JPH0999251A - 有機系粉末の製造方法および有機系粉末 - Google Patents

有機系粉末の製造方法および有機系粉末

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JPH0999251A
JPH0999251A JP7257639A JP25763995A JPH0999251A JP H0999251 A JPH0999251 A JP H0999251A JP 7257639 A JP7257639 A JP 7257639A JP 25763995 A JP25763995 A JP 25763995A JP H0999251 A JPH0999251 A JP H0999251A
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mill
cellulose
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organic
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JP7257639A
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Shinko Sano
真弘 佐野
Nobuo Kusamoto
伸夫 草本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機系素材の本来の特性を損なうことなく、
改質材に適した均一な形状および大きさを有する有機系
粉末を簡便に得られる有機系粉末の製造方法および有機
系粉末を提供すること。 【解決手段】 原料のセルロース、キチンまたはキトサ
ンをボールミルにより粒径18μm 程度になるまで粉砕し
た後、この粉砕物をジェットミルにより粉砕する。これ
により、粒状で粒径の小さい均一な大きさのセルロース
粉末、キチン粉末またはキトサン粉末が得られる。これ
らの粉末は本来の特性が損なわれていないため、改質材
として各種製品に配合すれば、吸放湿性やタッチ感など
を確実に向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機系粉末の製造方
法および有機系粉末に関し、天然多糖類などの各種有機
系素材の粉末化に利用できる。
【0002】
【背景技術】従来、各種有機系素材の粉末を改質材とし
て、例えば、プラスチック成型品、合成皮革、塗料、イ
ンキ、繊維、繊維処理剤、ゴムなどに添加することによ
り、吸放湿性などの各種特性を付与、向上させた製品を
得ている。例えば、前記改質材として、コラーゲン粉末
を用いた場合、吸放湿性や良タッチ感などが付与された
製品が得られる。
【0003】改質材として用いる各種有機系素材の粉末
を得る方法としては、種々のものが提案されている。セ
ルロースの粉末化については、化学的処理と機械的粉砕
とを組み合わせた方法として、セルロースに酸、アルカ
リ、酵素等による化学的な劣化処理を施した後に機械的
粉砕を行う方法がある。一方、粉砕を伴わない方法とし
て、パルプからビスコースを調製し、凝固浴中でセルロ
ース粉末を生成する方法がある。
【0004】さらに、特公平3-7693号公報では、従来技
術として、セルロースを加水分解後に切断する方法(特
開昭50-19917号公報)、セルロースを湿式でコロイドミ
ル中で数ミクロン以下の微細粒子に摩砕する方法(米国
特許第2978446)等が挙げられている。
【0005】キトサンの粉末化については、特公平4-55
610号公報では、キトサンを酸性水溶液中に溶解させ、
塩基性溶液中に加えて凝固再生させた後、その凝固物を
洗浄し、水中で粉砕、分散させて高温雰囲気中に加圧空
気とともに吐出乾燥する方法が挙げられている。また、
キトサンを酸で溶解させ、アルカリを加えて懸濁液とし
た後、この懸濁液を凍結融解して粒子化し、脱塩、乾燥
する方法(特公平4-59335号公報)や、キトサン酸性溶
液と水溶性ポリエチレングリコールとを混合し、キトサ
ン微粒子を凝固させ、アルカリで中和する方法(特公平
