JPH0645743B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0645743B2
JPH0645743B2 JP25381685A JP25381685A JPH0645743B2 JP H0645743 B2 JPH0645743 B2 JP H0645743B2 JP 25381685 A JP25381685 A JP 25381685A JP 25381685 A JP25381685 A JP 25381685A JP H0645743 B2 JPH0645743 B2 JP H0645743B2
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diols
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輝雄 古沢
克己 藤本
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は機械的強度及びカレンダー加工性に優れた樹脂
組成物に関するものである。さらに詳しくは、優れた物
理的及び化学的性質及び広い温度範囲でカレンダー加工
が可能な特性を付与してなる成形用樹脂組成物に関する
ものである。
従来、ポリエステルエラストマーは、耐油性、耐熱性、
耐加水分解劣化性の優れた熱可塑性エラストマーとして
各種の射出成形品、チューブ、ホース、ベルト、シー
ト、フィルムなどの押出成形品などに用いられている。
しかるに、ポリエステルエラストマーは、比較的高融点
で、かつ融点付近でポリマーの金属ロールへの粘着性、
付着性が大きく、しかもその割には溶融ないし半溶融状
態でのシート強度が低いため、これをカレンダー加工す
る場合条件が極めて制限される。そこで、比較的広い温
度条件でカレンダー加工でき、しかもポリエステルエラ
ストマー自体の特性を保持したシート状物を得るため
に、公開特許公報昭56−100844では、ポリエー
テルエステルエラストマー100重量部とエチレン酢酸
ビニル共重合体に塩化ビニルをグラフト重合せしめたグ
ラフト共重合体3〜50重量部とを溶融混合してなる樹
脂組成物を用いることが記載されている。該樹脂組成物
は、ポリエステルエラストマー単独に比較して、耐油性
や機械的強度の大巾な低下がなく、またカレンダー加工
時にポリマーの金属ロールへの粘着や付着がなくシート
状に加工できるが、シートの両端部が十分に可塑化混練
され難く、また、離型時、金属ロール上で両端部に収縮
切目が入るなどの欠点があった。このため、混練に時間
を要するため製品が劣化し易く、また、カレンダー加工
時、混練不良のため混練シートの両端部30〜50mmが
不良部分となるため、この部分を切除して製品としなけ
ればならないので経済上、不利であり、同時に、広巾の
製品が得られないなどの難点があった。
本発明は、ポリエステルエラストマーを基体とする樹脂
組成物について、前記難点を克服すべく、次の特性を付
与することを目的とする。
(1) 機械的強度、弾性回復性及びその他の物理的性
質、及び耐熱性、耐加水分解劣化性、耐油性、耐微生物
劣化性及びその他の化学的性質が優れていること。
(2) カレンダー加工時にポリマーの金属ロールへの粘
着や付着がなく広い温度範囲でカレンダー加工が可能で
あること。
(3) カレンダー加工の際、加工シートの両端部が十分
に可塑性混練され易く、また、離型時、金属ロール上で
両端部に収縮切目が入らないこと。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、鋭意研究を重
ねた結果、ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリウ
レタンエラストマー、及びエチレン・酢酸ビニル共重合
体に塩化ビニルをグラフト重合せしめたグラフト共重合
体(以下グラフト共重合体と略す)を夫々特定範囲内で
使用することにより、諸特性の非常に優れた樹脂組成物
が得られることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は、ポリエステルエラストマー、熱可塑性
ポリウレタンエラストマー及びグラフト共重合体よりな
り、該ポリエステルエラストマー100重量部に対する
該ポリウレタンエラストマー及び該グラフト共重合体の
配合量を、それぞれU重量部、G重量部とするとき、下
式(a)、(b)の配合条件を満たす3成分を溶融混合してな
る樹脂組成物を提供するものである。
本発明は、ポリエステルエラストマーに対して、所定配
合比率のグラフト共重合体と熱可塑性ポリウレタンエラ
ストマーとを溶融混合することによって、本発明の目的
が達成できる。これは、ポリウレタンエラストマーがポ
リエステルエラストマー及びグラフト共重合体の双方に
強力な分子間相互作用を及ぼすためと考えられる。
本発明に用いられるポリエステルエラストマーは、エス
テル結合によってランダムに頭尾結合させた直線状長鎖
エステル単位及び短鎖エステル単位からなるセグメント
