JPH0642035Y2

JPH0642035Y2 - コーナー部のタイル施工構造

Info

Publication number: JPH0642035Y2
Application number: JP1988133894U
Authority: JP
Inventors: 健一山崎; 剛石崎; 安弘永田; 章男岩田
Original assignee: 株式会社イナックス
Priority date: 1988-10-13
Filing date: 1988-10-13
Publication date: 1994-11-02
Anticipated expiration: 2003-10-13
Also published as: JPH0253430U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案はコーナー部のタイル施工構造に係り、特にコー
ナータイルの保持強度及び保持耐久性に優れたコーナー
部のタイル施工構造に関する。

［従来の技術］従来より、板状タイルを取付金具により躯体壁面に施工
することが広く行なわれている。この場合、躯体のコー
ナー部では例えば第９図の如くしてコーナータイルが施
工されている。

第９図は従来構造を示す水平断面図であり、取付金具と
しての１次ファスナ１及び２次ファスナ２を介して板状
タイル３（3A,3B、以下タイルと略称することがあ
る。）が躯体４に取り付けられている。

符号５はアンカボルト、符号６はファスナ２とタイル３
（3A）とを連結するためのボルトを示し、5a,6aはナッ
トを示す。符号７はファスナ1,2同志を連結するボルト
を示す。なお、ファスナ1,2にはルーズホール8,9が穿設
され、面出入り及び左右調整できるようにタイル3A,3B
が躯体４に取り付けられている。

板状タイル3A,3Bのうち、図に示した躯体４のコーナー1
0に臨むタイル3Aにコーナータイル11が固着されてい
る。タイル3A及びコーナータイル11は、コーナー側の縦
辺が斜めにカットされて斜面3a,11aとなっており、これ
ら斜面3a,11a同志がエポキシ等の接着剤で接着されてい
る。

また、タイル3Aとコーナータイル11との交叉部の背面に
は、角形断面形状の裏当材12が同様にエポキシ等の接着
剤により接着されている。符号13はコーキング材、14は
バックアップ材を示す。バックアップ材14は弾性材より
なるものであり、コーキング材13を目地に注入する際
に、該コーキング材13が裏側に抜け出ることを防止して
いる。

［考案が解決しようとする課題］上記従来の施工構造においては、コーナータイル11がタ
イル3Aにエポキシ等の接着剤により結合されているの
で、たとえ裏当材12を設けてあっても結合強度が不足し
たり、接着剤の劣化により結合の耐久性が不足するおそ
れがあった。

また、建築躯体の収縮や地震等の影響に起因して該建築
躯体が変形する際には、該建築躯体の歪みは該建築躯体
内の隅部に集中しやすい。

従って、該建築躯体の表面に施工されるタイル面におい
ても、前記建築躯体の歪みはコーナータイル11の施工部
に集中しやすいので、該コーナータイル11の施工部の破
損及びタイルの落下の恐れがあった。

［課題を解決するための手段］本考案のコーナー部のタイル施工構造は、取付金具によ
り板状タイルを躯体壁面に取り付けたタイル施工構造の
改良に関する。

本考案のコーナー部のタイル施工構造は、第１の躯体壁
面と第２の躯体壁面とがコーナー部において交わってお
り、第１の躯体壁面に第１の板状タイルが取付金具によ
り取り付けられ、第２の躯体壁面に第２の板状タイルが
取付金具により取り付けられたタイル施工構造であっ
て、該コーナー部に配設されるコーナータイルを前記板
状タイルに連結金具を介して連結したコーナー部のタイ
ル施工構造において、該コーナータイルは前記第１及び
第２の板状タイルのうち一方にのみ連結されており、前
記連結金具は前記コーナータイル及び該一方の板状タイ
ルの裏面に取り付けられている。

本考案の施工構造においては、前記板状タイル及びコー
ナータイルの背面にボルト後端部のに差込穴が凹設さ
れ、前記取付金具及び連結金具はそれぞれ該差込穴に装
着されたボルトにより該板状タイルに結合されている。
また、該板状タイル及びコーナータイルの端面から穿設
されたピン穴にピンが差し込まれ、該ピンの先端は前記
ボルトの後端に穿設されたピン挿通孔に挿通されてい
る。

［作用］本考案のコーナー部のタイル施工構造においては、コー
ナータイルが、該コーナー部で交わる第１及び第２の板
状タイルのうち一方にのみ連結金具によって連結され
て、他方の板状タイルには非連結状態とされている。

すなわち、該コーナータイルは前記一方の板状タイルに
対して強固に連結されており、かつ他方の板状タイルに
は拘束されておらず自由となっている。

従って、建築躯体が変形する際に、前記コーナータイル
施工部に歪みが集中しても、該コーナータイルは一方の
板状タイルに強固に連結されたまま、他方の板状タイル
に対しては自由に移動して前記歪みを逃がすので、該コ
ーナータイルの連結部がひずんだり、コーナータイル自
体が破損したり落下したりする恐れがなくなる。

