JPH0649445A - 蛍光ランプ用塗布液 - Google Patents

蛍光ランプ用塗布液

Info

Publication number
JPH0649445A
JPH0649445A JP22320092A JP22320092A JPH0649445A JP H0649445 A JPH0649445 A JP H0649445A JP 22320092 A JP22320092 A JP 22320092A JP 22320092 A JP22320092 A JP 22320092A JP H0649445 A JPH0649445 A JP H0649445A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent lamp
coating solution
binder
luminous flux
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22320092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2783077B2 (ja
Inventor
Sadahito Yoo
▲禎▼仁 畭尾
Yuji Sai
祐司 斎
Koichi Okada
浩一 岡田
Masato Fujiwara
正人 藤原
Osamu Sakai
修 堺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=16794364&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH0649445(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Nichia Chemical Industries Ltd filed Critical Nichia Chemical Industries Ltd
Priority to JP22320092A priority Critical patent/JP2783077B2/ja
Publication of JPH0649445A publication Critical patent/JPH0649445A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2783077B2 publication Critical patent/JP2783077B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 蛍光体層を強固に結着すると共に、光束維持
率を改善する。 【構成】 蛍光ランプ用塗布液は、蛍光体と、水溶性バ
インダ−と、結着剤とを水に懸濁させた水性系の塗布液
である。さらに、蛍光ランプ用塗布液の結着剤は、水溶
性希土類化合物と、コロイダルアルミナに加えて硼酸を
含むことを特徴とする。 【効果】 本発明の蛍光ランプ用塗布液を使用して製造
した蛍光ランプは、蛍光体層をガラスバルブに強固に結
着できると共に、光束維持率を高くできる特長がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は環状ランプ用塗布液の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に環状の蛍光ランプは下記のように
して製造される。 バインダ−を溶媒に溶解した高粘度の溶液に、蛍光
体及び結着剤を懸濁させた蛍光ランプ用塗布液を作成す
る。 蛍光ランプ用塗布液をガラスバルブ内面に流し込
み、均一に塗布、乾燥する。 その後、400℃以上の温度でベ−キングして蛍光
体をガラスバルブの内面に付着させる。 ガラスバルブを600℃以上の温度に加熱して、直
管状のガラスバルブを円形にベンディングする。
【0003】ガラスバルブの内面に塗布される蛍光ラン
プ用塗布液は、溶媒の種類により、有機溶媒を用いる有
