JP3001648U

JP3001648U - スリッパ

Info

Publication number: JP3001648U
Application number: JP1994001534U
Authority: JP
Inventors: 勝英平野
Original assignee: 平野産業株式会社
Priority date: 1994-03-03
Filing date: 1994-03-03
Publication date: 1994-09-06
Anticipated expiration: 2000-03-03

Abstract

(57)【要約】【目的】履き心地が良く、長時間にわたって履いても
疲れにくい屋内用スリッパを提供すること。【構成】スリッパ１は、表面を布地で覆った表層板３
ａをゴム製の基台３ｂの上面に貼り付けて構成した中板
３と、中板３の下面に張り合わせられたクッション底５
と、足に引っかける布製の緒７とを備えている。中板３
の上面は、Ｐ点で踵側のＲ点よりも隆起すると共に、Ｐ
点から爪先側のＱ点及び踵側のＲ点の双方に向かって滑
らかに下降し、人が履いたときに足底全体に均一にフィ
ットする形状になっている。また、爪先側のＱ点から爪
先側最先端のＳ点に向かって僅かに隆起し、足指の先に
もフィットする形状になっている。更に、踵側のＲ点か
ら踵側最後端のＴ点に向かって僅かに隆起し、踵の後に
もフィットする形状になっている。したがって、常に足
底の広い範囲で体重を支える状態になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、屋内で使用されるスリッパに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、屋内用スリッパの中板は、図３（ａ）に示すように、厚紙芯１０１の上に弾性のあるゴムヒール１０３を貼り重ね、更にその上から表面を布等で覆った表層板１０５を貼り重ねてあった。あるいは、図３（ｂ）に示すように、厚紙芯１１１の上にゴムヒール１１３を貼り重ね、その上にウレタンクッション１１５を貼り付け、それらの上から布地１１７を覆い被せてあった。これらのスリッパの中板は、いずれも主に高級感を出すことを目的として、踵の接する部分が最も高くなるように構成されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の屋内用スリッパでは、土踏まずが浮いた状態になって、爪先と踵とで体重を支えることになるため、長時間にわたって履いていると、爪先や踵の辺りが土踏まずの辺りよりも疲れやすかった。

【０００４】この点、土踏まずに当接する部分に突起を配置して、この突起に体重がかかることで土踏まずを刺激するようにした、いわゆる健康サンダルはあった。しかし、かかる健康サンダルは、上記屋内用スリッパとは全く逆に、土踏まずに体重が集中する構成となっているため、長時間にわたって履いていると土踏まずの辺りが疲れてくる場合があった。

【０００５】そこで本考案は、履き心地が良く、長時間にわたって履いても疲れにくい屋内用スリッパを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するため、本考案は、請求項１記載の通り、屋内で用いられるスリッパにおいて、中板の上面を、長手方向中央部付近で踵側よりも隆起させると共に該隆起部分から爪先側及び踵側の双方に向かって滑らかに下降させ、足底全体にフィットする形状にしたことを特徴とする。

【０００７】また、請求項２記載の通り、前記中板の上面を、爪先側の最先端よりもやや踵寄り側で最も下降させると共に該最下降部分から前記最先端に向かっては僅かに隆起させ、足指の先にもフィットする形状にしたことを特徴とする。

【０００８】更に、請求項３記載の通り、前記中板の上面を、踵側の最後端よりもやや爪先寄り側で最も下降させると共に該最下降部分から前記最後端に向かっては僅かに隆起させ、踵の後にもフィットする形状にしたことを特徴とする。

【０００９】

【作用及び効果】

本考案の請求項１記載のスリッパによれば、中板の上面が、人の足底全体にフィットする形状にされているので、スリッパにかかる体重が分散し、局部的に体重が集中することがない。したがって、長時間にわたって履いても足が疲れず、履き心地がよい。

【００１０】また、請求項２記載のスリッパによれば、中板の上面が、足指の先にもフィットする形状にされているので、特に下り坂の如き傾斜面に立ったような場合でも、体重が爪先側の隆起部分と中央部付近の隆起部分とに分散し、より足が疲れにくい。

【００１１】更に、請求項３記載のスリッパによれば、中板の上面が、踵の後ろにもフィットする形状にされているので、特に上り坂の如き傾斜面に立ったような場合でも、体重が踵側の隆起部分と中央部付近の隆起部分とに分散し、より足が疲れにくい。

【００１２】

【実施例】

次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。スリッパ１は、図１（ａ），同図（ｂ）に示すように、表面を布地で覆った表層板３ａをゴム製の基台３ｂの上面に貼り付けて構成した中板３と、中板３の下面に張り合わせられたクッション底５と、足に引っかける布製の甲７とを備えている。

【００１３】中板３の上面は、図示Ｐ点で踵側のＲ点よりも隆起すると共に、Ｐ点から爪先側のＱ点及び踵側のＲ点の双方に向かって滑らかに下降し、人が履いたときに足底全体に均一にフィットする形状になっている。ここで、Ｐ点の隆起量は、大きすぎると土踏まずにかかる体重が大きくなり過ぎ、小さすぎると爪先や踵にかかる体重が大きくなり過ぎる傾向が表れるので、その中間で最適に選ばれる。実施例のスリッパはサイズが２５．５ｃｍで、この場合は、Ｐ点として踵側最後端から９５ｍｍの位置においてＲ点よりも９ｍｍ隆起させると、スリッパ１に均一な荷重がかかるようになった。実施例以外のサイズのスリッパについては、隆起部分の位置及び隆起量について比率を変更せずに寸法だけを変更して、実施例とほぼ相似形のスリッパとすればよい。

【００１４】また、爪先側のＱ点から爪先側最先端のＳ点に向かって僅かに隆起し、足指の先にもフィットする形状になっている。更に、踵側のＲ点から踵側最後端のＴ点に向かって僅かに隆起し、踵の後にもフィットする形状になっている。

【００１５】なお、このスリッパ１は、左右同形状で左足用右足用の区別が無く、中板３の上面は、長手方向についてのみ湾曲し、幅方向については湾曲していない。このように構成したスリッパ１は、図２（ａ）に示すように、爪先から踵までの足底全面にわたってフィットして体重を分散させて受け止めるので、局部的に体重が集中することがない。

【００１６】また、図示Ｑ点からＳ点にかけて足指の先にもフィットするので、図２（ｂ）に示すように、下り坂のような傾斜面に立った場合には、土踏まず付近にだけではなく爪先付近にも体重がかかる。更に、図示Ｒ点からＴ点にかけて踵の後ろにもフィットするので、図２（ｃ）に示すように、上り坂のような傾斜面に立った場合には、土踏まず付近にだけではなく踵付近にも体重がかかる。

【００１７】したがって、このスリッパ１を履くと、常に足底の広い範囲で体重を支える状態になるため、長時間にわたって履いても足が疲れにくく、きわめて履き心地がよい。以上本考案の実施例を説明したが、本考案はこれに限定されず、本考案の要旨を逸脱しない範囲内の種々なる態様を採用することができる。

【００１８】例えば、実施例では、傾斜面をも想定して中板３が足指の先や踵の後にもフィットするように構成したが、屋内用のスリッパは、一般的には水平な床でしか使われないので、爪先側の最先端や踵側の最後端については隆起していなくても体重を分散させる効果は得られる。

【００１９】また、実施例では、布で覆った表層板３ａ及びゴム製の基台３ｂにて中板３を構成したが、表層板３ａについては、ビニール，い草，竹などを編んだもの等を使用しても良い。また、基台３ｂについてはコルクや木製等にしても良く、特に表層板３ａを設けずに、きれいな木目やコルクの肌触りを活かすように構成してもよい。

【００２０】更に、甲については、実施例のような帯状のもの以外に、爪先まで覆う袋状のものなどを用いることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例としてのスリッパを示し、（ａ）はそ
の平面図，（ｂ）はその側面図である。

【図２】実施例としてのスリッパにおける荷重のかか
り方を示す説明図である。

【図３】従来の屋内用スリッパの中板を示す側面断面
図である。

【符号の説明】

１・・・スリッパ、３・・・中板、５・・・クッション
底、７・・・甲。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】屋内で用いられるスリッパにおいて、中板の上面を、長手方向中央部付近で踵側よりも隆起さ
せると共に該隆起部分から爪先側及び踵側の双方に向か
って滑らかに下降させ、足底全体にフィットする形状に
したことを特徴とするスリッパ。
【請求項２】請求項１記載のスリッパにおいて、前記中板の上面を、爪先側の最先端よりもやや踵寄り側
で最も下降させると共に該最下降部分から前記最先端に
向かっては僅かに隆起させ、足指の先にもフィットする
形状にしたことを特徴とするスリッパ。
【請求項３】請求項１又は請求項２記載のスリッパに
おいて、前記中板の上面を、踵側の最後端よりもやや爪先寄り側
で最も下降させると共に該最下降部分から前記最後端に
向かっては僅かに隆起させ、踵の後にもフィットする形
状にしたことを特徴とするスリッパ。