JPH0644401U - 爪先歩行を促す履物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 踵をつけずに爪先立てて歩行することが容易
にでき、更に、踵を下ろして休息することもできる履物
を提供すること。 【構成】 サンダル１は、台座３に表層板４と緒５とを
取り付けたものである。サンダル１の表面は、Ｐ点で隆
起して、Ｐ点より爪先側が下がる傾斜を付けた前傾面１
０と、Ｐ点より踵側が下がる傾斜を付けた踵載置面１２
とを形成している。このようなサンダル１は、前傾面１
０に足を合わせて履き、安定した歩行を行おうとする
と、自ずと踵に体重がかからない爪先立てた姿勢で歩く
ようになる。また、踵載置面１２に踵を下ろすこともで
きるので、脚が疲れたら、踵を下ろして休息を取ること
ができる。更に、踵を下ろすと隆起したＰ点が土踏まず
付近に当接するので、いわゆる青竹踏みのように土踏ま
ずを刺激して疲労を緩和する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、爪先立てて歩行することで健康や美容に効果がある爪先歩行を促す 履物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、爪先立てて歩く、いわゆる爪先歩行をすると、歩行姿勢が良くなり 、脚筋・腹筋・背筋等の歩行運動に関係する筋肉が鍛錬され、健康や美容に良い と言われている。

【０００３】 このような爪先歩行を促す履物として、特開平３−１３１２０１号公報には、 踵を支えない履物が開示されている。これによれば、履物の台が、足の裏の爪先 から土踏まずまでを支える長さとなっていて、踵は宙に浮いた状態となるもので あった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述した踵を支えない履物を、長時間履き続けていると脚の疲労が 激しくなる。ところが、踵が下ろせず爪先歩行を強いられるので、疲れても履物 を履いたまま休むことはできなかった。

【０００５】 そこで本考案は、踵をつけずに爪先立てて歩行することが容易にでき、更に、 踵を下ろして休息することもできる履物を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段及び作用】

かかる目的を達成すべく、本考案は課題を解決するための手段として次の構成 を採った。 即ち、人の足底に当接する履物の表面の長手方向中央付近を隆起させ、該隆起 箇所と足指の付け根の載置位置とを結ぶ前傾面と、該前傾面より踵側の踵載置面 とを形成し、前記前傾面に足指の付け根から土踏まず付近までを密着させて歩く とき、重心が足指の付け根近傍に来て、前記踵載置面から踵が浮くように構成し たことを特徴とする爪先歩行を促す履物の構成がそれである。

【０００７】 前記構成を有する本考案の履物によれば、履物の表面の長手方向中央付近から 足指の付け根の載置位置までは前傾面となっているので、前傾面に足を載せるだ けで重心が爪先側へ移動して、爪先立ちやすくなる。しかも、前傾面に爪先から 土踏まず付近までを密着させて歩くとき、踵載置面から踵が浮くように構成して あるので、自然に踵に体重がかからない爪先立てた姿勢となる。

【０００８】 また、立ち止まるときには、踵を下ろして踵載置面に載せることもできるので 、脚が疲れてきても、脱がずに休息を取ることができる。しかも、踵を下ろすと 爪先より土踏まず付近に体重がかかるようになり、いわゆる青竹踏みのように土 踏まずを刺激して疲労を緩和する効果もある。

【０００９】 なお、通常の履物と同様に、踵が履物からはみ出していないので、歩行に伴っ て踵が大きく上下動しても、踵が地面に直接触れてしまうこともない。

【００１０】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１は、本考案の履物の一実施例を示す平面図及び側面図である。図１に示し たサンダル１は左足用であり、図示しない右足用は、左足用と対称な形である。 サンダル１は、弾性のある合成樹脂製の台座３に、台座３の表面を覆う合成樹脂 製の表層板４と、足に引っかける布製の緒５とを取り付けたものである。表層板 ４及び緒５には、布製の縁飾り７が付けられている。

【００１１】 表層板４の表面は、台座３の上面形状に沿って、図中のＰ点で隆起して、Ｐ点 から爪先側にかけて下がる傾斜を付けた前傾面１０と、Ｐ点より踵側の踵載置面 １２とを形成している。本実施例においては、前傾面１０の傾斜角度θは、約１ ５度にしてあり、踵載置面１２は、Ｐ点から踵側へ下がっている。

【００１２】 このように構成したサンダル１は、図２に示すように、前傾面１０に爪先から 土踏まず付近までを載せるようにして履くことができる。このとき、前傾面１０ の爪先側は下がっているので、体の重心を自ずと爪先側へ移動させ、爪先立ちや すくしている。そして、踵載置面１２は、Ｐ点より踵側が下がる傾斜を付けてあ るので、踵が浮きやすく、安定した歩行を行おうとすると自然に、踵に体重がか からない爪先立てた姿勢で歩くようになる。