機系と、水を用いる水性系に大別される。有機系の塗布
液は乾燥が容易であるという利点を有する。ただ、有機
系の塗布液は、人体への悪影響、作業者への安全管理の
点で、工程管理上の難点がある。従って、現在は、水性
系の塗布液が注目されている。
【0004】ところで、ガラスバルブの内面に付着され
る蛍光体層は、剥離しないように接着することが大切で
ある。とくに、環状蛍光ランプは加熱してベンディング
する工程で蛍光体層が剥離しやすい欠点がある。ガラス
バルブから蛍光体層が剥離するのを防止するため、蛍光
ランプ用塗布液には結着剤を添加している。結着剤は、
蛍光体層のガラスバルブへの接着強度を増加させる。結
着剤を添加しない蛍光ランプ用塗布液は、蛍光体層をガ
ラスバルブ内面に強固に付着できない。そのため、製造
工程において蛍光体層が極めて剥離し易くなる。とくに
環状蛍光ランプは、ガラス管を環状にする工程で蛍光膜
が剥離し易い欠点がある。
【0005】結着剤には、微粒子系結着剤と低融点系結
着剤とがある。微粒子系結着剤には、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素、燐酸塩系の超微粒子粉体を用いたものが
使用される。低融点系結着剤には、硼酸、金属硼酸塩等
を用いたものが使用される。これら2種類の結着剤は、
それぞれ単体で用いるのではなく、適当な比率で配合し
て懸濁液化したものを蛍光体懸濁液と一定の割合で混合
して使用される。それは両結着剤が、蛍光体粒子を付着
させる結着機構が異なるからである。すなわち、蛍光体
粒子相互間の結着は、隣接する蛍光体粒子の隙間に入り
込んだ、酸化アルミニウムなどの微粒子系結着剤によっ
て行われる。蛍光体とガラスバルブ内面との結着は、蛍
光体層の焼き付け時に、一度軟化した金属硼酸塩などの
低融点系結着剤が、蛍光体粒子間やガラスバルブ内面の
間で固結するため行われる。これら2種類の結着剤は、
ガラスバルブ内面に蛍光体を強く結着させる作用があ
る。
【0006】ところで、現在、環状蛍光ランプの塗布液
に用いられる結着剤には有機系が主であるが、水性系に
移行しつつある。水性系の結着剤として、とのもの
がある。 硼酸カルシウム・バリウムと、焦性燐酸カルシウム
あるいはアルミナを適当な比率で混合し、ビ−ズミル等
で一次粒子にまで粉砕した結着剤懸濁液。 一般式χLn23 ・yMO・wM’・vM”2
・zB23 で表わされる低融点ガラス粉末を微粉砕し
た懸濁液。 (ただし、この式においてLnはY及びランタン系列の
一元素、MはMg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる
群の一元素、M’はAl23 、SiO2 及びSb2
3 からなる群の一元素、M”はLi、Na及びKからな
る群の一元素を表わし、χ、y、w、v及びzはそれぞ
れ、1≦χ≦30モル%、0≦y≦60モル%、0≦w
≦20モル%、0≦v≦15モル%、30≦z≦80モ
ル%の範囲であり、かつ、0≦y+w≦60モル%)な
どが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の結着剤である、硼酸カルシウム・バリウムと焦性燐酸
カルシウム結着剤は、一次粒子にするまで粉砕するのに
手間と時間がかかる欠点がある。さらに、粉砕条件の変
動により、結着力も変動する。また、硼酸カルシウム・
バリウムは、水中において不安定であり、経時的に性質
が変化する問題がある。さらに、の結着剤は、低融点
のガラス組成であり、水溶性のものではなく、工程上、
粉砕の過程が必要である。
【0008】これ等の欠点を解決し、さらに蛍光体層を
ガラスバルブに強固に付着する結着剤として、本発明者
等は、特開平4−142389号公報に記載される蛍光
ランプ用塗布液を開発した。この公報に記載される蛍光
ランプ用塗布液は、希土類の水溶性塩を添加している。
蛍光ランプ用塗布液に添加させる希土類の水溶性塩は、
水溶液となって存在する為、乾燥後結着剤が、蛍光体粒
