JP6889358B2 - セルロースナノファイバー含有樹脂組成物 - Google Patents

セルロースナノファイバー含有樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂に高分散するセルロースナノファイバー乾燥体をポリオレフィン系樹脂に添加することで、樹脂の引張強さ、引張破断伸び、および破断時の引張強度を向上させた樹脂組成物に関する。
セルロースは、植物細胞壁の主成分であり、地球上で最も多量に生産され蓄積されているバイオマス(生物資源)である。セルロースは、人類にとって非可食性の多糖であり、食糧との棲み分けができるため、再生可能で生分解性のある材料・部材として利用する上で最も適した素材である。しかし、セルロースの生体高分子は、強固な結晶構造を形成しているために分解・微細化が困難であり、その利用が滞っている。近年、植物や動物由来のバイオマスからナノファイバーを取り出し、自動車や電子機器、医療、化粧品など幅広い用途に利用する取り組みが世界中で活発化している。
セルロースナノファイバー(CNF)は、高強度・低熱膨張・高比表面積・軽量などの優れた特長を持ち、世界中で注目されている新機能性材料である。CNFは、その繊維幅が約10nm程度でありながら長さが数μm以上であり、アスペクト比が高いため、樹脂の補強用フィラーとしての可能性が見出されている。さらに、CNFは、ガラス繊維やカーボンファイバーと違い、天然物由来の原料であるため、サーマルリサイクル性が高く、環境配慮型の素材である。しかしながら、CNFの実用化に向けた大きな課題として、親水性の高さからくるハンドリング性の悪さがある。CNFは、一般的に、水分散体で供給されており、親水性が高いことから、そのままの状態で疎水性の樹脂やゴムと複合化しようすると、母体中でのCNFの疑集や、母体とCNF界面の接着不良を起こすため、高分散状態での均―な複合化は困難である。さらに、CNFは水分散状態で得られるため、水を含まないで混合分散させるには、CNFを乾燥させる必要があるが、CNFを単純に加熱乾燥させると、CNF同士の水素結合により凝集が起こり、再分散し難いという問題があった。
また、輸送上の面でも大量の水を含んだ状態でCNFを運搬するには、輸送コストがかかるため、その濃縮・乾燥技術、さらには樹脂やゴムへの複合化技術が望まれている。また、取扱いの面においても、使用方法の簡便さや配合量を高められることから、これらの濃縮・乾燥技術への要望は高く、世界中で研究が進められている。
CNF乾燥方法の従来技術として、tert−ブチルアルコールなどの低融点で極性の高い有機溶媒を添加混合して、脱水、置換を繰り返すことで、溶媒置換型のCNFスラリーを作成し、これを凍結乾燥させることでナノファイバー形状を維持したCNF乾燥体を作製できる。しかし、溶媒置換や凍結乾燥にコストがかかり、tert−ブチルアルコールなどの溶媒廃液が出るなどの問題があった。また、凍結乾燥により乾燥させたCNF乾燥体は化学変性を行っていない場合、ポリオレフィン系樹脂などの疎水性樹脂に対しては均一に混ざりにくく、CNFが樹脂に高分散した樹脂組成物は得ることができないという問題があった。
特許文献1では、CNFを樹脂に高分散させるためにアセチル化などの化学修飾したCNFを用いて複合化する樹脂の溶解パラメータに注目した検討が成されており、化学修飾CNFの添加により曲げ弾性率や曲げ強度の向上が報告されている。
特許文献2では、CNFと樹脂を複合化する技術として、テルペンフェノール系の化合物を添加混合することで表面荒れのない樹脂組成物が得られるとされており、引張り弾性率の向上が報告されている。
特許文献3では、熱による着色抑制と分散性向上のためにCNFとオレフィン系樹脂以外に水や種々の官能基を持つオレフィン系樹脂を混練しながら脱気する手法が紹介されている。水の存在下での混練により、蒸発線熱により過度の樹脂温度の上昇を防止効果や衝撃強度の向上が提示されている。
従来報告されている技術としては、CNFを樹脂へ添加することで引張り強度や曲げ弾性率の向上について報告されているが、引張り強度を保持したまま、破断伸び、および破断時の引張強度を向上をさせることについてはこれまで報告されていない。
特開2016−176052号公報 特開2016−79311号公報 特開2015−209439号公報
