JPH0645919B2 - めっき密着性と塗装後性能に優れた高耐食性複合電気めっき鋼板 - Google Patents

めっき密着性と塗装後性能に優れた高耐食性複合電気めっき鋼板

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JPH0645919B2 JP10746390A JP10746390A JPH0645919B2 JP H0645919 B2 JPH0645919 B2 JP H0645919B2 JP 10746390 A JP10746390 A JP 10746390A JP 10746390 A JP10746390 A JP 10746390A JP H0645919 B2 JPH0645919 B2 JP H0645919B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は優れためっき密着性と塗装後性能を有し、種々
の用途例えば自動車用防錆鋼板として適用できる高耐食
性複合電気めっき鋼板に関する。
従来の技術 冷延鋼板の耐食性や塗装後耐食性を向上させ、加工性を
損なわずに量産できる表面処理鋼板として電気亜鉛めっ
き鋼板が汎用されていることは周知である。
近年では寒冷地帯における冬期の道路凍結防止用の散布
岩塩に対する自動車の防錆対策として亜鉛めっき鋼板の
使用が試みられ、過酷な腐食環境での高度な耐食性が要
求されている。
亜鉛めっき鋼板の耐食性の向上要求に対しては、亜鉛の
めっき量(付着量)の増加という手段があるが、これは
溶接性や加工性の点で問題が多い。そこで亜鉛自身の溶
解を抑制し亜鉛めっきの寿命を延ばす方法として、多く
の合金めっきが提案されている。
中でもFe、Co、Niといった鉄族金属を合金成分として含有
するZn系合金めっきは、その良好な裸耐食性や塗装後耐
食性が認められ、実用化されている。また、さらに耐食
性を向上させる目的で、ZnないしZn系合金めっき中にCr
を含有させる試みがなされ、例えば特開昭61-270398号
公報、特開昭62-54099号公報などが開示されているが、
Cr含有率は5%以下と低く、耐食性において従来のZn系
合金めっきを凌駕するには到っていない。
しかし、これらのZn系合金めっきはめっき層の持つ内部
応力がZnめっきよりも高く、そのため鋼板に対するめっ
き密着性がZnめっきより弱い、という欠点を持つ。さら
に、自動車車体外面に適用した場合、通常カチオン電着
塗装、中塗り、上塗りからなる3コート塗装が合計約10
0μ以上の厚みで施され、これらの焼き付け時の収縮応
力がめっき層に作用して、めっき密着性は塗装前より低
い状態になる。
また、冬期の寒冷地では氷点以下に気温が低下し、この
影響で塗膜の収縮が進むため、めっき層に作用する応力
もさらに大きくなり、めっき密着性は一段と低い状態に
なる。このような過酷な条件下で、道路走行中の自動車
に路面から跳ね上げられた小石や散布岩塩が衝突する
(この現象をチッピングと称する)と、その衝撃力でめ
っき層が剥離してしまう、という大きな問題を有する。
このような問題に対しては、特開昭59-200789号公報の
如くまず鋼板上に特定の金属からなる析出物を分散付着
させ、その上にZn系合金めっきを施す方法、Zn-Ni合金
めっきについては特開平1−225790号公報の如く下層に
Ni含有率の低いZn-Ni合金めっきを施す方法などが開示
されている。しかし、いずれの方法でも、塗装後の低温
下でのチッピングという過酷な条件下でのめっき密着性
は、十分なレベルまでには改善されない。
発明が解決しようとする課題 本発明者らは、特定の有機高分子をCr析出促進剤として
めっき浴に添加することにより、従来にない高含有率の
Crと微量の有機高分子を含み、画期的な耐食性を有する
Zn系複合電気めっき鋼板を得る目処を得た。しかしなが
ら、この新規のZn系複合電気めっきも従来のZn系合金め
っきと同様過酷な条件下ではめっき剥離が起こり、これ
を解決する必要があった。
また、Zn系合金めっきのめっき密着性を向上させる目的
で開示されている前記の方法を適用しても、過酷な条件
下でのめっき密着性は不十分であり、該Zn系複合電気め
っきに適した方法を見出す必要があった。本発明はかか
る事情に鑑み、めっき密着性に優れた高耐食性Zn系複合
電気めっき鋼板を提供するものである。
課題を解決するための手段 本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)鋼板表面に、第1めっき層としてFe、Co、Niのうち1
種もしくは2種以上からなるめっき層で0.05g/m2以上形
成し、第2めっき層としてCrを5〜30重量%、Fe、Co、Ni
のうち1種もしくは2種以上を1〜10重量%、有機高分
子を0.001〜5重量%含有するZn系複合電気めっき層を
形成し、第3めっき層としてZnもしくはZn系合金めっき
層を0.1g/m2以上形成したことを特徴とするめっき密着
性と塗装後性能に優れた高耐食性複合電気めっき鋼板。
(2)第1めっき層中にSを0.01〜10%含有する(1)のめっ
き密着性と塗装後性能に優れた高耐食性複合電気めっき
鋼板。
(3)第2めっき層中の有機高分子が、カチオンポリマー
である(1)、(2)のめっき密着性と塗装後性能に優れた高
耐食性複合電気めっき鋼板。
作用 本発明の複合電気めっき鋼板は3層のめっき層から構成
される。すなわち、第1図に示すように、鋼板1の表面
に第1めっき層としてFe、Co、Niのうち1種もしくは2種
以上からなる付着量0.05g/m2以上のめっき層2を形成
し、その上に第2めっき層としてCrを5〜30重量%、F
e、Co、Niのうち1種もしくは2種以上を1〜10重量%、
有機高分子を0.001〜5重量%含有するZn系複合電気め
っき層3を形成し、さらにその上に第3めっき層として
付着量0.1g/m2以上のZnもしくはZn系合金めっき層4を
形成したものである。
第1めっき層は第2めっき層のめっき密着性を向上さ
せ、第2めっき層は優れた耐食性を発揮するものであ
り、第3めっき層は第1めっき層と相乗して第2めっき
層のめっき密着性をさらに向上させると供に塗装後性能
を向上させる作用を有する。
まず、第1めっき層について説明する。鋼板は通常加
熱、圧延、酸洗、焼鈍工程を経ているため、その表面は
C、Siなど鋼成分の拡散濃縮層や酸との化合物が存在す
るなど、必ずしも均一な表面にはなっていない。これが
Zn系合金めっきや本発明で対象とするZn系複合電気めっ
きのめっき密着性を阻害する要因となっている。
しかるに、鋼板表面を予め単純な構造を持つFe、Co、Ni、
すなわち鉄族金属で被覆することにより、めっき密着性
は大幅に向上する。これらの金属は不均一な鋼板表面上
でも電気めっきにより比較的均一な被複層を形成しやす
く、この均一被複層とZn系複合電気めっき層の密着性は
十分良好であるため、結果的にめっき密着性に優れた複
合電気めっき鋼板が得られるものと思われる。
ここで、第1めっき層の種類は、Fe、Co、Niのうち、単独
でもよいし2種以上を複合させてもよいが、耐食性をも
考慮すると第2めっき層のZn系複合電気めっき層に含ま
れる鉄族金属と同一とする方が好ましい。また、付着量
0.05g/m2未満では鋼板表面を均一に被覆しきれないた
め、効果的なめっき密着性の改善は図り得ない。付着量
の上限はめっき密着性向上の観点からは特に制約されな
いが、5g/m2を超えると耐食性低下の懸念を生じるので
好ましくない。
第1めっき層中にはSを0.01〜10%含有させてもよく、
かくすることによってめっき密着性を更に向上させるこ
とができる。この場合、0.01%未満では効果的ではな
く、10%を超えると耐食性が低下する傾向が現われる。
次に第2めっき層について説明する。本発明の複合電気
めっき鋼板の高耐食性は、第2めっき層中に含まれるCr
の作用により発現される。Cr含有率は5〜30重量%が好
ましい。5重量%未満では若干の耐食性向上効果は認め
られるものの、赤錆が発生しやすい傾向は残り、耐食性
は十分ではない。5重量%以上になると赤錆発生が抑制
され、耐食性は大巾に向上する。例えば塩水噴霧試験を
500時間以上行なっても容易に赤錆は発生しない。この
ような高耐食性は、従来公知のZnめっきはもとよりZn-N
i、Zn-Feなどの合金めっきでは到底得られないレベルの
ものである。
CrはZnとの共存下では不働態化せずZnとともに犠牲防食
作用を発揮し、しかも腐食生成物が難溶性の保護皮膜を
形成して表面を覆い腐食の進行を抑制する。これが画期
的な高耐食性を発揮する理由であろうと推定される。
Cr含有率は30重量%を超えても高度の耐食性を有する
が、後述するカチオンポリマーなどCr析出を促進する有
機高分子の共析効果をもってしても、プレス加工時のパ
ウダリング性(めっき層の粉状剥離)の劣化を防止しえ
ず、実用上は適用が難しい。
第2めっき層は、さらにFe、Co、Niといった鉄族金属を含
む。鉄族金属の作用は、Crとの相互作用により腐食生成
物の安定性をさらに高め、耐食性を向上させる点にあ
る。これらの含有率は1種もしくは2種以上の総量で1
〜10重量%が好ましい。1重量%未満では上記効果が顕
著でなく、10重量%を超えると鉄族金属の性質が強くな
りCrの効果が低減する結果、耐食性低下の傾向が現われ
る。加工時のパウダリング性をも考慮すると、Cr及び鉄
族金属の総量は30重量%以下が好ましい。なお、鉄族金
属の中でもNiは耐食性に対しても効果的であり、最も有
利である。
本発明の複合電気めっき鋼板に含有される有機高分子
は、Cr析出促進剤としてめっき浴中に添加されるもので
あり、これをCrとともにめっき層中に微量共析させるこ
とにより、加工時の耐パウダリング性を向上させること
ができる。このような有機高分子の共析効果は、CrとZn
の均一な電析成長を阻害し、均一性、平滑性に欠けため
っき構造になってしまうことを防止する点にあると推定
される。
即ち、共析する有機高分子を介することによって、Znと
Crが均一に混合もしくは合金化した緻密なめっき層が形
成されると考えられる。有機高分子の含有率は0.001〜
5重量%が好ましい。0.001重量%未満では、耐パウダ
リング性向上効果が乏しく、5重量%超の含有率はめっ
き浴中の有機高分子濃度を増しても得られ難いのみなら
ず、多量に共析すると却ってめっき密着性が低下する。
耐パウダリング性を確実なものとするためには、Cr含有
率の1/1000以上の含有率で有機高分子を共析させること
が望ましい。
本発明に用いる有機高分子としては、水溶性のカチオン
ポリマーが効果的であり、中でも4級アミンの重合物が
特に効果的なポリマーである。この場合、分子量は103
〜106が望ましい。具体的には次に示すアミンポリマー
の内、ポリアミンスルホン(PASと略)、及びポリア
ミン(PAと略)がCr析出促進剤として最も効果的であ
る。この理由としては、アミン基による陰極面への吸着
作用とスルホン基へのCr3+イオンの配位結合が寄与して
いると考えらえる。これらは基本的には次に示す4級ア
ミンの塩(アンモニウム塩)を主鎖に含むホモポリマー
あるいはコポリマーで構成されている。
以下具体的にいくつかの化合物を列挙する。
まず、ジアリルアミンから得られる次のような高分子が
挙げられる。
あるいは あるいは R1、R2は低級アルキル基を示し、XはCl-、HSO4 -、H2PO4
-、R-SO3 -(RはC〜C4のアルキル基)、NO3 -のアニ
オンを示す。
あるいはビニルベンジンから合成される高分子が挙げら
れる。
R1、R2、R3は低級アルキル基を示し、XはCl-、HSO4 -、H2
PO4 -、R-SO3 -(RはC〜C4のアルキル基)、NO3 -のア
ニオンを示す。
さらにはアリルアミンポリマーが挙げられる。
R1、R2、R3は低級アルキル基を示し、XはCl-、HSO4 -、H2
PO4 -、R-SO3 -(RはC〜C4のアルキル基)、NO3 -のア
ニオンを示す。
この他、1、2、3級アミンのポリマーも前述の4級ア
ミンポリマーには及ばないがCr析出促進剤として効果が
ある。またこれらカチオンポリマー以外では、ポリオキ
シアルキレン誘導体、特にポリエチレングリコール(P
EGと略)が有効である。
第2めっき層のめっき付着量は10〜50g/m2で十分耐食性
を確保できる。
第3めっき層はZnもしくはZn系合金めっき層である。こ
こで、Zn系合金めっきとはZn-Ni、Zn-Fe、Zn-Co、Zn-Ni
-CoなどZnを主成分とする公知の合金めっきを指す。ま
たZn-Feの場合にはFe含有率50重量%以上のものも含
む。この第3めっき層はチッピングの衝撃力を緩和する
作用を有し、第1めっき層と相乗して第2めっき層のめ
っき密着性を大きく向上させる。
すなわち、第1めっき層と第2めっき層だけを形成し第
3めっき層を形成しない場合、塗装後低温下でのチッピ
ングにおけるめっき密着性は、−20℃では十分確保でき
るが、さらに厳しい−30℃では不十分である。これに対
して第3めっき層を有する場合には、−30℃でもめっき
密着性を十分確保できる。また第2めっき層と第3めっ
き層だけを形成し第1めっき層を形成しない場合には、
めっき密着性の向上効果は小さいことから、第3めっき
層は第1めっき層との相乗効果によりめっき密着性を大
きく向上させるものと思われる。
また第3めっき層はりん酸塩処理性を向上させ、これに
よってカチオン電着性や塗装後耐食性を向上させる作用
を有する。第2めっき層はCrを多量に含むため、りん酸
塩処理を行なってもりん酸塩被膜は粗大化する、もしく
はほとんど形成されない。このような状態でもCrの効果
で塗装後耐食性は従来のZn系合金めっきより優れるが、
正常なりん酸塩被膜が形成されるZnもしくはZn系合金め
っきを第3めっき層として設けることにより、さらに塗
装後耐食性を向上させることができ、同時にカチオン電
着塗装時の塗膜欠陥の発生を防止できる。
第3めっき層の付着量0.1g/m2未満ではめっき密着性向
上効果がない。上限は特に制約されないが、りん酸塩被
膜を確実に形成させカチオン電着性と塗装後耐食性形を
向上させる目的からは5g/m2以下で十分である。
本発明の複合電気めっき鋼板は、鋼板に脱脂、酸洗の前
処理を施した後、第1めっき層としてFe、Co、Niの1種も
しくは2種以上からなるめっきを施し、第2めっき層と
してZn系複合電気めっきを施し、しかる後に第3めっき
層としてZnもしくはZn系合金めっきを施すことにより得
られる。
第1めっき層の方法は、特に限定されないが、鋼板表面
を微量の付着量で均一に被覆する目的からは、硫酸酸性
浴を用いて電流密度10〜100A/dm2で行なうことが最良で
ある。また第1めっき層にSを含有させるにはめっき後
水洗を行なわずに第2めっき層のZn系複合電気めっきを
行なえばよく、Sの含有率は電流密度で制御できる。
第2めっき層は、Zn2+、Cr3+、さらにはCo2+、Fe2+、Ni
2+の1種以上をそれぞれ10〜100g/含有し、かつCr析
出促進剤としてPASに代表されるカチオンポリマーあ
るいはPEGなどの有機高分子を0.01〜20g/含有する
pH0.5〜3、浴温40〜70℃の硫酸酸性浴を用いて、電流
密度20A/dm2以上、液流速1m/min以上で電気めっきを行
なえばよい。めっき浴中には、Na+、NH4 +などの電導度
助剤、ほう酸などの緩衝剤、あるいは耐食性をさらに向
上させるためにSiO2、TiO2、Al2O3などの酸化物粒子やB
aCrO4などのクロム酸塩粒子を添加してもよい。第3め
っき層は公知の方法で行なえばよい。
本発明の構造は鋼板の両面に対して用いてもよいし、片
面のみに適用し他の面は鋼板面のままあるいは他のめっ
き層としてもよい。また上層に有機皮膜を施した有機複
合めっき鋼板の下地めっきに適用してもよい。
本発明を適用する素地鋼板は通常ダル仕上げ圧延をした
軟鋼板であるが、ブライト仕上げ圧延をした軟鋼板や
P、S、Mn等を多く含んだ高張力鋼板やCr、Cu、Ni、P等
を多く含んだ高耐食性鋼板でも適用可能である。
実施例 冷延鋼板を、アルカリ脱脂し、5%硫酸水溶液で酸洗し
た後、以下の条件で電気めっきを行なった。第1めっき
層は、Co2+、Fe2+、Ni2+のうち1種以上を含むpH2.2、
浴温60℃の硫酸酸性浴を用いて形成させた。
第2めっき層は、Zn2+、Cr3+及びCo2+、Fe2+、Ni2+のう
ち1種以上、さらには有機高分子(平均分子量1万のP
A、平均分子量3500のPAS、平均分子量10万のPAS
→PAS−Hと略)、Na+を含むpH2、浴温50℃の硫酸
酸性浴を用いて形成させ、めっき浴の組成及び電流密度
を変えることによってめっき組成を変化させ、付着量は
20g/m2とした。
第3めっき層は、Zn2+、Co2+、Fe2+、Ni2+を含むpH1.
5、浴温60℃の硫酸酸性浴を用いて形成させた。
第1表にめっき組成とめっき密着性、塗装後耐食性、カ
チオン電着性、加工性の関係を示す。めっき密着性、耐
食性、加工性の評価方法は以下の通りである。
(1)めっき密着性 試験片に浸漬型りん酸塩処理、カチオン電着塗装30μを
施し、中塗り、上塗り塗装を行なって合計膜厚100μと
した。その後、試験片を−30℃に冷却し、JIS7号砕石25
0gを速度150km/hrで試験片に衝突させ、めっき剥離面積
を5段階で評価した。
評点5(良:1%以下)〜評点1(不良:20%超) (2)塗装後耐食性 試験片に浸漬型りん酸塩処理、カチオン電着塗装30μを
施し、中塗り、上塗り塗装を行なって合計膜厚100μと
した。その後、試験片にクロスカットを入れ、塩水噴霧
(JIS Z 2371に準拠)4時間→乾燥(60℃)2時間→湿潤
(40℃、RH95%)2時間を1サイクルとする複合腐食
試験に供し、100サイクル後の塗膜ふくれ幅を5段階で
評価した。
評点5(良:1mm以下)〜評点1(不良:10mm超) (3)カチオン電着性 試験片に浸漬型りん酸塩処理を施した後、カチオン電着
塗装を電圧300Vで行ない、塗膜外観を5段階で評価し
た。
評点5(良)〜評点1(不良) (4)加工性 直径50mm、高さ25mmの円筒プレス成形を行なった後、加
工面をテーピングし、テープの黒化度により、5段階で
評価した。
評点5(良)〜評点1(不良) 第1表において、比較例1は第1めっき層および第3め
っき層がないため、比較例2は第3めっき層がないた
め、それぞれめっき密着性、カチオン電着性が不良であ
り、比較例3は第1めっき層がないため、めっき密着性
が不良である。
比較例4は第1めっき層の付着量が少なすぎるため、め
っき密着性が不良であり、比較例5は第1めっき層のS
含有率が高すぎるため、塗装後耐食性が不良である。比
較例6は第2めっき層のCr含有率が低すぎるため塗装後
耐食性が不良であり、比較例7は第2めっき層のCr含有
率が高すぎるため、めっき密着性、加工性が不良であ
る。比較例8は第2めっき層のNi含有率が高すぎるため
塗装後耐食性が不良であり、比較例9は第2めっき層に
有機高分子を含まないため、加工性が不良であり、比較
例10は第3めっき層の付着量が低すぎるため、塗装後耐
食性、カチオン電着性が不良である。また比較例11はZn
-Ni合金めっきであり、めっき密着性、塗装後耐食性が
不良である。
これに対して、本発明例は何れもめっき密着性、塗装後
耐食性、カチオン電着性、プレス加工性が良好であり、
第1めっき層にSを含有する本発明例は一段とめっき密
着性に優れる傾向にある。
発明の効果 以上述べた如く、本発明の複合電気めっき鋼板は、めっ
き密着性と塗装後性能、さらには加工性に優れた高性能
のめっき鋼板であり、特に自動車用防錆鋼板として好適
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の複合電気めっき鋼板の構造を示す断面
図である。 1……鋼板、2……第1めっき層、3……第2めっき
層、4……第3めっき層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼板表面に、第1めっき層としてFe、Co、Ni
    のうち1種もしくは2種以上からなるめっき層を0.05g/
    m2以上形成し、第2めっき層としてCrを5〜30重量%、
    Fe、Co、Niのうち1種もしくは2種以上を1〜10重量%、
    有機高分子を0.001〜5重量%含有するZn系複合電気め
    っき層を形成し、第3めっき層としてZnもしくはZn系合
    金めっき層を0.1g/m2以上形成したことを特徴とするめ
    っき密着性と塗装後性能に優れた高耐食性複合電気めっ
    き鋼板。
  2. 【請求項2】第1めっき層中にSを0.01〜10%含有する
    特許請求の範囲第1項記載のめっき密着性と塗装後性能
    に優れた高耐食性複合電気めっき鋼板。
  3. 【請求項3】第2めっき層中の有機高分子が、カチオン
    ポリマーである特許請求の範囲第1項又は第2項記載の
    めっき密着性と塗装後性能に優れた高耐食性複合電気め
    っき鋼板。
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