JP4758685B2 - 低分子量キチン微粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、低分子量キチンに関し、さらに詳しくは各種機能性材料の原料として有用である低分子量キチン粉末に関する。
キチンは、エビやカニなどの甲殻中に存在する多糖であり、一般的にはそれら甲殻から炭酸カルシウムやタンパク質などを分解除去することによって得られる(なお、本明細書における「キチン」とは脱アセチル化キチンも含む)。工業的に生産されたキチンは生理活性を持つ天然機能性高分子として、例えば、火傷創傷被覆材、生分解性高分子材料および植物活性調整剤などとして既に実用化されている。
キチンは高分子化合物で、通常その分子量は百万を超えるが、生分解性の難易度や生分解速度の観点からは、低分子量のキチンの方が好ましい。従って特に高い機械的強度を必要としない、例えば、植物活性調整剤などの用途では低分子量キチンの方が汎用性に富んでいる場合が多い。このため、キチンを低分子量化する方法としては、キチンをジクロル酢酸、またはジクロル酢酸と他の有機溶媒との混合溶媒中に加熱溶解する方法(特許文献1)、およびキチンをプロトン酸中で分解して低分子量化する方法(特許文献2)が報告されている。また、本発明者などは、以前に酸化分解法によるキチンの低分子量化方法を提案した(特許文献3)。
さらに、キチンが生体適合性のよい、生分解性のリニューアブルな高分子化合物であることを利用する方法として、各種基材との複合化が試みられている。キチンの機能付与を目指した複合化方法としては、例えば、キチン粒子(粉末)と他の高分子化合物との複合化が挙げられる。この複合化方法は、キチン・セルロースブレンド繊維の場合のように、両者がともに溶液でなければならないという制約がなく汎用性に優れている。例えば、低融点のポリエチレン溶融物中にキチン粒子を混合することによって、簡便にキチン・ポリエチレン複合体を得ることができる。
また、基材としての高分子溶液にキチン粒子を混合した溶液から常法に従ってキチン粒子含有粒子、繊維、膜などを得ることができる。このキチン粒子を使用する複合方法は、基本的に複合する相手に対する制約が少なく、汎用性が広い点で大きなメリットがあるが、複合化されたキチン粒子と相手の高分子化合物との間に充分な化学的な結合がなく、単に物理的あるいは電気的な力で複合化されているに過ぎないことが多い。特にキチン粒子の粒径が充分に微小でないと、複合物などからのキチン粒子の脱落が問題になり、微粒子のキチンが望まれている。
特公昭60−20520号公報 特開平5−56792号公報 特開平8−208707号公報
例えば、キチンビスコースとセルロースビスコースとを混合したドープを溶液紡糸して得られるキチン・セルロースブレンド繊維は、麻様の風合いを持ったユニークな生分解性繊維となることが知られている。この複合化例では、キチンおよびキチンと複合化する基材の両方が高濃度、かつ低粘度の一定の粘度範囲の溶液であることが好ましい。言うまでもなく一定範囲の低粘度のキチンビスコース溶液を得るためには、一定範囲の低分子量のキチンが必要であるが、これまで市販されているキチンの中にこのような低分子量のキチンは見つからない。
特に上記のジクロル酢酸あるいは濃塩酸などに溶解してキチンを低分子量化しようとすると、キチンが一気にオリゴマーから単量体であるD−グルコサミンにまで分解されてしまい、高分子化合物としての機能を保った範囲で極低分子量のキチンを得ることが難しい。
また、キチンを一旦溶剤に溶解した後キチンを再生する方法は、操作が煩雑なうえ、脱アセチル化度が30%〜55%のキチンでも水に可溶となってしまい、キチンの一つの特徴である耐水性が失われてしまう。このことはキチンと他の高分子化合物を複合する際、キチン粒子の脱落を一層助長することになる。この意味からも、原料からキチンを単離、粉末化するにあたり、該キチンを溶解する工程を経ずに製造したキチンで、繊維、膜としての実用的な機械強度を保持できない程過度に低分子量化したオリゴマーではなく、高分子化合物としての機械的強度などの特徴を保持しつつ、加工性や生分解性に優れた一定範囲の分子量を有する極低分子量のキチンが望まれている。
