JPH0648072Y2 - 便器等の調速装置 - Google Patents

便器等の調速装置

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JPH0648072Y2
JPH0648072Y2 JP12336289U JP12336289U JPH0648072Y2 JP H0648072 Y2 JPH0648072 Y2 JP H0648072Y2 JP 12336289 U JP12336289 U JP 12336289U JP 12336289 U JP12336289 U JP 12336289U JP H0648072 Y2 JPH0648072 Y2 JP H0648072Y2
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sleeve
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浩之 岩下
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、便器の蓋や便座,収納庫のドア等のように
自重で閉じる移動体の速度を調速する便器等の調速装置
に関する。
(従来の技術) 例えば洋式便器には、支持軸に回動自在に支持された便
座が設けられている。この便座は、便器の使用状態に応
じて、便器本体の開口部の上縁に当接させた閉じ位置と
開口部の上縁から離された開き位置との間において回動
自在に設けられている。そして、開き位置から閉じ位置
に倒す途中で手を離すと、便座はその自重によって落下
回動して便器上縁に打ち当たり大きな衝撃音を発したり
最悪の場合には破損したりする。
かかる問題に対処すべく、移動体としての便座の回動に
制動を掛ける調速装置が提案されている。例えば、実開
平1−90494号,実開平1−90495号,実開平1−104292
号で提案されているように、オイルの粘性を利用したオ
イルダンパやダッシュポット式のオイルダンパがそれで
ある。また、機械式制動方式を用いた調速機構も提案さ
れている。
(考案が解決しようとする課題) しかし、オイル式ダンパの場合、オイルの粘性の変化す
なわち温度特性により移動体を開けるときの操作力のば
らつきが大きく、操作フィーリングが悪いと言う問題が
ある。また、オイルの特性によるライフの短さや、オイ
ル洩れという問題もある。
機械式制動方式を採用した調速機構の場合、オイル洩れ
と操作フィーリングの問題は解消されているのである
が、制動部が装置の角隅部に設けられているため大きな
制動力を得ようとすると、平面的な投影面積が大きい構
造とならざるを得ないという問題を残している。
そこで本考案の目的は、オイル洩れがなく操作フィーリ
ングの良い機械式制動方式の特徴を生かしながら、大き
い制動力を得られしかも平面的な投影面積を小さくでき
る便器等の調速装置の提供にある。
(課題を解決するための手段) 本考案の便器等の調速装置は、便器の蓋などのような移
動体に連動して回動する入力軸と一体的に回転する入力
歯車と、互いに平行に配設された2本の支持軸に支持さ
れていて、上記入力歯車の回転を増速する増速輪列と、
上記両支持軸間にこれらの軸と直交する向きに配設され
ていて、上記増速輪列の終段に噛み合うウォーム軸と、
このウォーム軸の回転を制動する制動手段とを備えたこ
とを特徴とする。
(作用) 入力軸が回転して入力歯車が回転すると、この歯車の回
転は増速輪列を介して増速される。増速輪列は、2本の
支持軸の間に配設されたウォーム軸を高速度で回転させ
る。ウオーム軸は、これに設けられた制動手段の作動に
より制動を受け、該軸に連なる入力軸の回転に制動を掛
ける。
(実施例) 以下、本考案を、便器の蓋(カバー)と座(シート)の
回動を調速する装置に適用した図示の実施例に基づいて
詳細に説明する。
はじめに、第12図において、符号1,2は、図示されない
洋式便器の上縁に開閉自在に設置された蓋(カバー)と
座(シート)をそれぞれ示している。カバー1とシート
2は、それぞれ独立して回動自在であって、下降する向
きの回動時に調速装置3の作動を受けてその速度を緩徐
に調整される。
調速装置3は、第9図乃至第11図に示すように、図示さ
れない便器に固定されたケース4,5と、このケースから
突出させられていてカバー1とシート2にそれぞれ連結
される入力軸6,7と、後述するようにケース内に収納さ
れた増速輪列や制動手段からなっている。
第1図及び第2図において、シート2に連結される入力
軸7は、ケース5の孔5a(第5図参照)からケース内に
挿入されていて、周面を切り殺がれた端部7aを入力歯車
8に係合させている。入力歯車8は、その管軸部8aをケ