の繰返しからなるコポリエステル共重合体であり、該長
鎖エステル単位は、式(1) によって表わすことができ、且つ、該短鎖エステル単位
は、式(2) によって表わすことができるが、これらの式においてA
は、約600〜6000の分子量を有する少なくとも一
種の長鎖グリコールから末端水酸基の除去後に残存する
二価の基であり、Xは約300よりも小さい分子量を有す
る少なくとも一種のジカルボン酸からカルボキシル基の
除去後に残存する二価の基であり、且つ、Bは約300
よりも小さい分子量を有する少なくとも一種の低分子量
ジオールから水酸基の除去後に残存する二価の基であ
る。ここで約300よりも小さい分子量を有するジカル
ボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
2.6−及び1.5−ナフタレンジカルボン酸などの芳
香族ジカルボン酸、1.4−シクロヘキサンジカルボン
酸などの脂環式ジカルボン酸、シユウ酸、グルタル酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸及びそれらのエステル形成性誘導体などであ
り、これらは2種以上共重合して用いてもよい。これら
のジカルボン酸と反応して短鎖エステル単位を形成する
約300よりも小さい分子量を有するジオールとはエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1.4−ブタ
ンジオール、2.2−ジメチル−1.3−プロパンジオ
ール、1.6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリ
コールや、1.4−シクロヘキサンジメータノールなど
のシクロアルキレングリコール、1.4−ビス(β−ヒ
ドロキシエトキシ)ベンゼンなどの芳香族置換脂肪族グ
リコールなどである。
分子量約300以下のジカルボン酸と反応して長鎖エス
テル単位を形成する長鎖グリコールとは、ポリエチレン
グリコール、ポリ(1.2−および1.3−プロピレン
オキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドの共重合体などのポリ(アルキレンオキシド)グリコ
ール、前記したような300よりも小さい分子量を有す
るジオールを開始剤としてε−カプロラクトンを開環重
合して得られるポリカプロラクトンジオール及び、前記
したような300よりも小さい分子量ジオールと炭酸エ
ステル類とのエステル交換反応によって得られるポリカ
ーボネートジオールなどが挙げられる。これらの中、耐
熱性や耐加水分解性や弾性特性が要求される用途には、
ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールが好適であ
る。短鎖エステル単位はハードセグメントを、また長鎖
エステル単位はソフトセグメント単位をコポリエステル
共重合体鎖中で構成し熱可塑性エラストマーの性質を発
現するが、ソフトセグメント/ハードセグメントの占め
る割合は重量比で85/15〜10/90が好ましい。
85/15以上では、ハードセグメントによる分子鎖間
の拘束力が殆んど消滅してしまって、優れた物理的性質
を有するエラストマーとすることができなくなる。また
10/90以下ではソフトセグメントが少ないため可撓
性に富むエラストマーが得られないばかりでなく、加工
温度が高く成形時にポリマーが熱劣化し易くなるので好
ましくない。ポリウレタンエラストマー及びグラフト共
重合体を溶融混合するためには、ポリエステルエラスト
マーの融点が80〜200℃の範囲であることが好まし
く、このような溶融特性になるようにソフトセグメント
/ハードセグメント重量比を調節して製造したポリエス
テルエラストマーが特に好適である。
本発明に用いられる熱可塑性ポリウレタンエラストマー
は、ウレタン結合によってランダムに頭尾結合させた直
線状長鎖ウレタン単位及び短鎖ウレタン単位からなるセ
グメントの繰返しからなるコポリウレタン共重合体であ
り、該長鎖ウレタン単位は、式(3) によって表わすことができ、且つ、該短鎖ウレタン単位
は、式(4) によって表わすことができるが、これらの式において、
Eは、約500〜6000の分子量を有する少なくとも
一種の長鎖グリコールから末端水酸基の除去後に残存す
る二価の基であり、Zは約700よりも小さい分子量を有
する少なくとも一種のジイソシアネートからイソシアネ
ート基の除去後に残存する二価の基であり、且つGは約
350よりも小さい分子量を有する少なくとも一種の低
分子量ジオールから水酸基の除去後に残存する二価の基
である。ここで約700よりも小さい分子量を有するジ
イソシアネートは、脂肪族、脂環式、芳香族置換脂肪
族、芳香族または複素環式ジイソシアネート類で、例え
ば、ヘキサメチレン−1.6−ジイソシアネート、2.
2.4−または2.2.6−トリメチルヘキサメチレン
−1.6−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3.
