JPH0421321Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、着座者の背面下部を支持することで
適切な座り心地感を与えるランバーサポート装置
の改良に関する。

〔従来の技術〕

車両用シート等にあつては、自動車の走行中、
着座者を安定して保持するとともに、適切な座り
心地感を与え、さらに長時間にわたる着座状態に
あつてもその疲労をできるだけ軽減し得ることが
望まれ、このためにシート各部にサポート装置が
付設されている。そして、このようなサポート装
置としては、シート両側部が着座者にホールド感
を持たせるためのサイドサポートと共に、着座者
の背面下方をシートバツク側から支持するランバ
ーサポート等が最もよく知られている。

このようなランバーサポート装置としては、従
来から種々の構成を有するものが知られており、
その中で最も簡単なものの一つに、カム面を利用
してなる構成のものがある。すなわち、このよう
なカム式ランバーサポート装置は、一般に、凹凸
状のカム面を有するカムを、シートバツク内で回
動操作することによりクランク状のステイを回動
させ、これによりシートバツク下方を膨出させる
ためのランバープレートをシートの前後方向に移
動させるような構成とされていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のカム式ランバ
ーサポート装置によれば、前記カムを回動操作す
る操作時において、ステイがカム面の凸部を乗越
えてこれに連続する凹部内に移動すると、ステイ
がカム面に対し衝撃力をもつて衝突し、異音を発
生してしまうものであつた。これは、上述したス
テイは、ランバープレートと共に、常時シート背
面側へシートバツクを構成するパツド材や表皮材
による張力等で付勢されているためで、何らかの
対策を講じることが必要とされている。

本考案はこのような事情に鑑みてなされたもの
であり、ランバーサポート操作時において、異音
の発生を防ぎ、しかも円滑で確実な調整操作を行
なえる安価なランバーサポート装置を得ることを
目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

このような要請に応えるために、本考案に係る
ランバーサポート装置は、ランバープレートをシ
ート前後方向に移動させるクランク状ステイの背
面側に、弾性受面を有するバンパーレバーを回動
可能に設け、かつステイが第１のカムにおけるカ
ム面の凸部を乗越えてこれに連続する凹部内に移
動したときに弾性支持するバンパーレバーを背面
側から係止するカム面を有する第２のカムを、第
１のカムと同軸上に設けたものである。

〔作用〕

本考案によれば、バンパーレバーによりステイ
の第１のカムにおけるカム面凹部への移動を弾性
的に支持することで、従来のような異音の発生を
簡単かつ確実に防止し得るものである。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示した実施例を用いて詳
細に説明する。

第１図ないし第３図は本考案に係るランバーサ
ポート装置の一実施例を示すものであり、これら
の図において、符号１は全体の図示を省略したシ
ートバツクを構成するシートバツクフレーム、
２，２はその両サイド部で、これら両サイド部間
に、以下の構成によるランバーサポート装置１０
が配設されている。なお、第２図中３はシートバ
ツク前面下方で選択的に膨出されるランバーサポ
ート部である。

さて、本考案を特徴づけるランバーサポート装
置１０を詳細に説明すると、図中１１は前記両サ
イド部２，２間に回動自在に軸支されかつその外
方端に操作ノブ１２が設けられるシヤフトで、こ
のシヤフト１１上で所定間隔離間した位置には、
複数段の凹凸状カム面１３（凸部を１３ａで、凹
部を１３ｂで示す）を有するカム１４，１４が、
第１のカムとして固設されている。

また、その前側に位置するようにしてクランク
状ステイ１５が、同様に両サイド部２，２間で回
動可能に支持されており、そのクランク部１５ａ
に対し背面側から前記第１のカム１４，１４が臨
み、その前側に配設されるランバープレート１６
をシートの前後方向に移動させることで、シート
バツク下方を選択的に膨出させるランバーサポー
ト部３が構成されている。なお、図中１７，１７
はステイ１５のクランク部１５ａに対しランバー
プレート１６を保持させるためのブラケツトであ
る。

さて、本考案によれば、上述したランバーサポ
ート装置１０において、ステイ（クランク部１５
ａ）の背面側に、ラバー等の弾性材による弾性受
面２０ａを有するバンパーレバー２０を、シート
バツクフレーム１側に回動可能に設け、かつこの
ステイ１５ａが前記カム面１３の凸部１３ａを乗
越えてこれに連続する凹部１３ｂ内に移動したと
きにこのステイ１５ａを弾性支持するバンパーレ
バー２０を背面側から係止するカム面２１ａを有
する第２のカム２１を、前記第１のカム１４，１
４と共に、シヤフト１１上に固設したところに特
徴を有している。

