JPH0657716B2 - 歯科重合硬化性ホスフアゼン化合物 - Google Patents

歯科重合硬化性ホスフアゼン化合物

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JPH0657716B2
JPH0657716B2 JP59170130A JP17013084A JPH0657716B2 JP H0657716 B2 JPH0657716 B2 JP H0657716B2 JP 59170130 A JP59170130 A JP 59170130A JP 17013084 A JP17013084 A JP 17013084A JP H0657716 B2 JPH0657716 B2 JP H0657716B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、歯科修復物の合着材、歯科充填材に関するも
ので、さらに詳しくは、高度の機械的性質と接着性とを
有する新規なる歯科重合硬化性ホスファゼン化合物のレ
ジンに係るもので、当該化合物からなる重合硬化物は圧
縮強さ、硬さが大きく、歯質および金属に強力に接着す
ることから、歯科用レジンセメントおよび充填材として
広範囲に利用し得るものである。
〔発明の背景〕
本発明の歯科重合硬化性ホスファゼン化合物の出発物質
としては、ジクロロホスファゼン(NPClであ
り、環式三量体および環式四量体(NPClまた
はこれらの任意の混合物は単量体としてそのまま出発物
質として使用される。
上記の環式三および四量体のクロルの一部または全部を
ヒドロキシアルキルメタクリレートエステルで置換した
重合硬化性ホスファゼン化合物に関する従来の技術は限
られたものしかない。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来、歯科修復物を合着する場合、りん酸亜鉛セメント
およびカルボキシレートセメントが使用されてきたが、
前者は機械的強さは大きいが接着強さがなく、後者は接
着強さは比較的大きいが、機械的強さが小さく、さら
に、いずれのセメントも硬化物は唾液に溶解するため二
次ウ食の懸念があるばかりでなく、強酸性を示すなど種
々の難点がある。
これらの欠点を解決する一方策として、レジン系のセメ
ントが提案されている。すなわち、この系セメントの主
成分は、従来から歯科で用いられているメタクリレート
系モノマーとフィラーとの混合物、またはメタクリレー
トのフエニルおよびフタル酸誘導体としてフィラーとを
混合したもので、いずれも過酸化物とアミン類およびス
ルフイン酸などで硬化させるが、重合収縮が大きいため
接着力が低下するばかりでなく、機械的強さが小さいこ
となどから、歯科修復物の永久合着材として不満足なも
のである。
一方、歯科用充填材としては、従来からシリケートセメ
ントおよびアマルガムなどが使用されてきたが、シリケ
ートセメントは操作性および色調は良好であるが、溶解
度が大きい致命的な欠点があり、またアマルガムは良好
な機械的性質を有しているが、水銀による人体への為害
作用の懸念があるばかりでなく、環境汚染の問題があ
り、また、これらの材料は、いずれも歯質との接着性は
皆無であるため、充填材としての目的は達し得ないもの
である。そこで、近年、これらの材料の代替物としてレ
ジン系の充填材が台頭してきた。すなわち、歯科用充填
材として広く用いられているレジンは、従来から使用さ
れているポリメチルメタクリレートとメチルメタクリレ
ートとの混合物、ビスフェニノールAジグリシジルメタ
クリレートとエチレングリコール系のメタクリレートと
の混合物、ウレタンジメタクリレートと2・2ジ(4メ
タクリロキシエトキシフェニノール)プロパンおよびト
リエチレングリコールジメタクリレートとの混合物など
に、いずれもシリカ粉などのフィラーを混入し、レジン
セメントと同様、過酸化物−アミン類で重合して供され
ている。
しかしながら、これらのメタクリレート系モノマーから
なるレジンセメントおよび充填材は、いずれも主鎖およ
び骨格が炭素一炭素原子のホモ結合からなるため、その
重合体は強さおよび硬さが小さく、吸水量、重合収縮が
大きく、熱軟化点が低く、口腔内の苛酷な環境下では耐