CNFは、繊維幅の平均値が10〜20nmと細いため、そのアスペクト比は100以上となる。一般的に、アスペクト比の高い針状、繊維状フィラーは、力学的・熱的補強効果が高いことが知られており、CNFもアスペクト比が高いため、樹脂に対する補強用フィラーとして検討されてきた。樹脂複合体の機能として、引張強度や曲げ強度とそれらの弾性率向上について報告されているが、一方で、CNF複合樹脂は、樹脂が本来持っている伸び(ひずみ)を減少させてしまうため、硬くて粘り強い材料ではなく、硬くて脆い材料となる。
そこで本発明の目的は、CNF乾燥体を5質量%以下の低充填量で樹脂体に添加混合することでPP単体よりも、引張強度、破断伸び、および破断時の引張強度を向上をさせ、タフ化(強靭化)した樹脂組成物を提供することにある。
本発明の樹脂組成物は、
(A)セルロースナノファイバー(CNF)から調整されたCNF乾燥体と、
(B)酸変性ポリプロピレンと、
(C)ポリオレフィン系樹脂
とを有する樹脂組成物において、
前記CNF乾燥体は、木材パルプ、コットン、リンター、麻、バクテリアセルロース、柔細胞繊維のいずれかひとつを原料とする、結晶形がI型のセルロースであること、
有機成分として、水、エタノールまたは、メタノールの水可溶性アルコールに溶解および分散可能なアニオン系、ノニオン系界面活性剤、またはこれらの混合物を、前記CNF乾燥体の乾燥重量の0.05〜30質量%含有されること、
重合度(エチレンジアミン溶液を用いた粘度法による)が100以上1,500以下であること、を満たすCNF乾燥体であり、
前記CNF乾燥体の充填量が樹脂組成物全体の5質量%以下の配合で、引張破断伸びが600%以上であり、破断時の引張強度が30MPa以上であることを特徴とする。
また、本発明は、
(A)セルロースナノファイバー(CNF)から調整されたCNF乾燥体と、
(B)酸変性ポリプロピレンと、
(C)ポリオレフィン系樹脂
とを有する樹脂組成物の製造方法において、
原料セルロースとして、結晶形がI型のセルロースであり、木材パルプ、コットン、リンター、麻、バクテリアセルロース、柔細胞繊維のいずれかひとつを使用して、乾燥前に有機成分をセルロースの乾燥重量の0.05〜30質量%含有されるとともに、水、エタノール、またはメタノールの水可溶性アルコールに溶解および分散可能なアニオン系、ノニオン系界面活性剤、またはこれらの混合物をして配合して、直径0.1〜0.8mmのノズルを介して、100〜245MPaの高圧噴射処理により、セルロース分散流体を衝突用硬質体に衝突させるか、または互いに噴射衝突させることで得られたCNFを乾燥させたものであって、重合度(鋼エチレンジアミン溶液を用いた粘度法による)が100以上であり1,500以下になるように高圧噴射処理することで得られたCNFを乾燥させたものを構成成分(A)として、さらに(B)酸変性ポリプロピレンと、(C)ポリオレフィン系樹脂とを添加混合するものであり、前記CNF乾燥体:前記酸変性ポリプロピレン:前記ポリオレフィン系樹脂=0.01〜5:0.01〜10:85〜99.8の質量比にて混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法である。
本発明の特徴は、物の構造または特性により直接特定することは、不可能と考える。
第一に、本発明のCNF乾燥体は、本発明の製造工程によりもたらされるCNFを乾燥することにより得られるものであるが、従来技術と比較したCNFの分散状態の微視的差異は、組成、粘度といった通常用いられる指標だけでは十分に区別することができない。
第二に、本発明のCNF乾燥体を顕微鏡下で観察する場合、tert−ブチルアルコールに置換し凍結乾燥させた上で顕微鏡写真によって観察する必要があり、置換や凍結によって物の構造または特性が変化している可能性があり、CNF乾燥体の構造または特性を正確に特定することは不可能である。また、材料の存在状態を詳細に測定する手法としては、走査型電子顕微鏡(SEM)などがあげられるが、あくまで試料表面の状態を主に観測するため、本発明のCNF乾燥体のように、剪断力、キャビテーション気泡の消滅による衝撃力、硬質体や噴流受けへの衝突力などの複合的な要因によって解繊された、微細かつ複雑な有機構造物を正確に解析し特定するには十分とは言えない。また、X線回析のような分析機器を用いて結晶性の差異などを測定するとしても、正確かつ十分に特定をすることは困難である。
第三に、本発明を物の構造または特性により、正確かつ十分に特定するには、実際上、従来技術と本発明のCNF乾燥体や樹脂組成物を統計上有意となる数だけ製造または購入し、統計処理をした上で、これらを区別する有意な指標や値を見出す必要があり、膨大な時間とコストがかかる。また、従来技術についても膨大な可能性があり、統計上有意となる数を一義的に決めることもできない。このように、適切な測定および解析の手段が存在していなかったのが実状である。
