JPH0647483B2 - ガラス容器用擦り傷遮蔽剤 - Google Patents

ガラス容器用擦り傷遮蔽剤

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JPH0647483B2
JPH0647483B2 JP23977588A JP23977588A JPH0647483B2 JP H0647483 B2 JPH0647483 B2 JP H0647483B2 JP 23977588 A JP23977588 A JP 23977588A JP 23977588 A JP23977588 A JP 23977588A JP H0647483 B2 JPH0647483 B2 JP H0647483B2
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【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明はガラス容器の擦り傷遮蔽剤に関し、特にボロシ
ロキサン系ポリマーを主成分とするガラス容器の擦り傷
遮蔽剤に関する。
《従来の技術》 ビール、清涼飲料、牛乳等に使用されているガラス容器
は、使用後に市場から回収されて繰返し使用されている
のが普通である。このように回収されて繰返し使用され
るガラス容器は、壜詰工程および流通過程においてガラ
ス容器同志あるいはガラス容器と金属等との接触により
ガラス容器表面に擦り傷が発生し、その結果著しく外観
が損なわれて壜詰飲料の商品価値が低下するのが現状で
あった。
そこで従来から、ガラス容器表面の擦り傷発生部に何ら
かの遮蔽剤を塗被してガラス容器の擦り傷を遮蔽するこ
とが考えられている。
ところで、一般にガラス容器の擦り傷発生部位に塗被さ
れた被膜は、(1)擦り傷遮蔽性が良いこと、(2)耐水性が
良いこと、(3)表面粘着性(べとつき)が無いこと、(4)
室温程度で被膜としての所要物性を獲得すること、(5)
遮蔽剤材料そのものが有毒であってはならないばかりで
なく、溶剤を使用する場合には溶剤が有毒であってはな
らないこと、(6)洗壜工程でのアルカリ溶液洗浄によっ
て容易かつ完全に剥離すること、等の要件を充足するこ
とが要求される。
上記の如く、この被膜に擦り傷遮蔽性のみならず耐水性
も要求されるのは、夏期においては、ビールや清涼飲料
等が壜詰されたガラス容器がショーケース等の冷水中に
浸漬される機会が多いからである。即ち、ガラス容器が
水中に浸漬された場合でも油分が分離浮遊してこないこ
とは勿論、数週間経過させた後でも被膜が剥離してこな
い程度の耐水性が要求される。
また、このようなガラス容器は一般に素手で扱われる機
会が多いので、表面がすべりやすいと落下破損の危険性
がある一方、被膜表面に粘着性がある場合には取扱者に
べとつき等の不快感を与えるばかりでなく、流通過程に
おいて大気中の粉塵が付着して被膜面を汚染する。
更に、被膜に硬度、強度その他被膜としての所要物性を
付与させるべく硬化又は架橋を行わせるために加熱が必
要な場合には、充填工程での擦り傷発生を考慮して充填
後に擦り傷遮蔽剤を塗被するのが普通であるので、加熱
を壜詰後に行わなければならずこの場合には、壜詰内容
物が変質する危険がある。このことは、加熱の代わりに
光線照射を必要とする場合も同様である。
また、このようなガラス容器は食品を収納するものであ
るから被膜材料は無毒かつ無臭でなければならないが、
被膜を溶液から形成させる場合には当然に使用する溶剤
も無毒なものであることが必要であって、この要件は作
業環境上も要求される。従ってエタノール等の低毒性の
溶剤を中心としたものでなければならないという制約が
ある。
このような諸要件にもましてこの被膜にとって重要なの
は、洗壜工程でのアルカリ溶液洗浄に際して剥離性が良
好でなければならないということである。即ち、回収さ
れたガラス容器は、洗壜機によって、通常、2〜4%程
度の苛性ソーダ水溶液を使用して温度60〜80℃で1
0〜20分間程度アルカリ溶液で洗浄殺菌されてから再
使用さるのが普通であるから、もし被膜が洗壜機のアル
カリ溶液により完全に剥離せずにその一部がガラス面に
残存することになると、残存シリコーン分が剥離剤とし
て働いて出荷時にラベルを効果的に貼ることができない