上記極低分子量のキチンを製造するうえで、前記特許文献3に記載した酸化分解法が適しているが、この方法では酸化分解生成物中に酸化剤が残留するというリスクがあるため、当該方法によって得られたキチンは食品用途には使用しにくい。また、キチンは高分子化合物の中でも特に難粉砕性の物質であり、現状市販されている乾式粉砕機でキチンを低分子量化することなしに粉砕しても、他の高分子化合物との複合化に好適である粒径100μm以下の微粒子キチン類を得ることは極めて困難であった。
そのため、キチンを塩酸あるいは硫酸に溶解後、多量の水を加えることにより、コロイド状のキチンを製造する方法(「1.2コロイド状キチンの調製法」キチン、キトサン実験マニュアル、p5、キチン キトサン研究会編、技報堂出版株式会社、1991年3月25日1版1刷発行)があり、また、キチンを一旦溶液とした後、噴霧乾燥あるいは沈澱法により粉体を得る方法(特開昭63−20302号公報および特開昭55−133401号公報)も公開されている。
上記の方法で得られるキチンは、何れも溶媒中にキチンが分散、あるいは溶解しているため、溶液分散タイプで使用可能な用途には適しているが、乾燥粉体でなければならない、例えば、プラスチックとの複合用途には使用できない。また、これの分散液を脱溶剤乾燥して粉末化を試みると、キチン粒子の凝集が避けられない。また、希薄溶液からのキチン粉末の製造には、乾燥時に多大のエネルギーを必要とし不経済である。
従って本発明の目的は、一定範囲の低分子量かつ微粒子のキチンを工業的規模で提供することにある。
また、本発明の別の目的は、キチン含有生物原料中のキチンから本発明の目的であるキチン粉末を得るまで、該キチンを溶解する工程を経ずにキチン粉末を得ることである。
また、本発明の別の目的は、脱アセチル化度10〜60%であり、水不溶性であり、かつ脱アセチル化してキトサンとして溶液粘度を測定したとき、キトサンの1質量%溶液粘度が500mPa・s〜1.5mPa・sでかつ粒度が粒径100μm以下の粒子が90%以上であるキチンを工業的規模で提供することにある。
上記目的は以下の構成の本発明によって達成される。
1.粒径100μm以下の粒子が90%以上を占める微粉体からなる、脱アセチル化度が10〜60%の水不溶性であるキチン粉末であり、かつ、そのキチン粉末を42.0質量%水酸化ナトリウム水溶液に加えて、窒素気流下、撹拌しながら60℃±1℃で保持して1質量%希酢酸水溶液に可溶なキトサンとした場合における該キトサンの蒸発残分濃度が1質量%である1質量%希酢酸水溶液の、20℃での粘度が500mPa・s〜1.5mPa・sであることを特徴とする低分子量キチン粉末。
キトサンの蒸発残分濃度が1質量%である1質量%希酢酸水溶液の、20℃での粘度が250mPa・s〜2mPa・sであり、かつ粒径80μm以下の粒子が90%以上を占める前記1に記載の低分子量キチン粉末。
.粒径50μm以下の粒子が90%以上を占める微粉体からなるキチン粉末である前記1に記載の低分子量キチン粉末。
トサンの蒸発残分濃度が1質量%である1質量%希酢酸水溶液の、20℃での粘度が100mPa・s〜2mPa・sであり、かつ粒径50μm以下の粒子が90%以上を占める前記1に記載の低分子量キチン粉末。
最終的にボールミルあるいはジェットミルで粉砕したものであって、粒径80μm以下の粒子が90%以上を占める前記1に記載の低分子量キチン粉末。
さらに、1μm以下の粒子が10%以下である前記1に記載の低分子量キチン粉末。
7.微粉体の粒度分布の中心が、4.2μm〜30μmである前記1に記載の低分子量キチン微粉末。