以上のように、本発明のCNF乾燥体や樹脂組成物は、その構造または特性を、測定に基づき解析して正確かつ十分に特定することは、本願出願時における解析技術からして非実際的または不可能と考える。
本発明の樹脂組成物は、前記CNF乾燥体が、乾燥前に有機成分を配合して、同時に乾燥させることでCNF乾燥体に有機成分を含有したCNF乾燥体であることを特徴とする。
前記有機成分は、水、エタノール、またはメタノールなどの水可溶性アルコールに溶解および分散可能なアニオン系、ノニオン系界面活性剤、またはこれらの混合物であることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、前記酸変性ポリプロピレンが、マレイン酸変性ポリプロピレンまたは無水マレイン酸変性ポリプロピレンであることを特徴とする。
本発明の樹脂組成物は、前記CNF乾燥体の充填量が樹脂全体の5質量%以下の配合で、引張破断伸びが600%以上であり、破断時の引張強度が30MPa以上であること特徴とする。
本発明によれば、CNF乾燥体を5質量%以下の低充填量で樹脂体に添加混合することでPP単体よりも、引張強度、破断伸び、および破断時の引張強度の向上をさせ、タフ化した樹脂組成物を提供できる。
本発明を適用した実施形態の高圧噴射処理を複数回繰り返す(パス回数)の増加による結晶構造の変化図である。 本実施形態の高圧噴射処理を複数回繰り返す(パス回数)の増加に伴うセルロース重合度の変化図である。 本発明を適用して得られた得られたCNFの顕微鏡写真である。 本発明の実施形態の低ひずみ領域におけるPP/CNF(長繊維)複合材料の応力ひずみ曲線を示す図である。 本発明の実施形態の低ひずみ領域におけるPP/CNF(短繊維)複合材料の応力ひずみ曲線を示す図である。 本発明の実施形態の破断に至るまでのPP/CNF(短繊維)複合材料の応力ひずみ曲線図を示す図である。 本発明の実施形態の低ひずみ領域におけるPP/CNF(長繊維)複合材料の応力ひずみ曲線を示す図である。 本発明の実施形態の破断に至るまでのPP/CNF(長繊維)複合材料の応力ひずみ曲線図を示す図である。 本発明の実施形態の破断に至るまでの無水マレイン酸変性PP濃度依存性について、PP/CNF(短繊維)複合材料の応力ひずみ曲線図を示す図である。 本発明の実施形態の破断に至るまでの異なる種類の無水マレイン酸変性PPについて、PP/CNF(短繊維)複合材料の応力ひずみ曲線図を示す図である。 本発明の実施形態の破断に至るまでのPP複合材料の応力ひずみ曲線図を示す図である。
本発明において、高圧噴射処理の対象となる「バイオマス」とは、生物由来の高分子、特に、水に難溶性の高分子を意味し、具体的には、セルロース、キチン、キトサンなどが挙げられる。セルロース、キチン、キトサンは、溶解させる溶媒が限られており、分解がされにくく、加工が難しい材料であった。本発明によれば、セルロース、キチン、キトサンなどの結晶性や水難溶性の天然高分子を水の分散流体とし、高圧噴射処理によりナノファイバー化させることができる。
本発明で使用するバイオマスは、繊維状、粒状などの任意の形態であってもよい。本発明による構成単位糖までのバイオマスの分解(糖化)に関しては、セルロースの場合は、幅広い植物原料(稲わら、籾殻、麦わら、コーンコブなどに加えて木材、林地残材、製材工場など残材、建設発生木材、古紙などの廃材を含む)、キチンの場合は、エビ、カニなどの甲殻類の殻などバイオマスを直接原料として使用するのが好ましい。一方、ナノファイバー化に関しては、セルロースの場合は、リグニンやヘミセルロースを除去した結晶セルロース、キチン・キトサンの場合は、一般的に知られている方法で除タンパク質・脱カルシウム処理された精製キチン・キトサンを原料として使用するのが好ましい。また、ナノファイバー化の場合は、セルロース、キチン・キトサンとも、市販の原料を使用してもよい。本発明に係る装置でバイオマスを高圧噴射処理すると、セルロースおよびキチン・キトサンは繊維の長さを保ったまま繊維同士の絡まりがほどけて細くなっていくが、噴射圧力や処理回数などの処理条件を変えることで、分子量を低下させることもできる。
