JPH1045521A - 歯科用材料 - Google Patents

歯科用材料

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JPH1045521A
JPH1045521A JP9114830A JP11483097A JPH1045521A JP H1045521 A JPH1045521 A JP H1045521A JP 9114830 A JP9114830 A JP 9114830A JP 11483097 A JP11483097 A JP 11483097A JP H1045521 A JPH1045521 A JP H1045521A
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JP
Japan
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dental material
material according
atoms
alkylene
norbornene
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Application number
JP9114830A
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English (en)
Inventor
Volker Dr Rheinberger
ラインベルガー フォルカー
Norbert Prof Dr Moszner
モズナー ノルベルト
Ulrich Dr Salz
サルツ ウルリッヒ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ivoclar AG
Original Assignee
Ivoclar AG
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K6/00Preparations for dentistry
    • A61K6/80Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth
    • A61K6/884Preparations for artificial teeth, for filling teeth or for capping teeth comprising natural or synthetic resins
    • A61K6/891Compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • A61K6/896Polyorganosilicon compounds

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Plastic & Reconstructive Surgery (AREA)
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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Dental Preparations (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合収縮をほとんど生じず、かつ高い機械的
強度および硬度を有する複合材料を与えるように重合
(特に、チオール-エン重合)され得る歯科用材料を提
供すること。 【解決手段】 以下を含有する歯科用材料:(a)以下の
一般式(Ia)の加水分解性および重合性のノルボルネンシ
ランの少なくとも1つのケイ酸縮合物: 【化1】 あるいは、(b)以下の一般式(Ib)の加水分解性および重
合性のメルカプトシランの少なくとも1つのケイ酸縮合
物: 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用材料に関す
る。詳細には、加水分解性および重合性のノルボルネン
シランまたは加水分解性および重合性のメルカプトシラ
ンのケイ酸縮合物を、チオール−エン重合のための反応
物と共に含有する歯科用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】加水分解性および有機的に修飾されたシ
ランは公知であり、そして種々の基板に対する耐引っか
き性コーティングの製造、ならびにフィラー、接着剤お
よびシーラントまたは成形体の製造に広く使用されてい
る。これらのシランは、単独で、混合物中で、またはさ
らなる加水分解性および/または縮合性成分の存在下で
のいずれかにて使用される。得られる加水分解物または
縮合物は、熱的手段、光化学的手段、または酸化還元手
段によって硬化される。
【0003】例えば、DE-C-34 07 087号は、加水分解性
のチタンまたはジルコニウム化合物と加水分解性のシラ
ンR'm(R"Y)nSiX(4-m-n)(R'は、例えば、アルキルまた
はアルケニルであり、R"は、例えば、アルキレンまたは
アルケニレンであり、そしてXは、加水分解性基であ
る)との混合物の加水分解縮合によって形成される耐引
っかき性コーティングを記載する。
【0004】1つまたはそれ以上の有機シランと任意の
さらなる加水分解性シランとの加水分解縮合によって得
られた接着剤およびシーラントがDE-A-35 36 716号から
公知である。
【0005】さらに、次の式の(メタ)アクリロイルオ
キシシランのような反応性の二重結合を有するシランが
公知であり、市販されている。
【0006】
【化11】
【0007】ここで、Rは水素またはメチルであり、そ
してXは、例えば、ハロゲンまたはアルコキシである。
これらのシランは、加水分解性および重合性であり、コ
ーティング、ならびに接着剤およびシーラントの製造に
使用され得る。反応性C=C二重結合が1つだけ存在する
ので、これらのシランは、重合の際、鎖状ポリマーのみ
を形成するか、または、官能基化後、C=C二重結合での
反応によりもはや重合性を有さない。さらに一般に、二
重結合と無機網目構造形成能力を有するケイ素との間に
は短い鎖のみが存在し、この結果、機械的特性(例え
ば、屈曲性)が、有機基によって狭い範囲内でのみ変化
され得る。
【0008】ビニル-または(メタ)アクリル基含有シ
ランまたは他の金属アルコキシドの加水分解および縮合
により、フィラーの「インサイチュ」形成が可能である
ことは、C.J.BrinkerおよびG.W.Scherer、「ゾル−ゲル
−科学」、Academic Press、Boston、1990、864ページ
以降から公知である。しかし、ポリマーマトリックスを
構成するための重合反応は、これらの材料が硬化される
場合に起こり、多かれ少なかれ体積収縮を伴う。これ
は、寸法安定性および対応する成形体の機械的特性に対
して欠点を有する。この重合収縮によって、対応する接
着剤の接着性およびそれによって生じた接着結合強度も
また損なわれる。
【0009】さらに、「インサイチュ」形成したフィラ
ー粒子を有する複合材料の例は、DE-A-41 33 621号から
公知である。これらの材料を生産するために、例えば、
金属酸化物(例えば、二酸化チタンおよび二酸化ジルコ
ニウム)のゾルは安定化され、次いでポリマーマトリッ
クス中にて濃縮または重合される。種々のモノマーおよ
び特に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するこれらの
ポリマーは、ポリマーマトリックスを形成するために使
用され得る。
【0010】いくつかの低収縮マトリックス系がまた、
既に提案されている。例えば、これらの低収縮性マトリ
ックスは、種々の環状モノマー(例えば、スピロオルト
エステルまたはカーボネート)の二重開環重合の使用
(US-A-4 387 215号およびR.F.Brady、J. Maclomol. Sc
i.-Rev. Maclomol. Chem. Phys. C32, (1992)135を参
照)、いわゆる「低プロフィル(low profile)添加剤」
(LPA)の使用(V.A. Pattinsonら、J. Appl. Polym. Sc
i. 18,(1974)2763およびD.-S.Leeら、Polym. Eng. Sci.
27,(1987)964を参照)、または高分子量モノマー(い
わゆる、マクロマー)の使用(P.F. Remppら、Adv. Pol
ym. Sci. 58,(1984)1を参照)を提供する。しかし、こ
れらの可能性は実施意義を達成していない。なぜなら、
環状モノマーの合成は困難であり、かつ高価であり、LP
Aの使用はほんのわずかの場合(例えば、不飽和ポリエ
ステル樹脂の熱硬化)に限られ、そして最後にマクロマ
ーは高価であるだけでなく、高粘性であるので、わずか
なフィラーのみを提供し得るからである。
【0011】C-C不飽和化合物にチオールが重付加する
間、時折、相対的に低い重合収縮が起こる(これは、US
-A-2 347 182号から公知である)。このような特殊な重
合型(エン-チオールまたはチオール-エン重合とも呼ば
れる)では、モノサルファーを有する直鎖状または架橋
ポリスルフィドが、主鎖中に生じる。しかし、得られた
ポリスルフィドは、一般に、室温または室温以下のガラ
ス転移温度を有する。(A.F.Jacobineら、「Radiation
curing of polymeric material」、C.E. Hoyleら、編、
ACS-Symp. Ser. 417,(1990)160およびこれらに引用され
るA.F.Jacobineら、J. Appl. Polym. Sci. 45,(1992)47
1を参照のこと)。結果として、弾性または粘弾性特性
を有する軟質材料(soft material)のみが、従来のチ
オール-エン重合系で得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、重合
収縮をほとんど生じず、かつ高い機械的強度および硬度
を有する複合材料を与えるように重合(特に、チオール
-エン重合)され得る歯科用材料を提供することであ
る。この目的は、請求項1〜27に記載の歯科材料によ
り達成される。