久性に乏しく、永久合着材および充填材としての物性が
得られない。すなわち、これらのモノマーを使用する限
り重合物の種々の物性を向上させるには限界がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上述のようなレジンセメントおよび充填材の
致命的欠陥を抜本的に改革するため、種々のヘテロ結合
を有する化合物について精鋭研究した結果、特定の重合
硬化性のホスファゼン化合物が特に実用的であることを
見出したことに基づく。
すなわち、−P=N−で示される単位からなる化合物
は、既知のごとく、半無機化合物および半無機高分子体
と称されているように、主鎖および骨格が窒素−りん原
子のヘテロ結合であることから、その結合エネルギーは
ホモ結合に比較して大きいばかりでなく、分子の回転を
阻害し、熱分解点が高い。換言すれば当該化合物から構
成された重合硬化物は、屈曲性が非常に小さく、硬さが
大きく、柔軟性に乏しく、かつ熱膨脹係数が小さいなど
無機化合物的性格を有し、歯科用レジンとして実用性の
高い化合物であることを見出し、本発明に至った。
本発明は、重合硬化性ホスファゼン化合物からなる歯科
用レジンにおいて、下記の一般式で表される重合硬化性
基およびクロル基を含有してなることを特徴とする化合
物である。
(上式中nは4であり、式中の末端結合は互いに結合し
て環を形成し、基(X)及び(Y)はリン原子に結合
し、 基(X)は であり、mは2〜8の整数で、(Y)はクロル基で、分
子中の(X)のモル%は約50〜90で、(Y)のモル
%は約50〜10であり、(X)の基の数と(Y)の基
の数の和は、上記繰り返し単位当たり2である)で示さ
れる単位からなる環状ホスファゼン化合物。
本発明に用られる重合硬化性基としては、モノヒドロキ
シアルキルアクリレートエステルのうちでもヒドロキシ
メタクリレートエステルが適切で、ヒドロキシアルキル
基は少なくとも2個の炭素を含有する。たとえば、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒド
ロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチル
メタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレー
ト、6−ヒドロキシ−3−メチルヘキシルメタクリレー
ト、5−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、5−ヒド
ロキシヘキシルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−
t−ブチルプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシ−
2−2−ジメチルプロピルメタクリレート、3−ヒドロ
キシ−2−メチル−エチルプロピルメタクリレート、1
2−ヒドロキシドデシルメタクリレートなどが含まれ
る。特に好ましい化合物は2−ヒドロキシエチルメタク
リレートである。
本発明の化合物を得るには、ジクロロホスファゼンN
PCl のクロルをヒドロキシメタクリレートエス
テルで置換することによって達せられるが、この際、脱
塩素を促進するためには、第三アミン類を加えると短時
間で目的物が得られる。
第三アミン類としては、例えばトリメチルアミン、トリ
エチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−プ
ロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、
N,N,N−テトラメチルエチルジアミンのようなジア
ミンを含む第三アミンが用いられるが、好ましくは、ピ
リジンである。
一方、溶媒は、ジクロロホスファゼン、ヒドロキシアル
キルメタクリレートエステルおよびピリジンを溶解する
ものであればいずれでもよいが、水分を含まない溶媒で
あることが必要である。
一般に使用可能な溶媒としては、ベンゼン、クロロホル
ム、シクロヘキサン、塩化メチレン、トルエン、キシレ
ンおよびテトラヒドロフランであるが、好ましくはベン