本発明において「分散流体」とは、バイオマスを水に分散させた状態でナノファイバー化前の状態であり、本発明において「分散液」とは、ナノファイバー化後の分散液を指す。バイオマス分散流体は、濃度が薄い場合には、流動性の高い分散液になるが、バイオマスが微細化するにしたがって粘性が高くなり、濃度が高くなるとペーストに近い性状となる。バイオマス分散流体の濃度は、高濃度ほど処理効率が高まるため好ましいが、ナノレベルに微細化した繊維の場合、粘度が高くなりすぎ、ペースト状になると高圧噴射が困難になる。本発明では、バイオマスファイバー(好ましくは、バイオマスナノファイバー)が高濃度であっても高圧噴射することができ、分散流体中のバイオマスの濃度は、例えば、1〜30重量%程度、好ましくは5〜30重量%程度、より好ましくは10〜30重量%程度、さらに好ましくは11〜30重量%程度であってもよい。
本発明において「ナノファイバー」とは、繊維の幅がナノサイズになったものを意味する。例えば、セルロースは、繊維同士がほどけて1本の最小単位の繊維になると、その直径は、10〜50nm程度となる。バイオマスやナノファイバーの直径(幅)は、電子顕微鏡写真により測定することができる。このような繊維は、長さはナノサイズではないが、直径(幅)がナノサイズであるので、本明細書においてナノファイバーと記載する。本発明の方法により処理されて得られたナノファイバーの平均径は、10〜100nm程度、好ましくは10〜40nm程度、最も好ましくは10〜25nm程度である。
本発明において「乾燥体」とは、バイオマスを乾燥させたものを意味する。乾燥体の乾燥方法は、限定はされないが、例えば、噴霧乾燥法、真空乾燥法、気流乾燥法、流動層乾燥法などが想定できる。
本発明において「樹脂組成物」とは、ナノファイバーと熱可塑性樹脂との複合体を意味する。
(1.CNFの調整)
水に分散させたセルローススラリーを調整する。本発明に関するCNFは、セルロースを機械粉砕して得られる繊維であり、原料セルロースとしては、結晶形がI型のセルロース(セルロースI型)である木材パルプや、コットン、リンター、麻、バクテリアセルロース、柔細胞繊維などの非木系パルプ、結晶形がII型のセルロース(セルロースII型)である溶解剤としてN一メチルモルホリンN―オキシド/水溶媒、銅アンモニア錯体、水酸化ナトリウム/二硫化炭素を用いた再生セルロース繊維などが用いられる。セルロースII型は、分子量および結晶化度が低下しているため、セルロースI型よりも繊維が切断されやすく、また、耐熱性も低いので、特に好ましい材料としては、セルロースI型である。セルロースを機械粉砕する方法としては、パルプをビーターやリファイナーで所定の長さとして、高圧ホモジナイザー、グラインダー、衝撃粉砕機、ビーズミルなどを用いて、フィブリル化または微細化することで機械粉砕する方法が知られている。
本発明では、CNFは、直径0.1〜0.8mmの噴射ノズルを介して、100〜245MPaの高圧噴射処理により、セルロース分散流体を衝突用硬質体に衝突させるか、または互いに噴射衝突させることで解繊する。
この解繊手法は、市販されている高圧ホモジナイザーのように、分散流体を高圧低速で狭い流路を通過させ、解放時に均質化させるせん断力だけではなく、分散流体を衝突用硬質体に衝突させることによる衝突力や、キャビテーションを利用した、高圧での連続処理ができる。これらウォータージェット(WJ)のせん断力、衝突力、キャビテーションを利用した解繊手法をWJ法と定義する。また、衝突処理を1回行うことを1パスとして、均―なナノファイバーを得るには、好ましくは1〜30パス、さらに好ましくは5〜20パスの繰り返し衝突を行う必要がある。
オリフィスノズルからの吐出流は、440〜700m/sの高速噴流となるが、その速度までに加速されるオリフィス内では、高い剪断力が発生する。ここで使用するオリフィスノズルの厚みは0.4mmと極端に薄いため、圧力エネルギーのほぼ100%を噴射の速度エネルギーに変換できる。すなわち、オリフィス内部では、0.1〜0.8mmという狭い隙間と、440〜700m/sの超高速の状態となり、高い剪断力を得るための構成要素が満たされている。なお、[剪断力]=[スラリーの粘度]×[速度]/[隙間]と定義できる。
スラリーの粘度については、本処理回路の各部を改善したことで、より高濃度すなわち高粘度のスラリーを処理することができるようになり、スラリー自身の剪断力(ずり応力)を高める要因にもなっている。
440〜700m/sの高速噴流(高圧噴射状態)では、キャビテーション気泡が発生し、この気泡が消滅することによって強い衝撃力が発生する。オリフィスノズルの下流側に衝撃増強領域を設けることで、キャビテーションを効率的に発生させることができる。
また、構造上の噴流受けとして、ボール状または平板状のセラミック硬質体を具え、噴射圧力を高く、噴流の速度の速い領域を用い、この硬質体への衝突力も粉砕に利用する。これらの複合的な要因によって、セルロースは、ナノファイバーへと解繊されていき平均繊維径が10〜50nmのCNFとなる。