8.ボールミルあるいはジェットミル以外の、衝撃またはずり応力付加型のキトサンの低分子量化を引き起こす能力を持った少なくとも1種の粉砕機で粉砕した後に、最終的にボールミルあるいはジェットミルで粉砕して得られた前記に記載の低分子量キチン粉末。
9.キチンを天然物原料から単離および粉末化するに際し、キチンを一度も溶解することなく単離および粉末化してなる前記1に記載の低分子量キチン粉末。
本発明によれば、他の高分子化合物などの複合化に有効に利用できる低分子量キチン粉末が提供される。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
現状工業的に生産されているキチンは、カニ、エビ、シャコなどの甲殻、あるいはイカの甲を原料としている。本発明者らは、キチンを一旦塩酸、硫酸などで酸加水分解して、これらキチン原料中に存在するキチンより多少でも低分子量化したキチンとし、このキチンを出発物質として、過酸化水素、次亜塩素酸などの酸化剤で酸化分解する方法;塩酸、硫酸などで酸加水分解などの化学分解で低分子量化する方法;電子線照射によって低分子量化する方法;ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミルなどの各種粉砕機で機械的応力によって低分子量化する方法の何れか単独、あるいは2種以上を組み合わせることにより得られたキチン粉末であり、これを脱アセチル化してキトサンとして溶液粘度を測定したとき、キトサンの1質量%溶液粘度が500mPa・s〜1.5mPa・sであるキチンが、キチンの重要な特徴の一つである成膜性を保持しつつ、低分子量化前のキチンより格段に生分解性や粉砕性に優れていることを見出した。
キチンは、難粉砕性物質であり、これまで原料中のキチンから、キチンを溶解する工程を経ずに、目的とする分子量のキチン微粒子を製造することは困難であった。特に原料中のキチンから、該キチンを溶解する工程を経ずに目的とする分子量のキチンで粒径100μm以下の粒子が90%以上であるキチン微粒子乾燥粉体、その中でも粒径80μm以下の粒子が90%以上であるキチン微粒子乾燥粉体を製造することは極めて困難であった。
これに対し、本発明によれば、前記低分子量化キチンを最終的にボールミルあるいはジェットミルで粉砕することにより、粒径50μm以下の粒子が90%以上であるキチン微粒子乾燥粉体が得られた。さらにジェットミルでは、平均粒子径3.6μm、粒径10μm以下の粒子が100%であり、粒径1〜10μmの粒子が99%以上のキチン極微粒子乾燥粉体を得ることができた。このようにして得られたキチン微粉末は、これを脱アセチル化してキトサンとして、そのキトサンの1質量%溶液粘度は6mPa・sであった。また、粘度測定後のキトサン溶液をガラス板上に流延し乾燥したところ、高分子化合物の1指標となるフィルムが得られた。また、脱アセチル化度は20%で、実質的に水および希酢酸水溶液に不溶であった。
キチンを先に説明した低分子量化することなく、そのまま粉砕しようとしても目的の粒径100μm以下の粒子が90%以上であるキチン微粒子乾燥粉体を効率よく得ることはできなかった。また、ジェットミルあるいはボールミル以外の、例えば、ハンマーミル、ピンミルなどの衝撃型粉砕機では、粒径80μm以下のキチン粒子が90%以上であるキチン微粒子乾燥粉体を効率よく得ることはできなかった。キチン粉末中に粒径100μm以上のキチン粒子が10%を超えて存在すると、当該キチン粉末と他の高分子化合物との複合成形体表面の平滑性に欠ける点が大きくなり、当該成形品の商品価値が低下する。また、キチン粉末中に1μm未満のキチン粒子が10%以上になるまで粉砕することは経済的な面で不利である。
