JPH0647495A - 鋳型砂から鋳型または鋳型部品を造るための方法および鋳型製造機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳型砂を急速上昇の吹込み管（１０）を通し
て吹込むことによってパターン（６）を配置した鋳型室
（１）に鋳型砂を充填する方法を提供する。 【構成】 新規な特徴は吹込み穴の幾つか（１２，１
３）が吹込み管（１０）の上昇運動に対し実質的に横方
向に砂を吹込むようにした吹込み管を使用する。 【効果】 この装置を以てすれば、「影の部域」の形成
が、特に鋳型室（１）内へ水平方向に突入するパターン
（６）を使用する時に、回避される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は請求項１の前文に記載のごとき鋳
型または鋳型部品を製造する方法に関する。

【０００２】ＤＫ特許公報番号５３５１６号には鋳型砂
が鋳型室内へ管を用いて吹込むことを含む方法が開示さ
れていて、この管は吹込み操作に先だってはるか鋳型室
内に導入されてしまっていて、この吹込み操作の間に徐
々に引戻されるか乃至は押戻されるので吹込みは管の口
が通り過ぎる各箇所において局所的におこなわれる。

【０００３】上記のように開示された工程において、吹
込み操作は管がこの吹込み操作の行われる間に鋳型室か
ら移動して出されている際の方向とは正反対の方向へ多
かれ少なかれ多少の差があっても実質的に向けられる。
上記公報では、砂がマウスピースを出る時に砂にらせん
運動を与える可能性に言及した一つの例外をその５頁、
第１欄、第３段落において述べていることは明らかであ
る。しかし、このようならせん運動を以てしても、砂は
吹込み管の外向き方向の作用運動に対し実質的には後向
き方向に吹込まれ、この理由で上記の方法は、鋳型室に
置かれたパターンが吹込み管の移動方向に対し横方向に
突出する部品よりなる場合には、鋳型乃至は鋳型部品の
製造には十分には適当でなく、鋳型砂が吹込まれること
によって突出部品で砂が直接当らない側に「影の部域」
が形成されるという大きな危険がある。

【０００４】このような背景に立って、前記した欠点が
改良乃至除去できる頭書のごとき方法を提供することが
本発明の目的であり、この目的は請求項１の特徴付け条
項に記載のごとく実施することにより達成される。

【０００５】示されたように吹込み操作を吹込み部材の
外方向の移動に対し実質的に横方向に向けることによっ
て、パターン上のいずれかの突出部品を囲む部域の一層
良好な充填が行われ、前記の「影の部域」の形成が避け
られる。

【０００６】本発明はまた本発明の方法を実施するため
の鋳型製造機にも関する。この鋳型製造機は請求項５の
前文に記載のごとき機械であって、本発明によれば、本
機械は請求項５の特徴付け条項に記載の特徴を表示して
いる。

【０００７】本発明の鋳型製造方法および鋳型製造機の
好適実施例および以下に説明の詳細な部分において鋳型
製造方法および製造機の効果は請求項２乃至４および６
乃至９に記載される。

【０００８】以下の詳細な説明において、本発明を添付
の図面に示す方法の実施に適した鋳型製造機の例示的実
施例を参考にさらに詳述する。

【０００９】本発明の説明に必要な部品のみを示す図面
の鋳型製造プレスは、公知の原理に従って、頂壁２と、
底壁３と、四つの側壁との間に形成される鋳型室よりな
り、この四つ側壁のうち二つの壁は図面の平面の両側に
かつこの両側に対し並行して延びているが、残りの二つ
の壁は左側のパターン板４と右側のパターン板５で構成
されている。図示の実施例では、パターン板４および５
は短い断端または管状ブシュの形にした多数のパターン
６を担持していて、その縦軸はパター板４と５との間の
距離に並行に延びている。

【００１０】左側のパターン板４は圧縮アバツトメント
７に固定されているが、右側パターン板５は圧縮板８に
固定され、圧縮板８は以下に記載される方法で鋳型室１
へ導入された材料を突固めるための圧縮アバツトメント
７へ向って公知の方法で動かされる。

