JP2009149734A - 低分子量アルギン酸又はその誘導体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低分子量アルギン酸又はその誘導体の効率的な製造方法、低分子量アルギン酸又はその誘導体、及び高分子量アルギン酸又はその誘導体の低分子量化方法を提供する。
【解決手段】(1)GPC法による重量平均分子量が20万以上のアルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により、該重量平均分子量を10万未満に低減させる低分子量アルギン酸又はその誘導体の製造方法、(2)GPC法による重量平均分子量が3万〜10万であり、重量平均分子量が1万未満のオリゴマー成分の含有量が10重量%以下であるアルギン酸又はその誘導体、及び(3)高分子量アルギン酸又はその誘導体の低分子量化方法である。
【選択図】なし
【解決手段】(1)GPC法による重量平均分子量が20万以上のアルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により、該重量平均分子量を10万未満に低減させる低分子量アルギン酸又はその誘導体の製造方法、(2)GPC法による重量平均分子量が3万〜10万であり、重量平均分子量が1万未満のオリゴマー成分の含有量が10重量%以下であるアルギン酸又はその誘導体、及び(3)高分子量アルギン酸又はその誘導体の低分子量化方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、高分子量アルギン酸又はその誘導体をボールミル処理することにより、低分子量アルギン酸又はその誘導体を製造する方法に関する。
アルギン酸は、コンブ、ワカメ、ヒジキ等の褐藻類に含まれる主要な構成多糖であり、2種類のウロン酸、すなわちD−マンヌロン酸とL−グルロン酸が種々の割合で結合している高分子量のポリウロニド多糖であって、その〔D−マンヌロン酸/L−グルロン酸〕の比は、褐藻類の種属や部位、採集季節により異なっている。アルギン酸は、工業的には、褐藻類を炭酸ナトリウム水溶液で抽出し、塩酸又は塩化カルシウムで沈殿させることにより得られる灰白色の粉末である。遊離のアルギン酸は水に難溶性でゲル化し易いため、通常はナトリウム塩等のアルカリ金属塩とし、水溶性の形態で使用される。
この水溶液は、高い粘性を持ち、増粘剤や増量剤等として、例えば食品加工、染色、紡織、歯科材料、医薬、化粧品、ゴム、製紙工業、塗料等に用いられている。またアルギン酸及びその塩類は難消化性の食物繊維であり、その生理作用は抗便秘を初めとし、コレステロールや血圧の上昇抑制作用等、保健上多くの効用をもつことが知られている。
しかし、アルギン酸は水に溶解すると高粘性を示すため、一般の食品に適用することは困難である。特に飲料に配合する場合は、食物繊維としての生理作用が出る濃度まで添加することが難しい。そこで、低分子量化して溶解度を増加させ、かつ粘度を低下させる検討が行われている。
しかし、アルギン酸は水に溶解すると高粘性を示すため、一般の食品に適用することは困難である。特に飲料に配合する場合は、食物繊維としての生理作用が出る濃度まで添加することが難しい。そこで、低分子量化して溶解度を増加させ、かつ粘度を低下させる検討が行われている。
例えば、アルギン酸分解能を有する酵素又は細菌を用いる生分解法(特許文献1及び2)、高分子量の原料アルギン類を加圧下に熱処理して低分子量化する方法(特許文献3及び4)が知られている。
しかしながら、特許文献1及び2の生分解法は、酵素又は細菌を使用するために多大なコストがかかるうえ、低濃度の水溶液で長時間反応を行う必要があることから、工業的に不利である。また、特許文献3及び4の加圧熱処理法は、水溶液を用いることから効率が悪く、高価な圧力容器を必要とするという設備上の問題や、アルギン酸類が粉末状態で得られないという用途展開上の不利がある。
しかしながら、特許文献1及び2の生分解法は、酵素又は細菌を使用するために多大なコストがかかるうえ、低濃度の水溶液で長時間反応を行う必要があることから、工業的に不利である。また、特許文献3及び4の加圧熱処理法は、水溶液を用いることから効率が悪く、高価な圧力容器を必要とするという設備上の問題や、アルギン酸類が粉末状態で得られないという用途展開上の不利がある。
本発明者らは、低分子量アルギン酸類の適用性検討に当たり、従来法で得られたアルギン酸類が、分子量1万未満のオリゴマー成分を多量に含むため、食物繊維としての生理活性において満足できるものではないこと、及びその製造方法を改善すべきことを認識した。
すなわち、本発明は、生理活性等に優れた低分子量アルギン酸又はその誘導体の効率的な製造方法、低分子量アルギン酸又はその誘導体、及び高分子量アルギン酸又はその誘導体の低分子量化方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、生理活性等に優れた低分子量アルギン酸又はその誘導体の効率的な製造方法、低分子量アルギン酸又はその誘導体、及び高分子量アルギン酸又はその誘導体の低分子量化方法を提供することを課題とする。