キチンは、カニ、エビなどの甲殻類の甲殻、微生物の細胞壁、キノコなど、自然界に広く分布する多糖で本来的にはキチン含有生物中のキチンの何れも本発明の対象となり得るが、実際的には収穫しやすさなどの理由から、カニ、エビ、シャコなどの甲殻、あるいはイカの甲が原料として使用されており、本発明においてもこれらを使用することが好ましい。また、従来知られている、例えば、EDTAを使用する方法、タンパク分解酵素を使用する方法、ハックマンの方法あるいはその改良法によって単離したキチンの何れも使用可能である。単離純度も必ずしも100%である必要はなく、目的に応じてキチン含有生物中にキチンと共存しているタンパク質や無機物を残したものでもよい。場合によってはこれらキチン含有生物からキチンを単離せず、そのまま処理してキチン含有微粒子とすることもできる。
また、本発明ではキチンを脱アセチル化したものもキチンに含める。この場合、脱アセチル化度は10〜60%が好ましい。脱アセチル化度が10%未満のキチンを製造することは経済的でなく、また、脱アセチル化度60%を超えると、該脱アセチル化物が希酢酸水溶液に溶解してしまうために、各種高分子化合物との複合の点からは好ましくない。
キチンを有効に溶解できる溶媒としては、ジメチルアセトアミド−塩化リチウム系などの特殊な溶媒しか知られておらず、キチン自身の分子量の測定は困難である。そこで本発明においては以下の方法でキチンを脱アセチル化して希酢酸水溶液に可溶なキトサンとし、その希酸水溶液粘度を本発明のキチンの分子量の指標とする。
具体的には電気伝導度1μS以下のイオン交換水および試薬特級グレードの水酸化ナトリウムを使用して42質量%水酸化ナトリウム水溶液を調製する。この42.0質量%水酸化ナトリウム水溶液500gを500mlの4つ口セパラブルガラスフラスコに入れ、4つの口にガラス製櫂型羽根付攪拌棒、温度計および窒素導入管(導入管の先端がフラスコ内溶液表面から少なくとも1/3以上液中に浸漬するようセットする)、コンデンサーをセットし、流量約2L/分の窒素気流下、100〜150回転/分にて攪拌しながら100℃まで加熱し、10〜20分間100〜105℃に保持した後、20℃まで冷却する。窒素は終始流したまま、キチン粉末20gを加え、流量約2L/分の窒素気流下、20℃にて100〜150回転/分にて1時間攪拌した後、約1時間かけて60℃まで昇温し、温度60±1℃で16時間攪拌する。
その後、速やかに内容物(キトサン)と水酸化ナトリウム水溶液をろ別し、ろ別したキトサンを10〜15℃のイオン交換水1Lに加え、10分間攪拌した後、キトサンをろ別する。この操作を15回繰り返す。その後、真空乾燥機中減圧下50℃で16時間乾燥して含水率10%以下の乾燥キトサンを得る。以後の粘度測定にはこのキトサンを使用するが、蒸発分補正のために、このキトサンを105℃、24時間乾燥し、乾燥減量(A質量%)を求め、蒸発残分「(100−A)%」を計算しておく。
溶液粘度は測定可能粘度範囲があるので、一台の粘度計で対応するため、測定溶液の濃度を2種類とする。極低分子量キトサンの粘度測定はキトサン蒸発残分「(100−A)%」濃度1質量%、酢酸濃度1質量%とし、低分子量キトサンの濃度測定はキトサン蒸発残分「(100−A)%」濃度0.5質量%、酢酸濃度0.5質量%とする。
200mlガラスビーカーに電気伝導度1μS以下のイオン交換水約150gを取り、20℃とする。これに上記で得た乾燥キトサンの蒸発残分質量で2.0g(1質量%溶液)、あるいは1.0g(0.5質量%溶液)を入れ、長さ約50mm、太さ約8mmの樹脂コーティングした回転子にて20〜22℃、約1分間低速で攪拌する。次に試薬特級グレード酢酸2.0g(1質量%溶液)、あるいは1.0g(0.5質量%溶液)を加え、さらに電気伝導度1μS以下のイオン交換水を加えて、最終的に液量が200.0gになるよう調整した後、20〜22℃で攪拌する。
ビーカー上部をラップ類などで蓋をした後、溶液粘度の上昇に合わせて液表面の中心部が1〜2mm程度へこむ程度に回転数を調整し温度20〜22℃で攪拌を3時間続ける。その後攪拌を止め温度20〜22℃で10時間静置する。その後、温度20〜22℃で液表面の中心部が1〜2mm程度へこむ程度に回転数を調整し攪拌を1時間続けた後、20℃で回転粘度計(東機産業(株)、TV−10M型)にて粘度測定を行う。粘度計の回転数30rpm、測定時間1分とし、溶液粘度が2〜20mPa・sのときはローターナンバー19のローター、溶液粘度が20〜200mPa・sのときはローターナンバー20のローター、溶液粘度が400〜4,000mPa・sのときはローターナンバー22のローターを使用する。