【0013】本発明は、さらに、請求項28〜29に記
載の、歯科用接着剤、またはセメント、あるいは歯科用
充填材料としての歯科用材料の使用に関する。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下を含有す
る歯科用材料を提供し、これにより上記目的が達成され
る:(a)以下の一般式(Ia)の加水分解性および重合性の
ノルボルネンシランの少なくとも1つのケイ酸縮合物:
【0015】
【化12】
【0016】ここで、記号R0、R、R1、R2、R3、R4
R5、R6、X、Y、Z、a、b、cおよびxは、特に指示されな
い限り、互いに独立して、以下の意味を有する:R0は、
C1〜C8アルキルまたはHであり;Rは、C1〜C8アルキルも
しくはアルケニル、C6〜C10アリール、 HまたはR2-R1-R
4-SiXxR3 3-xであり、ここで、これらのラジカルは、Oも
しくはS原子によってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはNH
基によって遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原
子もしくは基を含み得る;R1は、存在しないか、あるい
はC1〜C8アルキレン、C6〜C14アリーレン、アリーレン
アルキレンもしくはアルキレンアリーレンであり、ここ
で、これらのラジカルは、OもしくはS原子によってまた
は-O-CO-、-CO-O-もしくはNH基によって遮られ得るか、
または末端位にこれらの原子もしくは基を含み得る;R2
は、存在しないか、あるいはC1〜C8アルキレン、C6〜C
14アリーレン、アリーレンアルキレンもしくはアルキレ
ンアリーレンであり、ここで、これらのラジカルは、O
もしくはS原子によってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはN
H基によって遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの
原子もしくは基を含み得る;R3は、C1〜C10アルキルも
しくはアルケニル、またはC6〜C10アリールであり、こ
こで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によって遮
られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子を含み得
る;R4は、-(CHR6-CHR6)n-(ここで、nは0または1で
ある)、-CHR6-CHR6-S-R5-、-CO-S-R5-、-CHR6-CHR6-NR
6-R5-、-S-R5、-Y-CO-NH-R5-または-CO-O-R5-であり;R
5は、C1〜C8アルキレンまたはC6〜C10アリーレンであ
り、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によ
ってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはNH基によって遮られ
得るか、あるいは末端位にこれらの原子もしくは基を含
み得る;R6は、H、 C1〜C10アルキルまたはC6〜C10アリ
ールであり;Xは、加水分解性基であり;Yは、O、Sまた
はNR6であり;Zは、OまたはCHR6であり;aは1、2また
は3であり;bは1、2または3であり;cは1〜6であ
り;そしてxは、1、2または3であり;但し、aおよび
/またはbは1であり;そしてa+xは、2、3または4で
ある、あるいは(b)以下の一般式(Ib)の加水分解性およ
び重合性のメルカプトシランの少なくとも1つのケイ酸
縮合物:
【0017】
【化13】
【0018】ここで、記号R7、R8、R9、X、f、gおよびh
は、特に指示されない限り、互いに独立して、以下の意
味を有する:R7は、C1〜C10アルキレンもしくはアルケ
ニレン、またはC6〜C14アリーレンもしくはアルキルア
リーレンであり、ここで、これらのラジカルは、Oもし
くはS原子によってまたは-O-CO-もしくは-CO-O-基によ
って遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子また
は基を含み得る;R8は、C1〜C10アルキレンもしくはア
ルケニレン、C6〜C14アリーレンもしくはアルキルアリ
ーレンであり、ここで、これらのラジカルは、Oもしく
はS原子によってまたは-O-CO-もしくは-CO-O-基によっ
て遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子または
基を含み得る;R9は、C1〜C10アルキルもしくはアルケ
ニル、またはC〜C14アリールもしくはアルキルア
リールであり、ここで、これらのラジカルは、Oもしく
はS原子によってまたは-O-CO-もしくは-CO-O-基によっ
て遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子または
基を含み得る;Xは、加水分解性基であり;gは、1、2
または3であり;fは、1、2、3または4であり;そ
してhは、1、2または3である。
【0019】本発明の好適な実施態様では、一般式(Ia)
のXが、ハロゲン、OHまたはアルコキシである。
【0020】本発明の好適な実施態様では、一般式(Ib)
のXが、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシであ
る。
【0021】本発明の好適な実施態様では、式(I-a)の
記号の少なくとも1つが、特に指示されない限り、他の
記号とは独立して、以下の意味を有し:R0は、C1〜C5
ルキルまたはHであり;Rは、HまたはC1〜C5アルキルで
あり;R1は、C1〜C8アルキレンであり、ここで、これら
のラジカルは、OもしくはS原子によってまたは-O-CO-も
しくは-CO-O-基によって遮られ得るか、あるいは末端位
にこれらの原子もしくは基を含み得る;R2は、C1〜C8
ルキレンであり、ここで、これらのラジカルは、Oもし
くはS原子によって遮られ得るか、あるいは末端位にこ
れらの原子を含み得る;R3は、CH3、C2H5またはフェニ
ルであり;R4は、-(CHR6-CHR6)n-(ここで、nは、0ま
たは1である)、-S-R5-、-Y-CO-NH-R5-または-CO-O-R5
-であり;R5は、C1〜C8アルキレンであり、ここで、こ
れらのラジカルは、OもしくはS原子によってまたは-O-C
O-もしくは-CO-O-基によって遮られ得るか、あるいは末
端位にこれらの原子もしくは基を含み得る;R6は、Hま
たはC1〜C5アルキルであり;Xは、OCH3またはOC2H5であ
り;Yは、OまたはSであり;Zは、CH2であり;aは、1で
あり;bは、1であり;cは、1または2であり;xは、
2または3であり;および/または、a+xは、3または
4であり、かつ式(Ib)の記号の少なくとも1つが、特に
指示されない限り、他の記号とは独立して、以下の意味
を有する:R7は、C1〜C10アルキレンまたはC6〜C14アリ
ーレンであり、ここで、これらのラジカルは、Oもしく
はS原子によってまたは-O-CO-もしくは-CO-O-基によっ
て遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子または
基を含み得る;R8は、C1〜C10アルキレンまたはC6〜C14
アリーレンであり、ここで、これらのラジカルは、Oも
しくはS原子によってまたは-O-CO-もしくは-CO-O-基に
よって遮られ得るか、または末端位にこれらの原子また
は基を含み得る;R9は、C1〜C10アルキルであり;Xは、
OCH3、OC2H5またはClであり;および/またはhは、2ま
たは3である。
【0022】本発明の好適な実施態様では、上記ノルボ
ルネンシランが、以下の一般式(IIa):
【0023】
【化14】
【0024】に対応するように、aが1であり、かつbが
1であるか、または、上記メルカプトシランが、以下の
一般式(IIb):
【0025】
【化15】
【0026】に対応するようにgが1である。
【0027】本発明の好適な実施態様では、上記ノルボ
ルネンシランが、以下の一般式(IIIa):
【0028】
【化16】
【0029】に対応するように、aが1であり、かつcが
1であるか、または、上記メルカプトシランが、以下の
一般式(IIIb):
【0030】
【化17】
【0031】に対応するように、fが1であり、かつgが
1である。
【0032】本発明の好適な実施態様では、上記ノルボ
ルネンシランが、以下の一般式(IVa):
【0033】
【化18】
【0034】に対応するように、bが1であり、かつcが
1であるか、または、上記メルカプトシランが、以下の
一般式(IVb):
【0035】
【化19】
【0036】に対応するように、fが1である。
【0037】本発明の好適な実施態様では、上記ノルボ
ルネンシランが、以下の一般式(Va):
【0038】
【化20】
【0039】に対応するように、aが1であり、かつbが
1であり、かつcが1である。
【0040】本発明の好適な実施態様では、さらなる加
水分解性縮合性化合物を含む。
【0041】本発明の好適な実施態様では、上記さらな
る加水分解性縮合性化合物として、以下の一般式(VIII)
のシランの少なくとも1つを含む:
【0042】
【化21】
【0043】ここで、R10、Z'、R11、X'、kおよびmは、
特に指示されない限り、互いに独立して、以下の意味を
有する:R10は、C1〜C8アルキル、C1〜C12アルケニルま
たはC6〜C14アリールであり、R11は、C1〜C8アルキレ
ン、C1〜C12アルケニレンまたはC6〜C14アリーレンであ
り、X'は、H、ハロゲン、OHまたはC1〜C8アルコキシで
あり、Z'は、メルカプト、カルボキシ、アクリル、メタ
クリル、アリル、ビニルまたはビニルエーテル基であ
り、Kは、0、1、2または3であり、mは、0、1、2
または3であり、そしてk+mは、1、2または3であ
る。
【0044】本発明の好適な実施態様では、上記さらな
る加水分解性縮合性の化合物として、以下の式のアルミ
ニウム、チタンまたはジルコニウム化合物を少なくとも
1つ含む:AlR12 3またはMX″yR13 z、ここで、M、R12、R