3-9925号公報)等も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】セルロースやキチンま
たはキトサンをボールミルで粉砕する場合、平均粒径10
μm強までしか粉砕できないため、前述した改質材とし
て各種製品に配合するには粒径が大きすぎるという問題
がある。セルロースやキチンまたはキトサンをジェット
ミルで粉砕する場合、粉砕物の形状が繊維状となるた
め、溶剤系樹脂や水系樹脂に配合すると粘度が上昇して
しまい、配合しにくいという問題がある。このような単
一の機械的粉砕のみで得られたセルロース等の粉末は、
粒子の大きさが不揃いであり、均一な大きさを有するセ
ルロース等の粉末が得られないという問題がある。
【0007】セルロース粉末については、セルロースに
化学的劣化処理を施した後に機械的粉砕を行う方法で製
造すると、劣化処理によりセルロース本来の特性が損な
われることがあるため、得られたセルロース粉末が改質
材としての機能を十分に果たせないおそれがある。ま
た、ビスコースからセルロース粉末を生成する方法によ
れば、表面が曲面で角をもたない真球に近いセルロース
粉末が得られるが、溶解、凝固、セルロース粉末と液体
との分離などの操作が複雑であり、コストがかさむとい
う問題がある。
【0008】そして、前記特開昭50-19917号公報に係る
方法および前記米国特許第2978446に係る方法によれ
ば、前記特公平3-7693号公報において、「セルロース繊
維強度を保ったまま無理に物理的切断を行うために、非
常に動力を必要とするばかりかセルロース繊維の切断の
され方もランダムで、縦方向、横方向の区別なくてんで
バラバラの方向に切断されたり、引きちぎられたりして
いた。そのため、得られたセルロース粉末の形状も不揃
いで、粒子の大きさも長短、大小さまざまのものを含ん
でいた。」と記載されており、均一な形状、大きさを有
する粉末が簡便に得られないという問題がある。
【0009】一方、キトサン粉末の製造方法について
は、前述した特公平4-55610号公報、特公平4-59335号公
報および特公平3-9925号公報のいずれの方法において
も、キトサンの酸溶液からキトサン粉末を生成するた
め、キトサン本来の特性が損なわれるおそれがあるとと
もに溶解、凝固などの操作が複雑である。
【0010】本発明の目的は、有機系素材の本来の特性
を損なうことなく、改質材に適した均一な形状および大
きさを有する有機系粉末を簡便に得られる有機系粉末の
製造方法および有機系粉末を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
有機系粉末の製造方法は、有機系被粉砕物を、転動ボー
ルミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、チューブミ
ル、ロッドミルおよび微粉砕用ハンマーミルのうちいず
れかを用いて粉砕する第1の粉砕工程を行った後、第1
の粉砕工程の粉砕物をジェットミルを用いて粉砕する第
2の粉砕工程を行うことを特徴とする。
【0012】ここで、第1の粉砕工程では、有機系被粉
砕物をその平均粒径がおよそ20μm前後となるまで粉砕
することが好ましく、第2の粉砕工程では、第1の粉砕
工程の粉砕物をその平均粒径がおよそ10μm 以下となる
まで粉砕することが好ましい。
【0013】本発明によれば、有機系被粉砕物を平均粒
径10μm 以下の細かい粒子に粉砕できるようになるた
め、改質材としての利用に適した大きさの有機系粉末が
容易に得られる。特に、パウダーを練り込んだ紡糸繊維
を製造する場合、繊維の形態や径の大きさにもよるが、
最大粒径10μm 以下が好ましく、引っ張り強度の低下な
どを考慮すると、最大粒径5μm 以下がより好ましい。
また、有機系被粉砕物が粒状に粉砕されるようになり、
繊維状のものを含まない有機系粉末が得られるようにな
るため、この有機系粉末を溶剤系樹脂や水系樹脂に配合
しても粘度が上昇しにくく、各種製品に改質材として簡
単に配合することができる。
【0014】さらに、有機系被粉砕物に対し、第1の粉
砕工程では転動ボールミル等により衝撃、圧縮および剪
断による粉砕を施し、第2の粉砕工程ではジェットミル