上、そのような不均質表面に再度擦り傷遮蔽剤が塗被さ
れた場合には塗被面の美観がそこなわれる。
そこで、ガラス容器の擦り傷面にアルカリ溶液によって
剥離しない強固な被膜(永久被膜)を施して擦り傷を遮
蔽する方法が提案されているが、繰り返し回収再使用さ
れることによって永久被膜そのものに擦り傷が発生する
ことは避け難く、又繰り返しアルカリ溶液によって洗浄
されると被膜が白化する等外観が劣化しがちである。更
に、永久被膜を得るためには一般に膜厚を50ミクロン
以上厚くする必要がありコスト高となる等の問題もあっ
て、この方法は実用に供し難いものである。
上記のような擦り傷遮蔽剤のみならず擦り傷発生防止又
は破壜防止の観点から従来多くの種類の塗被用材料が知
られている。これらのうち例えばシリコーン系のものと
して特開昭58−167499号、同59−12113
8号、同60−26057号、同61−6152号、同
61−227943号、同62−27354号、同63
−74937号及び特公昭55−56040号、同60
−26057号等数多くの提案がなされている。
これらの提案のうち、特開昭55−56040号に示さ
れたフェニル基を含むオルガノポリシロキサンの硬化生
成物が前記諸問題をかなり解決している。しかしなが
ら、近年のビール、清涼飲料水等の消費の伸びにつれて
物流の回転が速まるのに対応して遮蔽剤が処理されてか
ら出荷までの時間が短くなるにつれ短時間で硬化被膜を
形成することが望まれ、又被膜塗布後の早期に発生しが
ちな、輸送上でのビン同志或いは収納箱とのこすれ合わ
せによって硬化した遮蔽剤自身が傷つくことを防止する
ため、遮蔽剤の硬化性を改善することが望まれるに至っ
た。
《発明が解決しようとする問題点》 しかしながら、硬い被膜を形成するために架橋度のより
高い組成物を選択し強い触媒を使用した場合には、回収
されたビンをアルカリ洗浄した時に被膜の除去が不完全
となることがある。従って、前記速乾性とアルカリ洗浄
性のバランスが取り難いという新たな問題が生ずるに至
った。
本発明者等は上記の問題を解決すべく鋭意検討した結
果、特定の組成を有するボロシロキサンポリマーがガラ
スに対して極めて優れた密着性を有する上、理由は明ら
かではないが、従来のオルガノポリシロキサン単独の場
合に比べて広い屈折率範囲にわたって擦り傷遮蔽効果を
有すると共に耐水性に優れ、且つアルカリ洗浄液によっ
て容易に溶解解除することができる特性を有することを
見い出し本発明に到達したものである。
従って本発明の目的は、塗布後の硬化が迅速且つ充分で
あるのみならず、アルカリ洗浄によって容易に剥離せし
めることのできるガラス容器用擦り傷遮蔽剤を提供する
ことにある。
《課題を解決するための手段》 即ち、本発明はSi、B、Oを骨格に含有し、必要に応
じてTiをも骨格に含有せしめ、該骨格の側鎖として、
置換、又は非置換の炭化水素基及び炭素数1〜4のアル
コキシ基を有するボロシロキサン系ポリマーを主成分と
するガラス容器用擦り傷遮蔽剤である。
本発明に使用されるボロシロキサンポリマーは、平均組
成式 で示されるアルコキシ基含有オルガノポリシロキサンを
一つの原料とする。
ここで、Rは置換、非置換の炭素数1〜4のアルキル
基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基から選ば
れる基である。これらの内、入手のしやすさ及び硬化性
の面でメチル基をR基中の50%以上とすることが好ま
しく、屈折率、可撓性等の特性調整の必要に応じて、残
部にフェニル基、ビニル基、エチル基等の他の基を組み
合わせて使用することが好ましい。
R′は、炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル、エ
チル、n−又はiso−プロピル、n−、iso又はt
ert−ブチル基である。これらの内、速硬化性を重ん
じる場合はメチル基を、低毒性を重んじる場合にはエチ
ル基を選択して使用することが好ましい。
a及びbは、下記の関係にある数である。
0.7<a<2、0.4≦b<2 aが0.7未満である場合には被膜にひび割れが生じ易
いのみならず硬化触媒配合後の保存安定性が不良とな
る。一方、aが2以上であると良好な硬化被膜が得られ
なくなる。最も好ましい範囲は1.0≦a≦1.5であ
る。
一方、RO基の量を示すbが0.4未満の場合には硬化