ゼンでその使用量はジクロロホスファゼンの重量に対し
て約10倍量が好ましい。
上記の反応時の温度および時間は、出発物質であるジク
ロロホスファゼンが直鎖状、環式三量体および環式四量
体によって異なるとともに、使用する特別なヒドロキシ
アルキルメタクリレートエステルの反応性の良否、最終
的に所望する目的化合物、すなわち、ジクロロホスファ
ゼンのクロルの置換度によって異なるが、一般に25℃
〜90℃の範囲がよく、時間は6〜24時間の範囲で、
当然、低温ほど長時間反応する必要がある。
ジクロロホスファゼンと反応させるヒドロキシアルキル
メタクリレートエステルの量は、一般に最終的に所望す
る目的化合物のクロル置換度の理論量でよいが、短時間
の反応で目的のクロル置換度の化合物を得るためには小
過剰のヒドロキシアルキルメタクリレートエステルが必
要で、この場合、クロル置換度は反応時間から求められ
る。また、NP(X)(Y)の(X)および
(Y)の両方をすべてヒドロキシアルキルメタクリレー
トエステルで置換するには大過剰のヒドロキシアルキル
エステルが必要である。
上述の反応で得られた重合硬化性ホスファゼン化合物の
うち、歯科用レジンとして実用的なクロル置換化合物は
NP(X)(Y)〔(X)の基の数と(Y)の基
の数の和は、繰り返し単位あたり2で、(X)の基の数
および(Y)の基の数は0よりも大きい〕で、(X)は
ヒドロキシアルキルメタクリレートエステルで、(Y)
はクロルで、(Y)は(X)に対して50〜3モル%で
ある。すなわち、(Y)が(X)に対して50モル%以
上の場合は、硬化時間が大幅に遅延するとともに、硬化
物の機械的性質が低下し、また吸水性および摩耗が大き
くなる。
一方、(Y)が(X)に対して3モル%以下では粘度が
大幅に増大し、さらに接着性が低下することから、好ま
しくは30〜5モル%である。他方、重合体(Y)が5
0〜3モル%の重合硬化性ホスファゼン化合物と(X)
および(Y)の両方がヒドロキシアルキルメタクリレー
トエステルである重合硬化性ホスファゼン化合物と混合
し、(Y)が30〜5モル%の範囲の混合物とした重合
硬化性ホスファゼン化合物も実用に供される。
本発明の重合体硬化性のホスファゼン化合物を常温で硬
化させるには、一般的な過酸化物−第三級アミン系の重
合開始剤が用いられる。この場合、過酸化物およびアミ
ンの使用量は、モノマーの総量100重量部に対してい
ずれも0.05〜5.0重量部の割合がよい。また、紫
外線および可視光線で重合する場合は、光増感剤として
ジベンゾイル、ベンゾイル、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、P−クロロベンゾフェ
ニノン、P−メトキシベンゾフェニノン、ベンゾイルパ
ーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、
またはカンファキノンおよびアミンを配合することによ
って、いずれも臨床に実用される。一方、本発明の重合
硬化性ホスファゼン化合物と混合して使用し得る他の重
合性単量体は、単官能性でも多官能性であってもよく、
例えば、メチルアクリレートおよびメタクリレート、ヒ
ドロキシエチルアクリレートおよびメタクリレート、エ
チレングリコールジアクリレートおよびメタクリレー
ト、ジまたはトリおよびテトラエチレングリコールジア
クリレートおよびメタクリレート、グリシジルアクリレ
ートおよびメタクリレート、2.2′−ビス(アクリロ
キシフェニル)プロパン、2.2′−ビス(メタクリロ
キシフェニル)プロパン2.2′−ビス〔4−(3−メ
タクリロキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕
プロパンなどである。また、カルボン酸のビニルエステ
ルとして、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニ
ル、エチレン系不飽和ジカルボン酸およびその無水物と
して、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイ
ン酸などを混合して用いることもできる。