本発明は次の(1)〜(3)に関する。
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が20万以上のアルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により、該重量平均分子量(Mw)を10万以下に低減させる、低分子量アルギン酸又はその誘導体の製造方法。
(2)ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が3万〜10万であり、重量平均分子量(Mw)が1万未満のオリゴマー成分の含有量が10重量%以下である、低分子量アルギン酸又はその誘導体。
(3)ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が20万以上の高分子量アルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により低分子量化する方法。
(1)ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が20万以上のアルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により、該重量平均分子量(Mw)を10万以下に低減させる、低分子量アルギン酸又はその誘導体の製造方法。
(2)ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が3万〜10万であり、重量平均分子量(Mw)が1万未満のオリゴマー成分の含有量が10重量%以下である、低分子量アルギン酸又はその誘導体。
(3)ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が20万以上の高分子量アルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により低分子量化する方法。
本発明の方法によれば、高分子量アルギン酸又はその誘導体を効率よく低分子量化することができる。また、得られた低分子量アルギン酸又はその誘導体は、重量平均分子量1万未満のオリゴマー成分の含有率が低く、多分散度が小さいという特徴を有する。
本発明の低分子量アルギン酸又はその誘導体の製造方法は、ゲル浸透クロマトグラフィー法(以下、「GPC」という)による重量平均分子量(Mw)が20万以上のアルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により、該重量平均分子量(Mw)を10万以下に低減させることを特徴とし、本発明の低分子量アルギン酸又はその誘導体は、好ましくは、GPCによる重量平均分子量(Mw)が3万〜10万であり、より好ましくは、重量平均分子量(Mw)が1万未満のオリゴマー成分の含有量が10重量%以下であることを特徴とする。
〔原料アルギン酸又はその誘導体〕
本発明において原料となる高分子量アルギン酸又はその誘導体は、GPCによる重量平均分子量(Mw)が20万以上、好ましくは20万〜200万、より好ましくは30万〜150万の範囲内にあり、褐藻類から既知の方法で抽出することができるものであり、市販品を利用することもできる。
なお、重量平均分子量の測定は、実施例記載の方法により行う。
本発明において原料となる高分子量アルギン酸又はその誘導体は、GPCによる重量平均分子量(Mw)が20万以上、好ましくは20万〜200万、より好ましくは30万〜150万の範囲内にあり、褐藻類から既知の方法で抽出することができるものであり、市販品を利用することもできる。
なお、重量平均分子量の測定は、実施例記載の方法により行う。
ここで、アルギン酸の誘導体としては、アルギン酸の塩、エステル、エーテル等を挙げることができる。アルギン酸塩としては、アルギン酸のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、鉄、スズ、亜鉛等の金属塩等が挙げられ、アルギン酸エステルとしては、アルギン酸プロピレングリコールエステル等が挙げられるが、これらに限定されない。
一般的には、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩が水溶性であり、また市販されているため入手が容易であることから好ましい。例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム塩、アルギン酸カリウム塩等の市販品としては、株式会社紀文フードケミファ、株式会社キミカ、富士化学工業株式会社、Kelco社(UK)、Sigma社(US)、PRONOVA biopolymer社(ノルウェー)等の製品が挙げられる。
一般的には、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩が水溶性であり、また市販されているため入手が容易であることから好ましい。例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム塩、アルギン酸カリウム塩等の市販品としては、株式会社紀文フードケミファ、株式会社キミカ、富士化学工業株式会社、Kelco社(UK)、Sigma社(US)、PRONOVA biopolymer社(ノルウェー)等の製品が挙げられる。
