JP2517641B2 - 均質化されたキトサン懸濁液 - Google Patents

均質化されたキトサン懸濁液

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JP2517641B2 JP63077475A JP7747588A JP2517641B2 JP 2517641 B2 JP2517641 B2 JP 2517641B2 JP 63077475 A JP63077475 A JP 63077475A JP 7747588 A JP7747588 A JP 7747588A JP 2517641 B2 JP2517641 B2 JP 2517641B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化粧品原料などに有用な均質化されたキトサ
ンの有機液体懸濁液及びその製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
キトサンはキチンを脱アセチル化することによって得
られる天然高分子物質である。キトサンの原料であるキ
チンは天然に多量に存在し、またセルロース等と同様に
リニューアブル資源として注目されるものである。即
ち、キチンはエビ、オキアミ、カニ等の甲殻類、カブト
ムシなどの昆虫類、菌類の細胞壁等に構造多糖として存
在しており、自然界では広く且つ多量に生成している。
最近、精製キトサンが人体に対し何らの悪影響を与え
ずに、制菌、防かび、化膿抑制などの作用を示すことが
認められ、医薬、化粧品への応用が提案されている。
しかし、精製キトサンは、殆どの溶剤に不溶の粉末状
の物質であり、これらをそのまま化粧品等に配合しても
肌ざわりが荒々しく使用に耐えない。また、キトサンを
溶解しうる溶剤は特殊なものが殆どであって、これらの
溶剤が医薬、化粧品へ混入されることは好ましくない。
キトサンの利用しやすい形態としては溶解する以外に
微粒状あるいは懸濁状にすることが考えられる。しか
し、キトサンはセルロース等より更に機械的粉砕は困難
であり、凍結粉砕を行っても粒径200μmが限度であ
り、微粒状あるいは懸濁状とすることに成功した例はな
い。
一方、本発明者らはキチン及びキトサンを水を媒体と
した微粒子懸濁液とする方法を見出し、特開昭61−1492
37号公報及び特開昭61−159430号公報に開示した。この
方法で得られる微粒子懸濁液は懸濁安定性に優れてお
り、化粧品を含む多くの用途に使用できる。
しかし、この水を媒体とする微粒子懸濁液は油性の化
粧品、軟膏などには適用しがたいという問題がある。
又、水を媒体とする微粒子懸濁液は、水が蒸発するとキ
チン又はキトサンの皮膜を生成する。皮膚上に生成した
皮膜は、皮膚呼吸を妨げないので人工皮膚などの目的に
は好適であるが、つっぱった感じを与えることもあり、
化粧品としてはあまり好適ではない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意研究の結
果、水に代えて特定範囲の有機液体を媒体として使用
し、特開昭61−149237号公報及び特開昭61−159430号公
報に開示した方法に準じて処理したところ、均質化され
たキトサンの有機溶媒中微分散懸濁液が得られることを
見出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、有機液体保持力値が200%以上で、
3重量%固形分濃度での粘度が10poise以上で、0.5重量
%濃度の懸濁液を1時間放置した後の安定量が50以上で
あることを特徴とする有機液体中で均質化されたキトサ
ン懸濁液を提供するものである。
本発明はまた、粉末状キトサンの有機液体懸濁液を小
径オリフィスを通過させて、その懸濁液に少なくとも20
0kg/cm2の圧力差で高速度を与え、次にこれを衝突させ
て急速に減速させることにより剪断作用を行わせる工程
と、前記工程を繰り返して前記キトサンの有機液体懸濁
液が実質的に安定な懸濁液となるようにする工程とから
成ることを特徴とする均質化されたキトサン懸濁液の製
造方法をも提供するものである。
尚、本発明において、キトサン懸濁液の安定量、有機
液体保持力値及び粘度は以下に示す方法により測定した
値である。
(1) 安定量; キトサンの有機液体ゲル状懸濁液を有機液体で希釈し
て0.5重量%の分散液を調製する。これを100mlのメスシ
リンダーに入れ、室温で1時間放置した後に生ずる透明
な上澄液量をAmlとしたとき安定量は100−Aで定義され
る値である。
(2) 有機液体保持力値; キトサンの有機液体懸濁液試料を200メッシュの金網
カゴに入れ、これを遠心効果1300の遠心力で20分間処理
し脱液する。その後、試料を取り出して、その重さ(W1
g)を測定する。次にこの試料を試料量の約500倍の水で
洗浄、濾過して有機液体を除去後、105℃で恒量になる
まで乾燥し、その重さ(W2g)を測定する。
有機液体保持力値(W.R.V.)は次の式で算出される。
(3) 粘 度; 3重量%固形分濃度の有機液体懸濁液試料を25℃に調
温し、B型粘度計(東京計器製)、型式BL型を用いロー
ターNo.4,60回転で粘度を測定する。
本発明に使用される有機液体としては高沸点アルコー
ルが好ましく、特に、沸点150℃以上のアルコールが好