3.5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘ
キサン、cis−またはtrans−シクロヘキサン−1.4−
ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4.4′
−ジイソシアネート、ω.ω′−ジイソシアナトシクロ
ヘキサン、イソプロピリデンジシクロヘキシル−1.4
−ジイソシアネート、ダイマ−ジイソシアネート、トリ
レン−2.4−または2.6−ジイソシアネート、ジフ
ェニルメタン−2.4′−または−4.4′−ジイソシ
アネート、ナフチレン−1.5−ジイソシアネート、ビ
トリレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネ
ート、m−またはp−フェニレンジイソシアネート、キ
シリレン−1.3−または−1.4−ジイソシアネー
ト、アゾベンゼン−4.4′−ジイソシアネート、ジフ
ェニルスルホン−4.4′−ジイソシアネート、ジフェ
ニルエーテル−4.4′−ジイソシアネート、N.N′
−ビス(ω−イソシアナトプロピル)オキサジアジント
リオンなどであり、これらは2種以上共重合して用いて
もよい。これらのジイソシアネートと反応して短鎖ウレ
タン単位を形成する約350よりも小さい分子量を有す
るジオールとは、脂肪族、脂環式、芳香族置換脂肪族ま
たは複素環式ジオール類で、例えば、エチレングリコー
ル、1.2−プロピレングリコール、1.3−プロピレ
ングリコール、1.3−ブタンジオール、2.3−ブタ
ンジオール、1.4−ブタンジオール、1.5−ペンタ
ンジオール、1.6−ヘキサンジオール、2.2−ジメ
チル−1.3−プロパンジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1.4−シクロヘキサン
ジメタノール、1.4−ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、p−キシリレンジオール、フェニルジエ
タノールアミン、メチルジエタノールアミン、3.9−
ビス(2−ヒドロキシ−1.1−ジメチルエチル)−
2.4.8.10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウン
デカン、α.α′−(イソプロピリデンジ−p−フェニ
レン)ビス−(ω−ヒドロキシプロピレン)などであ
る。これらは2種以上共重合して用いてもよい。
分子量約700以下のジイソシアネートと反応して長鎖
ウレタン単位を形成する長鎖グリコールとは、例えば、
ポリエステルジオール、ポリオキシアルキレンジオー
ル、ポリカーポネートジオール、ポリブタジエンジオー
ル、ポリオレフィンジオール、ポリチオエーテルジオー
ル、ポリアセタールジオールなどである。適当なポリエ
ステルジオールとしては、例えば、ジカルボン酸とジオ
ールから得られるようなものは全て使用できる。適当な
ジカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ブラシル酸、マレイン酸、フマー
ル酸、グルタコン酸、α−ブチル−α−エチル−グルタ
ール酸及びその類似物などは全て使用できる。適当なジ
オールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1.4−ブタンジオール、1.3−ブ
タンジオール、1.5−ペンタンジオール、1.4−ペ
ンタンジオール、1.3−ペンタンジオール、1.6−
ヘキサンジオール、1.7−ヘプタンジオール、1.8
−オクタンジオール、1.9−ノナンジオール、2.2
−ジメチル−1.3−プロパンジオール、2.2−ジメ
チル−3−ヒドロキシプロピル−2.2−ジメチル−3
−ヒドロキシプロピオネート、ジメチルエタノールアミ
ン及びその類似物などは全て使用できる。更に、適当な
ポリエステルジオールとしては、ヒドロキシカルボン酸
と上記ジオールとの反応によって得られる類のものや、
ラクトンを上記ジオールを開始剤として開環重合して得
られる類のものも全て使用できる。適当なヒドロキシカ
ルボン酸の例としては、乳酸、3−ヒドロキシプロピオ
ン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、5−
ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒ
ドロキシ−4−メチルエナント酸、4−ヒドロキシカプ
リロ酸及びその類似物などは全て使用できる。適当なラ
クトンは、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、εカプロラクトン、γ−カプ