13、X″、yおよびzは、互いに独立して、以下の意味を
有する:Mは、TiまたはZrであり、R12は、ハロゲン、OH
またはC1〜C8アルコキシであり、R13は、請求項1にお
いて定義された通りのRであり、X″は、ハロゲン、OHま
たはC1〜C8アルコキシであり、yは、1から4であり、
そしてzは、0から3である。
【0045】本発明の好適な実施態様では、yが2から
4である。
【0046】本発明の好適な実施態様では、zが0から
2である。
【0047】本発明の好適な実施態様では、上記ノルボ
ルネンシランのケイ酸縮合物または上記メルカプトシラ
ンのケイ酸縮合物を、各場合においてチオール-エン重
合のための少なくとも1つの反応物と共に含む。
【0048】本発明の好適な実施態様では、以下を含有
する:(a)前記ノルボルネンシランのケイ酸縮合物のた
めの反応物としての、前記メルカプトシラン、該メルカ
プトシランのケイ酸縮合物および/またはオリゴ-もし
くはポリ(チオール)化合物;および(b)該メルカプト
シランのケイ酸縮合物のための反応物としての、該ノル
ボルネンシラン、該ノルボルネンシランのケイ酸縮合物
および/またはオリゴ-もしくはポリ(ノルボルネン)
化合物。
【0049】本発明の好適な実施態様では、以下を含有
する:(a)前記オリゴ-もしくはポリ(チオール)化合物
としての、o-、p-もしくはm-ジメルカプトベンゼン、ま
たは直線状もしくは分枝状C2〜C18−ポリオールとチオ
グリコール酸もしくは3-メルカプトプロピオン酸との
エステル;および(b)該オリゴ-またはポリ(ノルボルネ
ン)化合物としての、シクロペンタジエンと、ジ-もし
くは多(メタ)アクリレートとのDiels-Alder付加生成
物、5-ノルボルネン-2-メタノールもしくは5-ノルボ
ルネン-2-オールとジ-もしくはポリカルボン酸または
ジ-もしくはポリイソシアネートとのエステルもしくは
ウレタン。
【0050】本発明の好適な実施態様では、重合開始剤
を含む。
【0051】本発明の好適な実施態様では、チオール-
エン重合に対する開始剤を含む。
【0052】本発明の好適な実施態様では、少なくとも
部分的に重合された形態で存在する。
【0053】本発明の好適な実施態様では、以下を含有
する:(a)5重量%〜80重量%の前記メルカプトシランの
ケイ酸縮合物または前記ノルボルネンシランのケイ酸縮
合物;(b)0重量%〜50重量%のさらなる加水分解性縮
合性化合物;(c)5重量%〜80重量%のチオール-エン重
合のための反応物;(d)0.1重量%〜5重量%の重合開始
剤;および/または(e)0重量%〜90重量%のフィラ
ー。
【0054】本発明の好適な実施態様では、10重量%〜
60重量%の上記メルカプトシランのケイ酸縮合物または
上記ノルボルネンシランのケイ酸縮合物を含む。
【0055】本発明の好適な実施態様では、0重量%〜
30重量%のさらなる加水分解性縮合性化合物を含む。
【0056】本発明の好適な実施態様では、0重量%〜
50重量%のさらなる加水分解性縮合性化合物をケイ酸縮
合物の形態で含む。
【0057】本発明の好適な実施態様では、0重量%〜
30重量%のさらなる加水分解性縮合性化合物をケイ酸縮
合物の形態で含む。
【0058】本発明の好適な実施態様では、20重量%〜
70重量%のチオール-エン重合のための反応物を含む。
【0059】本発明の好適な実施態様では、0.2重量%
〜2重量%の重合開始剤を含む。
【0060】本発明の好適な実施態様では、0重量%〜
80重量%のフィラーを含む。
【0061】本発明はまた、歯科用セメント、歯科用充
填材料または歯科用充填材料のための接着剤としての、
上記歯科用材料の使用を提供し、これにより上記目的が
達成される。
【0062】本発明の好適な実施態様では、上記材料
を、治療されるべき人工歯材料または天然歯材料の領域
に塗布し、そしてそれをチオール-エン重合させること
による。 以下に作用を記載する。
【0063】本発明に記載の歯科用材料は、以下を含有
する: (a)以下の一般式(Ia)の加水分解性および重合性のノル
ボルネンシランの少なくとも1つのケイ酸縮合物:
【0064】
【化22】
【0065】ここで、記号R0、R、R1、R2、R3、R4
R5、R6、X、Y、Z、a、b、cおよびxは、特に指示されな
い限り、互いに独立して、以下の意味を有する:R0は、
C1〜C8アルキルまたはHであり;Rは、C1〜C8アルキルも
しくはアルケニル、C6〜C10アリール、HまたはR2-R1-R4
-SiXxR3 3-xであり、ここで、これらのラジカルは、Oも
しくはS原子によってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはNH
基によって遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原
子もしくは基を含み得る;R1は、存在しないか、あるい
はC1〜C8アルキレン、C6〜C14アリーレン、アリーレン
アルキレンもしくはアルキレンアリーレンであり、ここ
で、これらのラジカルは、OもしくはS原子によってまた
は-O-CO-、-CO-O-もしくはNH基によって遮られ得るか、
または末端位にこれらの原子もしくは基を含み得る;R2
は、存在しないか、あるいはC1〜C8アルキレン、C6〜C
14アリーレン、アリーレンアルキレンもしくはアルキレ
ンアリーレンであり、ここで、これらのラジカルは、O
もしくはS原子によってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはN
H基によって遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの
原子もしくは基を含み得る;R3は、C1〜C10アルキルも
しくはアルケニル、C6〜C10アリールであり、ここで、
これらのラジカルは、OもしくはS原子によって遮られ得
るか、あるいは末端位にこれらの原子または基を含み得
る;R4は、-(CHR6-CHR6)n-(ここで、nは0または1で
ある)、-CHR6-CHR6-S-R5-、-CO-S-R5-、-CHR6-CHR6-NR
6-R5-、-S-R5、-Y-CO-NH-R5-または-CO-O-R5-であり;R
5は、C1〜C8アルキレン、またはC6〜C10アリーレンであ
り、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によ
ってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはNH基によって遮られ
得るか、あるいは末端位にこれらの原子もしくは基を含
み得る;R6は、H、C1〜C10アルキルまたはC6〜C10アリ
ールであり;Xは、加水分解性基、特に、ハロゲン、OH
またはアルコキシであり;Yは、O、SまたはNR6であり;
Zは、OまたはCHR6であり;aは、1、2または3であ
り;bは、1、2または3であり;cは、1〜6であり;
そしてxは、1、2または3であり;ただし、aおよび/
またはbは1であり;そしてa+xは、2、3または4であ
る、あるいは、(b)以下の一般式(Ib)の加水分解性およ
び重合性のメルカプトシランの少なくとも1つのケイ酸
縮合物:
【0066】
【化23】
【0067】ここで、記号R7、R8、R9、X、f、gおよびh
は、特に指示されない限り、互いに独立して、以下の意
味を有する:R7は、C1〜C10アルキレンもしくはアルケ
ニレン、C6〜C14アリーレンもしくはアルキルアリーレ
ンであり、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原
子によって、または-CO-O-もしくは-O-CO-基によって遮
られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子または基を
含み得る;R8は、C1〜C10アルキレンもしくはアルケニ
レン、C6〜C14アリーレンもしくはアルキルアリーレン
であり、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子
によってまたは-CO-O-もしくは-O-CO-基によって遮られ
得るか、あるいは末端位にこれらの原子または基を含み
得る;R9は、C1〜C10アルキルもしくはアルケニル、C6
〜C14アリールもしくはアルキルアリールであり、これ
らのラジカルは、OもしくはS原子によってまたは-CO-O-
もしくは-O-CO-基によって遮られ得るか、あるいは末端
位にこれらの原子または基を含み得る;Xは、加水分解
性基、特に、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシで
あり;gは、1、2または3であり;fは、1、2、3ま
たは4であり;そしてhは、1、2または3である。
【0068】上式は、原子価理論に従う、これらの化合
物のみを含む。
【0069】本発明によれば、使用されるノルボルネン
シラン(Ia)は、一般に、立体異性混合物の形態で、特に
ラセミ化合物として存在する。
【0070】ラジカルで存在する可能な(possible)ア
ルキル、アルケニルおよびアルキレン基は、直線状、分
枝状または環状であり得る。従って、ノルボルナンジイ
ル(norbornanediyl)基は、例えば、可能なC7アルキレ
ン基である。
【0071】さらに、a、b、cまたはxが1以上の場合
で、かつf、gまたはhが1以上の場合、個々のX基および
個々のR基は、各場合において、互いに独立して選択さ
れ得る。
【0072】前記式(Ia)および(Ib)の記号に対して、特
に指示がなければ、互いに独立して選択され得る好まし
い定義が存在し、そしてそれは、以下の通りである。
【0073】式(Ia)に対して:R0は、C1〜C5アルキルま
たはHであり;Rは、HまたはC1〜C5アルキルであり;R1
は、C1〜C8アルキレンであり、ここで、これらのラジカ
ルは、OもしくはS原子によってまたは-CO-O-もしくは-O
-CO-基によって遮られ得るか、あるいは末端位にこれら
の原子もしくは基を含み得る;R2は、C1〜C8アルキレン
であり、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子