ましい。具体的には、α−テルピネオール等の1価アル
コール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコー
ルなどから選択される。
本発明の製造方法の実施に好適な装置は乳製品製造業
者などで広く使われているエマルジョン及び分散体製造
用の高圧均質化装置である。この種の均質化装置とその
作動機構についてはよく知られており、例えば、ケミカ
ル・エンジニアリング(Chemical Engineering),13
(5),86−92(1974)にも記載されている。
本発明の実施に際しては、精製して得たキトサンを一
旦乾燥した後、最長部分が1〜2mm程度の小片に粉砕し
たものを原料に用いる。これを高沸点アルコール等の有
機液体に分散させ、懸濁液とするが、そのキトサン分散
量は重量百分率で最大15%が好ましく、更に好ましくは
約1〜10%の範囲である。
この懸濁液を前記均質化装置に導入して、少なくとも
200kg/cm2、好ましくは350〜560kg/cm2の圧力を加え
る。その後、この懸濁液を均質化装置を何回も通過さ
せ、有機液体保持力値が200%以上で、3重量%固形分
濃度での粘度が10poise以上で、0.5重量%濃度の懸濁液
を1時間放置した後の安定量が50以上である安定なキト
サンの有機液体懸濁液を得る。キトサンの有機液体懸濁
液の有機液体保持力値、粘度及び安定量が上記の範囲外
であると、有機液体とキトサンが分離し安定したペース
ト状態を保ち得ず、産業上有効に利用し得る形態となら
ない。懸濁液の温度は、それが均質化装置内を通過する
につれ上昇する。圧力の降下と温度上昇の相互作用が本
発明による安定なキトサン懸濁液を生成させるのに必要
であると考えられる。
本発明によって得られるキトサンの有機液体懸濁液
は、高度の有機液体保持性と有機液体中の懸濁安定性が
あり、非常に高い粘性を示し、粘度の経時変化も少な
い。
従来のキトサンは凍結粉砕でも200μmの粒径にしか
ならないが、本発明の懸濁液中のキトサン繊維径は20〜
0.1μmまで破砕されており、凍結粉砕より1/10〜1/100
0まで細かくなっている。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 市販のキトサン粉末(片倉チッカリン(株))40gを
グリセリン960gに分散させ、4重量%の懸濁液を調製し
た。これをGaulin均質化装置(15M−8TA)に常温(約25
℃)で仕込み、420kg/cm2の圧力で40回通過させた。懸
濁液は通過回数が増すにつれて粘稠なゲル状になってく
る。
40回通過終了時点で液温は75℃となり、安定なゲル状
キトサン懸濁液が得られた。この懸濁液の物性を測定し
たところ以下の値が得られた。
(1) 安定量:100 (2) 液体保持力値:698% (3) 粘度:44poise 実施例2 市販のキトサン粉末(片倉チッカリン(株))40gを
プロピレングリコール960gに分散させ、4重量%の懸濁
液を調製した。これをGaulin均質化装置(15M−8TA)に
常温(約25℃)で仕込み、420kg/cm2の圧力で40回通過
させた。懸濁液は通過回数が増すにつれて粘稠なゲル状
になってくる。
40回通過終了時点で液温は75℃となり、安定なゲル状
キトサン懸濁液が得られた。この懸濁液の物性を測定し
たところ以下の値が得られた。
(1) 安定量:100 (2) 液体保持力値:250% (3) 粘度:19poise 〔発明の効果〕 化粧品、外用薬には、流動パラフィン、ワセリン、ミ
ツロウ、ラノリンなどを基剤とするものがあり、本発明
のキトサンの有機液体懸濁液はそれらと良好な混和性を
示し、これに着色剤、ビタミン、ホルモン、香料、酸化
防止剤、界面活性剤、紫外線防止剤、水などを配合して
クリーム状、ペースト状、液状などの製品とすることが
できる。その際に、本発明の懸濁液の無刺激性、無臭
性、不揮発性、保湿性、粘稠性、皮膚親和性などの物性
を有利に利用することができる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機液体保持力値が200%以上で、3重量
    %固形分濃度での粘度が10poise以上で、0.5重量%濃度
    の懸濁液を1時間放置した後の安定量が50以上であるこ
    とを特徴とする有機液体中で均質化されたキトサン懸濁
    液。
  2. 【請求項2】有機液体が高沸点アルコールである請求項
    1記載のキトサン懸濁液。
  3. 【請求項3】粉末状キトサンの有機液体懸濁液を小径オ
    リフィスを通過させて、その懸濁液に少なくとも200kg/
    cm2の圧力差で高速度を与え、次にこれを衝突させて急
    速に減速させることにより剪断作用を行わせる工程と、
    前記工程を繰り返して前記キトサンの有機液体懸濁液が
    実質的に安定な懸濁液となるようにする工程とから成る
    ことを特徴とする均質化されたキトサン懸濁液の製造方
    法。
JP63077475A 1988-03-30 1988-03-30 均質化されたキトサン懸濁液 Expired - Lifetime JP2517641B2 (ja)

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