ース4の軸受孔4a(第4図参照)に回転自在に挿通され
ている。入力歯車8の他方の管軸部8bには、シート2を
開放位置に位置決めするためのカム9(第3図参照)が
係合されている。入力軸7に嵌挿されている管軸からな
る入力軸6は、ケース内の端部6aに、回転方向に一体と
なるように入力歯車10を係合されている。入力歯車8,10
は、第6図に歯車10を代表させて示すように、非円形歯
車である。ケース4,5は、第1図に示すように互いに係
合されたのち、第2図に示すねじ11で固定される。ケー
ス4,5には、入力軸6,7と平行に2本の支持軸12,13が支
架されている。支持軸12,13は、それぞれの端部をかし
められている。支持軸12には、その両端部に非円形歯車
からなる2番歯車14,15が、その中央部にウォームホイ
ール16がそれぞれ回転自在に支持されている。2番歯車
14,15は、それぞれ入力歯車8,10に噛合する非円形の歯
部14a,15aと、円形の歯部14b,15bを形成された2段歯車
である。ウォームホイール16には、その両端面に小径の
歯部16a,16bが一体成形されている。支持軸13には、一
対の一方向回転クラッチ17,18が装着されている。一方
向クラッチ17は、2番歯車14の歯部14bに噛合する小径
の3番ピニオン17aを形成されたスリーブ17bと、このス
リーブ17bと、このスリーブに相対回転自在に係合され
ていてウォームホイール16の歯部16aに噛合する大径の
3番歯車17cを形成されたスリーブ17dと、スリーブ17d
に嵌合された金属製のクラッチリング17eと、両スリー
ブ間に介装された拡開習性を有するコイルばね17fとか
らなっている。スリーブ17b,17dは、ケース4の内壁と
支持軸13に係合されたEリング17gによって軸方向の移
動を規制されている。入力歯車8,2番歯車14,3番ピニオ
ン17a,3番歯車17c,ウオームホイール16で増速輪列を構
成していて、入力軸7の回転を増速するようになってい
る。一方向クラッチ17は、増速輪列がシート閉じ方向に
回転させられるときには、コイルばね17fが拡開させら
れることによりスリーブ17bの回転をスリーブ17dに伝達
し、シート2が開かれるときの増速輪列の回転は、コイ
ルばね17fが巻き締まることによりスリーブ17bの回転を
スリーブ17dに伝達しないように作用する。
一方向クラッチ18は、2番歯車15の歯部15bに噛合する
小径の3番ピニオン18aを形成されたスリーブ18bと、こ
のスリーブに相対回転自在に係合されていてウオームホ
イール16の歯部16bに噛合する大径の3番歯車18cを形成
されたスリーブ18dと、スリーブ18dに嵌合された金属製
のクラッチリング18eと、両スリーブ間に介装された拡
開習性を有するコイルばね18fとからなっている。スリ
ーブ18b,18dは、ケース5の内壁と支持軸13に係合され
たEリング18gによって軸方向の移動を規制されてい
る。入力歯車10,2番歯車15,3番ピニオン18a,3番歯車18
c,ウォームホイール16で増速輪列を構成していて、入力
軸6の回転を増速するようになっている。一方向クラッ
チ18は、増速輪列がカバー閉じ方向に回転させられると
きには、コイルばね18fが拡開することによりスリーブ1
8bの回転をスリーブ18dに伝達し、カバー1が開かれる
ときの増速輪列の回転はコイルばね18fが巻き締まるこ
とによりスリーブ18bの回転をスリーブ18dに伝達しない
ように作用する。
増速輪列を支持している支持軸12,13の間には、これら
の軸と直交する向きにウォーム軸19が配設されている。
ウォーム軸19は、ウォームホイール16に噛合していて、
制動手段20の一部を構成している。制動手段20は、第2
図に示すように、ウォーム軸19に圧入されたラチェット
受け20aと軸に遊嵌されたスリーブ20dで位置決めされた
ラチエット20cと、このラチェットの突部20ca(第7図
参照)が係脱する係合凹部20ea(第7図参照)を形成さ
れていてスリーブ20dに回転自在に挿通された摩擦板受
け台20eと、スリーブ20dに圧入された摩擦板20fと、こ
の摩擦板の周囲を囲繞する制動用カップ20gとからなっ
ている。スリーブ20dはEリング20bで抜け止めされてい
る。摩擦板20fは、第7図に良く示すように、そのボス
部から巴状に延びていて遠心力で拡開したとき制動用カ
ップ20gの内周面を摺擦するアーム部を有するゴムなど
の高摩擦材料で形成されている。摩擦板20fと摩擦板受
け20eは、第7図に示すように、突起20edが係合部20fa
に係合することで回転方向に一体化されている。制動用
カップ20gは、ケース4に形成されたカップ支持用係合
部4b,4b(第4図参照)に係合されたのち、ケース5の
押え部5b(第5図参照)で抜け止めされてケースに支持