子表面に十分に拡散される。このため、蛍光体粒子間の
結合を強固にするとと共に、蛍光体粒子とガラスバルブ
との結着力も増加できる特長がある。この結着剤を添加
した蛍光ランプ用塗布液は、直管の蛍光ランプの製造に
使用して、好ましい結着力を実現する。しかしながら、
管状蛍光ランプには、さらに優れた結着力の蛍光ランプ
用塗布液が要求される。それは、蛍光ランプ用塗布液を
塗布して乾燥したのち、ガラスバルブを高温に加熱して
ベンディングするときに、蛍光体層が剥離するからであ
る。
【0009】この欠点を解決するために、本発明者等
は、さらに希土類の水溶性塩に加えて、酸化アルミニウ
ムおよびアルカリ土類金属のホウ酸塩を添加した蛍光ラ
ンプ用塗布液を開発した。この蛍光ランプ用塗布液は、
希土類の水溶性塩の結着剤に比較すると優れた結着力が
ある。しかしながら、この蛍光ランプ用塗布液を使用し
て製造した管状の蛍光ランプは、ベンディング工程で蛍
光体層が剥離しないようにすると、初光束と光束維持率
が低下する欠点があった。このため、優れた結着力に加
えて、光束維持率を高くできる蛍光ランプ用塗布液が切
望されている。
【0010】本発明は、さらにこの欠点を解決すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、蛍
光体層を強固に結着できることに加えて、光束維持率を
改善できる蛍光ランプ用塗布液を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の蛍光ランプ用塗
布液は、前述の目的を達成するために、結着剤として、
水溶性希土類化合物と、微粒子のコロイダルアルミナ
と、硼酸とを併用することを特長とする。水溶性希土類
化合物と、硼酸の水溶液にコロイダルアルミナを分散さ
せたスラリ−を用いることによって、結着剤を粉砕する
手間を省くことができる。さらに、分散工程を必要とし
ないので、ボールミル等の分散工程において、ボールや
容器から不純物が混入するのを防止できる。さらに、決
着剤が水溶性であるので、乾燥後、結着剤が蛍光体粒子
の隙間に均等に存在して、蛍光体粒子間の結着力をより
強める。
【0012】本発明の蛍光ランプ用塗布液に含まれる結
着剤は、水溶性の希土類化合物、および硼酸を溶解した
水溶液に、コロイダルアルミナを分散して製作できる。
蛍光ランプ用塗布液に含まれる水溶性希土類化合物は、
好ましくは、蛍光体に対し、希土類酸化物として0.0
5wt%〜5.0wt%、さらに好ましくは0.2wt
%〜0.6wt%の範囲に調整する。なぜなら、0.5
wt%以上であると初光束が低下し、0.05wt%以
下であると光束維持率が低下するからである。蛍光ラン
プ用塗布液に添加される硼酸は、好ましくは、蛍光体に
対し、0.1wt%〜10.0wt%、さらに好ましく
は、0.1wt%〜4.0wt%に調整する。なぜな
ら、10.0wt%以上であると光束維持率が低下する
からである。さらにまた、蛍光ランプ用塗布液に含まれ
るコロイダルアルミナは、好ましくは、蛍光体に対して
0wt%〜10.0wt%さらに好ましくは0.1wt
%〜8.0wt%である。なぜなら、8.0wt%以上
添加すると初光束の低下を招くからである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。ただし以
下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するため
の方法を例示するものであって、本発明の蛍光ランプ用
塗布液は、蛍光体の種類、結着剤の種類等を下記のもの
に特定するものでない。本発明の装置は、特許請求の範
囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】[実施例1]下記のようにして、管状の蛍
光ランプを製造する。 イオン交換水81.65mlに、酢酸ランタン5.
35g、硼酸(N3 BO3 )3.0gを溶解し、さらに
コロイダルアルミナ10gを添加して、高速撹拌して十