〔ボールミル処理〕
本発明においては、前記の高分子量アルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により、重量平均分子量(Mw)を10万以下に低減させる。
ここで、ボールミル処理とは、ボールミルにより高分子量アルギン酸又はその誘導体を粉砕ないし摩砕(以下、総称して「粉砕」という)することを意味する。粉砕過程において、微粒子化した粒子に衝撃、せん断、ずり応力、摩擦等の機械的エネルギーを与え、機械的エネルギーの一部を粒子内に蓄積させて、粒子の活性・反応性を高め、化学反応を起こさせる、いわゆるメカノケミカル現象(物理化学的変化)を利用して、低分子量化するものである
本発明においては、前記の高分子量アルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により、重量平均分子量(Mw)を10万以下に低減させる。
ここで、ボールミル処理とは、ボールミルにより高分子量アルギン酸又はその誘導体を粉砕ないし摩砕(以下、総称して「粉砕」という)することを意味する。粉砕過程において、微粒子化した粒子に衝撃、せん断、ずり応力、摩擦等の機械的エネルギーを与え、機械的エネルギーの一部を粒子内に蓄積させて、粒子の活性・反応性を高め、化学反応を起こさせる、いわゆるメカノケミカル現象(物理化学的変化)を利用して、低分子量化するものである
ボールミル処理に用いられるボールミルとしては、公知の転動ボールミル(ポットミル、チューブミル、コニカルミル等)、振動ボールミル(円形振動ミル、旋動振動ミル、遠心ミル等)、遊星ボールミル、媒体撹拌ミルが挙げられる。これらの中では、粉砕効率の観点から、媒体撹拌ミル、遊星ボールミルが特に好ましい。
ボールの径は特に制限されないが、例えば100mm以下、好ましくは0.1〜50mm、より好ましくは0.5〜30mm、更に好ましくは1〜20mmである。より具体的には、ボールの径は、媒体撹拌ミルの場合は、好ましくは0.1〜20mm、より好ましくは0.5〜15mm、更に好ましくは1〜10mmであり、遊星ボールミルの場合は、好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜20mm、更に好ましくは5〜15mmである。
本発明のボールミル処理における典型的な媒体はボールであるが、ボール以外にもロッド状のものやチューブ状のものも包含する。
ボールの径は特に制限されないが、例えば100mm以下、好ましくは0.1〜50mm、より好ましくは0.5〜30mm、更に好ましくは1〜20mmである。より具体的には、ボールの径は、媒体撹拌ミルの場合は、好ましくは0.1〜20mm、より好ましくは0.5〜15mm、更に好ましくは1〜10mmであり、遊星ボールミルの場合は、好ましくは1〜30mm、より好ましくは2〜20mm、更に好ましくは5〜15mmである。
本発明のボールミル処理における典型的な媒体はボールであるが、ボール以外にもロッド状のものやチューブ状のものも包含する。
媒体として用いるボールの材質に特に制限はなく、例えば、鉄、ステンレス、クロム合金等の高硬度金属、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、チッ化珪素、チタニア等の高硬度セラミックス、ガラス、メノウ、超高分子量ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料等が挙げられる。これらの中では、一般的に高硬度セラミックスやメノウが好ましい。
粉砕力(剪断力や衝突力)の大きさは、ボールの比重が大きくなるのに伴い大きくなることから、比較的比重が大きなものが好ましく、耐摩耗性の点から高硬度のものが好ましく、ボールの径が小さいほど、ボールの粉砕等によるコンタミ発生が少なくなり、粉砕時間も短縮できる。このため、原料及び目的物に応じて、所望のサイズや材質のボールを用いることが好ましい。
粉砕力(剪断力や衝突力)の大きさは、ボールの比重が大きくなるのに伴い大きくなることから、比較的比重が大きなものが好ましく、耐摩耗性の点から高硬度のものが好ましく、ボールの径が小さいほど、ボールの粉砕等によるコンタミ発生が少なくなり、粉砕時間も短縮できる。このため、原料及び目的物に応じて、所望のサイズや材質のボールを用いることが好ましい。
ボールミルの処理時間も特に制限されないが、分子量を低下させる観点から、好ましくは1〜30時間、より好ましくは1〜20時間、更に好ましくは1〜10時間である。
ボールミル処理の際には、発生する熱により、アルギン酸又はその誘導体が変性したり劣化、着色したりするのを最小限に抑える観点から、原料アルギン酸又はその誘導体の温度を、好ましくは250℃以下、より好ましくは2〜200℃、更に好ましくは5〜100℃の範囲内に制御することが好ましい。温度の制御は、ボールミルの容器ジャケットへの通水温度を調節する、間欠運転による空冷処理等の方法により行うことができる。