また、酸やアルカリを使用せずにCNFを得ているため、セルロースの分子鎖へのダメージが少なく、結晶化度の高いCNFが得られる。図1に、高圧噴射処理を複数回繰り返す回数を増やすことで結晶パターンがどのように変化するかをX線結晶解析により調べたグラフを記載する。パス回数を増加させても結晶構造パターンが変わらず維持されており、解繊工程で結晶構造にダメージが少ないことを示している。なお、セルロースの場合、未処理に対する各パス回数(衝突回数)における結晶化度は、40〜83%となった。また、キチンの結晶化度は、48〜73%となった(不図示)。ボールミルやディスクミルなどの他の物理的粉砕法では結晶化度が低下していくのに対して、WJでは結晶化度が低下し難いことが大きな特長である。
本発明では、この解繊手法で得られたCNFの繊維には、10〜50nmの繊維径のナノファイバーが含まれているが、その平均繊維径は10〜20nmである。また、本発明は、CNFの重合度が100以上1,500以下である。重合度は、セルロースの最小構成単位であるグルコース単位の連結数であり、本発明において、重合度は、エチレンジアミン溶液を用いた粘度法によって求められる。セルロースの重合度900程度のセルロースAと重合度が200程度のセルロースBを原料として、パスごとに重合度を測定した結果を示す。(図2)20パス経過後、セルロースAでは、重合度は600程度に下がるものの、パスを増加させても重合が大きく下がることはない。
また、セルロースBでは、パス回数による重合度低下は生じなかった。重合度は、原料セルロースの分子量や繊維サイズに依存し、高圧噴射処理による重合度の低下は原料の重合度の6〜8割を維持しており、その減少幅が少ない。このため、原料セルロースの重合度を調整することで、重合度の異なる高結晶でアスペクト比の高いCNFを得ることができる。
図3は、本発明を適用して得られたCNFの顕微鏡写真である。本発明に係るCNFをtert−ブチルアルコールに置換し、凍結乾燥することによって得られたサンプルをFE−SEM(電解放出形走査電子顕微鏡)にて観察したものであり、直径20nm程度均質なナノファイバーが得られていることが確認できる。一方、セルロースの最小構成単位であるグルコース単位の連結数である重合度を銅エチレンジアミン溶液を用いた粘度法にて求めたところ、約650であった。WJ法でナノファイバー化することによる重合度の減少率は低く、本発明においても重合度を維持されたまま、ナノオーダーでセルロース繊維が解繊されていることが確認できた。
(2.CNF乾燥体の調整)
WJ法で得られた2〜30質量%CNFを乾燥速度0.002(kg/m・s)以上になる条件で乾燥し、CNF乾燥体を得た。このCNF乾燥体を使用し、樹脂との複合化実験に供した。
(3.有機成分を含有したCNF乾燥体の調整)
[有機成分]
本発明において使用される有機成分は、乾燥工程の前にCNFのスラリー液と十分に撹拌混合し、乾燥工程に進むのが好ましい。混合方法としては、マグネチックスターラーや、プロペラ式の撹拌装置、ホモジナイザー、ホモミキサー、超音波分散機などが挙げられる。
また、本発明において使用される有機成分は、水およびエタノール・メタノールなど水可溶性アルコールに溶解可能なアニオン系、ノニオン系界面活性剤およびこれらの混合物であれば良く、具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、グリセリン、およびその化合物などが挙げられる。
ステアリン酸は、動物性・植物性脂肪で最も多く含まれる飽和脂肪酸であり、油脂成分として天然に広く分布する。ステアリン酸として、具体的には、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エステル、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸PEG、ステアリン酸PEG−グリセリル、ステアリン酸PG、ステアリン酸アスコルビル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸グリコール、ステアリン酸グリセリド、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ビニル、ステアリン酸スクロース、ステアリン酸ソルビタン、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸バチル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ステアリル、ジステアリン酸グリセロール、ステアリン酸イソヘキサデシル、モノステアリン酸グリセロール、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸2−エチルヘキシル、モノイソステアリン酸グリセロール、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