によって遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子
を含み得る;R3は、CH3、C2H5、またはフェニルであ
り;R4は、-(CHR6-CHR6)n-(ここでnは0または1であ
る)、-S-R5-、-Y-CO-NH-R5-または-CO-O-R5-であり;R
5は、C1〜C8アルキレンであり、ここで、これらのラジ
カルは、OもしくはS原子によってまたは-CO-O-もしくは
-O-CO-基によって遮られ得るか、あるいは末端位にこれ
らの原子もしくは基を含み得る;R6は、HまたはC1〜C5
アルキルであり;Xは、OCH3またはOC2H5であり;Yは、O
またはSであり;Zは、CH2であり;aは、1であり;b
は、1であり;cは、1または2であり;xは、2または
3であり;および/または、a+xは、3または4であ
る。
【0074】式(Ib)に対して:R7は、C1〜C10アルキレ
ンまたはC6〜C14アリーレンであり、ここで、これらの
ラジカルは、OもしくはS原子によってまたは-O-CO-もし
くは-CO-O-基によって遮られ得るか、あるいは末端位に
これらの原子または基を含み得る;R8は、C1〜C10アル
キレンまたはC6〜C14アリーレンであり、ここで、これ
らのラジカルは、OもしくはS原子によってまたは-O-CO-
もしくは-CO-O-基によって遮られ得るか、または末端位
にこれらの原子または基を含み得る;R9は、C1〜C10
ルキルであり;Xは、OCH3、OC2H5またはClであり;およ
び/またはh=2または3である。
【0075】本発明に従って使用されたノルボルネンシ
ランの好適な実施態様は、以下の一般式(IIa)、(III
a)、(IVa)および(Va)を有する(すなわち、一般式(Ia)
の記号aおよび/またはbおよび/またはcの値が1の
場合である式である)。
【0076】
【化24】
【0077】
【化25】
【0078】従って、本発明に従って使用されるメルカ
プトシラン(Ib)への同様の適用、およびこれらのメルカ
プトシランに対する好適な実施態様は、記号fおよび/
またはgの値が1である以下の一般式(IIb)、(IIIb)およ
び(IVb)で表される。
【0079】
【化26】
【0080】ノルボルネンシランの記号aを有するラジ
カルの好適な例を以下に挙げる。これらの例はまた、メ
ルカプトシランの定義が許すならば、前記のノルボルネ
ンシランラジカルの各場合において、以下の基:
【0081】
【化27】
【0082】を、HS基で置換することによって、記号g
のメルカプトシランを有するラジカルにも適用される。
【0083】
【化28】
【0084】
【化29】
【0085】
【化30】
【0086】
【化31】
【0087】
【化32】
【0088】
【化33】
【0089】
【化34】
【0090】
【化35】
【0091】特に好適なメルカプトシラン(Ib)を、以下
に挙げる:
【0092】
【化36】
【0093】ここで、Tは以下である:
【0094】
【化37】
【0095】本発明に従って使用されるノルボルネンシ
ラン(Ia)の調製は、多くの従来の付加反応および縮合反
応を使用し得、これらはこれらの反応型に対する通常法
に従って実行される。
【0096】第1の変形例においては、末端基(オレフ
ィンC=C二重結合)を有するノルボルネンまたはオキサ
ビシクロヘプテンを、ヒドロシリル化、チオールまたは
アミン付加させる。一般的な反応スキームを以下に挙げ
る。ここで、基および記号は、一般式(Ia)に対して定義
された通りである。単純な具体例を以下の図により示
す。
【0097】ヒドロシリル化
【0098】
【化38】
【0099】具体例:
【0100】
【化39】
【0101】チオール付加
【0102】
【化40】
【0103】具体例:
【0104】
【化41】
【0105】アミン付加
【0106】
【化42】
【0107】具体例:
【0108】
【化43】
【0109】ラジカルR1は、bまでの末端のC=C二重結合
を含み得、この結果、各場合においてbまでのシラン単
位が、ラジカルR1に付加され得る。使用されるシラン
は、水素原子、チオールもしくはアミン基までを含み
得、この結果、各場合において二環式基までが、シラン
に付加され得る。さらに、ラジカルR1は、各場合におい
て、cまでのノルボルネンまたはオキサビシクロヘプテ
ン単位を含み得る。全く同様に、一般式XVのノルボルネ
ンおよびオキサビシクロヘプテンもまた反応される。
【0110】
【化44】
【0111】さらに、ヒドロシリル化、チオールまたは
アミン付加は、R1が少なくとも2つの二環式基を有する
場合、ノルボルネンおよびオキサビシクロヘプテンのC=
C二重結合にて起こり得る。
【0112】さらなる工程の変形例において、ヒドロキ
シル、チオールまたはアミン基を含む二環式化合物は、
イソシアネート官能基を有するシランに付加される。一
般的な反応スキームは以下の通りであり、ここで、ラジ
カルおよび記号は、一般式(Ia)に対して定義された通り
である。また、単純な具体例を以下の図によって示す。
【0113】イソシアネート付加
【0114】
【化45】
【0115】具体例:
【0116】
【化46】
【0117】二環式化合物中のラジカルR1は、各場合に
おいて、bまでのヒドロキシル、チオールまたはアミン
基を含み得、この結果、各場合において、bまでのシラ
ン単位がラジカルR1に付加され得る。使用されるシラン
は、各場合において、イソシアネート基までを有し得、
この結果、二環式基までが、シランに付加され得る。さ
らに、ラジカルR1は、cまでのノルボルネンまたはオキ
サビシクロヘプテン単位含み得る。全く同様に、一般式
(XVI)のノルボルネンおよびオキサビシクロヘプテンも
また、反応される。
【0118】
【化47】
【0119】さらなる工程の変形例においては、二環式
カルボン酸誘導体は、チオールまたはヒドロキシル基含
有シランと反応される。一般的な反応スキームを以下に
示す。ここで、Aは、-OH、-Cl、-Hまたは-O-アルキル基
であり、他の基および記号は、一般式(Ia)に対して定義
された通りである。さらに、単純な具体例を以下の図に
よって示す。
【0120】チオール基を有するシランとの反応
【0121】
【化48】
【0122】具体例:
【0123】
【化49】
【0124】ヒドロキシル基を有するシランとの反応
【0125】
【化50】
【0126】具体例:
【0127】
【化51】
【0128】二環式成分のR1基は、各場合においてbま
でのカルボン酸誘導体を含有し得、この結果、各場合に
おいてbまでのシラン単位がラジカルR1に付加され得
る。使用されるシランは、各場合において、チオール基
またはヒドロキシル基までを有し得、この結果、二環式
基までがシランに付加され得る。さらに、ラジカルR1
は、cまでのノルボルネンまたはオキサビシクロヘプテ
ン単位を含み得る。全く同様に、一般式(XVII)のノル
ボルネンおよびオキサビシクロヘプテンもまた反応され
る。
【0129】
【化52】
【0130】以下に示す付加もまた可能である。ここで
基および記号は、以下の一般式(Ia)で定義された通り
であり、そして記号aは、好ましくは1を上回る:
【0131】
【化53】
【0132】また、ノルボルネン単位は、その有機基が
1つまたはそれ以上のC=C二重結合を有するような有機
修飾シランへの、フラン誘導体またはシクロペンタジエ
ン誘導体のDiels-Alder付加を経由して得られ得る。一
般的な反応スキームは以下の通りであり、ここで基およ
び記号は、一般式(Ia)で定義された通りである。
【0133】
【化54】
【0134】ラジカルR1が1を上回る末端C=C二重結合
を含む場合、1を上回るフラン単位またはシクロペンタ
ジエン単位が付加され得る。
【0135】上記の例において使用されるシランは、購
入され得るか、または、例えば「Chemie und Technolog
ie der Silicone」(W.Noll、Verlag Chemie GmbH、Wei
nheim/Bergstrasse、1968)、DE-C-40 11 044号、また
はDE 44 16 857号に記載の方法に従って調製され得る。
【0136】使用されるノルボルネン誘導体またはオキ
サビシクロヘプテン誘導体は、例えば、ノルボルナジエ
ン誘導体およびオキサビシクロヘプタジエン誘導体の通
常の官能化により、あるいはフラン誘導体またはシクロ
ペンタジエン誘導体のC=C二重結合へのDiels-Alder付加
により得られ得る。ラジカルおよび記号が一般式(Ia)
に対して定義した通りである、式(XVIII)の出発成分
は、例えば以下の反応順序に従って得られ得る。
【0137】
【化55】
【0138】1つまたはそれ以上のノルボルネン単位を
有するノルボルネンシラン(Ia)の調製のさらなる具体
例(本発明に従って使用され得る)を以下に示す。
【0139】
【化56】
【0140】
【化57】
【0141】
【化58】
【0142】
【化59】
【0143】
【化60】
【0144】本発明の、歯科用材料中に存在するメルカ
プトシランは、市販されているか、または種々の公知の
方法により調製され得る。1つの変形例は、購入可能な
アクリロイルシランへの、多官能性メルカプト化合物の
部分的SH-エン付加であり、それは以下の一般反応式に
従う。ここで、ラジカルおよび記号は式(Ib)において
定義された通りである。
【0145】
【化61】
【0146】具体例:
【0147】
【化62】
【0148】本発明の歯科用材料中に存在するノルボル
ネンシラン(Ia)のケイ酸縮合物およびメルカプトシラ
ン(Ib)のケイ酸縮合物は、シラン(Ia)および(Ib)
中に含有される加水分解性基X(例えば、アルコキシ
基)を加水分解し、続いて縮合させることによって得ら
れ、これによりSi-O-Si単位の無機網目構造が形成され
る。加水分解および縮合は、塩基性媒体中または酸性媒
体中で起こる。好ましくは、使用されるシランに含有さ
れるC=C二重結合の連結(linking)は、回避される。加
水分解および縮合は、好ましくは、縮合触媒の存在下で
起こり、プロトンまたはヒドロキシルイオンを供給する
化合物(例えば、有機または無機の酸または塩基)が好