により自己衝突および粉砕機壁面との衝突による粉砕と
を施すため、いずれか一つの粉砕工程では得られないよ
うな均一な形状および大きさを有する有機系粉末が得ら
れるようになる。そして、転動ボールミルやジェットミ
ル等の機械的粉砕手段のみで有機系被粉砕物の粉末化を
行うため、化学的処理を施す必要がなくなり、有機系被
粉砕物本来の特性を維持できるとともに、簡単な工程で
所望の形状および大きさの有機系粉末が得られるように
なり、製造コストの低減が可能となる。
【0015】また、第1の粉砕工程で用いる転動ボール
ミル等は平均粒径の比較的大きい被粉砕物の粉砕に適し
ており、第2の粉砕工程で用いるジェットミルは平均粒
径の比較的小さい被粉砕物の粉砕に適しているため、粉
砕工程を前記順番とすることで、有機系被粉砕物の粉砕
を効率よく行うことができるようになり、所望の形状お
よび大きさを有する有機系粉末が迅速かつ容易に得られ
るようになる。
【0016】そして、第1の粉砕工程で前述した転動ボ
ールミル等を用いることにより、被粉砕物に対して十分
に衝撃力、圧縮力および剪断力を与えることが可能とな
り、第2の粉砕工程で前述したジェットミルを用いるこ
とにより、被粉砕物同士の衝突および被粉砕物とジェッ
トミル壁面との衝突を十分に促すことが可能となる。こ
れらにより、所望の形状および大きさに粉砕された有機
系粉末を確実に得ることができる。
【0017】加えて、第2の工程で用いるジェットミル
にサイクロン等の分級能力を有する装置を閉回路で設置
し、粒度の粗い粒子を分級除去すれば、均一な粒径の有
機系粉末が得られるようになり、最大粒径や平均粒径を
小さく抑えることができる。
【0018】本発明の第2発明に係る有機系粉末の製造
方法は、第1発明において、前記有機系被粉砕物が多糖
類であることを特徴とする。本発明の第3発明に係る有
機系粉末の製造方法は、第2発明において、前記多糖類
はセルロースであることを特徴とする。本発明の第4発
明に係る有機系粉末の製造方法は、第2発明において、
前記多糖類はキチンまたはキトサンであることを特徴と
する。
【0019】具体的な有機系被粉砕物をセルロース、キ
チンまたはキトサンとした場合、セルロース、キチンま
たはキトサンの本来の特性が維持されたまま、改質材に
適した均一な形状および大きさを有するセルロース粉
末、キチン粉末またはキトサン粉末が簡便に得られるよ
うになる。このようにして得られたセルロース粉末、キ
チン粉末またはキトサン粉末を改質材として各種製品に
配合することにより、良好な吸放湿性やタッチ感などの
セルロース、キチンまたはキトサン独自の特性が付与さ
れた製品が得られる。キトサン粉末を改質材と用いれ
ば、容易に抗菌性が付与された製品を製造できる。
【0020】本発明の第5発明に係る有機系粉末は、第
1発明から第4発明のいずれかの有機系粉末の製造方法
により得られたものであることを特徴とする。本発明に
係る有機系粉末は、有機系被粉砕物に応じた特性を保持
しつつ、改質材に適した均一な形状および大きさを備え
たものである。従って、本発明に係る有機系粉末を、プ
ラスチック成型品、合成皮革、塗料、インキ、繊維、不
織布、、織編物、繊維処理剤、ゴムなどの各種製品に添
加することにより、吸放湿性や良タッチ性、帯電防止性
などの有機系被粉砕物の種類に応じた各種特性を付与、
向上させた製品を確実かつ容易に得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態の有機系粉末
の製造方法を説明する。先ず、第1の粉砕工程として、
有機系被粉砕物、例えばセルロース、キチンまたはキト
サンを転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミ
ル、チューブミル、ロッドミル、または微粉砕用ハンマ
ーミルを用いて粉砕する。次に、第2の粉砕工程とし
て、第1の粉砕工程の粉砕物をジェットミルを用いて粉
砕し、有機系粉末を得る。
【0022】なお、本発明は前記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を
含み、以下に示すような他の実施形態も本発明に含まれ
