JPH0652709U - 化粧用コンパクト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクト全体の厚みを可及的に小さくで
き、かつ中皿の外周面の形状を凹凸部のないものとし、
充填漏れ化粧材の拭き取り作業を容易に行うことができ
るコンパクトを提供すること。 【構成】 下蓋１の収納凹所２の前後方向中間部に仕切
壁13を中皿10の高さより低い高さで設け、この仕切壁に
第１係止突起14を設けている。第１係止突起とほぼ対向
する下蓋の後端部に凹部15を設け、この凹部内に第２係
止突起16を有し、該第２係止突起が開口部17から突出す
るように弾性変位可能なフック部材18を収容している。
中皿10の外周面に嵌合時に第１、第２係止突起とそれぞ
れ係止する第１、第２係止凹部20，21を設けている。嵌
合時に中皿10の後端面と下蓋１の後端面との間に両後端
面が当接すると第１係止突起14と第１係止凹部20の係止
が解除可能な小隙間ａを形成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、収納した化粧材を中皿ごと簡単に取替えることができる化粧用コ ンパクトに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、前記のようなコンパクトの一例として、実公昭62-8801号公報に記載の ものが提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、前記のコンパクトは、皿収納部の蝶番側の内側面に断面カギ状の中 枠をその上端折曲部が該皿収納部の上方に突出する如く身より一体的に取付固定 されているため、上端折曲部を皿の上面と蓋の下面との間に配置する寸法ぶんコ ンパクト全体の厚みが大きくなり、嵩張ってしまうという問題があった。また、 皿の底部外周面に仕切の突起と噛合する突起が突設されているほかに、上端外周 面に中枠の上端折曲部の下面に沿って挿入し、かつバネ板を押圧するための鍔が 突設されているため、皿の外周面が凹凸部のある複雑な形状となり、皿内に例え ば粉状の化粧材を充填する場合、通常、充填後に該外周面に付着する充填漏れ化 粧材を拭き取って汚れをなくする作業を行うが、この作業が煩雑となるという問 題があった。

【０００４】 そこでこの考案は、前記のような従来の問題点を解決し、コンパクト全体の厚 みを可及的に小さくでき、かつ中皿の外周面の形状を凹凸部のないものとし、充 填漏れ化粧材の拭き取り作業を容易に行うことができるコンパクトを提供するこ とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するため、この考案は、前記のようなコンパクトにおいて、 下蓋の収納凹所の中間部に該中間部から対向端部側に中皿を嵌合して収容する凹 所を形成する仕切壁を中皿の高さより低い高さで設け、この仕切壁の中皿収容凹 所側を向いた面に第１係止突起を設け、この第１係止突起とほぼ対向する下蓋の 端部に中皿収容凹所側が開口した凹部を設け、この凹部内に第２係止突起を有し 、該第２係止突起が前記開口部から突出するように弾性変位可能なフック部材を 収容し、中皿収容凹所に嵌合して収容される中皿の外周面に嵌合時に第１、第２ 係止突起とそれぞれ係止する第１、第２係止凹部を設け、また嵌合時に下蓋の対 向端部の端面と中皿の対向する外周面との間に両面が当接すると第１係止突起と 第１係止凹部の係止が解除可能な小隙間を形成している。

【０００６】

【作用】

中皿を下蓋の凹所に嵌合する際は、第１係止凹部が第１係止突起と、第２係止 凹部が第２係止突起と対応するように中皿を凹所の上方に位置させたうえで、凹 所に向けて押し込む。この押し込みにより中皿が凹所に嵌合し、嵌合すると第１ 係止凹部と第１係止突起が係止し、第２係止凹部と第２係止突起が係止する。一 方、中皿を凹所から取り出す際は、中皿の上端部を対向する下蓋の端部側へ押圧 する。この押圧により中皿はフック部材が弾性圧縮作用を受けることによりその 外周面が下蓋の対向端部の端面に当接するまで移動する。この移動により中皿の 第１係止凹部が第１係止突起から外れて係止が解除となるので、この状態で中皿 を持ち上げて凹所から取り出す。