キチンの脱アセチル化度は以下の方法で測定する。基本的にはキチンをp−トルエンスルホン酸で加水分解し、遊離する酢酸をヨウ素に吸収させ、残存するヨウ素をチオ硫酸ナトリウムで滴定することによって酢酸のモル数(m)を求める。この(m)は同時にキチン中のN−アセチルグルコサミン単位のモル数である。キチン中のグルコサミン単位のモル数を(n)とすると、
n=(キチン質量−203m)/161
脱アセチル化度%=n/(m+n)×100
上記分析は基本的にEKEKとHARTEの方法(Ind.Eng.Chem.,Anal.Ed.8(4)267(1936))で行うが、キチンは吸湿性が高いので、精秤することが難しい。そこで、以下の工夫を行う。
キチン微粒子を真空乾燥機中、減圧下、60℃で24時間予備乾燥させておく。別にパイレックス(登録商標)ガラス管の一端を溶融して閉じた後、膨らませて浮沈子を作製する。その大きさは以降の分析に使用するガラス容器に挿入できる大きさとする。この浮沈子の開放されている一端を密閉できるポリプロピレン製(以降の分析に障害をおこす物質を含まないことを確認する。)の蓋を用意する。この浮沈子および蓋を真空乾燥機中、減圧下、60℃で24時間予備乾燥および乾燥剤入りデシケータを使用して常法により恒量にし、質量(A質量部)を測定しておく。次にこの浮沈子中にキチン微粒子を入れ、ポリプロピレン製蓋とともに、浮沈子の開放されている一端を開放したまま上向きに垂直に立てて、真空乾燥機中、減圧下、60℃で24時間乾燥後、静かに減圧を解除し、常圧下105℃で2時間乾燥する。その後乾燥機を開け、乾燥機中で速やかに浮沈子の開放口をポリプロピレン製蓋で塞ぎ、デシケーター中で放冷して質量(B質量部)を測定する。
次に浮沈子の蓋をはずしEKEKとHARTE法の加水分解のためのガラスフラスコに入れる。その後ガラスフラスコの上部からガラス棒を入れ、フラスコ中の浮沈子の膨らんだ部分を割った後、ガラス棒をフラスコ中で少量の蒸留水にて洗浄後、引き抜いて、滴下ロート、コンデンサー、受け器、減圧ライン、キチン以外の試薬をEKEKとHARTE法の通りセットする。念のため、加水分解時間は5時間とし、その後は生成した酢酸のヨウ素液への吸収、ヨウ素液のチオ硫酸ナトリウム滴定を行い、滴定量から酢酸のモル数(m)を求め、これと仕込んだキチン質量(B−A)を使用して上記式により脱アセチル化度を算出する。
キチン微粒子の粒度は以下の方法で測定する。粒度分布の測定は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置〔(株)堀場製作所製LA−300(レーザー光波長;650nm)〕を用いて行い、キチン微粒子30〜50mgを試薬特級グレードのメタノール100mlと混合し、超音波バス(出力300W、周波数40kHz)で1分間分散させた後、バッチ式セルにセットし、透過率が70〜95%の範囲内になるように試料濃度を調整した後、測定した。測定条件としては、データ取り込み回数10回、反復回数30回、屈折率は1.50−0.00iの値を入力し、粒度分布は体積基準として計算を行った。
キチンを先ず塩酸、硫酸などのプロトン酸で低分子量化する。キチン単離の際の塩酸による脱炭酸カルシウム工程で同時にキチンの低分子量化を行うと好都合である。例えば、カニ殻1質量部を水30質量部に分散させておき、これに1質量部以上の塩酸を加え、20℃以上で好ましくは30℃以上で5時間以上攪拌する。これによって得られたキチンをキトサン化したときの0.5質量%溶液粘度が500mPa・s以下にまで低分子量化したキチンが得られる。