分に分散させて結着剤懸濁液を調整する。 次に0.5%ポリエチレンオキサイド水溶液1リッ
トルに、上記結着剤スラリ−と、ハロリン酸カルシウム
蛍光体830gとを添加し、十分に撹拌して蛍光ランプ
用塗布液を調整する。この時、アンモニア水を添加し、
pH9に調整してもよい。 この蛍光ランプ用塗布液を、常法に従い、FCL3
0Wのガラスバルブ内壁に塗布、乾燥し、これを電気炉
中、580℃で15分間ベ−キングして冷却、ついで8
00℃でベンディングする。 その後、ガラスバルブ内を真空排気し、希ガス、お
よび水銀を封入し、口金を取り付けて、30W環状蛍光
ランプを作製した。
【0015】この蛍光ランプを点灯し、初光束および光
束維持率を測定したところ、下記の特性を示した。 初光束は1663ル−メン 100時間経過後の光束98.1% 500時間経過後の光束93.8% 1000時間経過後の光束90.3% 2000時間経過後の光束86.6%
【0016】[比較例1]実施例1で製造した蛍光ラン
プがいかに優れた特性を示すかを明確にするために、従
来法で比較例1の蛍光ランプを試作した。この蛍光ラン
プは、実施例1の硼酸の代わりに、硼酸塩を使用した。
硼酸塩には、硼酸・カルシウム・バリウムを用い、これ
をビ−ズミルで微粉砕して結着剤懸濁液とした。ついで
実施例1と同様に蛍光ランプ用塗布液を調整し、ガラス
バルブに塗布して環状の蛍光ランプを作成した。この蛍
光ランプを点灯し、初光束および光束維持率を測定した
ところ、下記の特性を示した。 初光束は1647lm 100時間経過後の光束は97.2% 500時間経過後の光束は92.0% 1000時間経過後の光束は87.5% 2000時間経過後の光束は82.8%
【0017】[実施例2]酢酸ランタンに代わって硝酸
イットリウム9.00gを使用する以外、実施例1と同
様にして結着剤懸濁液を調整した。ついでこの結着剤懸
濁液を、実施例1と同様に添加して蛍光ランプ用塗布液
を調整した。蛍光ランプ用塗布液にアンモニア水を添加
して塗布液をpH9.0に調整し、ガラスバルブに塗布
して実施例1と同様にして環状の蛍光ランプを作製し
た。この蛍光ランプを点灯し、初光束および光束維持率
を測定したところ、下記の特性を示した。 初光束は1687ル−メン 100時間経過後の光束は97.8% 500時間経過後の光束は93.2% 1000時間経過後の光束は89.8% 2000時間経過後の光束は85.7%
【0018】
【発明の効果】本発明の蛍光ランプ用塗布液を使用して
製造した環状の蛍光ランプは、従来品に比較して光束維
持率を向上できる特長がある。図1は実施例1、実施例
2、比較例の蛍光ランプの光束維持率を示している。こ
の図において、曲線Aは実施例1で製作した環状蛍光ラ
ンプの特性を示し、曲線Bは実施例2で製作した環状蛍
光ランプの特性を、曲線Cは比較例で製作した蛍光ラン
プの特性を示している。この図に示すように、本発明の
蛍光ランプ用塗布液を使用して製造した蛍光ランプは、
従来の蛍光ランプ用塗布液を使用したものに比較して光
束維持率を相当に改善できる特長がある。また、本発明
の蛍光ランプ用塗布液は、常に安定した蛍光体膜とする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明と従来の蛍光ランプ用塗布液を使用して
製造した環状蛍光ランプの光束維持率を示すグラフ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は環状ランプ用塗布液の改
良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 一般に環状の蛍光ランプは下記のように
して製造される。 バインダ−を溶媒に溶解した高粘度の溶液に、蛍光
体及び結着剤を懸濁させた蛍光ランプ用塗布液を作成す
る。 蛍光ランプ用塗布液をガラスバルブ内面に流し込
み、均一に塗布、乾燥する。 その後、400℃以上の温度でベ−キングして蛍光
体をガラスバルブの内面に付着させる。 ガラスバルブを600℃以上の温度に加熱して、直