【０００７】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例のコンパクトの平面図、図２は図１のＡ−Ａ線に沿 う縦断側面図である。両図において１は表面に化粧材等の収納凹所２を有する下 蓋、３は上蓋で、この上蓋３は後端部が下蓋１の後端部に枢支ピン４で枢支され て開閉自在となっている。上蓋３と下蓋１の前端部には閉蓋時に係止する係止突 起５，６がそれぞれ設けられている。７は係止突起５と係止突起６の係止解除用 のフック部材で、下蓋１の前端部に形成の凹所８に前後に移動可能に収容されて いる。

【０００８】 下蓋１の収納凹所２の前後方向中間部には仕切壁13が設けられ、該仕切壁から 後端部側を方形の中皿10が嵌合して収容される凹所11に形成するとともに、仕切 壁13から前端側をパフなど図示しない塗布具が収容される凹所12に形成している 。仕切壁13は中皿10の高さのほぼ半分位の高さとなっている。仕切壁13の凹所11 側を向いた面には第１係止突起14が設けられている。下蓋１の後端部において第 １係止突起14とほぼ対向する位置には凹所11側が開口した凹部15が設けられ、該 凹部内には第２係止突起16を有し、第２係止突起16が前記開口部17から突出する ように弾性変位可能なフック部材18が収容されている。凹所11に嵌合して収容さ れた中皿10の外周面には嵌合時に第１、第２係止突起14，16とそれぞれ係止する 第１、第２係止凹部20，21が設けられている。

【０００９】 また、中皿10の嵌合時に中皿10の後端面と下蓋１の後端面との間には両後端面 が当接すると第１係止突起14と第１係止凹部20の係止が解除可能な小隙間ａが形 成されるようになっている。すなわち、図２に示すように小隙間ａは第１係止突 起14と第１係止凹部20の係止が解除可能な長さｂよりやや大きくなっている。中 皿10の外周面には第１、第２係止凹部20，21以外に凹凸部が一切設けられていな い。図２において24は上蓋３の裏面に形成の凹部に装着された鏡である。

【００１０】 図３は中皿30及び該中皿収容凹所31を円形に形成した例を示すものである。こ の変形例では第１、第２係止凹部20，21が中皿30の外周面の全周にわたり設けら れている。そのため、中皿30は円周方向のどの位置でも嵌合係止が可能であるし 、係止解除が可能である。そのほかの構成は中皿30の嵌合時に下蓋１の後端面と 中皿30の対向する外周面との間に両面が当接すると第１係止突起14と第１係止凹 部20の係止が解除可能な小隙間ａが形成されている点を含み前記と同様であるの で、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。

【００１１】 この実施例の作用を説明する。中皿10を下蓋１の凹所11に嵌合する際は、例え ば第１係止凹部20が第１係止突起14と、第２係止凹部21が第２係止突起16と対応 するように中皿10を凹所11の上方に位置させたうえで、凹所11に向けて押し込む 。この押し込みにより中皿10が凹所11に嵌合し、嵌合すると第１係止凹部20と第 １係止突起14が係止し、第２係止凹部21と第２係止突起16が係止する。図１，２ ，３は中皿10，30が凹所11，31に嵌合して装着された状態を示している。前記に おいて第２係止凹部21が第１係止突起14とも、第１係止凹部20が第２係止突起16 とも係止可能な構成となっているため、中皿10の前後向きを前記と反対とし、第 ２係止凹部21が第１係止突起14と、第１係止凹部20が第２係止突起16と対応する ように中皿10，30を位置させてもよいことは勿論である。

