも変化は見られなかった。
0部の水中に分散させ、95%硫酸10部を添加する。
続いて臭素酸ナトリウム5部添加して、40℃で5時
間、攪拌下に反応させた。反応後水酸化ナトリウムでp
H7〜8に中和し、水洗して50℃で乾燥し低分子量キ
トサン88gを得た。得られた低分子量キトサンの粘度
は16cpsであった。このものは無着色で、アミノ基
含有量にも変化は見られなかった。
0部に溶解し、室温で次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有
効塩素10%)5部を添加して4時間反応させ、次亜臭
素酸ナトリウム水溶液を作成した。別途、キトサン(粘
度5,000cps)100部を水1,500部に分散
させ、上記の次亜臭素酸ナトリウム水溶液を添加して室
温で6時間攪拌し反応させた。反応後十分水洗して、得
られた含水キトサンを水酸化ナトリウム10部を水2,
000部に溶解した水溶液中に再分散させ、攪拌下に水
素化ホウ素ナトリウム8部を添加し、室温で6時間反応
させた。水洗して50℃で乾燥し、低分子量キトサン9
2gを得た。得られた低分子量キトサンの粘度は8cp
sであった。又、このものは無着色で、アミノ基含有量
にも変化は見られなかった。
素5部を添加して4時間反応させ、次亜臭素酸カリウム
水溶液を作成した。別途、キトサン(粘度5,000c
ps)100部を水1,500部に分散させ、上記の次
亜臭素酸カリウム水溶液を添加して室温で6時間攪拌し
ながら反応させた。反応後水洗して50℃で乾燥し、低
分子量キトサン90gを得た。得られた低分子量キトサ
ンの粘度は5cpsであった。又、このものは無着色
で、アミノ基含有量にも変化は見られなかった。
0部使用する以外は実施例2と同様にしてキトサンの低
分子量化を行った。結果は表2に示す結果とほぼ同じで
あった。
低分子量化する方法において、キトサンを次亜臭素酸、
亜臭素酸、臭素酸およびこれらの塩から選ばれる少なく
とも一種により低分子量化させることにより任意の低分
子量化の程度で低分子量キトサンが簡便に効率良く提供
される。
Claims (3)
- 【請求項1】 キトサンを液媒体中に分散させ、次亜臭
素酸、亜臭素酸、臭素酸及びこれらの塩から選ばれる少
なくとも一種の酸化剤で処理するすることを特徴とする
低分子量キトサンの製造方法。 - 【請求項2】 水系媒体中で処理する請求項1に記載の
低分子量キトサンの製造方法。 - 【請求項3】 上記酸化剤で処理した後に還元剤で処理
するする請求項1乃至2に記載の低分子量キトサンの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07035905A JP3076212B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 低分子量キトサンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07035905A JP3076212B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 低分子量キトサンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08208708A JPH08208708A (ja) | 1996-08-13 |
JP3076212B2 true JP3076212B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=12455052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07035905A Expired - Lifetime JP3076212B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 低分子量キトサンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3076212B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8082374B2 (en) | 2008-05-20 | 2011-12-20 | Sony Corporation | Information processing apparatus, information processing system, method of processing information, and computer program |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5069405B2 (ja) * | 2005-06-23 | 2012-11-07 | 大日精化工業株式会社 | 微粒子キチンの製造方法 |
JP4976662B2 (ja) * | 2005-06-24 | 2012-07-18 | 大日精化工業株式会社 | キトサン微粒子 |
-
1995
- 1995-02-02 JP JP07035905A patent/JP3076212B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8082374B2 (en) | 2008-05-20 | 2011-12-20 | Sony Corporation | Information processing apparatus, information processing system, method of processing information, and computer program |
US8135870B2 (en) | 2008-05-20 | 2012-03-13 | Sony Corporation | Information processing apparatus and information processing method |
USRE44442E1 (en) | 2008-05-20 | 2013-08-13 | Sony Corporation | Information processing apparatus and information processing method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08208708A (ja) | 1996-08-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4243802A (en) | Surfactant-soluble cellulose derivatives | |
Hudson et al. | Polysaccharides: chitin and chitosan: chemistry and technology of their use as structural materials | |
JPS6348341A (ja) | 水分散性ポリマ−組成物 | |
JP3076212B2 (ja) | 低分子量キトサンの製造方法 | |
CN106519060A (zh) | 一种羧甲基可得然胶的制备 | |
JPH0597902A (ja) | でんぷんエステル | |
JP3076211B2 (ja) | 低分子量キチンの製造方法 | |
JPH0232281B2 (ja) | ||
JPH11116603A (ja) | 高粘性キサンタンガムおよびその製造方法 | |
JPH11343301A (ja) | 微粒子セルロースおよびその製造方法 | |
JPH0691793B2 (ja) | 蛋白質部分分解物、その製法及び用途 | |
EP1299423A1 (de) | Verfahren zur herstellung von hochsubstituierter carboxyalkylstärke | |
JP5110046B2 (ja) | 多糖類複合体及びその製造方法 | |
JPH089641B2 (ja) | 抵分子量キトサンの製造方法 | |
JP2573544B2 (ja) | キチン溶液 | |
JPH08183805A (ja) | 液状物質の粉末化用基材 | |
CN113598192A (zh) | 一种壳聚糖载纳米银抗菌微球及其制备方法 | |
US5112965A (en) | Thickner composition and a method for the preparation thereof | |
JP2023135748A (ja) | キトサンオリゴマー分画方法 | |
JP2007186689A (ja) | 低分子量ヒアルロン酸の製造方法 | |
KR100381387B1 (ko) | 키토산유도체의제조방법 | |
JP2003055641A (ja) | 増粘剤 | |
CN107326125B (zh) | 一种抗菌型皮革加脂剂及其生产工艺 | |
CN109627659A (zh) | 一种抗菌降解型医用pvc塑料的制备工艺 | |
US3236831A (en) | Xanthomonas hydrophilic colloid ethers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080609 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090609 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100609 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110609 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120609 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130609 Year of fee payment: 13 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140609 Year of fee payment: 14 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |