JPH1060376A - コーティング剤組成物 - Google Patents

コーティング剤組成物

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JPH1060376A
JPH1060376A JP21870796A JP21870796A JPH1060376A JP H1060376 A JPH1060376 A JP H1060376A JP 21870796 A JP21870796 A JP 21870796A JP 21870796 A JP21870796 A JP 21870796A JP H1060376 A JPH1060376 A JP H1060376A
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pts
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JP21870796A
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Yoshiaki Takezawa
好昭 竹澤
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Momentive Performance Materials Japan LLC
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Toshiba Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄、アルミニウム等の表面および、それらの
表面に形成された金属酸化物表面において、常温で硬化
乾燥するとともに比較的低温における加熱促進による硬
化も可能で、その硬化被膜が耐候性、耐水性、密着性、
透明性に優れ、特に酸化スズ表面に塗布し、硬化したと
きの被膜特性が耐水性、密着性、耐候性および耐沸騰水
性に優れたコーティング剤組成物を提供する。 【解決手段】 (A)特定の硬化性液状シリコーンレジ
ン 100重量部、(B)特定のグリシドキシ基含有アルコ
キシシランもしくはその部分加水分解物5〜100重量
部、(C)特定の揮発性ポリジメチルシロキサン50〜20
00重量部よりなり、25℃における粘度が2〜1000センチ
ストークスであるコーティング剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、鉄、アルミニウム、ステ
ンレス、ガラスなどの基材および金属酸化物表面におい
て、常温で硬化乾燥するとともに比較的低温における加
熱促進による硬化も可能で、その硬化被膜が耐候性、耐
水性、密着性、透明性に優れ、特に酸化スズ表面に塗布
し、硬化したときの被膜特性が、耐水性、密着性、耐候
性および耐沸騰水性に優れたコーティング剤に関する。
さらに、鉄、アルミニウム、ステンレス、ガラスなどの
基材および金属酸化物表面に生じた劣化部分に対して優
れた補修性を有するコーティング剤組成物を提供するも
のである。
【0002】
【発明の技術的背景とその問題点】鉄、アルミニウム、
ステンレス、ガラス等は耐腐食性、耐傷性に欠点があ
り、そのため表面保護の目的で各種有機塗料が用いられ
てきた。しかし、有機系塗料では、耐候性、耐腐食性の
面で十分な性能が得られなかった。また、アルカリけい
酸塩を主成分とした塗料を使用したコーティング剤で
は、焼き付け温度が 200℃以上の高温を必要とするとい
う欠点があった。鉄、アルミニウム、ステンレス、ガラ
ス、プラスチック等の表面硬度を上げるために公知の技
術として金属酸化物の表面コートを行う方法が提案され
ている。しかし、金属酸化物の表面コートを行った面が
劣化した場合、その表面を補修するためのコーティング
組成物の提案はなされていない。さらに、金属酸化物の
表面コート剤(特に、酸化スズ表面)は、硬度はあるも
のの表面の干渉島、ギラツキなどの違和感を有し好まし
くない。鉄、アルミニウム、ステンレス、ガラス等の補
修方法として、本発明者は、特開平5−113041号
公報、特願平7−82229号の如き技術を提案してい
るが、本技術において、金属酸化物表面の補修方法につ
いて記載しておらず、また、金属酸化物表面のコーティ
ング剤組成物として特開平5−113041号公報、特
願平7−82229号の如き技術では塗布性、基材への
密着性などについて十分満足するものではない。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、上記の欠点を解決し、
鉄、アルミニウム、ステンレス、ガラス等の表面およ
び、それらの表面に形成された金属酸化物表面におい
て、常温で硬化乾燥するとともに比較的低温における加
熱促進による硬化も可能で、その硬化被膜が耐候性、耐
水性、密着性、透明性に優れ、特に酸化スズ表面に塗布
し、硬化したときの被膜特性が耐水性、密着性、耐候性
および耐沸騰水性に優れたコーティング剤組成物を提供
することにある。さらに、鉄、アルミニウム、ステンレ
ス、ガラス等の表面および金属酸化物表面に生じた劣化
部分に対して優れた補修性を有するコーティング剤組成
物を提供するものである。
【0004】
【発明の構成】本発明者らは、このようなコーティング
剤組成物を得るべく鋭意検討した結果、反応基を有する
液状シリコーンレジン、特定のグリシドキシ基含有アル
コキシシランもしくはその部分加水分解物、揮発性ポリ
ジメチルシロキサンおよび必要により用いられる硬化触
媒からなるコーティング剤組成物を見出し、本発明をな
すに至った。すなわち、本発明は、 (A)一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 (式中、R は置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、
X はヒドロキシル基および/または加水分解性基であ
り、aおよびbは下記の関係を満たす数である。 0.8≦a<2 0.3≦b<2 )で表される硬化性液状シリコーンレジ
ン 100重量部 (B)一般式
【0005】
【化3】
【0006】(式中、Y はハロゲン原子で置換されても
よい1価の炭化水素基、R1は炭素数1〜4のアルキル基
であり、pは0または1である。)で表されるグリシド
キシ基含有アルコキシシランもしくはその部分加水分解
物5〜 100重量部 (C)一般式(I)および/または(II)で表される揮
発性ポリジメチルシロキサン 50〜2000重量部
【0007】
【化4】
【0008】よりなり、25℃における粘度が2〜1000セ
ンチストークスであることを特徴とするコーティング剤
組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で使用される(A)成分は、 RaSiXbO(4-(a+b))/2 (式中、R は置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、
X はヒドロキシル基および/または加水分解性基であ
り、aおよびbは下記の関係を満たす数である。
【0010】0.8≦a<2 0.3≦b<2 )で表される硬化性アルコキシ基含有液
状シリコーンレジンであり、本発明のベースポリマーと
なるものである。式中、R は置換または非置換の1価の
炭化水素であり、互いに同一でも相異なっていてもよ
い。このような置換または非置換の1価の炭化水素とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ア
ミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基のような炭素数1〜12のアルキル基;ビニル基、アリ
ル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリル基、キ
シリル基のようなアリール基;β−フェニルエチル基、
β−フェニルプロピル基のようなアラルキル基;および
γ−アミノプロピル基、γ−(β−アミノエチル)−γ
−アミノプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル基、
γ−メルカプトプロピル基、シアノエチル基、クロロメ
チル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3 −トリフルオロ
プロピル基のような1価の置換炭化水素などが例示され
る。これらの中でも原料の入手の容易さ、被膜の硬さ、
硬化速度、アルカリ水洗浄性の観点からメチル基を用い
ることが最も有利であるが、容器表面との屈折率のマッ
チングを重視する場合にはフェニル基、β−フェニルエ
チル基などを、また自己硬化性、密着性を付与したい場
合にはγ−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル
基などの触媒および密着向上材として機能する基を、メ
チル基と組み合わせて使用することが好ましい。(A)
成分において、 Xはヒドロキシル基および/または加水
分解性基である。加水分解性基としては、アルコキシ
基、アシロキシ基、アミノキシ基、ケトオキシム基、ア
ミド基、アルケニルオキシ基およびハロゲン原子が例示
される。これらのなかでも、硬化反応時に発生する副生
成物の臭気が少なく、硬化性および被膜特性が良好なこ
とからヒドロキシル基および炭素数1〜4のアルコキシ
基が好ましく、特にヒドロキシル基、メトキシ基、エト
キシ基であることが特に好ましい。また、(A)成分に
おいてaおよびbは下記の関係を満たす数であることが
必要である。 0.8 ≦a<2 0.3 ≦b<2 aが 0.8未満では硬化被膜が脆くなり、2以上であると
良好な被膜が得られにくくなるとともに、被膜に滑り性
やベタツキを生じ、本発明の目的に適さない。一方、b
が 0.3未満では硬化速度が遅すぎて実用に合わず、2以
上では硬化被膜が脆くなり、本発明の目的に適さない。
【0011】(A)成分は、25℃における粘度が10〜10
0000cSt の範囲にあることが好ましく、特に好ましくは
10〜1000cSt が好ましい。粘度が10sSt 未満では基材表
面への定着が不十分である。一方、100000cSt を越える
と、高粘度のために擦り傷部への浸透もしくは塗れ性が
十分ではなく、結果としてコーティング剤のレベリング
性に劣ることがある。このような硬化性液状シリコーン
レジン(A)は、公知の方法で容易に得ることができ
る。すなわち、メチルトリアルコキシシラン、ジメチ
ルジアルコキシシラン、トリメチルアルコキシシラン、
テトラアルコキシシラン、フェニルトリアルコキシシラ
ン、ジフェニルジアルコキシシラン、トリフェニルアル
コキシシラン、メチルフェニルジアルコキシシラン、メ
チルジフェニルアルコキシシランなどのアルコキシシラ
ン類、これらのアルコキシ基を塩素原子で置換した対
応するクロロシラン類、並びにアルキルアルコキシシ
ランのアルキル基をエチル基、プロピル基、ブチル基、
アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシ
ル基のような炭素数1〜12のアルキル基;ビニル基、ア
リル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリル基、
キシリル基のようなアリール基;β−フェニルエチル
基、β−フェニルプロピル基のようなアラルキル基;お
よびγ−アミノプロピル基、γ−(β−アミノエチル)
−γ−アミノプロピル基、γ−メタクリロキシプロピル
基、γ−メルカプトプロピル基、シアノエチル基、クロ
ロメチル基、γ−クロロプロピル基、3,3,3 −トリフル
オロプロピル基のような1価の置換炭化水素などで置換
した有機ケイ素化合物類の中から選択される1種あるい
はそれらの混合物を適宜選択して、触媒の存在下で部分
加水分解して得ることができる。ここで使用される触媒
としては、無水酢酸、氷酢酸、プロピオン酸、クエン
酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸のような有機酸;
アルミニウムアルキルアセテートのようなアルミニウム
キレート化合物;テトラブチルチタネートのようなチタ
ン酸エステル;メチルトリクロロシラン、ジメチルジク
ロロシランのようなクロロシラン;アンモニア水のよう
な無機塩基;エチレンジアミン、トリエタノールアミン
のような有機塩基;およびN−(β−アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランのようなア
ミノアルキルシランなどが例示される。また、(A)成
分として、以上のようにして得られた、それぞれ特性の
それぞれ異なる硬化性液状シリコーンレジンを複数ブレ
ンドして使用することも差し支えない。
【0012】次に、本発明で使用される(B)成分は、
一般式
【0013】
【化5】
【0014】(式中、Y はハロゲン原子で置換されても
よい1価の炭化水素基、R1は炭素数1〜4のアルキル基
であり、pは0または1である。)で示されるグリシド
キシ基含有アルコキシシランもしくはその部分加水分解
物である。本成分は、鉄、アルミニウム、ステンレス、
ガラス等の表面および、それらの表面に形成された金属
酸化物表面にし、安定した被膜を形成させるための重要
な成分であり、本発明を特徴づける重要成分でもある。
式中、Y はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基のような炭素数1〜12のアルキル基;ビニル
基、アリル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリ
ル基、キシリル基のようなアリール基;β−フェニルエ
チル基、β−フェニルプロピル基のようなアラルキル
基;γ−クロロプロピル基、3,3,3 −トリフルオロプロ
ピル基のような1価の置換炭化水素などが例示される。
これらの中でもメチル基は、容易に得られるばかりでな
く、基剤への密着性への特性バランスを有利にするの
で、メチル基を有するものが特に好ましい。グリシドキ
シ含有アルコキシシランとしては、3−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリ
エトキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルトリメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルジエト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルエチルトリエト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジプロポ
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリプロポキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルメチルジイソプロポ
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリイソプロポ
キシシランなどが例示される。これらのなかでも、
【0015】
【化6】
【0016】は容易に得られるばかりではなく、硬化の
バランス、被膜の金属酸化物への密着性を有利にするの
で好ましい。また、これらの部分加水分解物は、公知の
方法、即ち加水分解条件下(使用するアルコキシシラン
に応じ適宜設定される)でアルコキシシランもしくはそ
の混合物を縮合させることによって得ることができる。
アルコキシシランの部分加水分解縮合物の好ましい例と
しては、上記に挙げたアルコキシシランが部分加水分解
され縮合された構造のシロキサンおよびポリシロキサン
等が挙げられる。(B)成分の使用量は、(A)成分 1
00重量部に対して、5〜 100重量部であり、好ましくは
20〜50重量部である。5重量部未満では、硬化被膜が酸
化スズ表面に対し密着性に不具合を生じ好ましくない。
一方、 100重量部を越えると硬化被膜が通常使用されて
いる鉄、アルミニウム、ステンレス、ガラス等の表面に
対し塗布性と密着性に不具合を生じ好ましくない。
【0017】本発明で使用される(C)成分は、揮発性
溶剤である。(C)成分としては、常温もしくは低温加
熱によって揮発性を有し、しかも(A)成分および
(B)成分を溶解もしくは分散させる性質のものであれ
ば特に限定されないが、安全性および生理的に活性が低
い(刺激性、感作性が低い)ことから、揮発性オルガノ
ポリシロキサンまたはエチルアルコールが望ましく、こ
れらの中でも、低い表面張力と緩慢な揮発速度により、
微小なまた深い擦り傷発生部へも良く浸透し、遮蔽性、
表面の平滑性を向上させる効果が大きいことから、揮発
性オルガノポリシロキサンが好ましい。このような揮発
性オルガノポリシロキサンとしては、例えば、一般式
(I)で表される直鎖状ポリオルガノポリシロキサンま
たは一般式(I)または一般式(II)で表される環状ポ
リジメチルシロキサンが開示されるが、引火点が比較的
高く取り扱い上有利で、しかも工業的に入手の容易な、
重合度4もしくは5の環状ポリジメチルシロキサン、す
なわちオクタメチルシクロテトラシロキサンもしくはデ
カメチルシクロペンタシロキサンあるいはオクタメチル
シクロテトラシロキサンとデカメチルシクロペンタシロ
キサンとの混合物が好ましく、オクタメチルシクロテト
ラシロキサンは17℃で凝固してしまう観点から特に好ま
しくはオクタメチルシクロテトラシロキサンとデカメチ
ルシクロペンタシロキサンの混合物が好ましい。これら
の揮発性溶剤は2種類以上を混合使用してもよい。
(C)成分の使用量は、(A)成分と(B)成分の混合
物 105〜 200重量部に対して50〜2000重量部の範囲であ
る。50重量部未満では容器に塗布される他成分、すなわ
ち有効成分の比率が高くなり、被膜表面のレベリング性
や所定時間内での硬化乾燥性が悪くなり、ゆず肌や表面
のベトツキの原因となるおそれがある。また、2000重量
部を越えると、基材表面に塗布される有効成分の量が不
足し、十分な被膜が得られにくい。
【0018】本発明のコーティング剤組成物は、一般に
は(D)成分として硬化触媒を併用する。ただし、
(A)成分の Rとしてγ−アミノプロピル基やγ−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピル基のような硬化
触媒作用を有する基を含むような場合には特に必要とさ
れない。このような触媒としては、ポリオルガノシロキ
サンの硬化触媒として公知のものが使用可能である。具
体的には、例えばトリエタノールアミンのような有機ア
ミン;N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシランのようなアミノアルキルシラ
ン;オクチル酸鉄、オクチル酸亜鉛のようなカルボン酸
金属塩;ジオクチル酸スズ、ジブチルスズジラウレー
ト、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジオク
トエートのような有機スズ化合物;テトライソプロポキ
シチタネート、テトラブチルチタネートのようなチタン
酸エステル;およびオルガノシリコン第四アンモニウム
塩のような第四アンモニウム塩などが例示される。これ
らの中でも、効果性や安全衛生上の観点からジオクチル
スズジラウレート、ジブチルスズジラウレートおよびテ
トラブチルチタネートが特に好ましい。硬化触媒(D)
の使用量は、(A)および(B)からなる成分 105〜 2
00重量部に対して0.01〜10重量部、より好ましくは0.02
〜5重量部の範囲である。0.01重量部未満では被膜の硬
化乾燥が遅く、実用に合わず、一方、10重量部を越えて
も被膜形成に特に効果はなく、むしろコーティング剤組
成物の保存安定性を悪くする不都合がある。
【0019】本発明のコーティング剤組成物は、前記し
た(A)成分、(B)成分および触媒成分である(D)
成分を(C)成分に溶解して得られるものである。その
ようにして得られたコーティング剤組成物の25℃におけ
る粘度は、2〜1000cSt 、好ましくは5〜200cStの範囲
である。25℃における粘度が2cSt 未満では、基材表面
への付着性が少なく、1度の処理では十分な形成被膜が
得られず、一方、1000cSt を越えると付着量が増加し被
膜が厚くなるために、逆にベタツキなどの不都合を生
じ、ごみ、埃などの付着の原因となるので好ましくな
い。
【0020】本発明のコーティング剤組成物は、前記し
た(A)成分、(B)成分、(D)成分および(C)成
分からなるものであるが、これらの4成分のみからなる
ものの他に各種の補助成分を配合することができる。こ
のような補助成分としては、例えば、被膜の硬さの調整
を目的とした末端に水酸基を有したシリコーンオイルや
界面活性物質などの可塑剤、可視光や紫外線による内容
物の変質や着臭の防止を目的とした顔料や紫外線吸着
剤、染料などの着色剤、レベリング剤、無機物粉体など
が例示される。本発明のコーティング剤組成物を基材に
塗布する方法としては、スプレーコーティング、刷毛塗
り、パフ塗り、浸漬法、フローコーター法、転写法な
ど、通常行われている手法を用いることができる。本発
明のコーティング剤組成物は硬化に際して特に加熱は必
要でなく、塗布後、室温で 0.5〜48時間程度放置すれ
ば、表面粘着性の無い硬化被膜が容易に得られるが、必
要に応じて硬化時間の短縮化などのために加熱しても差
し支えない。
【0021】
【発明の効果】本発明のコーティング剤組成物は、基材
の補修効果に優れているのは勿論、鉄、アルミニウム、
ステンレス、ガラス等の表面および、それらの表面に形
成された金属酸化物表面において、常温で硬化乾燥する
とともに比較的低温における加熱促進による硬化も可能
で、その硬化被膜が耐候性、耐水性、密着性、透明性に
優れ、特に酸化スズ表面に塗布し、硬化したときの被膜
特性が耐水性、密着性、耐候性および耐沸騰水性に優れ
る。さらに、鉄、アルミニウム、ステンレス、ガラス等
の表面および金属酸化物表面に生じた劣化部分に対して
優れた補修性を有する。
【0022】
【実施例】以下において、合成例、実施例および比較例
を掲げ、本発明をさらに詳しく説明する。本発明の範囲
は、以下の実施例のみに限定されるものではない。な
お、合成例、実施例および比較例中の配合量は特に断り
のないかぎりすべて重量部、粘度は25℃における値を示
す。 合成例1 攪拌機、温度計、還流冷却機、滴下ロートおよび加熱ジ
ャケットを備えたフラスコに、メチルトリメトキシシラ
ン 136.0g(1.0モル) 、メタノール20.0gおよびメチル
トリクロロシランを塩酸水素分が50ppm となるように仕
込み、攪拌しながら水17.1g(0.95モル)を滴下ロート
を使って徐々に滴下した。還流温度(約68〜72℃) で4
時間保持して、加水分解および縮合反応を行った。次い
で、常圧、液温 100℃の条件下で揮発成分を留去した
後、徐々に減圧状態とし、減圧度40Torr、液温 150℃の
条件下でさらに揮発成分を留去した後、常圧に戻して、
表1に示す硬化性液状シリコーンレジン63.0g(A−
1)を得た。ただし、表中の有機基含有量a、加水分解
性基(ヒドロキシル基を含む)含有量bは、シラン化合
物および水の仕込み配合量に計算した値である(以下の
合成例についても同様である。)。
【0023】合成例2 攪拌機、温度計、還流冷却機、滴下ロートおよび加熱ジ
ャケットを備えたフラスコに、表1に示す配合量のシラ
ン化合物および加水分解触媒を仕込み、攪拌しながら徐
々に加熱した。液温80℃で6時間保持して、加水分解お
よび縮合反応を行った、次いで、常圧、液温 130℃の条
件下で揮発成分を留去した後、徐々に減圧状態とし、減
圧度30Torr、液温 130℃の条件下でさらに揮発成分を留
去した後、常圧に戻して、表1に示す硬化性液状シリコ
ーンレジン(A−2、A−3、A−4)を得た。
【0024】合成例3 攪拌機、温度計、還流冷却機、滴下ロートおよび加熱ジ
ャケットを備えたフラスコに、メチルトリメトキシシラ
ン95.2g(0.7モル) 、フェニルトリメトキシシラン19.8
g(0.1モル)、ジメチルジクロロシラン51.5g(0.4モ
ル) およびトルエン 120.0gを仕込み、攪拌しながら水
23.4g(1.3モル)を徐々に滴下した。滴下終了後、液温
110℃で1時間加熱還流攪拌を行った。反応液を室温ま
で冷却して、分液ロートに移し入れ、静置して有機層と
水層に分離させた後、下層を除去して、ポリオルガノシ
ロキサンのトルエン溶液を得た。このトルエン溶液に飽
和食塩水を加えてよくかき混ぜた後、静置して水層を分
離した。この塩析操作を2回繰り返した。こうして得ら
れた有機層を、攪拌機、加熱ジャケットおよびディーン
・スターク分離管を備えたフラスコに入れ、減圧度30To
rr、液温80℃の条件下で揮発成分を留去して、表1に示
す硬化性液状シリコーンレジン(A−5)を得た。
【0025】合成例4 攪拌機、温度計、還流冷却機、滴下ロートおよび加熱ジ
ャケットを備えたフラスコに、3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン 236.3g(1.0モル)、メタノール
20.0gおよびメチルトリクロロシランを塩酸水素分が50
ppm となるように仕込み、攪拌しながら水17.1g(0.95
モル)を滴下ロートを使って徐々に滴下した。還流温度
(約68〜72℃)で4時間保持して、加水分解および縮合
反応を行った。次いで、常圧、液温 100℃の条件下で揮
発成分を留去した後、徐々に減圧状態とし、減圧度40To
rr、液温 150℃の条件下でさらに揮発成分を留去した
後、常圧に戻して、表1に示すグリシドキシ含有のアル
コキシシランの部分加水分解物 153.0g(B−1)を得
た。
【0026】合成例5 攪拌機、温度計、還流冷却機、滴下ロートおよび加熱ジ
ャケットを備えたフラスコに、3−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン 118.2g(0.50モル)、3−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン 131.3g(0.5
モル)、メタノール20.0gおよびメチルトリクロロシラ
ンを塩酸水素分が50ppm となるように仕込み、攪拌しな
がら水17.1g(0.95モル)を滴下ロートを使って徐々に
滴下した。還流温度(約68〜72℃)で4時間保持して、
加水分解および縮合反応を行った。次いで、常圧、液温
100℃の条件下で揮発成分を留去した後、徐々に減圧状
態とし、減圧度40Torr、液温 150℃の条件下でさらに揮
発成分を留去した後、常圧に戻して、表1に示すグリシ
ドキシ含有のアルコキシシランの部分加水分解物 134.0
g(B−2)を得た。
【0027】実施例1〜14および比較例1〜14 前記の合成例で合成した硬化性液状シリコーンレジン
(A−1〜5)およびグリシドキシ基含有のアルコキシ
シランおよびグリシドキシ基含有のアルコキシシランの
部分加水分解物(B−1、B−2)をベースとし、表2
〜表5に示す割合で各成分を配合することにより、それ
ぞれ、実施例1〜14および比較例1〜14のコーティング
剤組成物を得た。比較例1〜14は、本発明に係わる実施
例のコーティング剤組成物において、それぞれ、(A)
成分または(B)成分を使用しない場合である。
【0028】これらのコーティング剤組成物を用いて、
以下の試験片を作成し評価を行った。 試験片1の作成 15×15cmの大きさのアルミ板をペーパー鑢で傷を付け、
その表面をイソプロピルアルコールを用いて、脱脂、洗
浄を行った。これにエアーガンを用いてコーティング剤
を吹き付け、80℃で30分放置して被膜を形成させた。 試験片2の作成 15×15cmの大きさのアルミ板をペーパー鑢で傷を付け、
イソプロピルアルコールを用いて、脱脂、洗浄を行っ
た。これにエアーガンを用いてコーティング剤を吹き付
け、1日風乾して被膜を形成させた。 試験片3の作成 15×15cmの大きさのガラス板の上に酸化スズ被膜を形成
させ、その表面をペーパー鑢で傷を付け、イソプロピル
アルコールを用いて、脱脂、洗浄を行った。これにエア
ーガンを用いてコーティング剤を吹き付け、80℃で30分
放置して被膜を形成させた。 試験片4の作成 15×15cmの大きさのガラス板の上に酸化スズ被膜を形成
させ、その表面をペーパー鑢で傷を付け、イソプロピル
アルコールを用いて、脱脂、洗浄を行った。これにエア
ーガンを用いてコーティング剤を吹き付け、1日風乾し
て被膜を形成させた。