される。ウォーム軸19の一端19aは、制動用カップ20gの
中心に形成されたホゾ部20hで支承され、他端19bはケー
ス4の係合部4c(第4図参照)に係合される軸受部材21
で支承される。ラチエット20cと摩擦板受け20eとでトル
クリミッタを構成していて、軸に過負荷が掛かったと
き、増速輪列と制動手段20との間の回転伝達を断つよう
になっている。ウォーム軸19のリード角が、ウォームホ
イール16で回転駆動され得るように形成されていること
勿論である。第4図及び第5図において、符号4d,5dは
支持軸12の両端部を挿通する穴を、符号4e,5eは支持軸1
3の両端部を挿通する穴をそれぞれ示している。
シート2を開き位置に位置決めするカム9の周りには、
第3図に示すように、クリック用板ばね22が配設されて
いる。この板ばね22は、その基端部22aを固定部材23で
ケース4に固着されている。固定部材23は、ケース4の
取り付け部4f(第4図,第8図参照)にねじ止めされて
いる。板ばね22はその自由端に折曲部22bを形成されて
いて、シート2を開き位置に置くと第3図に示すよう
に、カム9の突部9aが折曲部22bに係合して該カム9す
なわちシート2をこの開き位置に保持する。
以上のように構成された実施例の作用を説明する。第12
図に示すように開いた状態に置かれたカバー1を、矢印
aで示す閉じ方向に回動させると、このカバー1は自重
で回動し始める。カバー1が開かれているとき、入力歯
車10は、第6図に示すように、その小径の歯部を2番歯
車10の大径の歯部に噛合させている。カバー1が回動す
ると、これに連絡されている入力軸6が同方向に回動す
る。入力軸6が回動すると、入力歯車10が回転しこれに
連なる増速輪列を回転駆動する。カバー1の開き角度が
小さくなるに従い、入力歯車10はその大径の歯部を2番
歯車15の小径の歯部に噛み合わせるようになり、回転が
進むに従い2番歯車15を次第に増速回転させる。回転駆
動される2番歯車15の回転は、その歯部15bで3番ピニ
オン18aを介してスリーブ18bを回転させる。スリーブ18
bの回転は、コイルばね18fを介してスリーブ18dを回転
させ、これの歯部18cでウォームホイール16を速い速度
で回転駆動する。ウオームホイール16の回転は、これに
噛み合っているウォーム軸19を更に高速度で回転させ
る。ウオーム軸19が高速回転すると、摩擦板20fが遠心
力で拡開して、カップ20gの内周面を摺擦してウォーム
軸19の回転に制動を掛ける。摩擦板20fによる制動力
は、ウオォーム軸19の回転すなわち入力軸6の回転が速
ければ速いほど大きく発生する。カバー1は、閉じるに
連れてその速度が大きくなる傾向にあるも、この閉じ速
度は制動手段20による制動を受けて緩徐に調速される。
よって、カバー1は、閉じるに従い次第にゆっくりとし
た速度で回動してシート2上に降りる。開かれていたシ
ート2を閉じる場合にも調速装置3は同様に作用する。
次に、第12図に示すように、閉じられていたシート2を
開く場合の作用を説明する。この場合、入力歯車8はそ
の歯部の大径部分を2番歯車14の歯部の小径部分に噛合
させている。シート2を第12図に示す矢印aと逆の向き
に回動させると、これに連結されている入力軸7が回転
して、入力歯車8,2番歯車14を回転させる。このときの
2番歯車14の回転は、3番ピニオン17aを介してスリー
ブ17bを回転させるが、このスリーブの回転はコイルば
ね17fを巻き締める方向となり、スリーブ17dに伝達され
ない。従って、制動手段20が作動させられないことにな
り、入力軸7の回転すなわちシート2の回転にはブレー
キ力が作用しないので、該シート2は軽い力でこれを開
くことができる。閉じられているカバー1を開く場合の
作用も同様である。そして、最大の開き位置までシート
2が開かれると、入力軸7と実質的に一体のカム9の突
部9aが第3図に示すように、板ばね22の折曲部22bに係
合して、該シート2を開き位置に保持する。
開かれている例えばカバー1を強制的に閉じる場合の作
用を説明しておく。カバー1を自重でなく強制的に回動
させると、増速輪列を介してウォーム軸19が高速回転
し、摩擦板20fによる制動力が発生するが、この制動力
が限界に達すると、ウォーム軸19と一体のラチェット20
cが弾性変形してその突部20caをラチェット受けの係合
凹部20eaから抜脱させ、回転伝達を断つようになってい
る。従って、入力軸を強制的に回転させて、これが制動
手段20の過負荷になると、回転伝達を断つことにより増
速輪列などの軸受部への荷重増大を防止し、輪列等の破
壊を回避する。
増速輪列を2本の支持軸にわたって配設したのでその組
立性が良く、一方向クラッチを3番歯車に設けたので小
