JPH0659121U

JPH0659121U - パワーシートのスライド装置

Info

Publication number: JPH0659121U
Application number: JP188793U
Authority: JP
Inventors: 義文田岡; 尚登奥田; 信一堀端
Original assignee: NHK Spring Co Ltd; Daihatsu Motor Co Ltd
Current assignee: NHK Spring Co Ltd; Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date: 1993-01-28
Filing date: 1993-01-28
Publication date: 1994-08-16

Abstract

(57)【要約】【目的】パワーシートのスライド装置に於いて、シー
ト側のスクリュと螺合しているギヤナットのハウジング
による車体への固定構造に於いて、ギヤナットのハウジ
ング内での傾斜を防止しつつ、異音やガタの発生を防止
することを目的とする。【構成】ギヤナットとハウジングとの間に弾性体を介
在させることにより両者間に異音やガタが発生するのを
防止し、かつ、ギヤナットの両側方の端部をハウジング
の両側板に形成した開口部に嵌合させることにより、ギ
ヤナットがハウジング内で傾くのを防止したものであ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パワーシートのスライド装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車に装備されるシート(1)は、図４に示す如く、シートクッション(2)、シートバック(3)及びヘッドレスト(4)によって構成されている。

【０００３】また、上記シート(1)には、一般に、シートの高さ、前後の位置、シートバックの傾斜角等を調整するための調整機構が組込まれており、シート(1)に着座する乗員(A)の体形、座り方等に合せて、シート(1)の位置を細かく調整できるようにしてある。

【０００４】上記したシート(1)の中には、各部材の位置調整を電動モータによって行うことにより、各部材の調整作業をスイッチ操作のみで簡単に行えるようにしたパワーシートがある。

【０００５】上記パワーシートに於けるシートの前後方向へのスライド装置(10)は、図５及び図６に示す如く、シート(1)のシートクッション(2)を支持するシートクッションフレーム(11)と一体化されるシートレール(12)を、車体側に固定したガイドレール(13)にスライド自在に嵌合させ、また、シートクッションフレーム(11)と一体化されたシートレール(12)に、スクリュ(14)を回転自在に支持すると共に、このスクリュ(14)に螺合したギヤナット(15)を車体側に固定する。

【０００６】そして、この状態で、スクリュ(14)を、シート(1)の下面に配置したスライド用モータ(16)によって正転または逆転させ、ギヤナット(15)と螺合したスクリュ (14)をシート(1)と共に前進または後進させるようにしてある。

【０００７】また、上記したパワーシートのスライド装置(10)に於いて、ギヤナット(15)の車体側への固定は下記の様にして行っている。

【０００８】即ち、車体側に図７に示すようなハウジング(20)の底板(21)を固定し、このハウジング(20)によってギヤナット(15)を囲繞するようにしてある。

【０００９】このハウジング(20)は、車体側にブラケットを介して固定される底板(21)と、底板(21)の両側辺から上方に向けて伸びる側板(22)(22)と、各側板(22)の前後部の端縁に形成した、スクリュ(14)が貫通する切欠き(23a)を有する舌辺(23)(23) とからなっている。

【００１０】そして、このハウジング(20)によってギヤナット(15)を車体側に固定するには、両側板(22)(22)を外方に開いた状態で、ハウジング(20)の底板(21)を車体に固定する。

【００１１】次に、スクリュ(14)と螺合しているギヤナット(15)を、ハウジング(20)の上方開口部からハウジング(20)内に挿入した後、ハウジング(20)の両側板(22)(22)を内方側に締めることにより、ハウジング(20)内にギヤナット(15)を固定し、このことによりギヤナット(15)を車体側に固定している。

【００１２】また、上記したハウジング(20)の中には、図７に示した如く、ギヤナット(15) の前後面とハウジング(20)の舌辺(23)(23)との間に弾性体(24)(24)を介在させたものもある。

【００１３】尚、上記構造を有するパワーシートのスライド装置としては、例えば実開平２ −８７６２４号公報に開示されたパワーシートスライド装置がある。

【００１４】

【考案が解決しようとする課題】

上記したスライド装置(10)に於いて、ギヤナット(15)の車体側への固定方法としてハウジング(20)を使用すれば、比較的簡単にギヤナット(15)を車体側に固定できる。

【００１５】しかし、上記ハウジング(20)を使用すると、ハウジング(20)及びギヤナット(1 5)は両者とも金属製のため、スクリュ(14)を回転させてシート(1)を前後動させる時、ギヤナット(15)がスクリュ(14)から受ける振動をハウジング(20)に伝えやすいため、異音やガタが発生しやすいといった問題があった。

【００１６】また、ギヤナット(15)を樹脂製にすれば異音やガタの発生は防止できるが、シート(1)に強い衝撃が加わった時、ギヤナット(15)が破損するといった問題があった。