速度が遅すぎて実用性に乏しく、2以上であると硬化被
膜にひび割れが発生し易い上、硬化剤配合後の保存安定
性も悪くなる。
上記のオルガノポリシロキサンは、公知の合成方法によ
り容易に得ることができる。
このような合成方法としては、例えば(1)メチルトリ
アルコキシシラン、ジメチルジアルコキシシラン、トリ
メチルアルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、フ
ェニルトリアルコキシシラン、ジフェニルジアルコキシ
シラン、メチルフェニルジアルコキシシラン、ジメチル
フェニルアルコキシシラン、メチルジフェニルアルコキ
シシラン又は、他の有機基を有する対応したトリアルコ
キシシラン、ジアルコキシシラン、モノアルコキシシラ
ン、及びテトラアルキルシリケート及びそれらの部分縮
合物等の中から選択された化合物を部分加水分解する方
法、(2)上記のアルコキシシランに対応するクロルシ
ランと水及びアルコールとを反応させることにより部分
加水分解アルコキシ化を行う方法、(3)上記のアルコ
キシシラン、その部分加水分解物、ポリシリケート、又
はそれらの混合物とこのアルコキシシランに対応するク
ロルシラン及び(共)加水分解物とを脱塩化アルキル縮
合させる方法等がある。
このようにして得られたアルコキシ基含有オルガノポリ
シロキサン100重量部に対してホウ酸を0.01〜2
0重量部加え、加熱して脱アルコール反応させる縮合反
応を行う。
アルコキシ基含有のオルガノポリシロキサン100重量
部に対しホウ酸が0.01重量部より少ない場合には充
分なアルカリ溶解性が得られないことがあり、20重量
部を越すと耐水性に乏しいものとなる。最適な範囲は
0.1重量部から10重量部である。
なお、上記の量比からわかるように、本発明において
は、ガラス容器の擦り傷遮蔽剤中のすべてのシロキサン
系成分分子がボロシロキサン重合体になっている必要は
なく、硬化した後硬化皮膜中に存在するSi、O、B、
(及びTi)からなる骨格が本発明による際だった効果
をもたらすものである。
上記の反応は無溶媒下で発生するアルコールを留去する
だけでも進行するが、触媒を加えることによって反応を
よりスムースに進行せしめ、短時間で理論量のアルコー
ルを留去し反応を完結させることができる。
係る触媒としては、一般に、オルガノポリシロキサンの
縮合効果触媒として知られているものを使用することが
可能であり、例えば、(1)有機アミン(トリエタノー
ルアミン等)(2)カルボン酸金属塩(オクチル酸亜
鉛、オクチル酸スズ等)(3)有機スズ化合物(ジブチ
ルスズジラウレート、ジブチルスズジオクトエート等)
(4)チタン酸エステル(テトラブチルチタネート、テ
トラプロピルチタネート等)(5)アルミニウム有機化
合物(アセチルアセトンアウミニウム塩等)(6)フッ
化ホウ素コンプレックス(三フッ化ホウ素トリエチルア
ミン錯体等)等を挙げることができる。これらのうち、
安全衛生上からは、アルキルチタネート類が好ましい。
触媒使用量は有効成分に対して約0.05〜10重量
部、特に0.1〜5重量部が適当である。
本発明においては、更に各種の補助成分、例えば溶剤な
いし分散媒、安定剤、揺変剤、着色剤、充填剤、その他
をも含有させることができる。
溶液ないし分散液とするために有機溶剤を使用する場合
には、安全衛生上からエタノールを使用することが好ま
しいが、必要に応じて、例えばメタノール、プロパノー
ル、ブタノール等の低紙アルコール或いは所要溶解能を
有する他の有機溶剤を使用することもできる。
上記のようなオルガノポリシロキサン組成物をガラス容
器に塗被するには、通常行われている方法例えば浸漬
法、スプレー法、刷毛塗法、フローコータ法、転写法そ
の他合目的的な任意の方法を採用することができる。
塗被すべき場所は擦り傷発生部位であるが、擦り傷発生
部位のみに限らないことはいうまでもない。
塗被した後は、室温で0.5〜5時間程度放置すること
により表面粘着性のない硬化被膜を容易に得ることがで
きるが、硬化時間の短縮、使用溶剤の除去その他の必要
に応じて、容器中の内容物の品質を損なわない程度の加
熱(例えば50℃程度)を行っても良い。
硬化被膜の厚さは任意であるが、比較的薄い場合に本発
明の効果を最もよく享受することができる。即ち、0.
