JPH0655419A - リフト・アンド・キャリー・トランスファ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単一の駆動源によって作動する構成が簡素で
コンパクトなリフト・アンド・キャリー・トランスファ
装置を提供する。 【構成】 ２本のガイドレール13，14とその両端に配置
される駆動スプロケット11と従動スプロケット12とによ
って囲まれる閉ループ上を移動するローラ５に支持部材
４を介して可動受フレーム１を支持させている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はリフト・アンド・キャリ
ー・トランスファ装置に係り、詳しくはクランクシャフ
トやプロペラシャフト等の軸状ワークをトランスファ送
りするための移載装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】軸状ワークをトランスファ送りするため
の移載装置としては、例えばリフト・アンド・キャリー
方式が公知である。これは固定受フレームに形成された
Ｖ字溝に支持されている軸状ワークを、可動受フレーム
が上昇しつつ受け取り搬送方向に移動して下降すること
により、搬出側の例えばコンベア上に設けられた受フレ
ーム上にその軸状ワークが移載され、しかる後に、可動
受フレームはその下降位置から戻り、１サイクルの搬送
作業を完了するように構成される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来のリフト
・アンド・キャリー・トランスファ装置では、可動受フ
レームを搬送方向に水平に移動させるための駆動源と、
その可動受フレームをワーク搬入側および搬出側で昇降
させるための駆動源とが、各別に設けられ、しかも、相
互の干渉を避けるためのインタロック手段を必要とし、
駆動系の制御のための構成が複雑となり装置が大型化す
るという難点があった。そのため、レイアウトの自由度
が制約されることもあった。

【０００４】本発明はこのような実情に鑑みてなされ、
単一の駆動源によって作動する構成が簡素でコンパクト
なリフト・アンド・キャリー・トランスファ装置を提供
することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を
解決するための手段を以下のように構成している。すな
わち、上下二段に配置された２本のガイドレールの両端
部にそれぞれ駆動スプロケットと従動スプロケットとが
配置され、その両スプロケット間に掛張された無端チェ
ーンには、前記両ガイドレールと両スプロケットとで囲
まれる閉ループ上をサイクリックに移動するローラが枢
結され、前記両ガイドレールに沿う方向とそれと直交す
る方向とに移動自在な案内手段で案内される支持部材の
下部が前記ローラに枢支され、かつその上部には可動受
フレームが載設され、その可動受フレームにおける移送
方向の両端部には軸状ワークを受けるワーク受部が設け
られる一方、ワーク搬入側と、そのワーク搬入側とワー
ク搬出側との中間部位には、ワークを受ける固定受フレ
ームが設けられ、ワーク搬入側の固定受フレームで受け
取られたワークを可動受フレームの一方のワーク受部で
受け取り、前記中間部位に設けられた固定受フレームに
移載した後、次のサイクル動作で、その可動受フレーム
の他方のワーク受部でワーク搬出側に移送して搬出させ
るようにしたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】駆動スプロケットの回転により、無端チェーン
に取り付けられたローラが、両スプロケットと上下のガ
イドレールによって形成される閉ループ上をサイクリッ
クに移動し、そのローラと可動受フレームとの間に介設
された支持部材が案内手段によって両ガイドレールに沿
う方向に案内されかつそれと直交する方向に移動する。
これにより、その可動受フレームはローラと同じ軌跡で
移動し、ワーク搬入側で上昇して固定受フレーム上のワ
ークを一方のワーク受部で受け取り、ワーク搬出側に移
動した後は下降してそのワークを一旦中間部位に設けら
れた固定受フレーム上に移載し、しかる後、可動受フレ
ームのみが元の位置に戻り、次いでその一方のワーク受
部で新たにワーク搬入側の固定受フレームに搬入された
ワークを受け取る一方、他方のワーク受部で先のワーク
を受け取り、ワーク搬出側に移送した後はその先のワー
クを搬出側に移載させるとともに新たなワークを中間部
位の固定受フレームに移載させ、以後、同様の動作がく
り返しおこなわれる。このように、駆動源は駆動スプロ
ケットを回転させるための単一のモータが設けられれば
よく、駆動系の構成がきわめて簡易なものとなり装置の
コンパクト化が実現される。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。図１および図２はリフト・アンド
・キャリー・トランスファ装置の正面図および側面図
で、符号１は可動受フレーム１で、ワーク搬送方向（矢
印Ｃ参照）に沿って並行に配置された一対のプレート１
ａ，１ａが接続部材２の両側にボルト・ナットの締結に
よって一体化されてなり、各プレート１ａ，１ａの両端
には略Ｖ字状に切欠かれた一対のワーク受部１ｂ，１ｃ
が形成され、各対向し合うワーク受部１ｂ，１ｂ，１
ｃ，１ｃ上に軸状のワーク（クランクシャフト）３を乗
載させられるようになっている。