このキチンを過酸化水素、次亜塩素酸などの酸化剤で酸化分解する方法、あるいは塩酸、硫酸などで酸加水分解する方法などの化学分解で低分子量化する方法;電子線照射によって低分子量化する方法;ピンミル、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミルなどの各種粉砕機で機械的応力によって低分子量化する方法があり、これらのどの方法も基本的には使用可能であるが、それぞれ一長一短があり、また最終目的物がキチン微粒子であるので、上記の低分子量化する方法は、単独でもよいが目的に応じて組み合わせて使用することが好ましい。
例えば、電子線によるキチンの低分子量化が操作としては最も簡便であり、これと粉砕機との組み合わせが有効であるが、電子線照射物は食品用途には使用できないという制限がある。化学分解は通常水中反応なので、粉砕前に乾燥する必要がある。
この意味からは粉砕機による低分子量化方法が最も有効であり、特に粒径100μm以下の粒子が90%以上であるキチン微粒子乾燥粉体、その中でも粒径80μm以下の粒子が90%以上であるキチン微粒子乾燥粉体を得るためには、ジェットミルあるいはボールミルが有効であるが、事前に低分子量化していないキチン含有原料生物そのまま、あるいはキトサンにしたときの0.5質量%溶液粘度が700mPa・s以上であって、必要な低分子量化をしていないキチンを粉砕機単独で粉砕しても、実用範囲の効率で本発明の目的の粒度のキチン微粒子乾燥粉体にすることはできない。
そこで最終的にジェットミルあるいはボールミルで粉砕する前に、最終的に使用する粉砕機がジェットミルの場合はジェットミル以外のハンマーミル、ピンミル、ボールミル、振動ミル、遊星運動ミルなどの衝撃および/またはずり応力型のキチンの低分子量化を引き起こす能力を持った粉砕機で低分子量化することが望ましい。また、最終的に使用する粉砕機がボールミルの場合はボールミル以外のハンマーミル、ピンミル、ジェットミル、振動ミル、遊星運動ミルなどの衝撃および/またはずり応力型のキチンの低分子量化を引き起こす能力を持った粉砕機で低分子量化することが望ましい。
キチンの低分子量化並びに粉砕条件は、目的とするキチン微粒子乾燥粉体の希望粒度、分子量および脱アセチル化度、あるいはそれらの組み合わせに応じて適切に選択すればよい。得られたキチン微粒子乾燥粉体は水分を含んでいてもよく、特に再乾燥しなくてもよいが、粉砕後の水分量が10質量%以上であり、水分量をそれ以下にすることが必要な場合は、粉砕後に再度乾燥してもよい。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
目開き4mmのふるいを通過させた粗砕カニ殻1質量部を水30質量部に分散させておき、これに1質量部以上の塩酸を加え、20℃以上、好ましくは30℃以上で5時間以上攪拌する。その後、脱カルシウムされたカニ殻をろ別し、水30質量部中に再分散した後、ろ別する。この操作を10回繰り返した後、得られた脱カルシウムカニ殻を水30質量部中に再分散し、水酸化ナトリウム3質量部を加え、70℃まで加熱し、この温度で3時間撹拌した後、キチンをろ別し、水30質量部中に再分散した後、ろ別する。この操作を10回繰り返した後、50℃の温風にて20時間乾燥してキチンを得た。このキチンをキトサンとし、0.5質量%の溶液粘度を測定したところ、500mPa・sであった。これを以下の実施例の原料キチンとする。
上記原料キチン100質量部を水2,000質量部中に分散し、炭酸ナトリウム2.5質量部を加えた後、亜臭素酸ナトリウム0.15質量部を加え室温で6時間攪拌した。キチンをろ別し、水30質量部中に再分散した後、さらにろ別する。この洗浄操作を5回繰り返した後、50℃の温風にて20時間乾燥してキチンを得た。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、480mPa・sであった。