ボールミル処理の際には、発生する熱により、アルギン酸又はその誘導体が変性したり劣化、着色したりするのを最小限に抑える観点から、原料アルギン酸又はその誘導体の温度を、好ましくは250℃以下、より好ましくは2〜200℃、更に好ましくは5〜100℃の範囲内に制御することが好ましい。温度の制御は、ボールミルの容器ジャケットへの通水温度を調節する、間欠運転による空冷処理等の方法により行うことができる。
本発明のボールミル処理は、乾式で空気雰囲気下で行うことができ、低分子量アルギン酸又はその誘導体を粉末状態で得ることができる。必要に応じて、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うこともできる。また、低分子量化を効率的に制御する観点から、酸素含量の多い空気雰囲気下で行うこともできる。
ボールミル処理は、バッチ式、連続式のどちらであってもよい。
ボールミル処理は、バッチ式、連続式のどちらであってもよい。
〔低分子量アルギン酸又はその誘導体〕
本発明の方法により得られる低分子量アルギン酸又はその誘導体とは、GPCによる重量平均分子量(Mw)が10万以下のものであるが、食物繊維としての生理活性等の観点から、その重量平均分子量(Mw)が好ましくは20,000〜100,000、より好ましくは30,000〜80,000、更に好ましくは35,000〜60,000である。
また、重量平均分子量が1万未満のオリゴマー成分の含有量は、食物繊維としての生理活性の観点から、好ましくは10重量%以下、より好ましくは7重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
本発明の方法により得られる低分子量アルギン酸又はその誘導体とは、GPCによる重量平均分子量(Mw)が10万以下のものであるが、食物繊維としての生理活性等の観点から、その重量平均分子量(Mw)が好ましくは20,000〜100,000、より好ましくは30,000〜80,000、更に好ましくは35,000〜60,000である。
また、重量平均分子量が1万未満のオリゴマー成分の含有量は、食物繊維としての生理活性の観点から、好ましくは10重量%以下、より好ましくは7重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
本発明の低分子量アルギン酸又はその誘導体は、食物繊維としての生理活性の観点、及び汎用性、用途拡大の観点から、多分散度(Mw/Mn=重量平均分子量/数平均分子量)が好ましくは1〜2.6、より好ましくは1〜2.3、更に好ましくは1以上2未満である。
重量平均分子量(Mw)、オリゴマー成分の含有量、及び多分散度(Mw/Mn)の制御は、ボールミルの処理時間、及び処理条件(ボールの充填率、ボールの径、撹拌翼の周速度等)を適宜選択することにより行うことができる。
なお、重量平均分子量(Mw)、粘度、オリゴマー成分の含有量、及び多分散度(Mw/Mn)の測定は、実施例記載の方法により行う。
重量平均分子量(Mw)、オリゴマー成分の含有量、及び多分散度(Mw/Mn)の制御は、ボールミルの処理時間、及び処理条件(ボールの充填率、ボールの径、撹拌翼の周速度等)を適宜選択することにより行うことができる。
なお、重量平均分子量(Mw)、粘度、オリゴマー成分の含有量、及び多分散度(Mw/Mn)の測定は、実施例記載の方法により行う。
以下の実施例及び比較例において、重量平均分子量、オリゴマー成分の含有量、多分散度(Mw/Mn)、及び粘度の測定は、以下の方法に従って行った。
(1)重量平均分子量(Mw)、オリゴマー成分の含有量、及び多分散度(Mw/Mn)の測定
東ソー株式会社製のGPC装置(GPC8020ワークステーション)を用いて下記の条件下で測定し、プルラン換算分子量として求めた。
<GPC測定条件>
カラム:GMPWXL+GMPWXL(東ソー株式会社製)、カラム温度:40℃
展開溶媒:0.2Mリン酸緩衝液/CH3CN(重量比)=9/1
試料濃度:1.0mg/mL、試料注入量:100μL、流速:0.5mL/min
検出器:示差屈折計
(1)重量平均分子量(Mw)、オリゴマー成分の含有量、及び多分散度(Mw/Mn)の測定
東ソー株式会社製のGPC装置(GPC8020ワークステーション)を用いて下記の条件下で測定し、プルラン換算分子量として求めた。
<GPC測定条件>
カラム:GMPWXL+GMPWXL(東ソー株式会社製)、カラム温度:40℃
展開溶媒:0.2Mリン酸緩衝液/CH3CN(重量比)=9/1
試料濃度:1.0mg/mL、試料注入量:100μL、流速:0.5mL/min
検出器:示差屈折計
(2)粘度の測定
100mLビーカーにアルギン酸ナトリウムの粉末2g、水98gを入れ、ママコにならないように12時間かけて攪拌溶解させた。得られた水溶液を恒温水槽中で24±1℃に調節した後、B型粘度計(株式会社トキメック製)を用いて、測定温度:24℃、回転数:60rpm(60秒)、ロータ:1号の条件で、2重量%水溶液の粘度を測定した。