重合硬化性ホスファゼン化合物に、上記の化合物を混合
する場合、その混合量は粘度、硬化速度および所望する
物性によって変更されるが、通常、本発明のホスファゼ
ン化合物100重量部に対して2〜100重量部が適用
できる。
他方、重合硬化性ホスファゼン化合物に耐摩耗性、硬
さ、強さ、重合収縮および熱膨脹係数を改善するため、
シランおよびチタネート化合物で表面処理した粒径20
μm以下の石英、水晶、タルク、アルミナ、アパタイ
ト、ガラスビーズ、コロイダルシリカ、ケイ酸バリウ
ム、窒化および炭化ケイ素などの無機質フィラーまたは
ポリメチルメタクリレートなどの有機質フィラーを用い
ることができる。
その混合量は、レジン成分の0.1〜7倍量が好まし
い。また、上記混合物に硬化剤、重合禁止剤、着色剤、
酸化防止剤および紫外線吸収剤などが必要に応じて使用
される。
臨床の実用に供するためには、上述の混合物の包装は2
形態とし、一方ペーストまたは溶液に過酸化物を配合
し、他方のペーストまたは粉末にアミン系の重合促進剤
を配合して、それぞれペーストとペースト、溶液と粉末
とを約1分間練和して実施できる。
また、本発明に係るホスファゼン化合物を用いてボンデ
イグ剤、すなわち、歯質をりん酸で表面処理したのち、
当該化合物を塗布して接着剤層を形成させて、より強力
に歯質と接着させる目的に用いる場合には、本化合物を
エタノール、クロロホルムおよびジエチルエーテルなど
の有機溶媒に5〜40重量部の濃度に溶解させた溶液と
し、これを2等分して2包装形態とし、上記と同様一方
には過酸化物、他の一方にはアミン系の重合促進剤を配
合し、両者を混合して歯質に塗布したのち、溶媒を蒸発
除去すると接着剤層が形成されて実用される。さらに、
光重合タイプの場合は、1包装形態とし、当該化合物に
光増感剤フィラーなどを混合してペーストとなし、歯の
欠損窩洞に厚さ4mmに充填して、従来の術式と同様の方
法で実用できる。
[作用] 本発明の化合物を用いた歯科用レジン組成物は、主鎖お
よび骨格が窒素−りん原子から構成され、かつ、重合硬
化性およびクロル基を含有することから、従来の歯科用
合着材および充填材では得られなかった作用効果を示
す。すなわち、当該化合物からなる硬化物は優秀な機械
的性質を示すとともに同時に、クロル基による低粘度化
と被着体表面のぬれ性の大幅な改善および浸透性の向上
によって高い接着力が容易に賦与し得る点にある。ま
た、他の作用は、歯科用練成材料として、操作性が良好
であり、従来の合着材および充填材と同じ臨床術式で実
施し得る点にある。
[実施例] 次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
参考例1及び比較例 重合硬化性ホスファゼン化合物 典型的な歯科重合硬化性ホスファゼン化合物の製造法を
下記に示し、また、反応時間を40℃として、反応時間
の変化に対応した重合硬化性基(X)とクロル(Y)の
生成モル%を表1に示した。
2のフラスコに、環式三量体34.8gを脱水したベ
ンゼン150mに溶解し、これにベンゼン100m
に溶解した2−ヒドロキシエチルメタクリレート91.
1gを加え、次に窒素ガス気流下で攪拌しつつベンゼン
150mに溶解したピリジン55.4gを滴下して4
0℃で反応させた。次に、所定時間反応させたのち。ベ
ンゼン溶液を5℃に冷却し、ピリジン塩酸塩の結晶を濾
別した。ベンゼン溶液は50mの2Nの塩酸、5%炭
酸カリおよび5%の塩化ナトリウムで順に洗浄したの
ち、無水硫酸マグネシウムで脱水し、減圧下でベンゼン
を除去して、いずれも液状の目的物を得た。重合硬化性
ホスファゼン化合物中のクロルの量は、生成したピリジ
ン塩酸塩の量および塩化銀法で定量し、モル%で表示し
た。
1)フィラーの調整と物性の測定 (1)フィラー フィラーとしてのシリカは、いずれも−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン1.0gを1%の酢酸水
溶液100mに加えて攪拌したのち、シリカ(平均粒
径4μm)100gを加えたのち、自然乾燥し、次に1
15℃で脱水処理して用いた。
(2)圧縮強さの測定 所定比で練和した試料泥をテフロン製の型(4φ×5m
m)に流しこみ、上、下面をガラス板で圧接して15分