る。すなわち、前記実施形態では、有機系被粉砕物の具
体例としてセルロース、キチンまたはキトサンを挙げた
が、これらに限らず他の有機物であってもよい。
【0023】
【実施例】
[実施例1]前記実施形態において、セルロースとして
5kg の精選パルプ(日本製紙(株)製KCフロックW-40
0)を使用し、このセルロースをボールミル〔200l容
量,近藤化学機械製作所製〕により20時間粉砕した。な
お、ボールミルを使用した場合、被粉砕物を平均粒径10
μm 強の粉末にまで粉砕できるが、精選パルプが平均粒
径18μm 程度となる20時間で粉砕を終了する。この程度
よりも精選パルプ粉砕物の粒径が小さくなるまで粉砕し
ようとすると、大幅に時間がかかる上に、この後のジェ
ットミルでの粉砕により得られる粒子の粒径に大きな差
異はでないためである。
【0024】次に、得られた精選パルプ粉砕物をジェッ
トミル〔(株)セイシン企業製シングルトラックジェッ
トミル400型(商品名)〕により4.8kg/hの処理量で粉砕
し、セルロース粉末を製造した。
【0025】このようにして得られたセルロース粉末の
粒径を測定した。粒径の測定は、レーザー回転式粒度分
析計〔(株)セイシン企業製,SK LASERPRO 7000S(商
品名)、分散媒:エタノール、分散条件:超音波60秒〕
により行った。
【0026】この結果、セルロース粉末の平均粒径は
4.99μm であり、改質材に適した平均粒径 1〜10μm の
範囲内で十分に粒子の小さなセルロース粉末が得られて
いた。また、平均粒径4.99μm のおよそ±5μm の範囲
である10μm 以下の粒径を有するものが全体の7割以上
を占めていた。粒径が揃っているため、セルロース粉末
の大きさがほぼ均一であることがわかった。
【0027】さらに、セルロース粉末の形状を顕微鏡で
調べたところ、その形状に繊維状および針状のものは認
められず、真球ではなく不定形であり角張った部分もあ
るが、実質的に粒状であった。
【0028】次に、このセルロース粉末が改質材として
配合されたフィルムを作製した。すなわち、溶剤〔ジメ
チルホルムアミド/メチルエチルケトン=1/1〕で希
釈した溶剤系ウレタン〔大日精化工業(株)製レザミン
ME 3612LP(商品名)〕に、樹脂固形分に対して30wt%
となるようにセルロース粉末を配合して混合したものを
用意し、これを離型紙上にロールバーを用いて厚さ30μ
m となるように塗布した。これに乾燥処理を施して溶剤
を完全に蒸発させた後、成形されたフィルムを離型紙か
ら剥がしてセルロース粉末を含有するフィルムを得た。
【0029】得られたフィルムについて、吸湿量および
放湿量、透湿度、摩擦帯電圧を測定し、官能評価を行っ
た。それらの結果を表1および表2に示す。前記吸放湿
量の測定は、次の要領で行った。フィルム膜厚を測定
し、均一な厚さのフィルムを選定する。フィルムを 1
辺12cmの正方形にカットする。このフィルムを同じ大
きさのアルミ板上に載せ、測定面が 1辺10cmの正方形と
なるように周囲にビニルテープを貼る。温度23℃、相
対湿度(RH)30%の恒温恒湿槽にサンプルを入れて12
時間以上放置する。この恒温恒湿槽から前記サンプル
を取り出して重量を測定し、記録する。2台目の恒温
恒湿槽(温度30℃、RH80%)に速やかにサンプルを入
れる。 1時間おきに 4時間目まで重量測定を行って、
その値を記録する。そして、前記での測定値との重量
差が吸湿量となる。 1台目の恒温恒湿槽に再びサンプ
ルを入れ、 1時間おきに 4時間目まで重量測定を行っ
て、その値を記録する。そして、前記での 4時間目の
測定値との重量差が放湿量となる。
【0030】前記透湿度の測定は、JIS-L-1099に準じて
行った。前記摩擦帯電圧は、JIS-L-1094Bに基づいて測
定した。前記官能評価は、無作為に選んだ20人に実施例
1および比較例1のフィルムに手で触れてもらい、タッ
チ感について採点してもらうことにより行った。表2に
は20人の平均点が示してある。採点基準は次の 5段階で
ある。 5点…非常にタッチ感がよい、 4点…タッチ感が
よい、 3点…普通、 2点…タッチ感が悪い、 1点…非常