リロラクトン、3−メチル−δ−バレロラクトン及びそ
の類似物などは全て使用できる。
適当なポリオキシアルキレンジオールとしては、例え
ば、ポリエステルジオールの製造に対して前述したよう
なジオールあるいは水等を開始剤として、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、トリメチレンオキシド、及
びテトラヒドロフランのような還式エーテルを重合また
は共重合させて製造されるようなものが使用できる。
適当なポリカーボネートジオールとしては、例えばポリ
エステルジオールの製造に対して前述したようなジオー
ルと炭酸エステル類、例えば、ジエチルカーボネート、
ジプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、ジフ
ェニルカーボネートのエステル交換反応によって製造さ
れるようなものは全て使用できる。
適当なポリブタジエンジオールとしては、末端にヒドロ
キシ基をもつポリ−1.4−ブタジエン、ポリ−1.2
−ブタジエンあるいは、これらの共重合体、ポリブタジ
エン−CO−アクリロニトリル、ポリブタジエン−CO
−スチレンなどの全てが使用できる。
適当なポリオレフィンジオールとしては、上記ポリブタ
ジエンジオールの水素添加還元によって得られるジオー
ル類や、末端にヒドロキシル基をもつポリエチレンプロ
ピレン共重合体のような飽和炭化水素鎖をもつ長鎖ジオ
ールの全てが使用できる。
適当なポリチオエーテルジオールとしては、例えばチオ
グリコールの縮合生成物またはポリエステルジオールの
製造に対して前述したジオールと任意のその他の適当な
チオエーテルグリコールとの反応生成物などがすべて使
用できる。また、上記長鎖ジオールは、単独又は、2種
以上の混合物として使用できる。ジイソシアネートとジ
オール類の反応に際して、好ましいイソシアネート基/
ヒドロキシル基のモル比は、0.9〜1.2であり、特
に好ましくは、0.98〜1.03である。また、長鎖
ジオール/短鎖ジオールのモル比は、原料の種類とポリ
ウレタンエラストマーの使用目的に応じ広範囲に変える
ことができる。
本発明の組成物製造のために有用なエチレン・酢酸ビニ
ル−塩化ビニルグラフト重合樹脂とは、エチレンと酢酸
ビニルの共重合体(以下EVAという)を幹ポリマーと
し、これに塩化ビニルをグラフト重合させたものであ
る。このグラフト共重合体は、使用するEVAの種類、
グラフトする塩化ビニルの共重合量、重合度などにより
物性を変えることができるが、ポリエステルエラストマ
ー及びポリウレタンエラストマーとの相溶性、カレンダ
ー加工性の点から、酢酸ビニル含量が10〜50重量%
のEVAを幹ポリマーとし、これに塩化ビニルをグラフ
ト共重合体中のEVA含量が5〜70重量%、特に好ま
しくは、20〜60重量%となるようにグラフト共重合
したものが好ましい。
本発明の組成物は、ポリエステルエラストマー100重
量部当たり熱可塑性ポリウレタンエラストマーとグラフ
ト共重合体を、これら2者の合量として50〜300重
量部、より好ましくは、80〜200重量部溶融混合す
ることによりなる。ここで上記2者の合量が50重量部
以下の場合は、ロール加工温度が高く、またカレンダー
加工時、混練シートの両端部の不良部分が多く、製品の
歩止まりが悪いなどの欠点があり好ましくない。また、
300重量部以上では、ポリエステルエラストマーの配
合量が低下するため、製品の耐熱性、反発弾性、耐加水
分解劣化性、耐油性、耐微生物劣化性等の物理的、化学
的性質が損なわれることや、熱可塑性ポリウレタンとグ
ラフト共重合体の相溶混和性が低下し、製品が不均一に
なったり、折まげると白化したりするので好ましくな
い。
また、上記2者の合量中の熱可塑性ポリウレタン成分
は、10〜80重量%、好ましくは25〜75重量%で
ある。10重量%以下では、グラフト共重合体のポリエ
ステルエラストマーへの混和性が十分でないためカレン
ダー加工時、混練時間が長くなったり、製品の機械的強
度、耐摩耗性、耐油性などが低下する欠点がある。ま
た、80重量%以上では、カレンダー加工温度が上昇し
たり、ロールへの樹脂の付着粘度が激しく、ロールから
の離型が困難になるなどの欠点がある。
本発明の樹脂組成物は、目的、用途に応じて酸化防止
剤、耐光剤、耐熱剤、耐加水分解劣化改良剤、耐微生物
劣化改良剤など各種安定剤及び着色剤(顔料、染料)、
帯電防止剤、導電剤、結晶核剤、滑剤、充填剤、補強
剤、可塑剤、接着助剤、難燃剤などの添加剤を任意に配
合し得る。また、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂
に対して一般的に用いられている実質的にすべての方
法、射出、圧縮、トランスファー、押出及び吹込み成形
によっても加工できる。また上記成形加工の際に、これ
らの製品には精度の高いインサート部品を組込むことが
できる。
本発明の樹脂組成物は、粉末状あるいはクラム状態とし
ても使用でき回転成形(一軸または二軸方法のいずれも
適用可)スラッシュ成形および遠心成形のような溶融成
形方法ならびに例えば、流動床、静電噴霧、溶射、フロ
ックコーティング流動床コーティング、熱溶融コーティ
ング等の粉末被覆方法などによって成形加工できる。
本発明の樹脂組成物は、カレンダー加工に適用して引き
出されたシート状物は、次いで引取りロール等を経てそ
のまゝシートとして製品化することもできるが、また織
物や帆布の上に貼合わせカレンダー機等のロールで圧着
積層して能率よくシートすることができる。これらは、
弾性床材、弾性靴底、防水材、防水シート、自動車のシ
ートや天井の表皮材、駆動ベルト材、軽量搬送ベルト
材、フレキシブルコンテナー用材料等として利用でき極
めて有用である。射出及び圧縮成形等によって得られる
弾性成形製品は、タイヤ、自動車用ダストカバー、靴底
などに使用できる。押出によってフィルム、チューブ、
複雑な断面を有するその他の形状物を製造でき、また、
ホース、電線、ケーブル及びその他の基材の被覆のため
にクロスヘッド押出しすることができ、これらの製品
も、耐久性に優れている。また、粉末状の樹脂組成物
は、浸漬、トランスファー、ローラー及びナイフコーテ
ィングならびにホットメルト接着剤のような、いくつか
の塗布及び接着作業に使用でき、衣料、カバン、靴用皮
材料、建築材料などの製造の他、ヒートシール作業にも
適用でき工業的に極めて有用である。
以下、実施例によって本発明を説明する。
なお、実施例中、「部」または「%」で表示したもの
は、特に断わらない限り全て重量比率で表わしたもので
ある。また、各測定値は次の通りである。
(1)硬さ:JISスプリング硬度計で測定した。
(2)引張強さ及び伸び:JISK6301の試験方法に
準じた。
(3)弾性回復率:(2)に用いた試験片を用い50%伸長し
て、ヒステリシスループを描き、引張りに要したエネル
ギーと回復エネルギーを求め、これより弾性回復率を求
めた。
(4)カレンダー加工性評価:6インチの2本ロール(前
ロール19rpm、後ロール21rpm)を加熱し、樹脂組成
物をロール上に供給し、混練を行い、ロールに樹脂を溶
融して巻きつかせシート状にし、後このシートをロール
より剥離する。この試験で、次の点を評価した。
a.加工可能温度範囲:溶融し混練が可能な温度範囲を
求めた。
b.剥離・離型性:シートの金属ロールからの剥離性を
評価した。
c.混練・混和性:シート両端までよく混練されるかど
うか評価した。
(5)耐油性:ASTMNo.3オイルに70℃14日間浸漬
し膨潤等の変化より耐油性を評価した。
(6)耐加水分解劣化性:80℃温水に引張試験片を28
日間浸漬し、引張強さの保持率や外観変化(変形、軟化
等)より評価した。
(7)耐微生物劣化性:腐葉土中に引張試験片を28日間埋
没し、引張強さの保持率や外観変化(変形、軟化、われ
等)より評価した。
(8)耐熱性:120℃のギヤーオーブン中に引張試験片
を14日間入れ、引張強さの保持率や外観変化(着色、
変形度)より評価した。
(4)、(5)、(6)、(7)、(8)の評価ランクは以下のように
した。
◎…優秀 〇…良 △…やゝ不可 ×…不可 実施例1〜7、比較例1〜6、 135〜155℃に加熱たロール上でペルプレン40H
〔東洋紡績製品、ポリ(オキシテトラメレン)ジオー
ル、テレフタル酸、グリコールからなる3原料成分のポ
リエステル化で得られたポリエーテルソフトセグメント
をもつポリエステル・エラストマー、比重1.12、ビ
カット軟化点120℃、ショアーA硬度89、以下同
じ〕、グラフトマーR−650(日本ゼオン製品、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体・塩化ビニルグラフト樹脂、
比重1.3)及びパラプレン25SM(日本ポリウレタ
ン工業製品、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール、
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4
−ブタンジオールからなる3原料成分のポリウレタン化
で得られたポリエステルソフトセグメントをもつ熱可塑
性ポリウレタンエラストマー、JIS硬度90〕を第1