そして、このような構成によれば、ランバープ
レート１６を移動させるためのステイ１５は、常
時は、第２図実線で示すように、そのクランク部
１５ａがバンパーレバー２０の弾性受面２０ａで
弾性支持された状態となつており、さらにこの状
態でシヤフト１１を回動操作すると、同図中想像
線で示すように、前記第１のカム１４における凸
部１３ａでシートの前方に押圧されて回動移動
し、これによりランバーサポート部３の順次膨出
されるものである。

また、この操作時において、シヤフト１１をさ
らに回転操作すると、ステイクランク部１５ａ
は、第３図に示すように、第１のカム１４におけ
るカム面凹部１３ｂに対応し、その内側に係入す
るように移動しようとするが、このとき第２のカ
ム２１のカム面２１ａの作用によりシート前方に
回動されているバンパーレバー２０の弾性受面２
０ａで弾性支持されるもので、これにより衝撃力
が簡単かつ適切に吸収され、従来のような異音の
発生が生じるとつた問題は一掃されるものであ
る。

すなわち、本考案によれば、バンパーレバー２
０によりステイクランク部１５ａの第１のカム１
４におけるカム面凹部１３ｂへの移動を弾性的に
支持することで、従来のような異音の発生を簡単
かつ確実に防止されるものである。

ここで、このような作用効果を得るうえで必要
とされることは、第３図に示す状態において、バ
ンパーレバー２０の弾性受面２０ａが、第１のカ
ム１４におけるカム面凹部１３ｂよりも前方に位
置するように、各部の寸法関係を設定すること
で、また上述したような衝撃吸収は、第１段目の
凹部１３ｂに限らず、第２段以降においても同様
の作用効果を奏するものである。

なお、本考案は上述した実施例構造に限定され
ず、各部の形状、構造などを、必要に応じて適宜
変形、変更することは自由である。また、本考案
に係るランバーサポート装置１０は、上述したよ
うな車両用シートに限定されず、シートであれば
適用して効果を発揮し得るものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係るランバーサ
ポート装置によれば、ランバープレートをシート
前後方向に移動させるクランク状ステイの背面側
に、弾性受面を有するバンパーレバーを回動可能
に設け、かつステイが第１のカムにおけるカム面
の凸部を乗越えてこれに連続する凹部内に移動し
たときに弾性支持するバンパーレバーを背面側か
ら係止するカム面を有する第２のカムを、第１の
カムと同軸上に設けるようにしたので、簡単かつ
安価な構成にもかかわらず、ステイが第１のカム
におけるカム面の凸部を乗越えてこれに連続する
凹部内に移動するときに問題とされていた異音の
発生を、バンパーレバーにより簡単かつ確実に防
止し得るもので、その実用上での効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係るランバーサポート装置の一実
施例を示し、第１図は全体構成を示す概略分解斜
視図、第２図および第３図はその動作状態を示す
要部拡大断面図である。 図中、１……車両用シートのシートバツクフレ
ーム、２……サイド部、３……ランバーサポート
部、１０……ランバーサポート装置、１１……シ
ヤフト、１３……カム面、１３ａ……凸部、１３
ｂ……凹部、１４……第１のカム、１５……ステ
イ、１５ａ……クランク部、１６……ランバープ
レート、２０……バンパーレバー、２０ａ……弾
性受面、２１……第２のカム、２１ａ……カム
面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数段の凹凸状カム面を有するカムをシートバ
   ツク内で回動操作し、クランク状ステイを回動さ
   せることで、シートバツク下方を膨出させるラン
   バープレートをシートの前後方向に移動させるラ
   ンバーサポート装置において、前記複数段の凹凸
   状カム面を有するカムを第１のカムに形成し、前
   記ステイの背面側に弾性受面を有するバンパーレ
   バーを回動可能に設け、かつ該ステイが前記第１
   のカム面の凸部を乗越えてこれに連続する凹部内
   に移動したときにこのステイを弾性支持するバン
   パーレバーを背面側から係止するカム面を有する
   カムを第２のカムに形成し、前記第１及び第２の
   カムを同軸上に設けたことを特徴とするランバー
   サポート装置。