5〜10μm、好ましくは1〜3μm程度が適当であ
る。0.1μmより薄い擦り傷遮蔽性は不充分であり、
10μmより厚いと洗壜の際のアルカリ溶液による剥離
性が不充分となる。
本発明の遮蔽剤を塗布するガラス容器は、例えばビー
ル、清涼飲料、牛乳の容器等、市場から回収されて再使
用されるものであれば良く、特に限定されるものではな
い。
《発明の効果》 本発明の擦り傷遮蔽剤は、溶剤(もし使用するならば)
としてエタノールの使用が可能であると共に、ガラス容
器に均一で透明な被膜を容易に形成することができる。
又、室温且つ短時間で所要物性値の被膜を形成させるこ
とが可能であり、形成された被膜は、擦り傷遮蔽性及び
耐水性に優れている。更に、水分と合っても過度にすべ
ることがない上べとつきもない。又、輸送時におけるビ
ン同志又は納容器とのぶつかり合いによる傷や白化が起
こりにくい上、回収毎の洗壜機によるアルカリ洗浄に際
して優れた除去性も有している。
本発明の遮蔽剤には加熱や光線照射等が不要であるか
ら、内容物充填後のガラス容器を対象としても全く不都
合が生じない。
《実施例》 次に、本発明を実施例によって更に詳述するが本発明は
これによって限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜3 攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス製反応器
に、平均組成式(CH1.00(OCH1.62SiO
1.38で示されるメトキシ基含有オルガノポリシロキサン
(シロキサンAとする)800gと、ほう酸40gを仕
込み、乾燥窒素通気下で攪拌しながらテトラn−ブチル
チタネート0.2gを加えた。ゆっくりと加熱を行い蒸
留塔を通じて溜出物(主体は発生するメタノール)を溜
去した。浮遊していたほう酸が消失して反応液が透明に
なり、内温が130℃に到達したところで反応をとめ冷
却した。このようにして得られたボロシロキサンポリマ
ー混合物は、無色透明で25℃の粘度が79csの液体
でありメトキシ基を36.8重量%含有しており、収量
は778gであった(これをボロシロキサンIとす
る)。
次に、シロキサンA、ボロシロキサンI、触媒及びアル
コール類を組み合わせて表1に示す組成の処理剤を調整
し、擦り傷で部分的に白化したビールビンの表面に塗膜
が約3μmになるよう刷毛塗りし、室温で硬化させた後
その特性を測定した。
尚、被膜の性能は下記の様にして測定した。
下記の試験項目(1)、(2)、(3)、(4)に対し
ては塗工後室温で3日間放置して硬化させたものを用い
た。
(1)外観及び擦り傷遮蔽性 肉眼によった。
(2)耐水性 25℃の水中に浸漬し、被膜が一部剥離するに到るまで
の浸漬時間を測定した。浸漬時間が1週間以上であれば
「良好」、1週間未満であれば「不良」と判定した。
(3)密着性 ゴバン目セロテープ剥離試験により、100ケのゴバン
目のうちセロテープによって剥離しなかった数で表示し
た。
(4)粘着性 ビール大壜の胴表面に、壜底より150mm上を中心とし
て10mm(垂直方向)×40mm(円周方向)の面積に擦
り傷遮蔽剤を塗布し、室温にて3日放置した後、この塗
布面を60メッシュのカーボランダム粉末上に1回転さ
せてカーボランダムの付着量を測定し、塗布面1cm2
たりの付着量を算出した。尚、本方法による無塗布ガラ
ス面の粘着性は0.3mg/cm2であった。
(5)塗膜強度 塗工後、室温で24時間放置して硬化させたビール大壜
に水を充填して密栓した後硬質塩ビ製のP函に入れて、
室温で振幅4cm、170rpmの水平振動を加え、擦過傷
が全面積の1/4以下しか認められなかったものをAラ
ンク、全面に認められたものをCランク、その中間をB
ランクと評点した。
(6)洗壜機での剥離性 塗工後、室温で7日放置し更に70℃で1時間加熱して
硬化を促進した後に、3.5%苛性ソーダ水溶液/70
℃/10分の条件で洗壜操作を行った時の剥離性を目視
により観察し、完全に溶解除去されたものを良好、少し
でも残存したものを不良とした。
結果は表2に示した通りである。
実施例7〜10及び比較例4〜6 攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス性反応器
に、平均組成式(CH0.92(C0.23(OC
0.93SiO0.96で示されるメトキシ基含有オルガ
ノポリシロキサン(シロキサンBとする)800gと、
ほう酸20gを仕込み、乾燥窒素通気下で攪拌し、テト
ライソプロピルチタネート0.2gを加えた後ゆっくり
と加熱を行い蒸留塔を通じて溜出物を溜去(発生するメ