【００１７】また、図７に示したように、ギヤナット(15)の前後面とハウジング(20)の舌辺 (23)(23)との間に弾性体(24)(24)を介在させれば、ギヤナット(15)に金属製のものを使用しても、異音やガタの発生は防止できるようになる。

【００１８】しかし、ギヤナット(15)とハウジング(20)との間に単に弾性体(24)(24)を介在させると、下記の様な問題が生じる。

【００１９】即ち、車両に強い衝撃が加わることにより、シートクッションフレーム(11)と連結している図５に示すシートベルトのアンカー(5)が上方に引張され、シートクッションフレーム(11)の後方が上方に引っ張られた場合、スクリュ(14)の後方も上方に引っ張られることになる。

【００２０】すると、この時、スクリュ(14)と螺合しているギヤナット(15)は弾性体(24)(2 4)を変形させながらスクリュ(14)と共にハウジング(20)内で傾き、スクリュ(14) の外周面がハウジング(20)の舌辺(23)(23)と接触し、ハウジング(20)の両側板(2 2)(22)を外方側に開けてしまい、以後、ハウジング(20)とギヤナット(15)との間にガタが生じるといった問題があった。

【００２１】

【課題を解決するための手段】

車体側に固設したガイドレールと、シートのシートクッションフレームと一体化され、かつ、上記ガイドレールにスライド自在に嵌合されるシートレールと、シートレールに回転自在に支持され、かつ、シートの下面に配置したモータにより正逆回転するスクリュと、スクリュに螺合したギヤナットと、ギヤナットを車体側に固定するためのハウジングとを有するパワーシートのスライド装置に於いて、

【００２２】上記ギヤナットを、金属製をしたブロック状のギヤナットと、ギヤナットの前後面に被嵌させる弾性体からなる弾性シート、弾性シートに被嵌させる金属プレートによって構成し、

【００２３】ギヤナットを車体側に固定するハウジングを、車体側に固定される底板と、底板の両側辺から上方に向けて伸びる側板と、各側板に形成した、上記弾性シート及び金属プレートが被嵌したギヤナットの両側方の端部が嵌合する開口部と、各側板の前後部の端縁に形成した、スクリュが貫通する切欠きを有する舌辺とによって構成したものである。

【００２４】

【作用】

上記した如く、ギヤナットとハウジングとの間に弾性体を介在させることにより両者間に異音やガタが発生するのを防止し、かつ、ギヤナットの両側方の端部をハウジングの両側板に形成した開口部に嵌合させることにより、ギヤナットがハウジング内で傾くのを防止したものである。

【００２５】

【実施例】

図１乃至図３は、本考案に係るパワーシートのスライド装置(30)の要部を示す図面である。

【００２６】同図に於いて、(31)は、シート(1)のシートクッションフレーム(11)にシートレール(12)を介して回転自在に支持されるスクリュ(14)と螺合するギヤナットであり、このギヤナット(31)は、金属製をしたブロック状をしており、その中央部には、スクリュ(14)と螺合するネジ穴(31a)が穿設してあり、また、前後面の周縁部には、段部(31b)(31b)が形成してある。

【００２７】 (32)は、ギヤナット(31)の前後面に被嵌させる、ゴムまたは軟質系樹脂によって形成された弾性を有する弾性シートであり、この弾性シート(32)は、中央部にネジ穴(31a)と連なる貫通孔(32a)を有する平板状をしており、その周囲には、ギヤナット(31)の段部(31b)と嵌合するフランジ部(32b)が一体形成されている。

【００２８】 (33)は、ギヤナット(31)の前後面に被嵌した弾性シート(32)の外周を覆う金属プレートであり、この金属プレート(33)は、中央部にネジ穴(31a)と連なる貫通孔(33a)を有する平板状をし、両側縁には、弾性シート(32)のフランジ部(32b)に被嵌するフランジ部(33b)が形成してある。

【００２９】 (35)は、上記ギヤナット(31)の外周に被嵌するハウジングである。

【００３０】このハウジング(35)は、車体側にブラケット（図示せず）を介して固定される底板(36)と、底板(36)の両側辺から上方に向けて伸びる側板(37)(37)と、各側板 (37)に形成した、上記ギヤナット(31)の両側方の端部が嵌合する開口部(38)と、各側板(37)の前後部の端縁に形成した、スクリュ(14)が貫通する切欠き(39)を有する舌辺(40)(40)とからなっている。

【００３１】また、上記側板(37)(37)には、両者を閉じた後、両者が開くのを防止するため、両者間に架橋するボルト(42)が貫通するボルト穴(41)(41)が穿設してある。

【００３２】上記構成に於いて、ギヤナット(31)を車体側に固定するには、シートクッションフレーム側のスクリュ(14)に前後面に弾性シート(32)及び金属プレート(33)が被嵌されたギヤナット(31)を螺合させておくと共に、両側板(37)(37)を外方に開いた状態で、ハウジング(35)の底板(36)を車体に固定しておく。