【００１１】さらに、鋳型製造プレスは吹込み管１０に
入れた状態で下降し続ける砂貯蔵槽９を備え、この吹込
み管１０を通って槽９から砂はこの槽９内の砂上の空間
と鋳型室１内の砂上の空間との間の空気圧の差によって
鋳型室１内へ導入される。この圧力差は砂上の空間内の
超大気圧または鋳型室１内の準大気圧または両者によっ
て創出される。方法は示されてないが、鋳型室１には穴
が設けられていて、これを通って砂を鋳型室内へ導入す
るのに用いられた空気は排出される。これらの穴は、例
えば、パターン板４および５に設けられていて、空気を
パターン板の各部域に逃がす必要に対応した分布にする
ことができる。

【００１２】吹込み管１０はその下側端が底１１で閉じ
られていて、吹込み管１０の側面には横方向に向けられ
た吹込み穴１２および１３が形成されているが、下方へ
向けられた吹込み穴１４は底１１に形成されている。

【００１３】砂貯蔵槽９および吹込み管１０よりなる構
造体全体は鋳型砂を鋳型室１内に吹込んでいる間は、図
示しない手段、例えば圧搾空気シリンダなどの作用で秒
速乃至は何分の１秒速という時間での高速で上昇される
ようにできている。図２は砂が鋳型室１内へ吹込まれて
いると同時に上昇中にある構造体９，１０を示し、砂は
両構造体とも横方向に向けられた吹込み穴１２および１
３と下方に向けられた吹込み穴１４とを通って吹込まれ
る。図２から明白なごとく、横方向に向けられた吹込み
穴１２および１３を通って吹込まれる鋳型砂はパターン
６の縦軸に対し全体が平行する方向に吹込まれるので、
これらパターン内およびパターンを囲む空間は「影の形
成」を伴わずに鋳型砂で充填される。

【００１４】パターンが比較的肉薄の管断端または管状
ブシュで構成されている図示の例示的実施例において、
構造体９，１０は多少の差はあっても定速で上昇する
が、もっとかさ高いパターンを使用しようとする場合に
は鋳型砂の必要量は底壁３からの高さの関数として著し
く変化するので、変化する必要に対応する制御方法で吹
込み操作の調整が有利である。これは例えば構造体９，
１０を対応的に、例えば鋳型砂の必要性が比較的に小さ
い箇所には速度を比較的高レベルに保持し、必要性が比
較的大きい箇所では比較的低レベルに保持するように、
構造体９，１０を動かす手段をプログラム制御すること
によって達成される。

【００１５】図３は砂貯蔵槽９および吹込み管１０より
なる構造物が動きを止めた後の状態を示し、吹込み管１
０の底１１の下側は頂壁２の下側と整列する。図３に示
す状態では、圧縮板８は圧縮アバツトメント７へ向って
既に若干距離通過し終っていて、これで鋳型室１内の鋳
型砂は突固められて重複鋳型部品１５、即ち鋳型部品を
形成し、この部品の右手側は同形の鋳型部品の左手側と
協力して所謂鋳型列（string of moulds）（図示せ
ず）の状態になるように意図されているが、左手側はさ
らに同形の鋳型部品の右手側と協力してそのような鋳型
列の状態になるように意図されている。この点におい
て、図面は鋳型金属用に必要な入口ダクトと排出される
空気用の出口ダクトとがどのように成形されたかをおさ
まり順序を見易くするため示してないが当業技術分野に
平均的な技術を持つ者はこうしたダクトの提供方法を知
っていることは勿論である。同様に順序を見易くするた
めであるが、鋳型室１は製造された鋳型または鋳型部品
を取外すことを可能にするため図示しない方法で開けら
れるようにできていて、これらの操作に必要な処置もま
た当業技術者のよく知るところであることは勿論であ
る。

【００１６】一つの例外は、図４〜図６に示す例示的実
施例の全ての部品は図１〜図３に示した例示的実施例の
対応する部品と同一であるので、図４〜図６に示す実施
例の効果を理解する上で必要な範囲まで言及するだけに
する。

【００１７】上記の例外は吹込み管１０の底１１は閉じ
られていることである。即ち図１〜図３に示した下方へ
向けられた吹込み穴１４を備えていないことにある。図
５から特に明白なごとく、この結果は上昇中の構造体
９，１０はその上昇している間は底１１がさって動いて
後に残す空間に対応する空洞１６を残すことにある。こ
の場合、吹込み管１０は図面の平面に対し並行に、およ
び前後それぞれに位置する鋳型室１の二つの側壁間にわ
たって図面の平面に必然的に直角に延びるので、この吹
込み操作は事実上空洞１６の各側に一つずつ二つの別々
の鋳型素子１７および１８を形成する結果になる。

