JP3076211B2 - 低分子量キチンの製造方法 - Google Patents
低分子量キチンの製造方法Info
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- JP3076211B2 JP3076211B2 JP07035904A JP3590495A JP3076211B2 JP 3076211 B2 JP3076211 B2 JP 3076211B2 JP 07035904 A JP07035904 A JP 07035904A JP 3590495 A JP3590495 A JP 3590495A JP 3076211 B2 JP3076211 B2 JP 3076211B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は低分子量キチンの製造方
法に関し、更に詳しくはキチンが効率よく且つ任意の分
子量に低分子量化される低分子量キチンの製造方法に関
する。
法に関し、更に詳しくはキチンが効率よく且つ任意の分
子量に低分子量化される低分子量キチンの製造方法に関
する。
【０００２】
【従来の技術】キチンはカニやエビの甲殻中に含まれる
天然高分子物であり、多量に入手できる。キチンは生体
適合性がよく、手術用の縫合糸や人工皮膚等としても用
いられている。又、その誘導体であるキトサンは特異な
性質、例えば、塩基性、保湿性、生理活性等を有するこ
とから水処理技術の凝集剤、化粧品原料、医療用材料、
食品添加剤等の各分野で注目されている。
天然高分子物であり、多量に入手できる。キチンは生体
適合性がよく、手術用の縫合糸や人工皮膚等としても用
いられている。又、その誘導体であるキトサンは特異な
性質、例えば、塩基性、保湿性、生理活性等を有するこ
とから水処理技術の凝集剤、化粧品原料、医療用材料、
食品添加剤等の各分野で注目されている。
【０００３】しかしながら、キチンは一般的に高分子物
であり、殆どの一般的溶剤に不溶性であるため取扱が困
難である。従ってキチンを低分子量化して取扱を容易に
する要望が強く、低分子量化するための種々の方法が提
案されている。キチンを低分子量化する方法としては、
例えば、キチン粉末をジクロル酢酸又はジクロル酢酸と
他の有機溶媒の混合物中で加熱溶解することによって低
分子量化する方法（例えば、特公昭６０−２０５２０号
公報等）、キチンをプロトン酸中で分解させて低分子量
化合物とする方法（例えば、特開昭５７−１４３５０９
号公報等）あるいはキチンを酵素で分解する方法（例え
ば、特開平５−５６７９２号公報等）等が提案されてい
る。
であり、殆どの一般的溶剤に不溶性であるため取扱が困
難である。従ってキチンを低分子量化して取扱を容易に
する要望が強く、低分子量化するための種々の方法が提
案されている。キチンを低分子量化する方法としては、
例えば、キチン粉末をジクロル酢酸又はジクロル酢酸と
他の有機溶媒の混合物中で加熱溶解することによって低
分子量化する方法（例えば、特公昭６０−２０５２０号
公報等）、キチンをプロトン酸中で分解させて低分子量
化合物とする方法（例えば、特開昭５７−１４３５０９
号公報等）あるいはキチンを酵素で分解する方法（例え
ば、特開平５−５６７９２号公報等）等が提案されてい
る。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】従来、キチンを低分子
量化するために行われている酸加水分解では分解の程度
を調節することが困難であり、また強酸溶媒を使用して
加熱するなど反応条件が厳しく、操作性の悪いものであ
った。一方、分解酵素を用いた低分子量化方法では、反
応の条件が緩やかであり、さらに、酵素によって反応特
異性にバラエティーがあるため、低分子量化の程度を調
節しやすいという利点があるが、低分子量化速度や効率
（２０％以下）の面で劣る問題点がある。従って本発明
の目的はキチンを効率良く低分子量化でき、且つ低分子
量化の程度を簡便に調節できる方法を提供することであ
る。
量化するために行われている酸加水分解では分解の程度
を調節することが困難であり、また強酸溶媒を使用して
加熱するなど反応条件が厳しく、操作性の悪いものであ
った。一方、分解酵素を用いた低分子量化方法では、反
応の条件が緩やかであり、さらに、酵素によって反応特
異性にバラエティーがあるため、低分子量化の程度を調
節しやすいという利点があるが、低分子量化速度や効率
（２０％以下）の面で劣る問題点がある。従って本発明
の目的はキチンを効率良く低分子量化でき、且つ低分子
量化の程度を簡便に調節できる方法を提供することであ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。すなわち、本発明は、キチンを液
媒体中で次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸及びこれらの塩
から選ばれる少なくとも一種の酸化剤で処理することを
特徴とする低分子量キチンの製造方法である。
によって達成される。すなわち、本発明は、キチンを液
媒体中で次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸及びこれらの塩
から選ばれる少なくとも一種の酸化剤で処理することを
特徴とする低分子量キチンの製造方法である。
【０００６】
【作用】キチンの低分子量化反応において、酸化剤を用
いることにより任意の低分子量化の程度で低分子量キチ
ンが簡便に効率良く提供される。
いることにより任意の低分子量化の程度で低分子量キチ
ンが簡便に効率良く提供される。
【０００７】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明において使用するキ
チンとは、カニやエビの甲殻或いはキノコ等に含まれて
いる天然高分子物の一種である。これらのキチンは通常
