JP2624992B2 - 均質化されたキチン懸濁液 - Google Patents

均質化されたキチン懸濁液

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JP2624992B2 JP63077474A JP7747488A JP2624992B2 JP 2624992 B2 JP2624992 B2 JP 2624992B2 JP 63077474 A JP63077474 A JP 63077474A JP 7747488 A JP7747488 A JP 7747488A JP 2624992 B2 JP2624992 B2 JP 2624992B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化粧品原料などに有用な均質化されたキチン
の有機液体懸濁液及びその製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
キチンは天然に多量に存在し、またセルロース等と同
様にリニューアブル資源として注目されるものである。
即ち、キチンはエビ、オキアミ、カニ等の甲殻類、カブ
トムシなどの昆虫類、菌類の細胞壁等に構造多糖として
存在しており、自然界では広く且つ多量に生成してい
る。キチンの利用としては、紙・繊維への添加剤、写真
製品添加剤、医薬品、化粧品あるいは抗腫瘍剤などが提
案されているが、そのためには有効に利用し得るような
形態にする必要がある。
最近、精製キチンは、人体に対し、何らの悪影響を与
えず、生体適合性があることが示唆され、医薬、化粧品
等への応用が提案されている。しかし、精製キチンは殆
どの溶剤に不溶の粉末状の物質であり、これをそのまま
化粧品等に配合しても肌ざわりが荒々しく使用に耐えな
い、また、キチンを溶解しうる溶剤は特殊なものが殆ど
であり、これらの溶剤が医薬、化粧品へ混入されること
は好ましくない。
キチンの利用しやすい形態として微粒状あるいは懸濁
状にすると利用の可能性がある。微粒状あるいは懸濁状
にするための提案はいくつかあるが、製法が繁雑であっ
たり、薬品の作用が激しすぎて分子崩壊を伴ったり、ま
た懸濁液の安定性が悪く短時間で固液分離してしまうと
いった欠点を持つものが殆どであり、いまだ実用化され
たものはない。
一方、本発明者らはキチン及びキトサンを水を媒体と
した微粒子懸濁液とする方法を見出し、特開昭61−1492
37号公報及び特開昭61−159430号公報に開示した。この
方法で与えられる微粒子懸濁液は懸濁安定性に優れてお
り、化粧品を含む多くの用途に使用できる。
しかし、この水を媒体とする微粒子懸濁液は油性の化
粧品、軟膏などには適用しがたいという欠点がある。ま
た、水を媒体とする微粒子懸濁液は、水が蒸発するとキ
チン又はキトサンのフィルムを形成する。皮膚上に生成
したフィルムは、皮膚呼吸を妨げず、人工皮膚やパック
剤などの目的には好適であるが、つっぱった感じを与え
るので、軟質の化粧品用としては好適ではない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究の結
果、水に代えて特定範囲の有機液体を媒体として使用
し、特開昭61−149237号公報及び特開昭61−159430号公
報に開示した方法に準じて処理したところ、均質化され
たキチンの有機溶媒中微分散懸濁液が得られることを見
出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、有機液体保持力値が200%以上で、2
5℃、3重量%固形分濃度での粘度が100poise以上で、
0.5重量%濃度の懸濁液を1時間放置した後の安定量が5
0以上であることを特徴とする、沸点150℃以上のアルコ
ールから選ばれる有機液体中で均質化されたキチン懸濁
液を提供するものである。
本発明はまた、粉末状キチンの、沸点150℃以上のア
ルコールから選ばれる有機液体懸濁液を小径オリフィス
を通過させて、その懸濁液に少なくとも200kg/cm2の圧
力差で高速度を与え、次にこれを衝突させて急速に減速
させることにより剪断作用を行わせる工程と、前記工程
を繰り返して前記キチンの有機液体懸濁液が実質的に安
定な懸濁液となるようにする工程とから成ることを特徴
とする均質化されたキチン懸濁液の製造方法をも提供す
るものである。
尚、本発明において、キチン懸濁液の安定量、有機液
体保持力値及び粘度とは以下に示す方法により測定した
値である。
(1) 安定量; キチンの有機液体ゲル状懸濁液を有機液体で希釈して
0.5重量%の分散液を調製する。これを100mlのメスシリ
ンダーに入れ、室温で1時間放置した後に生ずる透明な
上澄液量をAmlとしたとき安定量は100−Aで定義される
値である。
(2) 有機液体保持力値; キチンの有機液体懸濁液試料を200メッシュの金網カ
ゴに入れ、これを遠心効果1300の遠心力で20分間処理し
脱液する。その後、試料を取り出して、その重さ(W
1g)を測定する。次にこの試料を試料量の約500倍の水
で洗浄、濾過して有機液体を除去後、105℃で恒量にな
るまで乾燥し、その重さ(W2g)を測定する。
有機液体保持力値(W.R.V.)は次の式で算出される。
(3) 粘 度; 3重量%固形分濃度の有機液体懸濁液試料を25℃に調
温し、B型粘度計(東京計器製)、型式BH型を用いロー
ターNo.7,20回転で粘度を測定する。
本発明に使用される有機液体は沸点150℃以上のアル
コールであり、具体的には、α−テルピネオール等の1
価アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール等の2価アルコール、グリセリン等の3価ア
ルコールなどから選択される。
本発明の製造方法の実施に好適な装置は乳製品製造業
者などで広く使われているエマルジョン及び分散体製造