ましい。特に好ましいのは揮発性の酸および塩基であ
り、特に塩酸またはアンモニアである。例えばC.J.Brin
kerらの「Sol-Gel Science」, AcademicPress, Boston,
1990に記載のように、加水分解および縮合時にゾル-ゲ
ル技術において使用される方法を採用すると、好結果が
得られることが証明された。さらに、「ゾル−ゲルプロ
セス」は、DE-A-27 58 414号、DE-A-27 58 415号、DE-A
-30 11 761号、DE-A-38 26 715号、およびDE-A-38 35 9
68号に記載されている。
【0149】全ての加水分解性基の完全な加水分解のた
めに必要とされる化学量論量の水を、水含有アルコール
または水分含有吸着剤の形態で添加することは特に好ま
しい。また、加水分解および縮合は、脂肪族アルコール
または脂肪族エステルの溶液中で、好ましくは-5℃〜
+30℃の範囲の温度で行われる。
【0150】しかし、ノルボルネンシラン(Ia)および
メルカプトシラン(Ib)のケイ酸縮合物は、不完全に加
水分解および縮合した形態でもまた使用され得る。その
ような場合は、それらはプレ縮合物と呼ばれる。
【0151】少なくとも1つのノルボルネンシラン(I
a)のケイ酸縮合物、または少なくとも1つのメルカプ
トシラン(Ib)のケイ酸縮合物に加えて、本発明の歯科
用材料はまた、さらなる加水分解性縮合性化合物を含み
得、それらはそのまま、またはプレ縮合物の形態、ある
いは完全に加水分解および縮合した生成物の形態で使用
される。
【0152】好ましくは、一般式(VIII)の少なくとも
1つのシランがさらなる加水分解縮合性化合物として使
用される。
【0153】
【化63】
【0154】ここで、R10、Z’、R11、X’、k、お
よびmは、特に指示しない限り、互いに独立に、以下の
意味を有する:R10は、C1〜C8アルキル、C1〜C12
アルケニルまたはC6〜C14アリールであり、R11は、
1〜C8アルキレン、C1〜C12アルケニレンまたはC6
〜C14アリーレンであり、X’は、H、ハロゲン、OH、
1〜C8アルコキシであり、Z’は、メルカプト基、カ
ルボキシ基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、ビ
ニル基、またはビニルエーテル基であり;kは、0、
1、2または3であり、mは、0、1、2または3であ
り、そしてk+mは1、2または3である。
【0155】このようなシランは、例えばDE-C-34 07 0
87号に記載されている。
【0156】一般式(VIII)の加水分解性縮合性シラン
の具体例は以下である:
【0157】
【化64】
【0158】さらに、好ましいさらなる加水分解性縮合
性化合物として、以下の式の少なくとも1つのアルミニ
ウム、チタン、あるいはジルコニウム化合物:AlR12 3
または MX''yR13zもまた使用され得る。ここでM、R
12、R13、X”、yおよびzは、互いに独立して、以下
に示す意味を有する:Mは、TiまたはZrであり、R
12は、ハロゲン、OH、C1〜C8アルコキシであり、R13
は、請求項1で定義されたようなRであり、X”は、ハ
ロゲン、OHまたはC1〜C8アルコキシであり、yは、1
〜4、特に2〜4であり、zは、0〜3、特に0〜2で
ある。
【0159】使用されるアルミニウム化合物の好ましい
例は、Al(OCH3)3、Al(OC2H5)3、Al(O-n-C3H7)3、Al(O-i
-C3H7)3、Al(OC4H9)3、Al(O-i-C4H9)3、AlCl3およびAlC
l(OH)2である。室温で液体である化合物(例えば、アル
ミニウム-sec-ブチレートおよびアルミニウム-iso-プロ
ピレート)が特に好ましい。
【0160】使用され得るチタンおよびジルコニウム化
合物の好ましい例は、TiCl4、Ti(OC2H5)4、Ti(OC
3H7)4、Ti(O-C4H9)4、Ti(2-エチルヘキソキシ)4、ZrC
l4、Zr(OC2H5)4、Zr(OC3H7)4、Zr(OC4H9)4、Zr(2-エチ
ルヘキソキシ)4およびZrOCl2である。
【0161】本発明で使用される、ノルボルネンシラン
(Ia)のケイ酸縮合物またはメルカプトシラン(Ib)の
ケイ酸縮合物、および必要に応じてさらに存在する加水
分解性縮合性化合物が、加水分解物および縮合に共に供
され、これにより、混合プレ縮合物または混合縮合物と
して用いられることは特に好ましい。
【0162】本発明に従って使用される、得られたシラ
ンのケイ酸縮合物(Ia)および(Ib)、ならびに必要に
応じてさらなる加水分解性および縮合性化合物はそのま
ま、あるいは部分的またはほぼ完全に使用された溶媒を
除去した後のいずれかで用いられ得る。幾つかの場合に
は、重縮合の後に得られた生成物中の水および必要に応
じて使用した溶媒を、他の溶媒で置き換えて、ケイ酸縮
合物を安定化させるのに好都合であることが明らかであ
る。この目的のため、例えば、僅かに高温度で減圧中、
反応混合物は、他の溶媒に依然容易に溶解し得るまで濃
縮され得る。
【0163】シラン(Ia)および(Ib)は安定な化合物
であり、そしてそれらはそれ自身で処理され得るか、ま
たは他の加水分解性、縮合性および/または重合性、あ
るいは重付加性化合物と共に処理されて、本発明の歯科
用材料にも有用であるケイ酸重縮合物およびケイ酸ヘテ
ロ重縮合物が得られ得る。
【0164】ノルボルネンシラン(Ia)およびメルカプ
トシラン(Ib)のケイ酸縮合物は、本発明の歯科用材料
中でのチオール-エン重合に対する反応物と共に含有さ
れるのが好ましい。
【0165】ノルボルネンシラン(Ia)のケイ酸縮合物
に対して好ましい反応物は、メルカプトシラン(Ib)、
メルカプトシラン(Ib)のケイ酸縮合物、および/また
はオリゴ-またはポリ(チオール)化合物である。有用
なオリゴ-またはポリ(チオール)化合物の例は、特にo
-、p-またはm-ジメルカプトベンゼンあるいは直鎖もし
くは分岐したC2〜C18ポリオールを有するチオグリコー
ル酸または3-メルカプトプロピオン酸のエステルであ
り、特に好ましくは、1,2-エタン-および1,6-ヘキサン
ジチオール、α,ω-トリエチレングリコールジチオー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、およ
びブチレングリコール、ならびに1,6-ヘキサンジオー
ル、グリセロール、トリメチロールプロパンおよびペン
タエリトリトールのチオグリコール酸または3-メルカプ
トプロピオン酸エステルである。
【0166】一方、メルカプトシラン(Ib)のケイ酸縮
合に対する好ましい反応物は、ノルボルネンシラン(I
a)、ノルボルネンシラン(Ia)のケイ酸縮合物および/
またはオリゴ-またはポリ(ノルボルネン)化合物であ
る。適切なオリゴ-またはポリ(ノルボルネン)化合物
の例は、特に、シクロペンタジエンとジ-または多(メ
タ)アクリレートとのDiels-Alder付加生成物、5-ノル
ボルネン-2-メタノールまたは5-ノルボルネン-2-オール
と、ジ-またはポリカルボン酸あるいはジ-またはポリイ
ソシアナートとのエステルまたはウレタンであり、特に
好ましくは、シクロペンタジエンと、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、およびブチレングリコー
ル、ならびに1,6-ヘキサンジオール、グリセロール、ト
リメチロールプロパンおよびペンタエリトリトールの多
官能性(メタ)アクリレートエステルとのDiels-Alder
付加生成物、ならびに5-ノルボルネン-2-メタノール
と、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、テ
レフタル酸およびイソフタル酸の多官能性エステルであ
る。
【0167】本発明の歯科用材料のチオール-エン重合
は、ある成分のチオール基の、他の成分のC=C二重結合
への付加をもたらし、高い機械的硬度および機械的強度
(従来のエン-チオール重合体よりも優れる)を有する
無機-有機複合材料を反応生成物として形成する。ま
た、驚くべきことに、チオール-エン重合の間に、ごく
僅かな重合収縮しか見られない。このことは、歯科用材
料が歯科用充填材料または歯科用セメントとして使用さ
れる場合に、特に有用である。
【0168】チオール-エン重合を開始するのに、好ま
しくは、熱開始剤および/または光開始剤が、本発明の
歯科用材料に添加される。
【0169】熱開始剤の好ましい例は、公知の過酸化物
であり、例えば、ジベンゾイルペルオキシド、ジラウリ
ルペルオキシド、tert.-ブチルペルオクトエート、また
はtert.-ブチルペルベンゾエートならびにアゾビスイソ
ブチロエチルエステル、ベンズピナコールまたは2,2-ジ
メチルベンズピナコールである。
【0170】適切な光開始剤の例は、ベンゾフェノン、
ベンゾインおよびそれらの誘導体、あるいはα-ジケト
ンおよびそれらの誘導体(例えば、9,10-フェナントレ
ンキノン、ジアセチルまたは4,4-ジクロロベンジル)で
ある。2,2-メトキシ-2-フェニルアセトフェノンおよび
カンファーキノンが好んで使用され、そしてα-ジケト
ンとアミンの組合せ(例えば、シアノエチルメチルアニ
リン、メチルアミノエチル-メタクリレート、トリエタ
ノールアミン、N,N-ジメチル-sym.-キシリジン)が還元
剤として、特に好んで使用される。さらなる特に適切な
光開始剤は、アシルホスフィン(例えば、2,4,6-トリメ
チルベンゾイル−ジフェニル-またはビス(2,6-ジクロ
ロベンゾイル)-4-N-プロピルフェニルホスフィンオキ
シド)である。
【0171】室温で行われる重合には、例えば、ベンゾ
イルペルオキシドまたはラウリルペルオキシドとアミン
との組合せ(例えば、N,N-ジメチル-sym.-キシリジンま
たはN,N-ジメチル-p-トルイジン)のような、ラジカル
鎖開始剤が開始剤として使用される。
【0172】本発明の歯科用材料は、そのままで、また
は少なくとも部分的に重合した形態で使用され得る。
【0173】さらに、本発明の歯科用材料はまた、フィ
ラーを含み得る。好ましいフィラーの例は、水晶、ガラ
スセラミックおよびガラス粉末であり、特にケイ酸バリ
ウムガラス粉末、ケイ酸リチウム/アルミニウムガラス