【０００８】上述の接続部材２の中央部には下方に向け
て支持部材４が固定されその下部がローラ５の軸受６に
対してボルト締結により固定され、かつそのローラ５の
軸端が無端チェーン７に対して回転自在に枢結される一
方、その無端チェーン７は、モータ８に直結した減速機
９の出力軸10に固定された駆動スプロケット11と従動ス
プロケット12との間に掛張されている。

【０００９】その両スプロケット11，12間には、水平方
向に上下二段に配置された２本のガイドレール13，14
が、地上に立設された支持フレーム15にボルト締結等に
よって固定されており、上述のローラ５が、その２本の
ガイドレール13，14と両スプロケット11，12とによって
形成される閉ループ上を矢印Ｄ方向にサイクリックに移
動するようになっている。

【００１０】前述の支持部材４の上部はＬＭガイドと称
される案内手段16に接続され、その支持部材４が、両ガ
イドレール13，14に沿う水平方向とそれに直交する垂直
方向とにそれぞれ移動自在に案内されるようになってい
る。より詳しくは、その案内手段16は、両ガイドレール
13，14の上方に同方向に配置されてボルト締結等によっ
て支持フレーム15に固定されたガイドレール17に跨乗す
るスライダ18を設け、かつ、そのスライダ18に、前述の
支持部材４を、上下方向にスライド自在となるように、
案内支持させたものである。

【００１１】このような構成により、可動受フレーム１
はローラ５と同じ軌跡で移動し、後述するように、ワー
ク搬入側Ａで上昇して軸状ワーク３を受け取り、ワーク
搬出側Ｂに移動して下降する際に、軸状ワーク３を搬出
コンベアに移載できるようになっている。

【００１２】一方、支持フレーム19の上部中央およびワ
ーク搬入側Ａの両側には、各一対の固定受フレームを構
成する固定受プレート20，20，21，21が設けられ、その
各々には軸状ワーク３を乗載させることができるように
略Ｖ字状に切欠かれたワーク受部20ｂ，21ｂが形成され
ている。

【００１３】上述のワーク搬入側Ａには、図示しない
が、工作機械が設けられ加工済みの軸状ワーク３が固定
受プレート21，21のワーク受部20ｂ，20ｂに載せられる
ようになっており、一方、ワーク搬出側Ｂには、矢弦コ
ンベア（搬出コンベア）22が設けられ、後述するよう
に、その受プレート23上に、可動受フレーム１から軸状
ワーク３を移載搬出できるようになっている。