にタッチ感が悪い。
【0031】[比較例1]一方、比較例1として、セル
ロース粉末を配合しないで実施例1と同様にしてフィル
ムを作製した。得られたフィルムについて、実施例1と
同様に吸湿量および放湿量、透湿度、摩擦帯電圧を測定
し、官能評価を行った。それらの結果を表1および表2
に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】これらの測定結果より、実施例1のフィル
ムの吸湿量および放湿量はともに比較例1のフィルムよ
りも高い値を示しており、実施例1のフィルムは比較例
1のフィルムよりも優れた吸放湿性を備えたフィルムで
あることがわかる。また、実施例1のフィルムの透湿度
は比較例1のフィルムの1.7倍程度であり、実施例1の
フィルムの透湿性が比較的高いことがわかる。
【0035】さらに、実施例1のフィルムの摩擦帯電圧
は比較例1のフィルムの1/10 程度であり、セルロース
粉末の配合により帯電防止性能が高められたことがわか
る。そして、官能評価の結果により、比較例1のフィル
ムはタッチ感が不良であるとされたが、実施例1のフィ
ルムはタッチ感が良好であると評価され、セルロース独
特の風合いが維持されていることがわかる。
【0036】以上により、実施例1の方法により得られ
たセルロース粉末をフィルムに添加することにより、吸
放湿性および透湿性に優れ、良好な帯電防止性能を備
え、タッチ感の良好なフィルムが確実に得られることが
わかる。
【0037】[実施例2]前記実施例1におけるセルロ
ースをフレーク状キトサン〔大洋化学工業(株)製キト
サンS(商品名)〕とし、前記実施例1と同様にしてキ
トサン粉末を得た。但し、ボールミルでの粉砕時間を30
時間とし、ジェットミルの処理量を3kg/hとした。ま
た、ジェットミルに閉回路でサイクロンに続けてバグフ
ィルターを設置し、最大粒径5μm以上のものはサイクロ
ンで分級除去し、バグフィルターでキトサン粉末を回収
した。
【0038】このようにして得られたキトサン粉末の粒
径を実施例1と同様な方法で測定した。この結果、キト
サン粉末の平均粒径は1.32μmであり、平均粒径10μm以
下の範囲内に収まっており、十分に改質材に適した粒径
が確実に得られていた。また、最大粒径は 4.85μmであ
るため全ての粉末が 5μm以下であり、均一な粒径が確
保されていることがわかった。特に、紡糸繊維にパウダ
ーを練り込む場合、紡糸時の糸切れ防止や得られた繊維
の強度などの物性低下を防ぐため粒径は小さい程良い。
例えば、レーヨンの場合、0.4デニールの繊維には最大
粒径 3μm以下、同様に 1.3デニールのときには6μm以
下が好ましい。
【0039】次に、得られたキトサン粉末を用いて湿式
紡糸法によりキトサン配合繊維を作製した。すなわち、
予めジメチルホルムアミドにキトサン粉末を均一に分散
させておき、この溶液をポリウレタン〔大日精化工業
(株)製レザミンW 9450NL(商品名)〕に樹脂固形分に
対してキトサン粉末が5wt%となるように配合して紡糸原
液を調製した。
【0040】得られた紡糸原液を用いて、図1に示す製
造装置1により紡糸を行った。製造装置1は、原料を投
入するホッパー2と、原料を送り出すギアポンプ3と、
原料が押し出されるノズル4(0.07mmφ,20ホール)
と、原料を凝固させる水槽5と、第1ローラ6および第
2ローラ7と、巻き取りローラ8とで構成されている。
前述した紡糸原液をホッパー2に投入後、1時間放置し
て脱泡を行った。脱泡後の紡糸原液をギアポンプ3で送
り出してノズル4から水槽5内の水凝固浴中へ約25m/分
で繊維状に押し出した。押し出された紡糸原液を約1mの
凝固浴を通して凝固させ、約25m/分の速度で第1ローラ
ー6により巻き上げ、続いて同速度で第2ローラー7を
経て、巻き上げローラー8により約45m/分の速度で巻き
取った。
【0041】得られたの繊維について、繊度、引っ張り
物性、吸放湿量の測定を行った。それらの結果を表3お
よび表4に示す。前記繊度の測定は、110℃の乾燥機中
で24時間乾燥し、乾燥後の重量より算出した。前記引っ
張り物性は引っ張り試験により調べた。すなわち、島津