粉末およびバリウムガラス粉末、アルミナあるいはシリ
カ、非常に微細な(finely divided)シリカであり、特
に、発熱性(pyrogenic)シリカまたは沈殿シリカ、な
らびに三フッ化イッテルビウムのようなX線不透過フィ
ラーである。
【0174】特に好ましい本発明の歯科用材料には、以
下が含まれる: (a)5重量%〜80重量%(特に10重量%〜60重量%)
のノルボルネンシラン(Ia)またはメルカプトシラン
(Ib)のケイ酸縮合物、および(b)0重量%〜50重量
%(特に0重量%〜30重量%)のさらなる加水分解性縮
合性化合物(必要に応じて縮合の形態で) (c)5重量%〜80重量%(特に20重量%〜70重量%)
のチオール-エン重合に対する反応物、(d)0.1重量%
〜5重量%(特に0.2重量%〜2重量%)の重合開始
剤、および/または(e)0重量%〜90重量%(特に0重
量%〜80重量%)のフィラー。
【0175】本発明の歯科用材料は具体的には、処理お
よび硬化(特にチオール-エン重合を用いて)させるべ
き人工または天然歯材料の領域に塗布することにより使
用される。
【0176】歯科用材料は、好ましくは歯科用セメン
ト、歯科用充填材料、または充填材料用の歯科用接着剤
(bonding)として、これらの特定の型の歯科用材料に
とって、従来の様式で使用される。従って、本発明はま
た、本発明の歯科用セメントまたは接着剤を塗布するこ
とにより、歯科用材料に人工または天然の歯材料を接着
する方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の歯科
用充填材料を塗布することにより、歯材料の充填方法を
提供する。
【0177】本発明の歯科用材料の特別の利点は、一方
で、本発明の歯科用材料が少ない重合収縮を示し、他方
で、高い機械的強度を有する複合材料が生じるというこ
とである。正確には、歯科用材料に特に重要なのは、こ
のような特性の組合せである。
【0178】さらに、この歯科用材料に、従来の補助剤
および添加剤(例えば、染料、顔料、チキソトロピック
補助剤、安定剤、可塑剤、香料または殺菌(microbicid
al)活性成分)を添加することもまた可能である。
【0179】本発明は、以下に、実施例を参照してより
詳細に記述される。
【0180】実施例1: 3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-
2-エン-5-メチル-5-カルボニルオキシ)プロピルトリメ
トキシシラン(1)
【0181】
【化65】
【0182】59.1g(0.20mol)の3-メタクリロイルオキ
シプロピルトリメトキシシランおよび、少量のハイドロ
キノンモノメチルエーテル(MEHQ)を、蒸留ブリッジを
介してクラッキング装置に接続されたスルホン化(sulp
honation)フラスコに入れる。アルゴンでフラッシング
した後、シクロペンタジエンを反応容器に加え、同時に
撹拌および85℃〜90℃までの加温する。33時間後、反応
は終了し、生じたジシクロペンタジエンを0.05mbarにて
留去する。続いて高真空下での分別蒸留を行い、ノルボ
ルネンシラン(1)(沸点:98℃-100℃/7.0mPa)を無色
の液体として、70%の収率で得る。
【0183】
【表1】
【0184】実施例2: 3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-
2-エン-5-カルボニルオキシ)プロピルジメトキシメチ
ルシラン(2)
【0185】
【化66】
【0186】方法は、3-アクリロイルオキシプロピルメ
チルジメトキシシランをジエノフィルとして使用とした
こと以外は、実施例1に記載されている方法と同様であ
る。反応はちょうど7時間後に終了する。ジシクロペン
タジエンを除去した後、高真空下での分別蒸留を行い、
ノルボルネンシラン(2)(沸点:94℃-96℃/4.0mPa)
を無色の液体として、89%の収率で得る。
【0187】
【表2】
【0188】実施例3: 3-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-
2-エン-5-メトキシカルバモイル)プロピルトリエトキ
シシラン(3)
【0189】
【化67】
【0190】24.8g(0.20mol)の5-ノルボルン-2-エン
メタノールの混合物に、触媒として0.1gのジ-n-ブチル
スズカルボキシレート(Metatin 801)、および40mgの
ハイドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)を滴下し、
撹拌および冷却しながら49.2g(0.20mol)の3-イソシア
ナートプロピルトリエトキシシラン(IPTES)を添加す
る。次いで、混合物をイソシアナート基が消費されるま
で72時間、室温で撹拌する。分別蒸留を行い、シラン
(3)(沸点:136℃-140℃/5.0mPa)を無色の液体とし
て、76%の収率で得る。
【0191】
【表3】
【0192】実施例4: ジ(ノルボルネン)化合物
(4)
【0193】
【化68】
【0194】方法は、137.0g(0.6mol)の市販のグリセ
リンジメタクリレート(Rohm)をジエノフィルとして使
用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様であ
る。メタクリレート基の反応の完了後、揮発性成分を高
真空中で除去し、所望のジ(ノルボルネン)化合物
(4)を得る。それをさらなる反応のためのチオール-
エン重合に対する反応物として、精製することなく使用
し得る。
【0195】
【表4】
【0196】実施例5: ジ(ノルボルネン)シラン
(5)
【0197】
【化69】
【0198】方法は、約20mlの無水THF中の14.4g(40mm
ol)のOH基含有ジ(ノルボルネン)化合物(4)の溶液
を9.9g(40mmol)のIPTESと反応させたこと以外は、実
施例3に記載の方法と同様である。混合物を48時間、室
温で撹拌し、次いで高真空中で、一定量まで濃縮する。
これにより、ジ(ノルボルネン)シラン(5)をほぼ定
量的な収量で得る。
【0199】
【表5】
【0200】実施例6: ノルボルネンシラン(1)に
基づくケイ酸縮合物の生成 20mmolのノルボルネンシラン(1)および20mmolのジメ
チルジメトキシシランを50mlの無水エタノールに溶解す
る。5mlのエタノールとの混合物としての50mmolの水、
および0.1molarのエタノール性酢酸溶液を数滴添加した
後、混合物を還流下で5時間加熱し、そして一晩撹拌す
る。真空下で揮発性成分を除去した後、形成した樹脂状
のケイ酸縮合物(7g)を、チオール-エン重合に使用し
得る。
【0201】実施例7: 歯科用接着剤の調製 実施例6に記載のケイ酸縮合物7gに、開始剤として21mg
(0.3重量%)のカンファーキノンおよび35mg(0.5重量
%)の2-エチル-ヘキシル-N,N-ジメチル-4-アミノベン
ゾエートを添加する。次いで、5.0mmolのペンタエリト
リトールテトラ(3-メルカプトプロピオネート)(PETM
P)(Evans Chemetics)をチオール-エン重合に対する反
応物として添加し、混合物をフィルムとして注型(pour
out)し、歯科用光源、すなわちHeliomat(Vivadent)
にて60秒照射する。固体の、良好な接着性フィルムが形
成する。使用される樹脂状ケイ酸縮合物、および重合物
の密度を浮遊(buoyancy)法により決定した。チオール
-エン重合中の体積変化を密度の差異から決定した。
【0202】得られた僅かに0.5%というΔV値は、メ
タクリレートをベースとした従来の接着剤のものよりも
明らかに低い。例えば、下記の組成を有する従来の接着
剤の、硬化中の体積収縮は7.5%である。
【0203】
【表6】
【0204】実施例8: ジ(ノルボルネン)シラン
(5)およびジ(ノルボルネン)化合物(4)の混合物
からのケイ酸縮合物の調製 40mmolのジ(ノルボルネン)シラン(5)を、16mmolの
ジ(ノルボルネン)化合物(4)および25mlの酢酸エチ
ルエステルと混合する。トリエトキシシリル基の加水分
解/縮合のために相当な量の水(OC2H5基1つ当たり10mm
ol H2O)と混合し、そして実施例6と同様の方法にて後
処理し、これにより、2800Pa・s(25/40℃)の粘度を有す
る樹脂を、実質時に定量的な収率で形成する。この樹脂
は、歯科用セメントの成分として使用され得る。
【0205】実施例9: ジ(ノルボルネン)化合物
(6)の合成
【0206】
【化70】
【0207】方法は、118.9gの市販のエチレングリコー
ルジメタクリレート(Fluka)をジエノフィルとして使
用したこと以外は、実施例1に記載の方法と同様であ
る。メタクリレート基の反応の完了後、揮発性成分を高
真空下で除去し、所望のジ(ノルボルネン)化合物
(6)を得る。これは約200mPa・s(25℃)の粘度を有す
る。HPLCダイヤグラムは、この生成物が少なくとも5つ
の異なる成分、(おそらく、立体配置異性体)を含有す
ることを示す。しかし、シクロペンタジエン、ジシクロ
-ペンタジエンまたはエチレングリコールジメタクリレ
ートは、もはや検出可能ではない。ジ(ノルボルネン)
化合物(6)は、歯科用セメント用の活性希釈剤、およ
びチオール-エン重合のための反応物として用いられ得
る。例えば、同程度の重量のジ(ノルボルネン)化合物
(6)で希釈することにより、実施例8の樹脂の粘度は
8Pa・sまで減少する。
【0208】
【表7】
【0209】実施例10: ノルボルネンシラン(7)
の合成および加水分解/縮合
【0210】
【化71】
【0211】1molのトリメチロールプロパントリアク
リレートと、3molのシクロペンタジエンのDiels-Alder
付加物42.7g(90mmol)とを、90mlの酢酸エチルに溶解
する。16.2g(90mmol)のメルカプトプロピル-メチルジ
メトキシシランを、保護ガス(protective gas)下で滴
下する。チオール付加が起こった後(ヨウ素試験を用い
て確認)、生成物の溶液を加水分解し得る。このため
に、5.8g(18mmol)のジノルボルネン化合物(4)を反
応希釈剤としての生成物溶液および0.1n HClとしての2.