オレイン酸は、具体的には、オレイン酸、無水オレイン酸、オレイン酸エチル、オレイン酸エステル、オレイン酸ブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸グリシジル、オレイン酸銅(II)、オレイン酸コレステリル、ジオレイン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセリル、オレイン酸ブチルエステル、オレイン酸プロピルエステル、オレイン酸ジブチルアンモニウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチルエステル、N,N−ジエタノールオレイン酸アミド、N,N−ジエタノールオレイン酸アミド、オレイン酸4−メチルウンベリフェリル、トリオレイン酸トリメチロールプロパン、スルホスクシンイミジルオレイン酸ナトリウム、N,N’−エチレンビスオレイン酸アミド、オレイン酸5−ブロモ−4−クロロ−3−インドキシルなどが挙げられる。
グリセリンは、具体的には、グリセリン、ジグリセリン、PPG−9ジグリセリル、PPG−14ポリグリセリル−2エーテル、ジグリセリンモノカプリレート、POP(9)ポリグリセリルエーテル、POP(14)ポリグリセリルエーテル、POP(24)ポリグリセリルエーテル、POE(13)ポリグリセリルエーテル、POE(20)ポリグリセリルエーテル、POE(30)ポリグリセリルエーテル、POE(40)ポリグリセリルエーテル、ポリグリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、モノラウリン酸ポリグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノオレイン酸ポリグリセリル、モノステアリン酸ポリグリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ペンタイソステアリン酸ポリグリセリル、アジピン酸、ジエチレングリコール、エチルヘキシルグリセリン、オクトキシグリセリン、オゾン化グリセリン、シクロヘキシルグリセリン、チオグリセリン、ビスジオレオイルグリセロホスホグリセリン2Na、ヘキシルグリセリン、ポリグリセリン−4、ポリグリセリン−6、ポリグリセリン−10、ポリグリセリン−20、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリグリセリルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、モノグリセライド、アセチル化モノグリセライド、有機酸モノグリセライド、中鎖脂肪酸モノグリセライド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン酸脂肪酸エステル、プロピレングリコール酸脂肪酸エステルなどが挙げられる。
本発明に関する有機成分は、セルロースの乾燥重量の0.05〜30質量%含有されていることが望ましく、さらに好ましくは1〜20質量%である。0.05質量%未満では、CNFの凝集抑制効果や吸水防止効果が少なく、30質量%を超える添加量ではCNFに対して過剰量になり、その結果、変色や乾燥不良が見られる。
・CNF乾燥体(成分A)の調整
(A−1)WJ法で得られた10質量%CNF(スギノマシン製 WFo-10010 重合度650程度)にイオン交換水を加えて、終濃度が1質量%になるように調整し、スリーワンモーター撹拌機BLW3000(新東科学製)にて十分に撹拌混合させ、CNF分散液を調整した。得られた1質量%CNF分散液を噴霧乾燥装置により入口温度200℃、供給量40ml/minにて噴霧乾燥させ、セルロースの重合度が約650のCNF乾燥体を得た。
(A−2)WJ法で得られた10質量%CNF(スギノマシン製 FMa-10010重合度200程度)にイオン交換水を加えて、終濃度が1質量%になるように調整し、スリーワンモーター撹拌機BLW3000(新東科学製)にて十分に撹拌混合させ、CNF分散液を調整した。得られた1質量%CNF分散液を噴霧乾燥装置により入口温度200℃、供給量40ml/minにて噴霧乾燥させ、セルロースの重合度が約200のCNF乾燥体を得た。