製作所(株)製オートグラフDOS-500〔商品名〕を用
い、チャック管距離15mm、クロスヘッドスピード20mm/
分で単繊維の破断強度、ヤング率、伸びを測定した。前
記吸放湿量は、シャーレの上に一様に繊維をならべ、前
記実施例1での吸放湿量の測定〜と同様に測定し
た。
【0042】[比較例2]一方、比較例2として、キト
サン粉末を配合しないで実施例2と同様にして紡糸を行
った。得られた繊維について、実施例2と同様に繊度、
引っ張り物性、吸放湿量の測定を行った。それらの結果
を表3および表4に示す。
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】これらの測定結果より、繊度の値によれ
ば、実施例2の繊維は比較例2よりもやや太いが、ほぼ
同様な形態の繊維が得られることがわかる。また、引っ
張り物性についても、破断強度、ヤング率、伸び率とも
にほぼ同様な測定値が得られており、実施例2の繊維の
機械的性質が比較例2に対して劣ることはなかった。一
方、実施例2の吸放湿量は比較例2のおよそ 3倍であ
り、時間経過に伴う増減も見られなかった。これらによ
り、繊維にキトサン粉末を配合することにより、キトサ
ン粉末を配合しない繊維と略同様な形態および機械的性
質を有するとともに比較的吸放湿性の大きい繊維が得ら
れることがわかる。
【0046】なお、実施例2では、湿式紡糸ウレタン繊
維を例にとったが、一般に知られる溶融紡糸、乾式紡糸
繊維にも応用可能であり、ウレタン以外の湿式紡糸では
アクリル、ポリビニルアルコール、アセテート繊維、ま
たは硝酸セルロース法、銅アンモニア法、ビスコース法
で得られるレーヨン、キュプラなどの再生セルロース繊
維や、テンセルなどの精製セルロース繊維にも適用でき
る。
【0047】
【発明の効果】本発明の有機系粉末の製造方法によれ
ば、有機系素材の本来の特性を損なうことなく、改質材
としての利用に適した均一な形状および大きさを有する
有機系粉末を簡便に得ることができる。
【0048】また、本発明の有機系粉末は、改質材に適
した形状および大きさを備えているとともに粉末化前の
特性を維持しているため、改質材として各種製品に配合
することにより、十分な改質効果が確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2で用いる製造装置である。
【符号の説明】
1 製造装置 4 ノズル 5 水槽

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機系被粉砕物を転動ボールミル、振動
    ボールミル、遊星ボールミル、チューブミル、ロッドミ
    ルおよび微粉砕用ハンマーミルのうちいずれかを用いて
    粉砕する第1の粉砕工程を行った後、第1の粉砕工程の
    粉砕物をジェットミルを用いて粉砕する第2の粉砕工程
    を行うことを特徴とする有機系粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した有機系粉末の製造方
    法において、前記有機系被粉砕物が多糖類であることを
    特徴とする有機系粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した有機系粉末の製造方
    法において、前記多糖類はセルロースであることを特徴
    とする有機系粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載した有機系粉末の製造方
    法において、前記多糖類はキチンまたはキトサンである
    ことを特徴とする有機系粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれかに
    記載した有機系粉末の製造方法により得られたものであ
    ることを特徴とする有機系粉末。
JP7257639A 1995-10-04 1995-10-04 有機系粉末の製造方法および有機系粉末 Pending JPH0999251A (ja)

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