タノールが主体)した。浮遊していたほう酸が消失して
反応液が透明化し、内温が130℃に到達したところで
反応を止め冷却した。
このようにして得られたボロシロキサンポリマーは、無
色透明で25℃における粘度が520csの液体であ
り、メトキシ基を12重量%含有しており、収量は78
8gであった(これをボロシロキサンIIとする)。
上記シロキサンB、ボロシロキサンII、硬化触媒及びア
ルコール類を組み合わせ、表3に示す処理剤を調整して
ビール壜に塗布し、実施例1と同様にしてその性能を比
較した。結果を表4にまとめた。
実施例11〜14及び比較例7〜9 攪拌機、温度計、還流冷却器を備えたガラス性反応器
に、平均組成式(CH1.00(OC1.62Si
1.38で示されるエトキシ基含有オルガノポリシロキサ
ン(シロキサンCとする)800gと、ほう酸25gを
仕込み、乾燥窒素通気下、攪拌下でテトライソプロピル
チタネート0.2gを加えた後ゆっくりと加熱を行い蒸
留塔を通じて溜出物を溜去(主体は発生するエタノー
ル)した。浮遊していたほう酸が消失して反応液が透明
化し、内温が130℃に到達したところで反応を止め冷
却した。
このようにして得られたボロシロキサンポリマーは、無
色透明で25℃における粘度が137csの液体であ
り、エトキシ基を44.5重量%含有しており、収量は
770gであった(これをボロシロキサンIIIとす
る)。
上記シロキサンC、ボロシロキサンIII、硬化触媒及び
アルコール類を組み合わせて表5に示す処理剤を調整
し、ビール壜に塗布して実施例1と同様にしてその性能
を比較した。結果を表6にまとめた。
以上の実施例1〜14及び比較例1〜9の結果は、本発
明の擦り傷遮蔽剤が、従来の遮蔽剤が有する欠点を除去
し、極めて優れた性能を有することを実証するものであ
る。
実施例15〜17及び比較例10. 攪拌機、温度計及び還流冷却機を備えたガラス製反応器
に、メチルトリエトキシシラン996.8g、フェニル
トリエトキシシラン576.0g、エタノール240
g、及びオルトチタン酸テトラエチル54.7gを加え
て充分に混合し、10℃まで冷却してから、これにエタ
ノール200gと水138.2gの混合液を、攪拌下に
2時間かけてゆっくりと滴下した。この間、液は常に透
明であり、36℃まで温度が上昇した。
次いで18℃で6時間攪拌を行い、さらに加熱を続け
た。乾燥窒素ガスの通気下にゆっくりと加熱を強め、蒸
留塔を通じて微量の水を含有するエタノールを溜去し、
内温が130℃になったところで加熱を止めたところ、
溜出は殆ど止まり、総溜出量は1095.2gとなっ
た。
得られた反応生成物は、25℃における粘度が14cs
の、無色透明で、 平均組成式が (CH3)0.70(C6H5)0.30(C2H5O)1.20Ti0.03SiO1.06 で示される、チタンとアルコキシ基を含有するオルガノ
ポリシロキサン(シロキサンDとする)の液体であっ
た。また、その収量は1049.5gであった。
次に、攪拌機、温度計及び還流冷却機を備えたガラス製
反応器に、シロキサンD800gとほう酸40gを仕込
み、乾燥窒素通気下ゆっくりと加熱を行い、溜出物(主
体は発生するエタノール)を溜去した。浮遊していたほ
う酸が消失して反応液が透明になり、内温が130℃に
到達したところで反応を止め冷却した。このようにして
得られた、チタン含有のボロシロキサンポリマー混合物
は、25℃の粘度が125csで、収量は763gであ
った(これをボロシロキサンIVとする)。
次に、シロキサンD、ボロシロキサンIV、及びアルコー
ル類を組み合わせて、表7に示す組成物の処理剤を調製
し、擦り傷で部分的に白化したビールビンの表面に、塗
膜厚みが約3μmとなるように刷毛塗りし、室温で硬化
させた後、その特性を測定した。結果は表8に示した通
りである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si、B、Oを骨格に含有すると共に、該
    骨格の側鎖として置換、又は非置換の炭化水素基及び炭
    素数1〜4のアルコキシ基を有するボロシロキサン系ポ
    リマーを主成分とするガラス容器用擦り傷遮蔽剤。
  2. 【請求項2】Si、B、O及びTiを骨格に含有すると
    共に、該骨格の側鎖として置換、又は非置換の炭化水素
    基及び炭素数1〜4のアルコキシ基を有するボロシロキ
    サン系ポリマーを主成分とするガラス容器用擦り傷遮蔽
    剤。
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