【００３３】この状態で、シート側にあるギヤナット(31)をハウジング(35)の上方開口部からハウジング(35)内に挿入した後、ハウジング(35)の両側板(37)(37)を内方側に締め、かつ、この時、両側板(37)(37)の開口部(38)(38)に、弾性シート(32)及び金属プレート(33)を有するギヤナット(31)の両側方の端部を嵌合させる。

【００３４】後は、ハウジング(35)の両側板(37)(37)間にボルト(42)を貫通させることにより両側板(37)(37)の開き止を行い、ギヤナット(31)を車体側に固定する。

【００３５】上記の様にしてギヤナット(31)を車体側に固定すれば、ギヤナット(31)とハウジング(35)との間には、弾性シート(32)が介在するため、ギヤナット(31)を金属製にしても、異音やガタの発生を防止できる。

【００３６】また、シート(1)に強い衝撃が加わった場合、ギヤナット(31)はシート側にあるスクリュ(14)と共にハウジング(35)内で傾こうとするが、この時、ギヤナット (31)の両側方の端部は、ハウジング(35)の両側板(37)(37)に形成した開口部(38) (38)と嵌合しているため、ハウジング(35)内での傾斜が阻止される。

【００３７】このため、ギヤナット(31)と螺合しているスクリュ(14)の外周面がハウジング (35)の舌辺(40)(40)と接触し、ハウジング(35)の両側板(37)(37)が開くようなこともない。

【００３８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、パワーシートのスライド装置に使用するギヤナットを、金属製をしたブロック状のギヤナットと、ギヤナットの前後面に被嵌させる弾性体からなる弾性シートと、弾性シートに被嵌させる金属プレートによって構成し、

【００３９】ギヤナットを車体側に固定するハウジングを、車体側にブラケットを介して固定される底板と、底板の両側辺から上方に向けて伸びる側板と、各側板に形成した、上記弾性シート及び金属プレートが被嵌したギヤナットの両側方の端部が嵌合する開口部と、各側板の前後部の端縁に形成した、スクリュが貫通する切欠きを有する舌辺とによって構成したものである。

【００４０】そして、ギヤナットの外周をハウジングによって囲繞する時、ギヤナットとハウジングとの間に弾性シートを介在させることにより、ギヤナットを金属製としても両者間に異音やガタが発生するのを防止し、かつ、ギヤナットの両側方の端部をハウジングの両側板に形成した開口部に嵌合させることにより、シートに大きな衝撃が加わってもギヤナットがハウジング内で傾くのを防止し、ハウジングの両側板が開くのを確実に防止するものである。

【００４１】さらに、本考案は、弾性シートの外周を金属プレートで囲繞したから、弾性シートがハウジングの開口部に押し付けられても、弾性シートが切断するようなこともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るスライド装置の要部を示す斜視
図。

【図２】本考案に係るスライド装置の要部を示す側面
図。

【図３】本考案に係るスライド装置の要部を示す平面
図。

【図４】シートの１例を示す側面図。

【図５】パワーシートのスライド装置の従来例を示す斜
視図。

【図６】パワーシートのスライド装置の従来例を示す斜
視図。

【図７】従来のパワーシートのスライド装置のギヤナッ
ト及びハウジングを示す斜視図。

【符号の説明】

１シート２シートクッション１１シートクッションフレーム１２シートレール１３ガイドレール１４スクリュ３０パワーシートのスライド装置３１ギヤナット３２弾性シート３３金属プレート３５ハウジング３６底板３７側板３８開口部３９切欠き４０舌辺

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者堀端信一愛知県豊田市東梅坪町５−86

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】車体側に固設したガイドレールと、シー
トのシートクッションフレームと一体化され、かつ、上
記ガイドレールにスライド自在に嵌合されるシートレー
ルと、シートレールに回転自在に支持され、かつ、シー
トの下面に配置したモータにより正逆回転するスクリュ
と、スクリュに螺合したギヤナットと、ギヤナットを車
体側に固定するためのハウジングとを有するパワーシー
トのスライド装置に於いて、上記ギヤナットを、金属製をしたブロック状のギヤナッ
トと、ギヤナットの前後面に被嵌させる弾性体からなる
弾性シート、弾性シートに被嵌させる金属プレートによ
って構成し、ギヤナットを車体側に固定するハウジングを、車体側に
固定される底板と、底板の両側辺から上方に向けて伸び
る側板と、各側板に形成した、上記弾性シート及び金属
プレートが被嵌したギヤナットの両側方の端部が嵌合す
る開口部と、各側板の前後部の端縁に形成した、スクリ
ュが貫通する切欠きを有する舌辺とによって構成したこ
とを特徴とするパワーシートのスライド装置。