白色で溶媒に不溶の粉末である。キチンの分子量はキチ
ンを脱アセチル化によりキトサンとした後、該キトサン
の酢酸水溶液粘度で表す。一般にキチンの分子量はキト
サンとしての１％酢酸水溶液中１重量％濃度の２０℃に
おける粘度で５００ｃｐｓ以上である。本発明において
は上記キチンを水系溶媒に０．１〜３０重量％の濃度で
分散させて分散液を調製する。この中に酸化剤を加え、
好ましくは０〜６０℃の温度で１〜２４時間攪拌してキ
チンを分解して低分子量化を行う。
発明を更に詳しく説明する。本発明において使用するキ
チンとは、カニやエビの甲殻或いはキノコ等に含まれて
いる天然高分子物の一種である。これらのキチンは通常
白色で溶媒に不溶の粉末である。キチンの分子量はキチ
ンを脱アセチル化によりキトサンとした後、該キトサン
の酢酸水溶液粘度で表す。一般にキチンの分子量はキト
サンとしての１％酢酸水溶液中１重量％濃度の２０℃に
おける粘度で５００ｃｐｓ以上である。本発明において
は上記キチンを水系溶媒に０．１〜３０重量％の濃度で
分散させて分散液を調製する。この中に酸化剤を加え、
好ましくは０〜６０℃の温度で１〜２４時間攪拌してキ
チンを分解して低分子量化を行う。
【０００８】本発明において使用する酸化剤としては、
次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸又はこれらの塩が挙げら
れる。塩としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、
マグネシウム、アンモニウム等の如く一般的なものでよ
い。これらの酸化剤は単独で使用してもよいし、２種以
上を混合して使用してもよい。これらの酸化剤の使用量
はキチン１００重量部当り０．０５及至３０重量部、好
ましくは０．１〜１０重量部、更に好ましくは０．１〜
５重量部の範囲である。また本発明の効果を妨げない範
囲で他のキチン低分子量化剤と併用してもよい。更に、
炭酸ナトリウム、硫酸等のｐＨ調整剤を使用することが
できる。酸化剤による低分子量化終了後、水素化ホウ素
ナトリウム等の還元剤で還元処理することにより、保存
安定性の良い生成物が得られるので好ましい。
次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸又はこれらの塩が挙げら
れる。塩としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、
マグネシウム、アンモニウム等の如く一般的なものでよ
い。これらの酸化剤は単独で使用してもよいし、２種以
上を混合して使用してもよい。これらの酸化剤の使用量
はキチン１００重量部当り０．０５及至３０重量部、好
ましくは０．１〜１０重量部、更に好ましくは０．１〜
５重量部の範囲である。また本発明の効果を妨げない範
囲で他のキチン低分子量化剤と併用してもよい。更に、
炭酸ナトリウム、硫酸等のｐＨ調整剤を使用することが
できる。酸化剤による低分子量化終了後、水素化ホウ素
ナトリウム等の還元剤で還元処理することにより、保存
安定性の良い生成物が得られるので好ましい。
【０００９】本発明において使用する液媒体としては、
水系媒体が好ましく、水又は含水有機溶媒が挙げられ
る。含水有機溶媒は１０重量％以上の水を含むものであ
り、有機溶媒として炭素数４以下の脂肪族アルコール、
脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、ハロ
ゲン化脂肪族カルボン酸；アセトン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド；炭素数８以下の炭化水素または
炭素数８以下のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
水系媒体が好ましく、水又は含水有機溶媒が挙げられ
る。含水有機溶媒は１０重量％以上の水を含むものであ
り、有機溶媒として炭素数４以下の脂肪族アルコール、
脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ脂肪族カルボン酸、ハロ
ゲン化脂肪族カルボン酸；アセトン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド；炭素数８以下の炭化水素または
炭素数８以下のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
【００１０】以上の本発明で得られるキチンの分子量は
キトサンとしての１％酢酸水溶液中１重量％濃度の粘度
が３００ｃｐｓ以下であり、収率は８０％以上である。
又、本発明の低分子量化反応における温度、反応時間、
酸化剤の種類や量等の調整によって種々の分子量のキト
サンが任意に得られる。
キトサンとしての１％酢酸水溶液中１重量％濃度の粘度
が３００ｃｐｓ以下であり、収率は８０％以上である。
又、本発明の低分子量化反応における温度、反応時間、
酸化剤の種類や量等の調整によって種々の分子量のキト
サンが任意に得られる。
【００１１】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部または％とあるのは特
に断りのない限り重量基準である。又、キチンの分子量
はキチンを４５％水酸化ナトリウム中で脱アセチル化反
応を行いキトサンとした後、該キトサンの１重量％酢酸
水溶液中１重量％濃度の２０℃における粘度で表した。
具体的に説明する。尚、文中、部または％とあるのは特
に断りのない限り重量基準である。又、キチンの分子量
はキチンを４５％水酸化ナトリウム中で脱アセチル化反
応を行いキトサンとした後、該キトサンの１重量％酢酸
水溶液中１重量％濃度の２０℃における粘度で表した。
【００１２】実施例１ キチン（キトサンとしての１％酢酸水溶液中１％濃度で
粘度５，０００ｃｐｓ、以下「キトサンとしての粘度
５，０００ｃｐｓ」と略す。）１００部を２，０００部