・有機成分を含有したCNF乾燥体の調整
上述のWJ法で得られた10質量%CNFにイオン交換水を加えて、終濃度が1質量%になるように調整し、(A−3)和光純薬製 オレイン酸を終濃度で0.2質量%になるように調整し、スリーワンモーター撹拌機BLW3000(新東科学製)にて十分に撹拌混合させ、CNF分散液を調整した。得られた1質量%CNF分散液を噴霧乾燥装置により入口温度200℃、供給量40ml/minにて噴霧乾燥させ、有機成分を含有したCNF乾燥体を得た。
酸変性ポリプロピレン(成分B)と、ポリオレフィン系樹脂(成分C)は以下の通りである。
・(成分B)酸変性ポリプロピレン
(B−1)三洋化成製 ユーメックス 1001
(B−2)三洋化成製 ユーメックス 1010
(B−3)化薬アグゾ製 カヤブリッド002PP
(B−4)理研ビタミン製 リケエイドMG-670P
・(成分C)サンアロマー製 PX600N
[実施例1,2、比較例1]
表1に示す配合割合で成分(A)〜(C)を混合した後、ブレンダーを用いて20,000rpmで1分間撹拌混合した。その後、2軸混練機(Xplore Instruments社製)によって溶融混錬を行った。混練条件は、200℃、80rpm、混練時間は5分で射出成型を行い、所定のダンベル片(JISK7113)を得た。得られたダンベル片は、1日以上状態調整後、精密万能試験装置、オートグラフAG−50KNXD 島津製作所製により引張り試験を行った。試験条件として、試験速度10mm/min、つかみ具間距離60mmに設定した。得られた機械的物性(引張強度と弾性率)の平均値について表1に示す。また、低ひずみ領域での応力ひずみ曲線図の代表例を図4に示す。
Figure 0006889358
結果、表1に示すように、5質量%のCNFをPPに添加複合化させることで、比較例1と比較して、実施例1では引張強度が約1.2倍、弾性率は約1.3倍向上した。また、実施例2では、引張強度が約1.2倍、弾性率は約1.6倍向上した。
[実施例3〜8、比較例2]
表2に示す配合割合で成分(A)〜(C)を混合した後、実施例1と同様の方法で引張試験を実施した。また、低ひずみ領域での応力ひずみ曲線図の代表例を図5に示し、破断に至るまでの応力ひずみ曲線図の代表例を図6に示す。結果、CNFの添加量が1〜2質量%で引張強度が向上する(図5参照)とともに破断伸びおよび破断時の引張強度が向上した(図6参照)。
Figure 0006889358
[実施例9〜14、比較例3]
表3に示す配合割合で成分(A)〜(C)を混合した後、実施例1と同様の方法で引張試験を実施した。また、低ひずみ領域での応力ひずみ曲線図の代表例を図7に示し、破断に至るまでの応力ひずみ曲線図の代表例を図8に示す。結果、CNF乾燥体(長繊維)の添加量が1〜2質量%で引張強度が向上する(図7参照)とともに破断伸び、および破断時の引張強度が向上した(図8参照)。また、破断伸びおよび破断時の引張強度の向上については繊維長が短いCNFよりも長いCNFの方が効果があることが確認できる。
Figure 0006889358
[実施例15〜19]
表4に示す配合割合で成分(A)〜(C)を混合した後、実施例1と同様の方法で引張試験を実施した。最大点応力(MPa)、破断点応力(MPa)、弾性率(MPa)、破断変位点(%)の平均値を表4に示す。また、破断に至るまでの応力ひずみ曲線図の代表例を図9に示す。結果、マレイン酸変性PP(B−1)の量を増加させるにつれ、破断変位点は増加し、CNF:マレイン酸変性PP=1:1の時に破断変位点が最大となった。
Figure 0006889358
[実施例20〜24]
表5に示す配合割合で成分(A)〜(C)を混合した後、実施例1と同様の方法で引張試験を実施した。最大点応力(MPa)、破断点応力(MPa)、弾性率(MPa)、破断変位点(%)の平均値を表5に示す。また、破断に至るまでの応力ひずみ曲線図の代表例を図10に示す。結果、マレイン酸変性PP(B−2)を添加した時に、破断変位点(%)が最大となった。
Figure 0006889358
[実施例25,26、比較例4〜5]