6gの水に添加し、混合物を室温で撹拌する。反応の完了
後、混合物を水で振出し、濾過し、揮発性成分をロータ
リーエバポレーターで、40℃にてストリッピングする。
40℃で油回転ポンプの真空を使用することで、残存の揮
発性成分を除去した後、粘性の樹脂を得る(25℃で約82
0Pa・s)。
【0212】実施例11: 歯科用セメントの調製 歯科用セメントを下記の成分から、ロータリーミキサー
で調製する:
【0213】
【表8】
【0214】試験片をセメントから調製した。次いで、
それらを歯科用光源(Spectramat(Vivadent))を用い
て、10分間光に曝した。24時間貯蔵された試料につい
て、ISO4049に従い、曲げ強さは89MPa、また、弾性率
(E-modulus)は5.5GPaと決定された。重合収縮は、僅
かに0.9体積%であった。
【0215】
【発明の効果】本発明によれば、重合収縮をほとんど生
じず、かつ高い機械的強度および硬度を有する複合材料
を与えるように重合(特に、チオール-エン重合)され
得る歯科用材料が提供される。
【0216】本発明によればまた、歯科用接着剤、また
はセメント、あるいは歯科用充填材料としての歯科用材
料の使用が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ノルベルト モズナー リヒテンシュタイン公国 エシェン エフ エル−9492, シャフハウサーシュトラー セ 43ツェー (72)発明者 ウルリッヒ サルツ ドイツ国 デー−88131 リンダウ, グ スタエウドヴェグ 55

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下を含有する歯科用材料: (a)以下の一般式(Ia)の加水分解性および重合性のノル
    ボルネンシランの少なくとも1つのケイ酸縮合物: 【化1】 ここで、記号R0、R、R1、R2、R3、R4、R5、R6、X、Y、
    Z、a、b、cおよびxは、特に指示されない限り、互いに
    独立して、以下の意味を有する:R0は、C1〜C8アルキル
    またはHであり;Rは、C1〜C8アルキルもしくはアルケニ
    ル、C6〜C10アリール、HまたはR2-R1-R4-SiXxR3 3-xであ
    り、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によ
    ってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはNH基によって遮られ
    得るか、あるいは末端位にこれらの原子もしくは基を含
    み得る;R1は、存在しないか、あるいはC1〜C8アルキレ
    ン、C6〜C14アリーレン、またはアリーレンアルキレン
    もしくはアルキレンアリーレンであり、ここで、これら
    のラジカルは、OもしくはS原子によってまたは-O-CO-、
    -CO-O-もしくはNH基によって遮られ得るか、または末端
    位にこれらの原子もしくは基を含み得る;R2は、存在し
    ないか、あるいはC1〜C8アルキレン、C6〜C14アリーレ
    ン、またはアリーレンアルキレンもしくはアルキレンア
    リーレンであり、ここで、これらのラジカルは、Oもし
    くはS原子によってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはNH基
    によって遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子
    もしくは基を含み得る;R3は、C1〜C10アルキルもしく
    はアルケニル、またはC6〜C10アリールであり、ここ
    で、これらのラジカルは、OもしくはS原子によって遮ら
    れ得るか、あるいは末端位にこれらの原子を含み得る;
    R4は、-(CHR6-CHR6)n-(ここで、nは0または1であ
    る)、-CHR6-CHR6-S-R5-、-CO-S-R5-、-CHR6-CHR6-NR6-R
    5-、-S-R5、-Y-CO-NH-R5-または-CO-O-R5-であり;R
    5は、C1〜C8アルキレンまたはC6〜C10アリーレンであ
    り、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によ
    ってまたは-O-CO-、-CO-O-もしくはNH基によって遮られ
    得るか、あるいは末端位にこれらの原子もしくは基を含
    み得る;R6は、H、C1〜C10アルキルまたはC6〜C10アリ
    ールであり;Xは、加水分解性基であり;Yは、O、Sまた
    はNR6であり;Zは、OまたはCHR6であり;aは、1、2ま
    たは3であり;bは、1、2または3であり;cは、1〜
    6であり;そして、 xは、1、2または3であり;但し、aおよび/またはb
    は1であり;そして、 a+xは、2、3または4である、あるいは、 (b)以下の一般式(Ib)の加水分解性および重合性のメル
    カプトシランの少なくとも1つのケイ酸縮合物: 【化2】 ここで、記号R7、R8、R9、X、f、gおよびhは、特に指示
    されない限り、互いに独立して、以下の意味を有する:
    R7は、C1〜C10アルキレンもしくはアルケニレン、また
    はC6〜C14アリーレンもしくはアルキルアリーレンであ
    り、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によ
    ってまたは-CO-O-もしくは-O-CO-基によって遮られ得る
    か、あるいは末端位にこれらの原子または基を含み得
    る;R8は、C1〜C10アルキレンもしくはアルケニレン、
    またはC6〜C14アリーレンもしくはアルキルアリーレン
    であり、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子
    によってまたは-CO-O-もしくは-O-CO-基によって遮られ
    得るか、あるいは末端位にこれらの原子または基を含み
    得る;R9は、C1〜C10アルキルもしくはアルケニル、ま
    たはC6〜C14アリールもしくはアルキルアリールであ
    り、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によ
    ってまたは-CO-O-もしくは-O-CO-基によって遮られ得る
    か、あるいは末端位にこれらの原子または基を含み得
    る;Xは、加水分解性基であり;gは、1、2または3で
    あり;fは、1、2、3または4であり;そしてhは、
    1、2または3である。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の歯科用材料であって、
    一般式(Ia)中のXが、ハロゲン、OHまたはアルコキシで
    ある、歯科用材料。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の歯科用材料であって、
    一般式(Ib)中のXが、ハロゲン、ヒドロキシまたはアル
    コキシである、歯科用材料。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の歯科用材料であって、
    式(I-a)の前記記号の少なくとも1つが、特に指示され
    ない限り、他の記号とは独立して、以下の意味を有し:
    R0は、C1〜C5アルキルまたはHであり;Rは、HまたはC1
    〜C5アルキルであり;R1は、C1〜C8アルキレンであり、
    ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によって
    または-O-CO-もしくは-CO-O-基によって遮られ得るか、
    あるいは末端位にこれらの原子もしくは基を含み得る;
    R2は、C1〜C8アルキレンであり、ここで、これらのラジ
    カルは、OもしくはS原子によって遮られ得るか、あるい
    は末端位にこれらの原子を含み得る;R3は、CH3、C2H5
    またはフェニルであり;R4は、-(CHR6-CHR6)n-(ここ
    で、nは、0または1である)、-S-R5-、-Y-CO-NH-R5-
    または-CO-O-R5-であり;R5は、C1〜C8アルキレンであ
    り、ここで、これらのラジカルは、OもしくはS原子によ
    ってまたは-O-CO-もしくは-CO-O-基によって遮られ得る
    か、あるいは末端位にこれらの原子もしくは基を含み得
    る;R6は、HまたはC1〜C5アルキルであり;Xは、OCH3
    たはOC2H5であり;Yは、OまたはSであり;Zは、CH2であ
    り;aは、1であり;bは、1であり;cは、1または2
    であり;xは、2または3であり;および/または、 a+xは、3または4であり、かつ、 式(Ib)の前記記号の少なくとも1つが、特に指示されな
    い限り、他の記号とは独立して、以下の意味を有する歯
    科用材料:R7は、C1〜C10アルキレンまたはC6〜C14アリ
    ーレンであり、ここで、これらのラジカルは、Oもしく
    はS原子によってまたは-CO-O-もしくは-O-CO-基によっ
    て遮られ得るか、あるいは末端位にこれらの原子または
    基を含み得る;R8は、C1〜C10アルキレンまたはC6〜C14
    アリーレンであり、ここで、これらのラジカルは、Oも
    しくはS原子によってまたは-CO-O-もしくは-O-CO-基に