後37℃の水中に浸漬したのち、24時間後離型して圧
縮試験機を用いて、クロスヘッドスピード1mm/分で測
定した。
(3)接着強さの測定 被着体の一方は、新鮮牛菌の前歯唇面を露出させて市販
歯科用常温重合樹脂を用いて埋入し、その表面をエメリ
ーペーパ#800で研摩して象牙面を露出させ、その表
面を50%のりん酸溶液で30秒間エッチングしたのち
水洗、次に窒素ガスを用いて風乾して用い、他方の被着
体は、ステンレススチールとし、表面を#400で研摩
して用いた。また、被膜厚さは45μmのテフロンシー
トをスペーサとして用いた。次に、所定比で練和した試
料泥を約0.03g取り、被着体の両表面に塗布し、練
和開始2分後に2Kgの荷重を13分間加えたのち、荷重
を除去してただちに37℃の水中から試験体を取り出
し、24時間後水中から試験体を取り出し、クロスヘッ
ドスピード10mm/分として接着強さを測定した。
2)2包装からなる組成物および物性 参考例2 包装A(液状) 直鎖状の重合硬化性ホスファゼン化合物、平均重合度n
=16で、−O−(CHCH)OCC(CH
=CH(X)が80.4モル%、クロル(Y)が1
9.6モル%の化合物98重量部、トリエチレングリコ
ールジメタクリレート2重量部、ベンゾイルパーオキサ
イド0.5重量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル
0.02重量部。
包装B(粉末) シラン処理したフィラー100重量部、N,N−ジエタ
ノール−P−トルイジン0.4重量部。
包装AとBとを70:30(重量部)で練和した硬化物
の圧縮強さは2460(170)/Kg/cm2を示し、接
着強さは32.0(8.2)Kg/cm2を示した。カッコ
内は標準偏差値。
実施例3〜5及び比較例 包装A(液状) 環式三量体のホスファゼン化合物は、参考例1及び比較
例で得られた反応時間9、12、24、80および14
0時のものを、いずれも95重量部、トリエチレングリ
コールジメタクリレート5重量部、ベンジイルパーオキ
サイド0.5重量部、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル0.02重量部。
包装B(粉末) 参考例2まで用いたと同じ組成物を採用した。
包装AとBとをいずれも70:30(重量部)で練和し
た場合の圧縮強さおよび接着強さを表2に示した。ま
た、参照例を同表下に示した。
実施例1 重合硬化性環式四量体ホスファゼン化合物の製造法を下
記に示し、また、反応時間を40℃として反応時間の変
化に対応した重合硬化性基(X)とクロル(Y)の生成
モル%を表に示した。2のフラスコに、環式四量体
0.1モルを脱水したベンゼン150mに溶解し、こ
れにベンゼン100mに溶解した2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート0.9モルを加え、次に窒素ガス気流
下で攪拌しつつベンゼン150mに溶解したピリジン
0.9モルを滴下して40℃で反応させた。次に、所定
時間反応させたのち、ベンゼン溶液を5℃に冷却し、ピ
リジン塩酸塩の結晶を濾別した。ベンゼン溶液は50m
の2Nの塩酸、5%炭酸カリおよび5%の塩化ナトリ
ウムで順に洗浄したのち、無水硫酸マグネシウムで脱水
し、減圧下でベンゼンを除去して、いずれも液状の目的
物を得た。6時間、9時間、12時間及び24時間反応
させて得た生成物は、日立295型赤外吸収スペクトル
測定装置を用い、KBr板を用いての溶液法測定で、い
ずれも580cm-1及び530cm-1付近にP−C結合に
基づく吸収及び1060cm-1及び970cm-1付近にP−
O−C結合に基づく吸収を有していた。重合硬化性ホス
ファゼン化合物中のクロルの量は、生成したピリジン塩
酸塩の量および塩化銀法で定量し、モル%で表示した。
1)フィラーの調整と物性の測定 (1)フィラー フィラーとしてのシリカは、参考例1と同様いずれもγ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0g
を1%の酢酸水溶液100mに加えて攪拌したのち、
シリカ(平均粒径4μm)100gを加えたのち、自然