管状のガラスバルブを円形にベンディングする。
【0003】ガラスバルブの内面に塗布される蛍光ラン
プ用塗布液は、溶媒の種類により、有機溶媒を用いる有
機系と、水を用いる水性系に大別される。有機系の塗布
液は乾燥が容易であるという利点を有する。ただ、有機
系の塗布液は、人体への悪影響、作業者への安全管理の
点で、工程管理上の難点がある。従って、現在は、水性
系の塗布液が注目されている。
【0004】 ところで、ガラスバルブの内面に付着され
る蛍光体層は、剥離しないように接着することが大切で
ある。とくに、環状蛍光ランプは加熱してベンディン
および排気の工程で蛍光体層が剥離しやすい欠点があ
る。ガラスバルブから蛍光体層が剥離するのを防止する
ため、蛍光ランプ用塗布液には結着剤を添加している。
結着剤は、蛍光体層のガラスバルブへの接着強度を増加
させる。結着剤を添加しない蛍光ランプ用塗布液は、蛍
光体層をガラスバルブ内面に強固に付着できない。その
ため、製造工程において蛍光体層が極めて剥離し易くな
る。とくに環状蛍光ランプは、ガラス管を環状にする工
程で蛍光膜が剥離し易い欠点がある。
【0005】 結着剤には、微粒子系結着剤と低融点系結
着剤とがある。微粒子系結着剤には、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素、燐酸塩系の超微粒子粉体を用いたものが
使用される。低融点系結着剤には、硼酸、金属硼酸塩等
を用いたものが使用される。これら2種類の結着剤は、
それぞれ単体で用いるのではなく、適当な比率で配合し
て懸濁液化したものを蛍光体懸濁液と一定の割合で混合
して使用される。それは両結着剤が、蛍光体粒子を付着
させる結着機構が異なるからである。すなわち、蛍光体
粒子相互間の結着は、隣接する蛍光体粒子の隙間に入り
込んだ、酸化アルミニウムなどの微粒子系結着剤によっ
て行われる。蛍光体とガラスバルブ内面との結着は、蛍
光体層の焼き付け時に、一度軟化した金属硼酸塩などの
低融点系結着剤が、蛍光体粒子間やガラスバルブ内面の
間で固結するため行われる。これら2種類の結着剤は、
ガラスバルブ内面に蛍光体を強く結着させる作用があ
る。
【0006】 ところで、現在、環状蛍光ランプの塗布液
に用いられる結着剤には有機系が主であるが、水性系に
移行しつつある。水性系の結着剤として、とのもの
がある。 硼酸カルシウム・バリウムと、焦性燐酸カルシウム
あるいはアルミナを適当な比率で混合し、ビ−ズミル等
で一次粒子にまで粉砕した結着剤懸濁液。 一般式χLn2 O3 ・yMO・wM’・vM”2
・zB2 O3 で表わされる低融点ガラス粉末を微粉砕し
た懸濁液。 (ただし、この式においてLnはY及びランタン系列の
一元素、MはMg、Ca、Sr、Ba及びZnからなる
群の一元素、M’はAl2 O3 、SiO2 及びSb2
3 からなる群の一元素、M”はLi、Na及びKからな
る群の一元素を表わし、χ、y、w、v及びzはそれぞ
れ、1≦χ≦30モル%、0≦y≦60モル%、0≦w
≦20モル%、0≦v≦15モル%、30≦z≦80モ
ル%の範囲であり、かつ、0≦y+w≦60モル%)な
どが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の結着剤である、硼酸カルシウム・バリウムと焦性燐酸
カルシウム結着剤は、一次粒子にするまで粉砕するのに
手間と時間がかかる欠点がある。さらに、粉砕条件の変
動により、結着力も変動する。また、硼酸カルシウム・
バリウムは、水中において不安定であり、経時的に性質
が変化する問題がある。さらに、の結着剤は、低融点
のガラス組成であり、水溶性のものではなく、工程上、
粉砕の過程が必要である。
【0008】これ等の欠点を解決し、さらに蛍光体層を
ガラスバルブに強固に付着する結着剤として、本発明者
等は、特開平4−142389号公報に記載される蛍光
ランプ用塗布液を開発した。この公報に記載される蛍光
ランプ用塗布液は、希土類の水溶性塩を添加している。
