JPH0560446B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は新規な皮膚手入れ用化粧料に関するも
のであり、その目的は皮膚の老廃物や汚れとなじ
み易く、容易に擦り落とすことができ、しかも皮
膚に刺激を与えず、安全性に優れた皮膚手入れ用
化粧料を提供することにある。

（従来の技術） 従来、この種の化粧料としては、ピーリング式
美肌材（特開昭51−136838、特開昭59−210009）
がある。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら特開昭51−136838号による化粧料
は、その特許請求の範囲にも明記されているよう
に、粘液体であり、しかもポリビニルアルコール
のような粘着性のある水溶性高分子樹脂を主要成
分としているので、皮膚の老廃物や汚れを擦り落
とすためには、皮膚に塗布した後、強い力で擦ら
なければならず、このことが皮膚刺激の原因とな
り、安全性を損う結果になつていた。

又、特開昭59−210009号による化粧料は上記欠
陥はかなり解決されているものの、化粧料の分散
安定性が今一歩であり、かつ結晶セルロースの必
要使用量が多過ぎてコスト高となることが不可避
となる。更にこの化粧料は皮膚の老廃物や汚れの
除去に関しては不充分である。

（発明の目的・構成・効果） そこで本発明者は、上記欠点を一掃し、実用上
極めて優れた皮膚手入れ用化粧料を得るべく鋭意
研究を続けた結果、本発明に到達した。

すなわち、本発明はマイクロフイブリル化セル
ロースと水溶性高分子とを必須に含有することで
構成される皮膚手入れ用化粧料であり、その使用
法としては、顔面又は身体に塗布後擦り落として
使用するものである。

本発明によつて得られる皮膚手入れ用化粧料の
特徴は、分散安定性が非常に良く。皮膚の老廃物
や汚れとなじみ易く、擦り落とすことが容易であ
り、皮膚の老廃物や汚れを完全に除去してしま
い、しかも皮膚に刺激を与えず安全性に優れてい
ることである。又、使用中は、べたつかず、使用
後の皮膚には潤いが残るので使用感上においても
優れた化粧料である。

本発明で必須成分として配合されるマイクロフ
イブリル化セルロースは特開昭56−100801号明細
書に示された方法によりパイプ繊維をスラリー状
で叩解して得られるもので、強力な剪断力を加え
ることにより、パルプのセルロース繊維の微細構
造に変化を与え、微細フイブリル化したものであ
つて、上記明細書には「微小繊維状セルロース」
として定義されている。このマイクロフイブリル
化セルロース（以下MFCと略称）の供給形態は
0.5〜６％程度の水スラリー（ペースト状）又は
特開昭59−189141号に示されたMFC濃度約50％
の乾燥品がある。その配合量はMFC固形分換算
で0.1〜５重量％、好ましくは0.5〜2.0重量％が良
い。

また、もう一種の必須成分として配合される水
溶性高分子としては、その種類は限定されないが
例えば、カルボキシメチルセルロースナトリツウ
ム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポ
リマー、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルヒドロキシアルキルセルロース等が挙げ
られる。これらは単独で用いてもよく、あるいは
複数で用いてもよく、その使用量は0.05〜40重量
％、好ましくは0.1〜20重量％が良い。

更に水溶性高分子として特にエーテル化度（以
下DSと略称）が2.0以上のカルボキシメチルセル
ロースナトリウム（以下CMCと略称）を選択す
れば、なめらかな使い易い展延性が得られ、長期
間にわたつて分散安定性の良い粘度変化の無い化
粧料が得られることが判つた。この理由はDS2.0
以上のCMCはゲルの無いなめらかな流動性を持
つと共に、耐細菌性・耐酵素性・抗酸化性・耐ア
ルカリ性に非常に優れているためと推定される。

なお、本発明の皮膚手入れ用化粧料はクリーム
状、乳液状又はゲル状の形態が好ましいが、必須
成分であるMFC及び水溶性高分子以外の成分と
しては通常前記化粧料形態に用いられる原料が必
要に応じて配合され得る。

次に本発明について実施例を挙げて説明するが
本発明は、これらによつて限定されるものではな
い。

（実施例及び参考例） 参考例１ 肘・膝手入れ用クリーム （処方） （重量％） (1) MFC（固形分３％水スラリー） 20.0 (2) ヒドロキシエチルセルロース 1.0 (3) 非球状シラス凝集物（平均粒径 150ミクロ
ン） 0.8 (4) シラスバルーン 1.2 (5) １，３−ブチレングリコール 7.0 (6) エタノール 8.0 (7) ステアリン酸 0.1 (8) ベヘニルアルコール 0.02 (9) 流動パラフイン 0.04 (10) モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタ
ン（20E.O） 0.02 (11) 水酸化ナトリウム 0.02 (12) ベントナイト 4.0 (13) 香料 0.05(14) 精製水 57.75 100.00 （製法） (A) (7)〜(10)を加熱溶解する。