乾燥し、次に115℃で脱水処理して用いた。
(2)圧縮強さの測定 参考例1と同様所定比で練和した試料泥をテフロン製の
型(4φ×5mm)に流しこみ、上、下面をガラス板で圧
接して15分後37℃の水中に浸漬したのち、24時間
後離脱型して圧縮試験機を用いて、クロスヘッドスピー
ド1mm/分で測定した。
(3)接着強さの測定 参考例と同様、被着体の一方は、新鮮牛菌の前歯唇面を
露出させて市販歯科用常温重合樹脂を用いて埋入し、そ
の表面をエメリーペーパ#800で研磨して象牙面を露
出させ、その表面を50%のリン酸溶液で30秒間エッ
チングしたのち水洗、次に窒素ガスを用いて風乾してか
ら用い、他方の被着体は、ステンレススチールとし、表
面を#400で研磨して用いた。また、被膜厚さは45
μmのテフロンシートをスペーサとして用いた。次に、
所定比で練和した試料泥を約0.03g取り、被着体の
両表面に塗布し、練和開始2分後に2Kgの荷重を13分
間加えたのち、荷重を除去してただちに37℃の水中か
ら試験体を取り出し、24時間後水中から試験体を取り
出し、クロスヘッドスピード10mm/分として接着強さ
を測定した。
2)2包装からなる組成物及び物性 実施例2〜4 包装A(液状) 環式四量体のホスファゼン化合物は、実施例1で得られ
た反応時間9、12、および24時間のものを、いずれ
も95重量部、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト5重量部、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部、
ハイドロノンモノメチルエーテル0.02重量部。
包装B(粉末) 参考例1で用いたと同じ組成物を採用した。
包装AとBとをいずれも70:30(重量部)で練和し
た場合の圧縮強さは接着強さを表4に示した。
実施例5 包装A(ペースト) 環式四量体のホスファゼン化合物で −O(CH CH)OCC(CH)=CH
(X)が76.4モル%、クロル(Y)が23.6モル
%の化合物35重量部、トリエチレングリコールジメタ
クリレート2.5重量部、フィラー12.5重量部、ベ
ンゾイルパーオキサイド0.5重量部、ハイドロキノン
モノメチルエーテル0.02重量部。
包装B(ペースト) 上記包装Aで使用したと同じホスファゼン化合物35重
量部、トリメチルロールプロパントリメタクリレート
2.5重量部、フィラー12.5重量部、ジメチルパラ
トルイジン0.04重量部。
包装AとBとを50:50(重量部)で混和した硬化物
の圧縮強さは2102(310)Kg/cm2を示し、接着
強さは40.4(6.2)Kg/cm2を示した。カッコ内
は標準偏差値。
[発明の効果] 本発明の重合硬化性ホスファゼン化合物を用いた組成物
は、歯科用合着材および充填材として卓越した機械的性
質を示すとともに、接着力が大きく、耐溶解性であり、
これらの好適な特性は、従来のセメント、アマルガムお
よびホモ結合からなる高分子化合物の技術ではまったく
達成し得ないものであり、これらの顕著なる効果は永久
合着材および永久充填材として不動のものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (上式中nは4であり、式中の末端結合は互いに結合し
    て環を形成し、基(X)及び(Y)はリン原子に結合
    し、 基(X)は であり、(mは2〜8の整数で)(Y)はクロル基で、
    分子中の(X)のモル%は50〜90で、(Y)のモル
    %は50〜10であり、(X)の基の数と(Y)の基の
    数の和は、上記繰り返し単位当たり2である。)で示さ
    れる単位からなる環状ホスファゼン化合物。
  2. 【請求項2】(X)が −OCHCHCC(CH)=CHで、
    (Y)がクロル基である特許請求の範囲第1項記載の化
    合物。
JP59170130A 1984-08-15 1984-08-15 歯科重合硬化性ホスフアゼン化合物 Expired - Lifetime JPH0657716B2 (ja)

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