【００１４】以上のように構成されるリフト・アンド・
キャリー・トランスファ装置の作動について以下に説明
する（図３〜図７参照）。 工作機械から加工済みの軸状ワーク３ａが、ワーク
搬入側Ａの両固定受プレート21，21上に移載される（図
３参照）。 モータ８を起動させて無端チェーン７を駆動させワ
ーク搬入側Ａで可動受フレーム１の一方のワーク受部１
ｂ，１ｂ上に軸状ワーク３ａを受け取り（図４参照）、
これを搬送方向Ｃに移送し、その可動受フレーム１がワ
ーク搬出側Ｂに到達して下降する際に軸状ワーク３ａを
中央の固定受プレート20，20上に移載する（図５参
照）。 一方、次の加工済みの軸状ワーク３ｂがワーク搬入
側Ａの固定受プレート21，21上に移載されており、その
軸状ワーク３ｂがワーク搬入側Ａに帰還した可動受フレ
ーム１の一方のワーク受部１ｂ，１ｂによって受け取ら
れる（図６参照）。同時に中央の固定受プレート20，20
上の先の軸状ワーク３が他方のワーク受部１ｃ，１ｃに
よって受け取られる。 両軸状ワーク３ａ，３ｂが共に搬送方向に移送さ
れ、可動受フレーム１がワーク搬出側Ｂに到達して下降
する際に先の軸状ワーク３ａを矢弦コンベアに移載する
と同時に後の軸状ワーク３ｂを中央の固定受プレート2
1，21上に移載する（図７参照）。以下、同様のサイク
ルでワーク移載動作がくり返しおこなわれる。

【００１５】上述の動作は単一のモータ８を駆動源とし
ておこなわれるため、駆動系の構成がきわめて簡素なも
のとなり、コストの低減化、装置のコンパクト化を実現
することができ、レイアウトの自由度を飛躍向上させる
ことができた。従って、ワーク搬入側Ａに配置される工
作機械と、ワーク搬出側Ｂに配置される矢弦コンベア22
との間隔が狭い場合においても、上述のように、とりわ
け駆動系がコンパクト化されていることによって配置が
容易となった。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
無端チェーンに取り付けたローラを閉ループ上に移動さ
せ、そのローラに可動受フレームを支持させるようにし
たので、駆動源が単一でよく、駆動系の構成がきわめて
簡素なものとなり、コストの低減化、装置のコンパクト
化を実現することができた。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のリフト・アンド・キャリー・トランス
ファ装置の一実施例を示す正面図である。

【図２】同側面図である。

【図３】同ワークを受け取った状態を示す動作説明図で
ある。

【図４】同ワークを中央の固定受フレームへ移送してい
る状態を示す動作説明図である。

【図５】同ワークを中央の固定受フレームに移載した状
態を示す動作説明図である。

【図６】同先のワークと後のワークを受け取った状態を
示す動作説明図である。

【図７】同先のワークを搬出側へ、後のワークを中央の
固定受フレームへ移送した状態を示す動作説明図であ
る。

【符号の説明】 １…可動受フレーム、１ｂ，１ｃ…ワーク受部、３…軸
状ワーク、４…支持部材、５…ローラ、７…無端チェー
ン、11…駆動スプロケット、12…従動スプロケット、1
3，14…ガイドレール、16…案内手段、20，21…固定受
フレーム、Ａ…ワーク搬入側、Ｂ…ワーク搬出側。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下二段に配置された２本のガイドレー
   ルの両端部にそれぞれ駆動スプロケットと従動スプロケ
   ットとが配置され、その両スプロケット間に掛張された
   無端チェーンには、前記両ガイドレールと両スプロケッ
   トとで囲まれる閉ループ上をサイクリックに移動するロ
   ーラが枢結され、前記両ガイドレールに沿う方向とそれ
   と直交する方向とに移動自在な案内手段で案内される支
   持部材の下部が前記ローラに枢支され、かつその上部に
   は可動受フレームが載設され、その可動受フレームにお
   ける移送方向の両端部には軸状ワークを受けるワーク受
   部が設けられる一方、ワーク搬入側と、そのワーク搬入
   側とワーク搬出側との中間部位には、ワークを受ける固
   定受フレームが設けられ、ワーク搬入側の固定受フレー
   ムで受け取られたワークを可動受フレームの一方のワー
   ク受部で受け取り、前記中間部位に設けられた固定受フ
   レームに移載した後、次のサイクル動作で、その可動受
   フレームの他方のワーク受部でワーク搬出側に移送して
   搬出させるようにしたことを特徴とするリフト・アンド
   ・キャリー・トランスファ装置。