蛍光ランプ用塗布液に添加させる希土類の水溶性塩は、
水溶液となって存在する為、乾燥後結着剤が、蛍光体粒
子表面に十分に拡散される。このため、蛍光体粒子間の
結合を強固にするとと共に、蛍光体粒子とガラスバルブ
との結着力も増加できる特長がある。この結着剤を添加
した蛍光ランプ用塗布液は、直管の蛍光ランプの製造に
使用して、好ましい結着力を実現する。しかしながら、
管状蛍光ランプには、さらに優れた結着力の蛍光ランプ
用塗布液が要求される。それは、蛍光ランプ用塗布液を
塗布して乾燥したのち、ガラスバルブを高温に加熱して
ベンディングするときに、蛍光体層が剥離するからであ
る。
【0009】この欠点を解決するために、本発明者等
は、さらに希土類の水溶性塩に加えて、酸化アルミニウ
ムおよびアルカリ土類金属のホウ酸塩を添加した蛍光ラ
ンプ用塗布液を開発した。この蛍光ランプ用塗布液は、
希土類の水溶性塩の結着剤に比較すると優れた結着力が
ある。しかしながら、この蛍光ランプ用塗布液を使用し
て製造した管状の蛍光ランプは、ベンディング工程で蛍
光体層が剥離しないようにすると、初光束と光束維持率
が低下する欠点があった。このため、優れた結着力に加
えて、光束維持率を高くできる蛍光ランプ用塗布液が切
望されている。
【0010】本発明は、さらにこの欠点を解決すること
を目的に開発されたもので、本発明の重要な目的は、蛍
光体層を強固に結着できることに加えて、光束維持率を
改善できる蛍光ランプ用塗布液を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】 本発明の蛍光ランプ用塗
布液は、前述の目的を達成するために、結着剤として、
水溶性希土類化合物と、微粒子のコロイダルアルミナ
と、硼酸とを併用することを特長とする。水溶性希土類
化合物と、硼酸の水溶液にコロイダルアルミナを分散さ
せたスラリ−を用いることによって、結着剤を粉砕する
手間を省くことができる。さらに、分散工程を必要とし
ないので、ボールミル等の分散工程において、ボールや
容器から不純物が混入するのを防止できる。さらに、決
着剤が水溶性であるので、乾燥後、結着剤が蛍光体粒子
の隙間に均等に存在して、蛍光体粒子間の結着力をより
強める。
【0012】 本発明の蛍光ランプ用塗布液に含まれる結
着剤は、水溶性の希土類化合物、および硼酸を溶解した
水溶液に、コロイダルアルミナを分散して製作できる。
蛍光ランプ用塗布液に含まれる水溶性希土類化合物は、
好ましくは、蛍光体に対し、希土類酸化物として0.0
5wt%〜5.0wt%、さらに好ましくは0.2wt
〜5.0wt%の範囲に調整する。なぜなら、5.0
t%以上であると初光束が低下し、0.05wt%以
下であると光束維持率が低下するからである。蛍光ラン
プ用塗布液に添加される硼酸は、水溶性のオルト硼酸を
最も好ましく用い、蛍光体に対し、0.1wt%〜1
0.0wt%、さらに好ましくは、0.1wt%〜4.
0wt%に調整する。なぜなら、10.0wt%以上で
あると光束維持率が低下するからである。さらにまた、
蛍光ランプ用塗布液に含まれるコロイダルアルミナは、
好ましくは、蛍光体に対して0wt%〜10.0wt%
さらに好ましくは0.1wt%〜8.0wt%である。
なぜなら、8.0wt%以上添加すると初光束の低下を
招くからである。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。ただし以
下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するため
の方法を例示するものであって、本発明の蛍光ランプ用
塗布液は、蛍光体の種類、結着剤の種類等を下記のもの
に特定するものでない。本発明の装置は、特許請求の範
囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】[実施例1]下記のようにして、管状の蛍
光ランプを製造する。 イオン交換水81.65mlに、酢酸ランタン5.