このキチンをハンマーミルで粉砕し、目開き400μmのふるいを通過させた。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、180mPa・sであった。さらにこのキチンをボールミルにて48時間粉砕して、粒度分布を測定したところ粒度分布の中心が11μm、26μm以下が90%以上のキチン微粒子(A−1)が得られた。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、38mPa・sであった。
さらにこのキチン微粒子(A−1)をジェットミルを用いて粉砕して、粒度分布の中心が4.2μmであり、粒径10μm以下の粒子が100%のキチン微粒子(B−1)を得た。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、6mPa・sであった。さらにこのキチン微粒子(B−1)をジェットミル粉砕して、粒度分布の中心が3.0μm、10μm以下が100%、1〜10μmが99%のキチン微粒子(B’−1)を得た。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、5mPa・sであった。このものの脱アセチル化度は15%であった。
[実施例2]
実施例1の原料キチンを脱アセチル化して脱アセチル化度50%のキチンを得た。このものをキトサン化し、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、620mPa・sであった。これをピンミルで粗砕後、遊星運動ミルで粉砕し目開き200μmのふるいを通過するキチン粒子を得た。これを2分割し、一方をボールミルで粉砕して、粒度分布の中心が30μm、100μm以下が90%以上のキチン微粒子(A−2)を得た。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、205mPa・sであった。
もう一方のキチンをジェットミル粉砕して、粒度分布の中心が5.5μm、10μm以下が75%、100μm以下が90%以上のキチン微粒子(B−2)を得た。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、15mPa・sであった。このものの脱アセチル化度は52%であった。
[比較例1]
目開き4mmのふるいを通過させた粗砕カニ殻1質量部を氷水30質量部に分散させておき、さらに外部からも氷冷する。これに0.8質量部の塩酸を攪拌下、内温が3℃以上にならないよう少量ずつ滴下した。滴下終了後、内温が3℃以下で5時間以上攪拌する。その後、脱カルシウムカニ殻をろ別し、水30質量部中に再分散した後、ろ別する。この操作を10回繰り返した後、窒素気流下、水30質量部中に再分散、水酸化ナトリウム3質量部を加え、40℃まで加熱攪拌3時間した後、キチンをろ別し、水30質量部中に再分散した後、さらにろ別する。この操作を10回繰り返した後、減圧下40℃にて20時間乾燥してキチンを得た。このキチンをキトサンとし、0.5質量%の溶液粘度を測定したところ、2,500mPa・sであった。これを冷凍粉砕し目開き200μmのふるいを通過するキチン粒子を得た。このものをジェットミルで粉砕したが、度々オーバーロードして機械がストップしてしまった。僅かに粉砕されたものの顕微鏡観察をしたところ、50μmの粒径の粒子も観察されたが、200〜300μmの繊維状のものが多くあり、目的の粒径のものは得られなかった。
[実施例3]
比較例1の冷凍粉砕品100質量部を水2,000質量部と硫酸60質量部の希硫酸水溶液中に分散し、攪拌下、35℃、5時間加水分解した後、水酸化ナトリウムで硫酸を中和した。キチンをろ別し、水30質量部中に再分散した後、ろ別する。この操作を10回繰り返した後、減圧下40℃にて20時間乾燥してキチンを得た。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、325mPa・sであった。これを2分割し、一方をボールミルで粉砕して、粒度分布の中心が25μm、70μm以下が90%以上のキチン微粒子(A−3)を得た。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、152mPa・sであった。