【００１８】吹込み操作が完了すると（図６参照）、底
１１は図３に示した状態と同様に、頂壁２と整列するの
で頂壁のパターン板５を有する圧縮板８の内方向の移動
を妨げない。このように、この二つの鋳型素子１７およ
び１８は押圧一体化されて叙上のごとくいつでも取外さ
れて鋳込み用に使用される状態の重複鋳型部品１５を形
成する。

【００１９】以上記載の例示的実施例において、圧縮板
７と協力する一つの圧縮板８を有する鋳型製造プレスが
用いられ、圧縮板７は少なくとも吹込みおよび押圧また
は圧縮の操作の間は、定置されている。しかしながら、
原則的には図１〜図３を参考に記載したと同様に鋳型ま
たは鋳型部品を製造すると共に押圧乃至は圧縮操作の間
に二つの別々の圧縮板が互いに向合う方向に動く鋳型製
造プレスを使用することは実に本発明の範囲内にある。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は吹込みおよびこれに続く押圧乃至圧縮の
工程間に行われる鋳型製造機の第１例示的実施例を示す
概略図、

【図２】図２は吹込みおよびこれに続く押圧乃至圧縮の
次の工程間に行われる鋳型製造機の第１例示的実施例を
示す概略図、

【図３】図３は吹込みおよびこれに続く押圧乃至圧縮の
さらに次の工程間に行われる鋳型製造機の第１例示的実
施例を示す概略図、

【図４】図４は吹込みおよびこれに続く押圧乃至圧縮の
工程間に行われる鋳型製造機の別の例示的実施例を示す
概略図、

【図５】図５は吹込みおよびこれに続く押圧乃至圧縮の
次の工程間に行われる鋳型製造機の別の例示的実施例を
示す概略図、

【図６】図６は吹込みおよびこれに続く押圧乃至圧縮の
さらに次の工程間に行われる鋳型製造機の別の例示的実
施例を示す概略図である。

【符号の説明】

１ 鋳型室 ２ 頂壁 ３ 底壁 ４ 左手側のパターン板 ５ 右手側のパターン板 ６ パターン ７ 圧縮アバツトメント ８ 圧縮板 ９ 砂貯蔵槽 １０ 吹込み管 １１ 底 １２ 横方向に向けられた吹込み穴 １３ 横方向に向けられた吹込み穴 １４ 下方向に向けられた吹込み穴 １５ 重複鋳型部品 １６ 空洞 １７ 鋳型素子 １８ 鋳型素子