35g、硼酸(H3 BO3 )3.0gを溶解し、さらに
コロイダルアルミナ10gを添加して、高速撹拌して十
分に分散させて結着剤懸濁液を調整する。 次に0.5%ポリエチレンオキサイド水溶液1リッ
トルに、上記結着剤スラリ−と、ハロリン酸カルシウム
蛍光体830gとを添加し、十分に撹拌して蛍光ランプ
用塗布液を調整する。この時、アンモニア水を添加し、
pH9に調整してもよい。 この蛍光ランプ用塗布液を、常法に従い、FCL3
0Wのガラスバルブ内壁に塗布、乾燥し、これを電気炉
中、580℃で15分間ベ−キングして冷却、ついで8
00℃でベンディングする。 その後、ガラスバルブ内を真空排気し、希ガス、お
よび水銀を封入し、口金を取り付けて、30W環状蛍光
ランプを作製した。
【0015】 この蛍光ランプを点灯し、初光束および光
束維持率を測定したところ、下記の特性を示した。 初光束は1663ル−メン 100時間経過後の光束98.1% 500時間経過後の光束93.8% 1000時間経過後の光束90.3% 2000時間経過後の光束86.6%
【0016】[比較例1]実施例1で製造した蛍光ラン
プがいかに優れた特性を示すかを明確にするために、従
来法で比較例1の蛍光ランプを試作した。この蛍光ラン
プは、実施例1の硼酸の代わりに、硼酸塩を使用した。
硼酸塩には、硼酸・カルシウム・バリウムを用い、これ
をビ−ズミルで微粉砕して結着剤懸濁液とした。 ついで
実施例1と同様に蛍光ランプ用塗布液を調整し、ガラス
バルブに塗布して環状の蛍光ランプを作成した。 この蛍
光ランプを点灯し、初光束および光束維持率を測定した
ところ、下記の特性を示した。 初光束は1647lm 100時間経過後の光束は97.2% 500時間経過後の光束は92.0% 1000時間経過後の光束は87.5% 2000時間経過後の光束は82.8%
【0017】[実施例2] 酢酸ランタンに代わって硝酸
イットリウム9.00gを使用する以外、実施例1と同
様にして結着剤懸濁液を調整した。ついでこの結着剤懸
濁液を、実施例1と同様に添加して蛍光ランプ用塗布液
を調整した。蛍光ランプ用塗布液にアンモニア水を添加
して塗布液をpH9.0に調整し、ガラスバルブに塗布
して実施例1と同様にして環状の蛍光ランプを作製し
た。この蛍光ランプを点灯し、初光束および光束維持率
を測定したところ、下記の特性を示した。 初光束は1687ル−メン 100時間経過後の光束は97.8% 500時間経過後の光束は93.2% 1000時間経過後の光束は89.8% 2000時間経過後の光束は85.7%
【0018】
【発明の効果】 本発明の蛍光ランプ用塗布液を使用して
製造した環状の蛍光ランプは、従来品に比較して光束維
持率を向上できる特長がある。図1は実施例1、実施例
2、比較例の蛍光ランプの光束維持率を示している。こ
の図において、曲線Aは実施例1で製作した環状蛍光ラ
ンプの特性を示し、曲線Bは実施例2で製作した環状蛍
光ランプの特性を、曲線Cは比較例で製作した蛍光ラン
プの特性を示している。この図に示すように、本発明の
蛍光ランプ用塗布液を使用して製造した蛍光ランプは、
従来の蛍光ランプ用塗布液を使用したものに比較して光
束維持率を相当に改善できる特長がある。また、本発明
の蛍光ランプ用塗布液は、常に安定した蛍光体膜とする
ことができる。
フロントページの続き (72)発明者 藤原 正人 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内 (72)発明者 堺 修 徳島県阿南市上中町岡491番地100 日亜化 学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体と、水溶性バインダ−と、結着剤
    とを水に懸濁させた水性系の蛍光ランプ用塗布液におい
    て、 前記結着剤が水溶性希土類化合物と、硼酸及びコロイダ
    ルアルミナを含むことを特徴とする蛍光ランプ用塗布
    液。
JP22320092A 1992-07-29 1992-07-29 蛍光ランプ用塗布液 Expired - Lifetime JP2783077B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22320092A JP2783077B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 蛍光ランプ用塗布液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22320092A JP2783077B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 蛍光ランプ用塗布液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0649445A true JPH0649445A (ja) 1994-02-22
JP2783077B2 JP2783077B2 (ja) 1998-08-06

Family

ID=16794364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22320092A Expired - Lifetime JP2783077B2 (ja) 1992-07-29 1992-07-29 蛍光ランプ用塗布液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2783077B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002035577A1 (en) * 2000-10-23 2002-05-02 General Electric Company Fluorescent lamp having a single composite phosphor layer
EP1104007A3 (en) * 1999-11-29 2002-07-31 General Electric Company Low pressure mercury vapor discharge lamp with doped phosphor coating