の水中に分散させ、炭酸ナトリウム２．５部を添加溶解
してｐＨを約１０とする。続いて亜臭素酸ナトリウムを
後記表１に記載の量で添加して、室温で６時間攪拌し反
応させた。反応後水洗して５０℃で乾燥し種々の分子量
の着色のないキチンを得た。結果を表１に示す。表１の
結果から上記キチンの低分子量化反応において亜臭素酸
ナトリウムの添加量により任意の分子量のキチンが得ら
れることが分かる。
粘度５，０００ｃｐｓ、以下「キトサンとしての粘度
５，０００ｃｐｓ」と略す。）１００部を２，０００部
の水中に分散させ、炭酸ナトリウム２．５部を添加溶解
してｐＨを約１０とする。続いて亜臭素酸ナトリウムを
後記表１に記載の量で添加して、室温で６時間攪拌し反
応させた。反応後水洗して５０℃で乾燥し種々の分子量
の着色のないキチンを得た。結果を表１に示す。表１の
結果から上記キチンの低分子量化反応において亜臭素酸
ナトリウムの添加量により任意の分子量のキチンが得ら
れることが分かる。
【００１３】
【表１】
【００１４】実施例２ キチン（キトサンとしての粘度５，０００ｃｐｓ）１０
０部を２，０００部の水中に分散させ、これに炭酸ナト
リウム２．５部を添加し溶解する。表２記載の酸化剤及
び量、温度、時間で反応させた。反応後水洗して５０℃
で乾燥した。
０部を２，０００部の水中に分散させ、これに炭酸ナト
リウム２．５部を添加し溶解する。表２記載の酸化剤及
び量、温度、時間で反応させた。反応後水洗して５０℃
で乾燥した。
【００１５】
【表２】
【００１６】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、キチンを低
分子量化する方法において、キチンを次亜臭素酸、亜臭
素酸、臭素酸及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一
種の酸化剤により低分子量化させることにより任意の低
分子量化の程度で低分子量キチンが簡便に効率良く提供
される。
分子量化する方法において、キチンを次亜臭素酸、亜臭
素酸、臭素酸及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一
種の酸化剤により低分子量化させることにより任意の低
分子量化の程度で低分子量キチンが簡便に効率良く提供
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山南 隆徳 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目７番６ 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 堀口 正二郎 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目７番６ 号 大日精化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平３−163092（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−287102（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C08B 37/08 ＣＡ（ＳＴＮ)
Claims (1)
- 【請求項１】 キチンを液媒体中で次亜臭素酸、亜臭素
酸、臭素酸及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一種
の酸化剤で処理することを特徴とする低分子量キチンの
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07035904A JP3076211B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 低分子量キチンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07035904A JP3076211B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 低分子量キチンの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08208707A JPH08208707A (ja) | 1996-08-13 |
| JP3076211B2 true JP3076211B2 (ja) | 2000-08-14 |
Family
ID=12455024
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07035904A Expired - Lifetime JP3076211B2 (ja) | 1995-02-02 | 1995-02-02 | 低分子量キチンの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3076211B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4758685B2 (ja) * | 2005-06-14 | 2011-08-31 | 大日精化工業株式会社 | 低分子量キチン微粉末 |
| JP5069405B2 (ja) * | 2005-06-23 | 2012-11-07 | 大日精化工業株式会社 | 微粒子キチンの製造方法 |
-
1995
- 1995-02-02 JP JP07035904A patent/JP3076211B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08208707A (ja) | 1996-08-13 |
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