100mLビーカーにアルギン酸ナトリウムの粉末2g、水98gを入れ、ママコにならないように12時間かけて攪拌溶解させた。得られた水溶液を恒温水槽中で24±1℃に調節した後、B型粘度計(株式会社トキメック製)を用いて、測定温度:24℃、回転数:60rpm(60秒)、ロータ:1号の条件で、2重量%水溶液の粘度を測定した。
実施例1
アルギン酸ナトリウム(株式会社紀文フードケミファ製、商品名:ダックアルギン、規格NSPLL)、重量平均分子量75.3万、粘度197.5mPa・s)30gをバッチ式媒体撹拌ミル(アイメックス株式会社製:容器容量800mL、直径5mmのジルコニアビーズを480g充填)に投入した。容器ジャケットに冷却水を通しながら7℃で循環させ、2000rpmで7.0時間粉砕を行った。
得られたアルギン酸ナトリウムの試料を用いて、重量平均分子量、多分散度、及び2重量%水溶液粘度を測定した。結果を表1に示す。また、その粘度は4.8mPa・sであった。
アルギン酸ナトリウム(株式会社紀文フードケミファ製、商品名:ダックアルギン、規格NSPLL)、重量平均分子量75.3万、粘度197.5mPa・s)30gをバッチ式媒体撹拌ミル(アイメックス株式会社製:容器容量800mL、直径5mmのジルコニアビーズを480g充填)に投入した。容器ジャケットに冷却水を通しながら7℃で循環させ、2000rpmで7.0時間粉砕を行った。
得られたアルギン酸ナトリウムの試料を用いて、重量平均分子量、多分散度、及び2重量%水溶液粘度を測定した。結果を表1に示す。また、その粘度は4.8mPa・sであった。
実施例2
実施例1と同様のアルギン酸ナトリウム10gを遊星型ボールミル(フリッチュ社製、商品名:P−6、メノウポット:容器容量250mL、直径10mmのメノウビーズを71g充填)に投入した。間欠運転により対象物の温度を60℃以下に抑え、600rpmで10時間粉砕を行った。
得られたアルギン酸ナトリウムの試料を用いて、重量平均分子量、多分散度、及び2重量%水溶液粘度を測定した。結果を表1に示す。また、その粘度は4.9mPa・sであった。
実施例1と同様のアルギン酸ナトリウム10gを遊星型ボールミル(フリッチュ社製、商品名:P−6、メノウポット:容器容量250mL、直径10mmのメノウビーズを71g充填)に投入した。間欠運転により対象物の温度を60℃以下に抑え、600rpmで10時間粉砕を行った。
得られたアルギン酸ナトリウムの試料を用いて、重量平均分子量、多分散度、及び2重量%水溶液粘度を測定した。結果を表1に示す。また、その粘度は4.9mPa・sであった。
比較例1
株式会社カイゲン製の低分子化アルギン酸ナトリウム、商品名:ソルギンを用いて、実施例1と同様の測定、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
株式会社キミカ製の低分子化アルギン酸ナトリウム、商品名:SKAT−ULVを用いて、実施例1と同様の測定、評価を行った。結果を表1に示す。
株式会社カイゲン製の低分子化アルギン酸ナトリウム、商品名:ソルギンを用いて、実施例1と同様の測定、評価を行った。結果を表1に示す。
比較例2
株式会社キミカ製の低分子化アルギン酸ナトリウム、商品名:SKAT−ULVを用いて、実施例1と同様の測定、評価を行った。結果を表1に示す。
表1から、本発明の方法により得られた実施例1及び2の低分子量アルギン酸は、市販品である比較例1及び2の低分子量アルギン酸に比べて、重量平均分子量(Mw)1万未満のオリゴマー成分の含有量が少なく、多分散度(Mw/Mn:分子量分布)が狭いことが分かる。
本発明の方法によれば、低分子量アルギン酸又はその誘導体を効率よく製造することができる。また、得られた低分子量アルギン酸又はその誘導体は、食物繊維としての生理活性に優れており、健康食品、食品添加剤等として有用である。また、増量剤等として、食品加工、医薬、化粧料、染色、紡織、塗料等の分野において広く利用することができる。
Claims (4)
- ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が20万以上のアルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により、該重量平均分子量(Mw)を10万以下に低減させる、低分子量アルギン酸又はその誘導体の製造方法。
- ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が3万〜10万であり、重量平均分子量(Mw)が1万未満のオリゴマー成分の含有量が10重量%以下である、低分子量アルギン酸又はその誘導体。
- 多分散度(Mw/Mn)が1〜2.6である、請求項2に記載の低分子量アルギン酸又はその誘導体。
- ゲル浸透クロマトグラフィー法による重量平均分子量(Mw)が20万以上の高分子量アルギン酸又はその誘導体を、ボールミル処理により低分子量化する方法。
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