さいトルク伝達で済みクラッチを小さくできる等の効果
もある。また、調速装置としては、小嵩化が要求される
のであるが、制動力の確保のためには、構造上或る程度
の嵩が必要である。特に、便器においては、シートやカ
バーの軸方向の長さを小さくすることが要求されてお
り、高さ方向には若干の余裕があるため、本考案では、
制動手段をケースの略中央部に配設して、厚さを少し増
すことで平面的な投影面積を小さくしてある。
以上説明した実施例は、便器のシートとカバーの回動を
それぞれ調速する例であるが、本考案は、便器に限られ
るものではなく、自重で閉じられる移動体の調速装置と
しても適用できることは勿論である。入力軸が二重軸で
ある必要はない。また、図示の実施例においては、増速
輪列の一部に非円形歯車を用いているが、本考案はこれ
に限定されるものではなく、入力歯車とこれに噛み合う
2番歯車として平歯車同士を用いても良い。
(考案の効果) 以上のように、入力軸の回転を増速して制動手段に伝達
する増速輪列を2本の支持軸にわたって設けると共に制
動手段を支持軸相互間に配設した本考案によれば、平面
的な投影面積を小さくした構造が可能となり、増速輪列
の増速比を大きくできると共に大きな制動力を得られる
制動手段を組み込むことができる。機械式制動手段を採
用しているので、温度による制動力の変動がなく操作フ
ィーリングが良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す便器等の調速装置の平
断面図、第2図は第1図中のII−II線に沿う断面図、第
3図は入力軸を開き位置に保持する手段の一例を示す断
面図、第4図および第5図はケースの内側面の構造を示
す正面図、第6図は入力歯車と増速輪列の一部を示す非
円形歯車の正面図、第7図は制動手段の要部を示す分解
斜視図、第8図はケースの要部を示す断面図、第9図は
調速装置全体を示す平面図、第10図は同右側面図、第11
図は同正面図、第12図は本考案を適用する便器の要部を
示す斜視図である。 3……調速装置、6,7……入力軸、8,10……入力歯車、1
4,15,16,17a,18a,17c,18c……増速輪列、19……ウォー
ム軸、20……制動手段。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力軸と一体的に回転する入力歯車と、 互いに平行に配設された2本の支持軸に支持されてい
    て、上記入力歯車の回転を増速する増速輪列と、 上記両支持軸間に該軸と直交する向きに配設されてい
    て、上記増速輪列の終段に噛み合うウォーム軸と、 このウォーム軸の回転を制動する制動手段とを備えた便
    器等の調速装置。
JP12336289U 1989-10-20 1989-10-20 便器等の調速装置 Expired - Lifetime JPH0648072Y2 (ja)

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JP12336289U JPH0648072Y2 (ja) 1989-10-20 1989-10-20 便器等の調速装置

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JP12336289U JPH0648072Y2 (ja) 1989-10-20 1989-10-20 便器等の調速装置

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JPH0362982U JPH0362982U (ja) 1991-06-19
JPH0648072Y2 true JPH0648072Y2 (ja) 1994-12-07

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ID=31671342

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JP12336289U Expired - Lifetime JPH0648072Y2 (ja) 1989-10-20 1989-10-20 便器等の調速装置

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JP3836344B2 (ja) * 2001-09-04 2006-10-25 スガツネ工業株式会社 ヒンジ装置

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JPH0362982U (ja) 1991-06-19

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