(B) (11)および(14)の各々の一部を取り、加熱溶解し
たものの中へ(A)を加えて乳化する。

(C) (B)を冷却し、(11)の残部に分散する。

(D) (1)〜(6)、(11)の残部、(12)，(13)を混合し、さ
らに
(C)を加えて製品とする。

以上の如くして得られた肘・膝手入れ用クリー
ムは、肘や膝の老廃物や汚れとなじみ易く、容易
に擦り落とすことによつて老廃物や汚れがされい
に除去され、しかも皮膚に刺激を与えず安全性に
優れていた。また、使用中はべたつかず、さつぱ
りとした使用感であつた。

参考例２ マツサージ乳液 （処方） （重量％） (1) MFC（乾燥粉末品） 1.0 (2) CMC（DS0.75） 0.5 (3) プロピレングリコール 15.0 (4) パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (5) Ｎ−ステアロイル−Ｌ−グルタミン酸 3.0 (6) セタノール 0.3 (7) スクワラン 0.8 (8) セスキオレイン酸ソルビタン 0.3 (9) 水酸化ナトリウム 0.1 (10) 香料 0.05(11) 精製水 78.85 100.00 （製法） (A) (5)〜(8)を加熱溶解する。

(B) (9)を(11)の一部へ加えて加熱溶解し、さらに(A)
を加えて乳化する。

(C) (B)を冷却し、(11)の残部に分散する。

(D) (1)〜(4)および(10)を混合し、さらに(C)を加えて
製品とする。

以上の如くして得られたマツサージ乳液を顔面
に塗布してマツサージしたところ、顔面の老廃物
や汚れとなじみ易く、容易に擦り落とすことによ
つて老廃物や汚れがきれいに除去され、しかも皮
膚に刺激を与えず安全性に優れていた。また、使
用中はべたつかず、さつぱりとした使用感であつ
た。

実施例１ マツサージ乳液 （処方） 参考例２の処方中、成分(2)のCMC（DS0.75）を
DS2.5のCMCに変更し、他は全て参考例２と同様
にした。

（製法） 参考例２と同様の方法でつくつた。

以上の如くして得られたマツサージ乳液は参考
例２で得られた乳液の効果を加うるに、使い易
い、なめらかな展延性を示し、かつ常温で６ヶ月
放置しても分散性・粘度等何の変化も起こさなか
つた。参考例２の乳液は６ヶ月放置で粘度低下を
示し、透明な分離層が生じた。

参考例３ 水性ゲル状皮膚手入れ用化粧料 （処方） （重量％） (1) MFC（固形分３％水スラリー 25.0 (2) カルボキシビニルポリマー 0.5 (3) プロピレングリコール 7.0 (4) グリセリン 3.0 (5) パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (6) 水酸化ナトリウム 0.02(7) 精製水ラン 64.38 100.00 （製法） (A) (2)〜(7)を混合して均一とする。

(B) (A)と(1)を混合して製品とする。

以上の如くして得られた水性ゲル状皮膚手入れ
用化粧料は皮膚の老廃物や汚れとなじみ易く、容
易に擦り落とすことによつて老廃物や汚れをきれ
いに除去することができ、しかも皮膚に刺激を与
えず、安全性に優れていた。また使用中は、べた
つかず、さつぱりとした使用感であつた。

実施例２ 水性ゲル状皮膚手入れ用化粧料 （処方） 参考例３の処方中、(1)のMFC25.0％を30.0％
に、(2)のカルボキシビニルポリマー0.5％をCMC
（DS2.1）1.5％に、(7)の精製水64.38％を58.38％に
変更し、他は全て参考例３と同様にした。

（製法） 参考例３と同様にした。

以上の如くして得られた化粧料は参考例３で得
られた化粧料の効果に加うるに、使い易い、なめ
らかな展延性を示し、かつ常温で６ヶ月放置して
も分散性・粘度等何の変化も起こさなかつた。

参考例３の化粧料は６ヶ月放置で粘度低下を示
し、透明な分離層が生じた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ マイクロフイブリル化セルロースとエーテル
   化度が2.0以上のカルボキシメチルセルロースナ
   トリウムとを必須に配合することを特徴とするク
   リーム状、乳液状、またはゲル状である皮膚手入
   れ用化粧料。 ２ マイクロフイブリル化セルロースの供給形態
   が0.5〜６重量％の水スラリー（又はペースト状）
   である請求項１．記載の皮膚手入れ用化粧料。