【００１３】 また、立ち止まるときには、図３に示すように、踵載置面１２に踵を下ろして 履くこともできる。このように踵を下ろしても踵が直接地面に触れることがない ので、爪先立ちによって脚が疲れたら、脱がずに休息を取ることができる。この 結果、脚の疲れ具合いに応じて、爪先立ちしたり踵を下ろしたりして、苦痛を伴 うことなく長時間にわたって履き続けることができる。したがって、特に、常用 することによって効果が現れる健康や美容のためには、極めて良好なものである 。

【００１４】 更に、踵を下ろすと隆起したＰ点が土踏まず付近に当接するので、いわゆる青 竹踏みのように土踏まずを刺激して疲労を緩和する効果もある。 以上本考案の実施例を説明したが、本考案はこれに限定されず、本考案の要旨 を逸脱しない範囲内の種々なる態様を採用することができる。

【００１５】 例えば、実施例では、本考案の特徴を備えるサンダルを示したが、スリッパ、 ビーチサンダル、下駄など、屋内・屋外での使用を問わず種々なる履物に適用で きる。もちろん、この場合、足に引っかける緒については、実施例のような帯状 のもの以外に、下駄の鼻緒や、爪先まで覆う袋状のものなどを用いることができ るし、各部の材料や、表層板の有無等についても、履物の種類によって適宜変更 すれば良いことは言うまでもない。

【００１６】 また、本実施例では、前傾面の傾斜角度を約１５度としたが、これに限定する ものではない。この前傾面は、重心を爪先側へ移動させるために設けたものであ って、傾斜角度が大きいほど爪先立ちやすくなるが、大きすぎると歩き難くなっ て疲労も激しくなる。したがって、常用するもの、あるいは時間を決めてトレー ニング的に使用するもの等、目的にあった傾斜角度とすることが望ましい。

【００１７】 更に、本実施例では、踵載置面に後ろに向かってさがる傾斜を付けたが、前傾 面に爪先から土踏まず付近までを密着させると、踵載置面から踵が浮くように構 成したものであれば、実施例で示した形状に限らない。例えば、図４（Ａ）に示 すように、前傾面２０が大きい傾斜を付けられている場合には、踵載置面２２が 水平面であっても良いし、図４（Ｂ）に示すように、段差あるいは窪みを付けて 踵載置面２４を形成し、踵が浮くようにしたものであってもよい。

【００１８】 加えて、本考案の特徴たる前傾斜面及び踵載置面を形成させる中敷を、既存の 履物に装着して、本考案の履物を完成するものであっても良い。例えば、図５に 示すような、室内用のスリッパ３０の爪先側にぴったりと収まる中敷３２を、ス リッパ３０に装着して履けば、中敷３２の表面が前傾面を形成すると共に、スリ ッパ３０の踵側が踵載置面として作用する。また、図６に示すように、スリッパ ４０の中央付近に隆起部材４２を接着あるいは縫い付けても、あるいは、スリッ パ４０の製造工程の中でスリッパ４０の内部に入れても、同様に本考案の履物を 得ることができる。

【００１９】 なお、表層板の表面に突起を設けて、突起の刺激によって血行を促すような構 造や、台座に重いものを埋め込む等して履物を重くし、更に筋肉に負荷が加わる ような構造を、本考案の履物に合わせ備えても良い。

【００２０】

【考案の効果】

以上の如く本考案によれば、前傾面によって爪先立ちやすくし、更に、前傾面 に足を密着させて歩くと、踵載置面から踵が浮くように構成してあるので自然に 、踵に体重がかからない爪先立てた姿勢となり、歩行姿勢が良くなり、脚筋・腹 筋・背筋等の歩行運動に関係する筋肉が鍛錬され、無駄な脂肪を落として体を引 締め、健康や美容に良い。

【００２１】 また、踵を下ろして脱がずに休息を取ることができるので、常用することがで きるようになって、より効果的である。 しかも、踵を下ろすと爪先より土踏まず付近に体重がかかるようになり、いわ ゆる青竹踏みのように土踏まずを刺激して疲労を緩和する効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例のサンダルを示す平面図及び側面図で
ある。

【図２】 実施例のサンダルを爪先立てて履いた状態を
示す側面図である。

【図３】 実施例のサンダルを踵を下ろして履いた状態
を示す側面図である。

【図４】 変形例のサンダルを示す側面図である。

【図５】 変形例としての中敷をスリッパに装着した状
態を示す平面図及び側面図である。

【図６】 変形例としての隆起部材をスリッパに装着し
た状態を示す平面図及び側面図である。

【符号の説明】

１・・・サンダル、３・・・台座、４・・・表層板、５
・・・緒、７・・・縁飾り、１０，２０・・・前傾面、
１２，２２，２４・・・踵載置面、３０，４０・・・ス
リッパ、３２・・・中敷、４２・・・隆起部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 人の足底に当接する履物の表面の長手方
   向中央付近を隆起させ、該隆起箇所と足指の付け根の載
   置位置とを結ぶ前傾面と、該前傾面より踵側の踵載置面
   とを形成し、前記前傾面に足指の付け根から土踏まず付
   近までを密着させて歩くとき、重心が足指の付け根近傍
   に来て、前記踵載置面から踵が浮くように構成したこと
   を特徴とする爪先歩行を促す履物。