表で示す比率にて配合し、カレンダー加工性を調べた。
次いでカレンダーシートから試験片を打抜き、その物性
を測定した。本発明の樹脂組成物は第1表に示すように
カレンダー加工性と物性の双方が優れていた。
実施例8〜14、比較例7〜12 130〜150℃に加熱したロール上でハイトレル40
56(デュポン製品、ポリ(オキシテトラメレン)ジオ
ール、テレフタル酸、グリコールからなる3原料成分の
ポリエステル化で得られたポリエーテルソフトセグメン
トをもつポリエステル・エラストマー、以下同じ〕、リ
ューロングラフトH−130(東ソー製品、エチレン−
酢酸ビニル共重合体・塩化ビニルグラフト樹脂、比重
1.31、ビカット軟化点81℃、熱変形温度67℃、
表面硬度ロックウェルR106)及びパラプレン22S
M(日本ポリウレタン工業製、ポリエステルソフトセグ
メントの熱可塑性ポリウレタンエラストマー)を第2表
で示す比率で配合し、カレンダー加工性を調べた。次い
でカレンダーシートから試験片を打抜き、その物性を測
定した。本発明の樹脂組成物は第2表に示すようにカレ
ンダー加工性と物性の双方が優れていた。
実施例15〜21、比較例13〜18 145〜170℃に加熱したロール上でハイトレル40
56、ペルプレンS−1000(東洋紡績製品、ポリ
(オキシカプロラクトン)ジオール、テレフタル酸グリ
コールからなる3原料成分のポリエステル化で得られた
ポリエステルソフトセグメントをもつポリエステル・エ
ラストマー、比重1.21、ビカット軟化点170℃、
ショアーA硬度96〕、グラフトマーR−5(日本ゼオ
ン製、エチレン・酢酸ビニル共重合体・塩化ビニルグラ
フト樹脂、以下同じ)及びニッポランDN−485〔日
本ポリウレタン工業製品、ポリ(オキシテトラメチレ
ン)ジオール、4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、1,4−ブタンジオールからなる3原料成分の
ポリウレタン化で得られたポリエーテルソフトセグメン
トをもつ熱可塑性ポリウレタンエラストマー、JIS硬
度90〕を第3表に示す比率で配合し、カレンダー加工
性を調べた。次いでカレンダーシートから試験片を打抜
き、その物性を測定した。本発明の樹脂組成物は第3表
に示すようにカレンダー加工性と物性の双方が優れてい
た。
実施例22 ペルプレン40H100部、グラフトマーR−560部
及びパラプレン25SM60部を145〜150℃に加
熱したロールで10分間混練し、次に0.5mm厚のシー
トとして引出して、これとニッポラン2304(日本ポ
リウレタン工業製、熱可塑性ポリウレタンエラストマー
溶液)で含浸処理したポリエステル基布(テトロンTC
−28000)とを熱圧着し積層シートを得た。このも
のは可撓性に富み、可塑剤のような移行し易い汚染物質
を含まず、また、耐油性が優れているので食品用の軽量
搬送ベルトやフレキシブルコンテナー等の材料に適して
いることがわかった。また、高周波ウエルダーにより2
枚の積層シートを貼合わせたところ25℃で89kg/
2.5cm、75℃で61kg/2.5cmと極めて強固な剥離
接着力を示した。従って、ベルトのエンドレス加工やフ
レキシブルコンテナーの接着加工も容易に行なえること
がわかった。
本発明により、従来の単成分、2成分系では得られない
良好な溶融混和性と金属ロールに対する滑性が得られる
ので、カレンダー加工が能率よく行えるようになった。
また、ポリエステルエラストマーの耐熱性、耐油性、弾
性回復性、耐加水分解劣化性、耐微生物劣化性等、グラ
フト共重合体の易溶融性、滑性、耐加水分解劣化性、耐
微生物劣化性等及び熱可塑性ポリウレタンエラストマー
の機械強度、耐摩耗性、耐油性等の長所がバランスよく
シート物性に反映され、ポリエステルエラストマーのカ
レンダー加工のし難さ、グラフト共重合体の耐油性や機
械強度の悪さ、及び熱可塑性ポリウレタンエラストマー
の加水分解や微生物劣化に対する信頼性不足等が克服さ
れた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリ
    ウレタンエラストマー及びエチレン・酢酸ビニル共重合
    体に塩化ビニルをグラフト重合せしめたグラフト共重合
    体よりなる組成物において、 該ポリエステルエラストマー100重量部に対する該ポ
    リウレタンエラストマー及び該グラフト共重合体の配合
    量を、それぞれU重量部、G重量部とするとき、下式
    (a)、(b)の条件を満たす3成分を溶融混合してなること
    を特徴とする樹脂組成物。
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