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鋳型、鋳型部品または鋳型を造るための
   加工物を製造する方法であって、吹込みダクト部材を用
   いて鋳型砂を鋳造室へ吹込み、該吹込みダクト部材は、
   吹込み操作に先だって少なくとも一つの吹込み穴が鋳型
   室の開口からある距離にあるように該開口を通って、鋳
   型室へ導入され、上記吹込み操作工程の間、該導入の方
   向とは反対の方向に動かされるようになっている鋳型、
   鋳型部品または鋳型を造るための加工物を製造する方法
   において、吹込みダクト部材は少なくとも一つの吹込み
   穴が吹込みダクト部材の移動方向と６０°乃至１２０
   °、好ましくは７５°乃至１１５°の間の角度を形成す
   る方向に鋳型砂を吹込むようになされた吹込みダクトを
   使用することを特徴とする鋳型、鋳型部品または鋳型を
   造るための加工物を製造する方法。
2. 【請求項２】 前記吹込みダクト部材は制御された方法
   によって変化する速度で動かされるが、該変化の速度は
   比較的大量の鋳型砂が充填されることになっている前記
   の少なくとも一つの吹込み穴を過ぎた位置を通過してい
   る間は比較的低速に維持され、比較的小量の鋳型砂が充
   填されることになっている通過位置を通過している間は
   比較的高速に維持されることを特徴とする請求項１に記
   載の方法。
3. 【請求項３】 請求項１に記載した少なくとも一つの吹
   込み穴に加えて、少なくともさらに一つの吹込み穴より
   なる吹込みダクト部材で、該ダクト部材の作用運動の方
   向とは実質的に反対の方向に鋳型砂が吹込まれて、該作
   用運動の間に該ダクト部材が残した空間に鋳型砂を充填
   するようにした吹込みダクト部材を用いたことを特徴と
   する請求項１または２に記載の方法。
4. 【請求項４】 少なくとも一つの可動プレス板を備えた
   プレス室の形にした鋳型室を用い、該プレス板は後続の
   押圧操作中は該鋳型室の内側へ向って動かされ、このよ
   うにして鋳型砂を突固めるプレス板が導入されたことよ
   りなる形式の方法において、a)吹込みダクト部材自体の
   作用運動の方向に対し横方向にかつプレス板の移動方向
   に対し横方向に測った限りでは鋳型室の内面幅に実質的
   に対応する幅を有する吹込みダクト部材を用いることに
   よってプレス板またはプレス板の一つに面する側と反対
   側とにおいて請求項１記載の少なくとも一つの対応する
   吹込み穴を有することと、b)上記プレス板は、吹込み操
   作中に上記吹込みダクト部材が鋳型室から取出された後
   に、吹込みダクト部材の両側に鋳型砂から形成された鋳
   型素子が動かされて押圧合体されることによって一個の
   鋳型または鋳型部品を形成するような方法でプレス移動
   を行うように作動されることを特徴とする形式の請求項
   １または２に記載の方法。
5. 【請求項５】 請求項１乃至４のいずれか１項乃至いず
   れかに記載の方法で、a)鋳型室（１）と、b)該鋳型室
   （１）の一つの壁（２）に形成された開口と、c)細長い
   吹込みダクト部材（１０）の一端が鋳型砂貯蔵槽（９）
   に接続され、該ダクト部材の他端が少なくとも一つの吹
   込み穴（１２〜１４）よりなり上記開口を通って鋳型室
   に導入されるようになされた細長い吹込みダクト部材
   （１０）で、該ダクト部材が砂貯蔵槽（９）から上記吹
   込み穴（１２〜１４）を通って鋳型砂が吹込まれると同
   時に導入方向とは反対の方向に動かされるようにした形
   式の方法を実施することにより鋳型または鋳型部品を鋳
   型砂から造る鋳型製造機において、d)上記吹込みダクト
   部材（１０）は少なくとも一つの吹込み穴が吹込みダク
   ト部材の移動方向と６０°乃至１２０°、好ましくは７
   ５°乃至１１５°の間の角度を形成する方向に鋳型砂を
   吹込むようになされた少なくとも一つの吹込み穴（１２
   〜１４）よりなることを特徴とする鋳型製造機。
6. 【請求項６】 前記吹込みダクト部材（１０）がその作
   用運動の間、所定の制御方法で変化する速度で動かされ
   るようにしたことを特徴とする請求項１に記載の鋳型製
   造機。
7. 【請求項７】 前記吹込みダクト部材（１０）がその作
   用運動の間に動かされる運動とは実質的に反対方向に向
   けられた少なくとも一つの追加的吹込み穴（１４）より
   なることを特徴とする請求項５または６に記載の鋳型製
   造機。
8. 【請求項８】 請求項５または６に記載され、鋳型室
   （１）内で移動可能な少なくとも一つのプレス板または
   圧縮板（８）を備えた鋳型室（１）よりなる形式の鋳型
   製造機において、a)吹込みダクト部材（１０）自体の作
   用運動方向に対し横方向にかつプレス板または圧縮板
   （８）の移動方向に対し横方向に測定された吹込みダク
   ト部材（１０）の幅が鋳型室（１）の内面幅に実質的に
   対応することと、上記吹込みダクト部材（１０）がプレ
   ス板または圧縮板（８）の運動を妨げない範囲へ鋳型室
   （１）から出てゆくようにしたことを特徴とする鋳型製
   造機。
9. 【請求項９】 前記吹込みダクト部材の他端には底（１
   １）が設けられ、該底の鋳型内において内側へ向いてい
   る側は上記吹込みダクト部材（１０）がその作用運動を
   完了した時に鋳型室の周壁と整合するようにしたことを
   特徴とする請求項８に記載の鋳型製造機。