KR100365292B1 (ko) * 1994-05-06 2003-03-06 가세이 옵토닉스 가부시키가이샤 인광물질접합용유리조성물및형광등
JP2005535085A (ja) * 2002-07-29 2005-11-17 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 低圧水銀蒸気放電ランプ
JP2007314658A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置
JP2007314657A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Nippon Electric Glass Co Ltd 蛍光体を用いた波長変換材料
CN102965097A (zh) * 2012-11-22 2013-03-13 安徽世林电光源设备有限公司 用于直管荧光灯的荧光粉悬浮液制备方法
EP2599850A1 (en) * 2011-11-29 2013-06-05 General Electric Company Fluorescent lamp utilizing phosphor with improved lumen maintenance

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100365292B1 (ko) * 1994-05-06 2003-03-06 가세이 옵토닉스 가부시키가이샤 인광물질접합용유리조성물및형광등
EP1104007A3 (en) * 1999-11-29 2002-07-31 General Electric Company Low pressure mercury vapor discharge lamp with doped phosphor coating
WO2002035577A1 (en) * 2000-10-23 2002-05-02 General Electric Company Fluorescent lamp having a single composite phosphor layer
JP2004512649A (ja) * 2000-10-23 2004-04-22 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 単一の複合蛍光体層を有する蛍光灯
JP4934264B2 (ja) * 2000-10-23 2012-05-16 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 単一の複合蛍光体層を有する蛍光灯
JP2005535085A (ja) * 2002-07-29 2005-11-17 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 低圧水銀蒸気放電ランプ
JP2007314658A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置
JP2007314657A (ja) * 2006-05-25 2007-12-06 Nippon Electric Glass Co Ltd 蛍光体を用いた波長変換材料
EP2599850A1 (en) * 2011-11-29 2013-06-05 General Electric Company Fluorescent lamp utilizing phosphor with improved lumen maintenance
CN102965097A (zh) * 2012-11-22 2013-03-13 安徽世林电光源设备有限公司 用于直管荧光灯的荧光粉悬浮液制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2783077B2 (ja) 1998-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2784255B2 (ja) 蛍光体及びそれを用いた放電ランプ
US11697621B2 (en) Preparation method for ceramic composite material, ceramic composite material, and wavelength converter
JPH0649445A (ja) 蛍光ランプ用塗布液
JPS5827832B2 (ja) 顔料付螢光体
JPH0547351A (ja) 蛍光ランプ
US4121132A (en) Phosphor coating method and resulting fluorescent lamp
JPH02308892A (ja) 蛍光体およびその処理方法
US4297390A (en) Process for the preparation of a red emitting phosphor coated with red iron oxide and its application
JP3596092B2 (ja) 蛍光ランプの製造方法
JP2760202B2 (ja) 蛍光体塗布液および蛍光ランプ
JPH07320693A (ja) 蛍光ランプ
JPH0940945A (ja) 蛍光体及びその製造方法
JPS63289087A (ja) 結着剤付螢光体及びその製造方法
JPS6356593A (ja) 投写形ブラウン管用蛍光体
JP5289824B2 (ja) 蛍光体
JP3755285B2 (ja) 鉄付活アルミン酸リチウム蛍光体及びその蛍光ランプ
JPS5917753B2 (ja) 顔料付螢光体およびその製造方法
JPS63199787A (ja) 表面処理螢光体及びその製造法
JPH09286981A (ja) 蛍光体および蛍光ランプ
JPH0841454A (ja) 希土類酸硫化物蛍光体発光組成物
JPH0662945B2 (ja) シリケート系蛍光体
JP2773475B2 (ja) 蛍光ランプ用蛍光体
JPH0312474A (ja) 蛍光体粒子に着色剤粒子を結合する方法
JPS6276151A (ja) 螢光ランプ
JPH0992213A (ja) 紫外線抑制発光源