    よって遮られ得るか、または末端位にこれらの原子また
    は基を含み得る;R9は、C1〜C10アルキルであり;Xは、
    OCH3、OC2H5またはClであり;および/またはhは、2ま
    たは3である。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項4に記載の歯科用
    材料であって、 前記ノルボルネンシランが、以下の一般式(IIa): 【化3】 に対応するように、aが1であり、かつbが1であるか、
    または、 前記メルカプトシランが、以下の一般式(IIb): 【化4】 に対応するようにgが1である、歯科用材料。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項4に記載の歯科用
    材料であって、 前記ノルボルネンシランが、以下の一般式(IIIa): 【化5】 に対応するように、aが1であり、かつcが1であるか、
    または、 前記メルカプトシランが、以下の一般式(IIIb): 【化6】 に対応するように、fが1であり、かつgが1である、歯
    科用材料。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項4に記載の歯科用
    材料であって、 前記ノルボルネンシランが、以下の一般式(IVa): 【化7】 に対応するように、bが1であり、かつcが1であるか、
    または、 前記メルカプトシランが、以下の一般式(IVb): 【化8】 に対応するように、fが1である、歯科用材料。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項4に記載の歯科用
    材料であって、 前記ノルボルネンシランが、以下の一般式(Va): 【化9】 に対応するように、aが1であり、かつbが1であり、か
    つcが1である、歯科用材料。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8のいずれか1つに
    記載の歯科用材料であって、さらなる加水分解性縮合性
    化合物を含む、歯科用材料。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の歯科用材料であっ
    て、前記さらなる加水分解性縮合性化合物として、以下
    の一般式(VIII)のシランの少なくとも1つを含む、歯科
    用材料: 【化10】 ここで、R10、Z'、R11、X'、kおよびmは、特に指示され
    ない限り、互いに独立して、以下の意味を有する:R10
    は、C1〜C8アルキル、C1〜C12アルケニルまたはC6〜C14
    アリールであり、 R11は、C1〜C8アルキレン、C1〜C12アルケニレンまたは
    C6〜C14アリーレンであり、 X'は、H、ハロゲン、OHまたはC1〜C8アルコキシであ
    り、 Z'は、メルカプト、カルボキシ、アクリル、メタクリ
    ル、アリル、ビニルまたはビニルエーテル基であり、 Kは、0、1、2または3であり、 mは、0、1、2または3であり、そしてk+mは、1、2
    または3である。
  11. 【請求項11】 請求項9または請求項10に記載の歯
    科用材料であって、前記さらなる加水分解性縮合性の化
    合物として、以下の式のアルミニウム、チタンまたはジ
    ルコニウム化合物を少なくとも1つ含む、歯科用材料: AlR12 3またはMX″yR13 z ここで、M、R12、R13、X″、yおよびzは、互いに独立し
    て、以下の意味を有する:Mは、TiまたはZrであり、 R12は、ハロゲン、OHまたはC1〜C8アルコキシであり、 R13は、請求項1において定義された通りのRであり、 X″は、ハロゲン、OHまたはC1〜C8アルコキシであり、 yは、1から4であり、そしてzは、0から3である。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の歯科用材料であっ
    て、yが2から4である、歯科用材料。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の歯科用材料であっ
    て、zが0から2である、歯科用材料。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項11のいずれか1
    つに記載の歯科用材料であって、前記ノルボルネンシラ
    ンのケイ酸縮合物または前記メルカプトシランのケイ酸
    縮合物を、各場合においてチオール-エン重合のための
    少なくとも1つの反応物と共に含む、歯科用材料。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の歯科用材料であっ
    て、以下を含有する、歯科用材料: (a)前記ノルボルネンシランのケイ酸縮合物のための反
    応物としての、前記メルカプトシラン、該メルカプトシ
    ランのケイ酸縮合物および/またはオリゴもしくはポリ
    (チオール)化合物;および(b)該メルカプトシランの
    ケイ酸縮合物のための反応物としての、該ノルボルネン
    シラン、該ノルボルネンシランのケイ酸縮合物および/
    またはオリゴ-もしくはポリ(ノルボルネン)化合物。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の歯科用材料であっ
    て、以下を含有する、歯科用材料: (a)前記オリゴ-もしくはポリ(チオール)化合物として
    の、o-、p-もしくはm-ジメルカプトベンゼン、または直
    線状もしくは分枝状C2〜C18ポリオールとチオグリコー
    ル酸もしくは3-メルカプトプロピオン酸とのエステ
    ル;および(b)該オリゴ-またはポリ(ノルボルネン)化
    合物としての、シクロペンタジエンと、ジ-もしくは多
    (メタ)アクリレートとのDiels-Alder付加生成物、5-
    ノルボルネン-2-メタノールもしくは5-ノルボルネン-
    2-オールとジ-もしくはポリカルボン酸またはジ-もし
    くはポリイソシアネートとのエステルもしくはウレタ
    ン。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項16のいずれか1
    つに記載の歯科用材料であって、重合開始剤を含む、歯
    科用材料。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の歯科用材料であっ
    て、チオール-エン重合に対する開始剤を含む、歯科用
    材料。
  19. 【請求項19】 請求項1から請求項18のいずれか1
    つに記載の歯科用材料であって、少なくとも部分的に重
    合された形態で存在する、歯科用材料。
  20. 【請求項20】 請求項1から請求項19のいずれか1
    つに記載の歯科用材料であって、以下を含有する、歯科
    用材料: (a)5重量%〜80重量%の前記メルカプトシランのケイ
    酸縮合物または前記ノルボルネンシランのケイ酸縮合
    物; (b)0重量%〜50重量%のさらなる加水分解性縮合性化
    合物; (c)5重量%〜80重量%のチオール-エン重合のための反
    応物; (d)0.1重量%〜5重量%の重合開始剤;および/または (e)0重量%〜90重量%のフィラー。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の歯科用材料であっ
    て、10重量%〜60重量%の前記メルカプトシランのケイ
    酸縮合物または前記ノルボルネンシランのケイ酸縮合物
    を含む、歯科用材料。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載の歯科用材料であっ
    て、0重量%〜30重量%のさらなる加水分解性縮合性化
    合物を含む、歯科用材料。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載の歯科用材料であっ
    て、0重量%〜50重量%のさらなる加水分解性縮合性化
    合物をケイ酸縮合物の形態で含む、歯科用材料。
  24. 【請求項24】 請求項20に記載の歯科用材料であっ
    て、0重量%〜30重量%のさらなる加水分解性縮合性化
    合物をケイ酸縮合物の形態で含む、歯科用材料。
  25. 【請求項25】 請求項20に記載の歯科用材料であっ
    て、20重量%〜70重量%のチオール-エン重合のための
    反応物を含む、歯科用材料。
  26. 【請求項26】 請求項20に記載の歯科用材料であっ
    て、0.2重量%〜2重量%の重合開始剤を含む、歯科用
    材料。
  27. 【請求項27】 請求項20に記載の歯科用材料であっ
    て、0重量%〜80重量%のフィラーを含む、歯科用材
    料。
  28. 【請求項28】 歯科用セメント、歯科用充填材料また
    は歯科用充填材料のための接着剤としての、請求項1か
    ら請求項27のいずれか1つに記載の歯科用材料の使
    用。
  29. 【請求項29】 請求項1から請求項27のいずれか1
    つに記載の歯科用材料の使用であって、該材料を、治療
    されるべき人工歯材料または天然歯材料の領域に塗布
    し、そしてそれをチオール-エン重合させることによ
    る、使用。
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