表6に示す配合割合で成分(A)〜(C)を混合した後、実施例1と同様の方法で引張試験を実施した。比較例として、(A’−1)WJ法とは別製法のCNFとして、10質量%CNF(ダイセルファインケム製 FD−100G)にイオン交換水を加えて、終濃度が0.5質量%になるように調整し、スリーワンモーター撹拌機BLW3000(新東科学製)にて十分に撹拌混合させ、CNF分散液を調整した。得られた1質量%CNF分散液を噴霧乾燥装置により入口温度200℃、供給量40ml/minにて噴霧乾燥させた。また、(A’−2)は、CNFではなくカーボンファイバー(大阪ガスケミカル製 S−2404N)を用いて比較した。最大点応力(MPa)、破断点応力(MPa)、弾性率(MPa)、破断変位点(%)の平均値を表6に示す。また、破断に至るまでの応力ひずみ曲線図の代表例を図11に示す。結果、わずか1wt%のCNFを添加することで破断変位点(%)が大きく増加し、さらに破断点応力値が増加することが確認でき、PP/CNF複合樹脂のタフ化効果が観察された。
Figure 0006889358

Claims (7)

  1. (A)セルロースナノファイバー(CNF)から調整されたCNF乾燥体と、
    (B)酸変性ポリプロピレンと、
    (C)ポリオレフィン系樹脂
    とを有する樹脂組成物において、
    前記CNF乾燥体は、木材パルプ、コットン、リンター、麻、バクテリアセルロース、柔細胞繊維のいずれかひとつを原料とする、結晶形がI型のセルロースであること、
    有機成分として、水、エタノールまたは、メタノールの水可溶性アルコールに溶解および分散可能なアニオン系、ノニオン系界面活性剤、またはこれらの混合物を、前記CNF乾燥体の乾燥重量の0.05〜30質量%含有されること、
    重合度(エチレンジアミン溶液を用いた粘度法による)が100以上1,500以下であること、を満たすCNF乾燥体であり、
    前記CNF乾燥体の充填量が樹脂組成物全体の5質量%以下の配合で、引張破断伸びが600%以上であり、破断時の引張強度が30MPa以上であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記CNF乾燥体:前記酸変性ポリプロピレン:前記ポリオレフィン系樹脂=0.01〜 5:0.01〜10:85〜99.8の質量比にて混合することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記CNF乾燥体が、乾燥前に有機成分を配合して、乾燥させることでCNF乾燥体に有機成分を含有したCNF乾燥体であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の樹脂組成物。
  4. 前記酸変性ポリプロピレンが、マイレン酸変性ポリプロピレンまたは、無水マイレン酸変性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. (A)セルロースナノファイバー(CNF)から調整されたCNF乾燥体と、
    (B)酸変性ポリプロピレンと、
    (C)ポリオレフィン系樹脂
    とを有する樹脂組成物の製造方法において、
    原料セルロースとして、結晶形がI型のセルロースであり、木材パルプ、コットン、リンター、麻、バクテリアセルロース、柔細胞繊維のいずれかひとつを使用して、乾燥前に有機成分をセルロースの乾燥重量の0.05〜30質量%含有されるとともに、水、エタノール、またはメタノールの水可溶性アルコールに溶解および分散可能なアニオン系、ノニオン系界面活性剤、またはこれらの混合物をして配合して、直径0.1〜0.8mmのノズルを介して、100〜245MPaの高圧噴射処理により、セルロース分散流体を衝突用硬質体に衝突させるか、または互いに噴射衝突させることで得られたCNFを乾燥させたものであって、重合度(エチレンジアミン溶液を用いた粘度法による)が100以上であり1,500以下になるように高圧噴射処理することで得られたCNFを乾燥させたものを構成成分(A)として、さらに(B)酸変性ポリプロピレンと、(C)ポリオレフィン系樹脂とを添加混合するものであり、前記CNF乾燥体:前記酸変性ポリプロピレン:前記ポリオレフィン系樹脂=0.01〜5:0.01〜10:85〜99.8の質量比にて混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  6. 前記酸変性ポリプロピレンが、マイレン酸変性ポリプロピレンまたは、無水マイレン酸変性ポリプロピレンであることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記セルロースナノファイバー(CNF)の分散流体中の濃度が1〜30重量%になるように前記高圧噴射処理することを特徴とする請求項5ないし6のいずれかに記載の樹脂組成物の製造方法。
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