【0029】〔耐候性〕サンシャインウエザーメーター
を用いて1000時間暴露した後、外観を目視にて観察し下
記の4段階で評価した。 ◎:被膜の透明感が確保され、白化、剥離もない。 ○:被膜の透明感が確保され、剥離もない。 △:被膜の白化は見られるが、剥離はない。 ×:被膜の白化、剥離が発生。 〔耐水性〕試験片の上に水道水を12時間流した後、外観
を目視にて観察し下記の4段階で評価した。 ◎:被膜の透明感が確保され、白化、剥離もない。 ○:被膜の透明感が確保され、剥離もない。 △:被膜の白化は見られるが、剥離はない。 ×:被膜の白化、剥離が発生。 〔温水煮沸試験〕試験片を95〜 100℃の温水中に入れ、
24時間放置した後、外観を目視にて観察し下記の4段階
で評価した。 ◎:被膜の透明感が確保され、白化、剥離もない。 ○:被膜の透明感が確保され、剥離もない。 △:被膜の白化は見られるが、剥離はない。 ×:被膜の白化、剥離が発生。 〔擦り傷部の遮蔽性〕基材にペーパー鑢で付けた傷の遮
蔽効果を、傷部位の外観を目視観察し、下記の基準で4
段階評価した。
【0030】 ◎:擦り傷部位が完全に遮蔽されている。 ○:擦り傷部位の一部が露出している。 △:擦り傷部位の半分が露出している。 ×:擦り傷遮蔽効果が不十分である。 〔密着性〕 碁盤目剥離試験 基材への密着性を碁盤目セロハン粘着テープ(セロテー
プ)剥離試験により調べ、 100個の碁盤目のうち基材に
残存している碁盤目数で評価した。実施例1〜14および
比較例1〜14の結果をまとめて、表6〜9に示した。こ
れらの表から明らかなように、本発明に係わる実施例1
〜14のコーティング剤組成物は、いずれも、優れた耐候
性、耐水性、密着性、補修性を有することが確認され
た。さらに、本発明のコーティング剤組成物は、擦り傷
の遮蔽効果に優れているのは勿論、一般に使用されてい
る基材に塗布できるばかりではなく、金属酸化物表面に
対しても安定的に塗布可能であることも確認された。一
方、比較例1〜14のコーティング剤組成物では、通常使
用されている基材には塗布できるものの、金属酸化被膜
を有する基材に対しては、有効な被膜を形成できず、ま
た基材の補修性、密着性についても十分満足する結果は
得られなかった。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【表7】
【0038】
【表8】
【0039】
【表9】
【0040】
【発明の効果】上記のように本発明に関するコーティン
グ剤組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分お
よび触媒成分から成るものであり、常温で硬化乾燥する
とともに比較的低温における加熱促進による硬化も可能
で、その硬化被膜が耐候性、耐水性、密着性に優れ、特
に、金属酸化物表面に塗布し、硬化したときの被膜が耐
候性、耐水性、密着性に優れたコーティング剤組成物で
あることが確認でき、さらに基材表面に生じた劣化部に
対して優れた補修性を有するコーティング剤組成物であ
り、基材保護、資源の延命効果に有効であることから、
その工業的、産業的価値は極めて大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 RaSiXbO(4-(a+b))/2 (式中、R は置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、
    X はヒドロキシル基および/または加水分解性基であ
    り、aおよびbは下記の関係を満たす数である。 0.8≦a<2 0.3≦b<2 )で表される硬化性液状シリコーンレジ
    ン 100重量部 (B)一般式 【化1】 (式中、Y はハロゲン原子で置換されてもよい1価の炭
    化水素基、R1は炭素数1〜4のアルキル基であり、pは
    0または1である。)で表されるグリシドキシ基含有ア
    ルコキシシランもしくはその部分加水分解物5〜 100重
    量部 (C)一般式(I)および/または(II)で表される揮
    発性ポリジメチルシロキサン 50〜2000重量部 【化2】 よりなり、25℃における粘度が2〜1000センチストーク
    スであることを特徴とするコーティング剤組成物。
  2. 【請求項2】更に(D)硬化触媒0.01〜10重量部を含有
    する請求項1記載のコーティング剤組成物。
  3. 【請求項3】硬化触媒が有機アミン、カルボン酸金属
    塩、有機スズ化合物、チタン酸エステルおよび第4級ア
    ンモニウム塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項2記載のコーティング剤組成物。
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