【００１２】 中皿10，30を凹所11，31から取り出す際は、例えば図２に矢印で示すように中 皿10，30の上端部を後側へ押圧する。この押圧により中皿10，30はフック部材18 が弾性圧縮作用を受けることによりその後端面が下蓋１の後端面に当接するまで 移動する。この移動により中皿10，30の第１係止凹部20が仕切壁13の第１係止突 起14から外れて係止が解除となるので、この状態で中皿10，30を持ち上げて凹所 11，31から取り出す。そして、取り出し後は別の中皿を前記のようにして収容す ることとなる。前記のような中皿10，30は外周面に第１、第２係止凹部20，21が 唯一設けられているだけで、ほかに余分な凹凸部が一切設けられていないので、 充填漏れの化粧材が外周面に付着してもその拭き取り作業を円滑に能率よく行え る。

【００１３】 図４は別の実施例のコンパクトの平面図、図５は図４のＢ−Ｂ線に沿う縦断正 面図である。前記実施例と基本的に異なるのは仕切壁40を下蓋41の収納凹所42の 左右方向中間部に設け、該仕切壁から対向する左端部側を方形の中皿43が嵌合し て収容される凹所44に形成し、かつ該壁部45に前記凹部15を設け、該凹部内に前 記フック部材18が収容した点である。そのほかの構成は前記実施例とほぼ同様と なっているので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この実施例の 場合も中皿43を凹所44の上方に位置させたうえで、凹所44に向けて押し込むこと により中皿43を凹所44に嵌合、かつ係止できる一方、中皿43の上端部を対向する 下蓋の左壁部側へ押圧することにより係止を解除して凹所44から取り出すことが でき、作用は同様である。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は前記のようであって、下蓋の中皿収容凹所と中皿との係止を、仕切 壁に設けた第１係止突起及び下蓋の対向端部の凹部に収容のフック部材に設けた 第２係止突起と、中皿の外周面に設けた第１、第２係止凹部との間で行い、従来 の嵩張りの原因となる上端折曲部を有する断面カギ状の中枠を用いる必要がなく なるので、コンパクト全体の厚みを可及的に小さくすることができる。また、中 枠の上端折曲部の下面に沿って挿入され、バネ板を押圧するための鍔も必要なく なる一方、唯一必要な係止部も係止凹部として外周面から突出しないようにして いるので、外周面が平坦で簡素な形状となり、充填漏れの化粧材の拭き取り作業 を容易に行うことができる等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例のコンパクトの平面図であ
る。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う縦断側面図である。

【図３】中皿及び該中皿収容凹所の変形例を示す図１と
対応する平面図である。

【図４】別の実施例のコンパクトの平面図である。

【図５】図４のＢ−Ｂ線に沿う縦断正面図である。

【符号の説明】

１，41 下蓋 ２，42 収納凹所 ３ 上蓋 ４ 枢支ピン ５，６ 係止突起 10，30，43 中皿 11，31，44 中皿収容凹所 13，40 仕切壁 14 第１係止突起 16 第２係止突起 17 開口部 18 フック部材 20 第１係止凹部 21 第２係止凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に化粧材等の収納凹所を有する下蓋
   と、この下蓋の後端部に後端部が枢支されて開閉自在と
   なった上蓋を具え、この上蓋と下蓋の前端部に閉蓋時に
   係止する係止手段がそれぞれ設けられているコンパクト
   において、下蓋の収納凹所の中間部に該中間部から対向
   端部側に中皿を嵌合して収容する凹所を形成する仕切壁
   を中皿の高さより低い高さで設け、この仕切壁の中皿収
   容凹所側を向いた面に第１係止突起を設け、この第１係
   止突起とほぼ対向する下蓋の端部に中皿収容凹所側が開
   口した凹部を設け、この凹部内に第２係止突起を有し、
   該第２係止突起が前記開口部から突出するように弾性変
   位可能なフック部材を収容し、前記中皿収容凹所に嵌合
   して収容される中皿の外周面に嵌合時に第１、第２係止
   突起とそれぞれ係止する第１、第２係止凹部を設け、ま
   た嵌合時に下蓋の対向端部の端面と中皿の対向する外周
   面との間に両面が当接すると第１係止突起と第１係止凹
   部の係止が解除可能な小隙間を形成したことを特徴とす
   る化粧用コンパクト。