用の高圧用均質化装置である。この種の均質化装置とそ
の作動機構についてはよく知られており、例えばケミカ
ル・エンジニアリング(Chemical Engineering),13
(5),86−92(1974)にも記載されている。
本発明の実施に際しては、精製したキチンを一旦乾燥
した後、最長部分が1〜2mm程度の小片に粉砕したもの
を原料に用いる。これを有機液体に分散させ懸濁液とす
るが、そのキチン分散量は重量百分率で最大10%が好ま
しく、更に好ましくは約1〜5%の範囲である。
この懸濁液を前記均質化装置に導入して少なくとも20
0kg/cm2、好ましくは350〜560kg/cm2の圧力を加える。
その後、この懸濁液を均質化装置を何回も通過させ、有
機液体保持力値が200%以上で、3重量%固形分濃度で
の粘度が100poise以上で、0.5重量%濃度の懸濁液を1
時間放置した後の安定量が50以上である安定なキチンの
有機液体懸濁液を得る。キチンの有機液体懸濁液の有機
液体保持力値、粘度及び安定量が上記の範囲外である
と、有機液体とキチンが分離し安定したペースト状態を
保ち得ず、産業上有効に利用し得る形態とならない。懸
濁液の温度は、それが均質化装置内を通過するにつれて
上昇する。均質化装置通過の際の圧力の降下と温度上昇
の相互作用が本発明による安定なキチン懸濁液を生成さ
せるのに必要であると考えられる。
本発明によって得られるキチンの有機液体懸濁液は、
高度の有機液体保持性と有機液体中の懸濁安定性があ
り、非常に高い粘性を示し、粘度の経時変化も少ない。
従来のキチンは凍結粉砕でも200μmの粒径にしかな
らないが、本発明の懸濁液中のキチン繊維径は20〜0.1
μmまで粉砕されており、凍結粉砕より1/10〜1/1000ま
で細かくなっている。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 市販のキチン粉末(片倉チッカリン(株))30gをグ
リセリン970gに分散させ、3重量%のキチン懸濁液を調
製した。これをGaulin均質化装置(15M−8TA)に常温
(約25℃)で仕込み、420kg/cm2の圧力で40回通過させ
た。懸濁液は通過回数が増すにすれて粘稠なゲル状にな
ってくる。
40回通過終了時点で液温は75℃となり、安定なゲル状
キチン懸濁液が得られた。この懸濁液の物性を測定した
ところ以下の値が得られた。
(1) 安定量:100 (2) 液体保持力値:3,190% (3) 粘度:1,481poise 実施例2 市販のキチン粉末(片倉チッカリン(株))30gをプ
ロピレングリコール970gに分散させ、3重量%のキチン
懸濁液を調製した。これをGaulin均質化装置(15M−8T
A)に常温(約25℃)で仕込み、420kg/cm2の圧力で40回
通過させた。懸濁液は通過回数が増すにつれて粘稠なゲ
ル状になってくる。
40回通過終了時点で液温は75℃となり、安定なゲル状
キチン懸濁液が得られた。この懸濁液の物性を測定した
ところ以下の値が得られた。
(1) 安定量:100 (2) 液体保持力値:2,226% (3) 粘度:880poise 実施例3 市販のキチン粉末(片倉チッカリン(株))30gを1,3
−ブチレングリコール970gに分散させ、3重量%のキチ
ン懸濁液を調製した。これをGaulin均質化装置(15M−8
TA)に常温(約25℃)で仕込み、420kg/cm2の圧力で40
回通過させた。懸濁液は通過回数が増すにつれて粘稠な
ゲル状になってくる。
40回通過終了時点で液温は75℃となり、安定なゲル状
キチン懸濁液が得られた。この懸濁液の物性を測定した
ところ以下の値が得られた。
(1) 安定量:100 (2) 液体保持力値:2,327% (3) 粘度:654poise 〔発明の効果〕 化粧品、外用薬には、流動パラフィン、ワセリン、ミ
ツロウ、ラノリンなどを基剤とするものがあり、本発明
のキチンの有機液体懸濁液はそれらと良好な混合性を示
し、これに着色剤、ビタミン、ホルモン、香料、酸化防
止剤、界面活性剤、紫外線防止剤、水などを配合してク
リーム状、ペースト状、液状などの製品とすることがで
きる。
その際に、本発明の懸濁液の無刺激性、無臭性、不揮
発性、保湿性、粘稠性、皮膚親和性などの物性を有利に
利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−212302(JP,A) 特開 昭63−96111(JP,A) 特開 昭63−186701(JP,A) 特開 昭61−240963(JP,A) 特開 昭63−182304(JP,A) 特開 昭63−92604(JP,A) 特開 昭61−212302(JP,A) 特開 昭59−132001(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機液体保持力値が200%以上で、25℃、
    3重量%固形分濃度での粘度が100poise以上で、0.5重
    量%濃度の懸濁液を1時間放置した後の安定量が50以上
    であることを特徴とする、沸点150℃以上のアルコール
    から選ばれる有機液体中で均質化されたキチン懸濁液。
  2. 【請求項2】粉末状キチンの、沸点150℃以上のアルコ
    ールから選ばれる有機液体懸濁液を小径オリフィスを通
    過させて、その懸濁液に少なくとも200kg/cm2の圧力差
    で高速度を与え、次にこれを衝突させて急速に減速させ
    ることにより剪断作用を行わせる工程と、前記工程を繰
    り返して前記キチンの有機液体懸濁液が実質的に安定な
    懸濁液となるようにする工程とから成ることを特徴とす
    る請求項1記載の有機液体中で均質化されたキチン懸濁
    液の製造方法。
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