もう一方のキチンをジェットミル粉砕して、粒度分布の中心が5.0μm、10μm以下が75%、100μm以下が90%以上のキチン微粒子(B−3)を得た。このキチンをキトサンとし、1.0質量%の溶液粘度を測定したところ、13mPa・sであった。このものの脱アセチル化度は13%であった。
以上の実施例および比較例の粉砕後のキチンの粒径、粘度および脱アセチル化度を下記表1に纏めた。
Figure 0004758685
使用例
前記B’−1のキチン粒子、A−2のキチン粒子、比較例1のキチン粒子を使用し、融点140℃のポリエチレンペレットに対し、それぞれ1質量%加え、粉体ブレンドした後、インジェクションプレート作成用試験機に投入し、内温160℃、滞留時間30秒として80mm×50mm、厚さ1mmのインジェクションプレートを作製した。B’−1のキチン粒子から作成したインジェクションプレートは目視的に表面均質で指で触れると滑らかで、摩擦による脱落も観察されなかった。A−2のキチン粒子から作成したインジェクションプレートは目視的に表面均質で指で触れるとほとんど問題にならない程度ではあるが、僅かに凹凸を感じるが、全体として滑らかで、摩擦による脱落も観察されなかった。、これに対し比較例1のキチン粒子を使用して作製したインジェクションプレートにははっきりとキチン粒子が観察され、また、触診によっても粒子の存在が確認された。その部分を強く摩擦すると粒子の脱落も起こった。
本発明によれば、他の高分子化合物などの複合化に有効に利用できる低分子量キトサン粉末が得られる。

Claims (9)

  1. 粒径100μm以下の粒子が90%以上を占める微粉体からなる、脱アセチル化度が10〜60%の水不溶性であるキチン粉末であり、かつ、そのキチン粉末を42.0質量%水酸化ナトリウム水溶液に加えて、窒素気流下、撹拌しながら60℃±1℃で保持して1質量%希酢酸水溶液に可溶なキトサンとした場合における該キトサンの蒸発残分濃度が1質量%である1質量%希酢酸水溶液の、20℃での粘度が500mPa・s〜1.5mPa・sであることを特徴とする低分子量キチン粉末。
  2. 前記キトサンの蒸発残分濃度が1質量%である1質量%希酢酸水溶液の、20℃での粘度が250mPa・s〜2mPa・sであり、かつ粒径80μm以下の粒子が90%以上を占める請求項1に記載の低分子量キチン粉末。
  3. 粒径50μm以下の粒子が90%以上を占める微粉体からなるキチン粉末である請求項1に記載の低分子量キチン粉末。
  4. 前記キトサンの蒸発残分濃度が1質量%である1質量%希酢酸水溶液の、20℃での粘度が100mPa・s〜2mPa・sであり、かつ粒径50μm以下の粒子が90%以上を占める請求項1に記載の低分子量キチン粉末。
  5. 最終的にボールミルあるいはジェットミルで粉砕したものであって、粒径80μm以下の粒子が90%以上を占める請求項1に記載の低分子量キチン粉末。
  6. さらに、1μm以下の粒子が10%以下である請求項1に記載の低分子量キチン粉末。
  7. 前記微粉体の粒度分布の中心が、4.2μm〜30μmである請求項1に記載の低分子量キチン微粉末
  8. ボールミルあるいはジェットミル以外の、衝撃またはずり応力付加型のキトサンの低分子量化を引き起こす能力を持った少なくとも1種の粉砕機で粉砕した後に、最終的にボールミルあるいはジェットミルで粉砕して得られた請求項に記載の低分子量キチン粉末。
  9. キチンを天然物原料から単離および粉末化するに際し、キチンを一度も溶解することなく単離および粉末化してなる請求項1に記載の低分子量キチン粉末。
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