また、前記連結金具はコーナータイル及び板状タイルの
裏面側に取り付けられているので、施工後の見栄えも良
い。

本考案の施工構造においては、ボルトがタイルにしっか
りと連結されているので、取付金具及び連結金具とタイ
ル及びコーナータイルとの結合も極めて高強度でかつ耐
久性も高い。また、ボルトの後端部はタイルやコーナー
タイルの表面に露出せず、見栄えが良いと共にボルトの
腐食も防止される。

［実施例］以下実施例について説明する。

第１図は実施例構造を示す平面図、第２図はタイル３
（3A,3B）と躯体４との結合構造を示す縦断面図、第４
図は２次ファスナ２の斜視図、第５図は下部ファスナ25
の斜視図である。

第１図に示す通り、板状タイル３（3A）とコーナータイ
ル11とはＬ字形の連結金具15を介して連結されている。
この連結金具15はボルト16,17及びこれらボルト16,17に
螺着されたナット16a,17aによりタイル3A及びコーナー
タイル11に連結されている。

なお、タイル3Aとコーナータイル11の斜面3a,11aはエポ
キシ等の接着剤により接着されている。

また、コーナータイル11の他方の端面11bは、バックア
ップ材14を介して板状タイル３（3A）の端面3bに接して
いる。このバックアップ材14は、コーキング材13の充填
時の背後への抜けを防止するためのものである。

本実施例では第３図に示す如く、タイル3Aにはボルト6,
16の後端部の差込穴18が背面から所定深さまで穿設さ
れ、該差込穴18にボルト6,16の後端部が挿入されてい
る。

また、タイル3Aの端面からはこの差込穴18に向ってピン
穴19が穿設され、このピン穴19は差込穴18に到達した
後、さらに長く延設されている。符号19aはピン穴先端
部を示す。ピン穴19にはピン20が挿入されている。

前記ボルト6,16の後端部にはピン挿通孔21,22が直径方
向に貫通されており、ピン20はこのピン挿通孔21,22に
挿通され、ピン20の先端はピン穴先端部19aに差し込ま
れている。なお、差込穴18やピン穴19とボルト6,16、ピ
ン20との間には接着剤が介在されている。

このようにボルト6,16がピン20により係止されているの
で、ボルト6,16とタイル3Aとの結合強度は極めて高く、
かつこの結合の耐久性にも優れる。

第３図の如き斜視図による図示はしないが、コーナータ
イル11にも同様の差込穴23、ピン穴24が設けられ、ピン
20がボルト17に貫設されたピン挿通孔に挿通されてい
る。このため、ボルト17もコーナータイル11に強固に結
合され、かつこの結合の耐久性も優れている。

そして、このようなボルト16,17及び連結金具15を介し
てタイル3Aとコーナータイル11とが連結されているの
で、タイル3Aとコーナータイル11との結合強度が高く、
この結合の耐久性も極めて優れたものとなっている。

ことに、差込穴18,23はタイル3A、コーナータイル11の
背面からタイル3Aやコーナータイル11の厚み方向の途中
まで穿設され、タイル3A、コーナータイル11の表面まで
は貫通していない。

そのため、ボルト6,16,17がタイル3A、コーナータイル1
1の表面側に露出せず、外観上の見栄えが良好であると
共に、タイル3A、コーナータイル11の表面側に水がかか
ってもボルト6,16,17が濡れることがなく、ボルト腐食
も防止される。

また、建築躯体が変形してコーナータイル11施工部に歪
みが集中しても、該コーナータイル11は上記の通り板状
タイル3Aにのみ強固に連結されており、バックアップ材
14及びコーキング材13はこのコーナータイル11と板状タ
イル3Bとを拘束しない。

従って、該コーナータイル11は板状タイル3Bから自由に
動くことができ、コーナータイル11に歪み（変形加重）
が集中することがない。

なお、第４図に示す通り、２次ファスナ２は水平部2a
と、舌片状に起立された１対の立上部2b,2cとこれら立
上部2b,2c間において下方に折曲された立下部2dとを有
し、水平部2aにはルーズホール９が形成され、立下部2d
にはボルト６の挿通用の開口2eが形成されている。

第２図において、タイル３の背面の上辺部分に前記ボル
ト穴18が穿設されてボルト６が取り付けられている。２
次ファスナ２の開口2eに該ボルト６が挿通され、ナッッ
ト6aが締め込まれることにより２次ファスナ２とタイル
３の上辺とが連結される。そして、２次ファスナ２と１
次ファスナ１とはルーズホール8,9に挿通されたボルト
７にナット7aが締め込まれることにより連結される。

一方、タイル３の下辺部分にもボルト穴18が穿設され、
ボルト６が取り付けられている。そして第５図に示す側
面視形状がクランク形の下部ファスナ25のボルト孔25a
に該ボルト６が挿通され、ナット6aを締め込むことによ
り下部ファスナ25がタイル３の下辺部分に固着される。

そして、該下部ファスナ25の下半部分とタイル３の下端
背面との間に形成される間隙に前記２次ファスナ２の立
上部2b,2cが差し込まれる。第1,2図のその他の符号は第
９図と同一部材を示している。

このように、タイル３も該タイル３にピン止めされたボ
ルト６及びファスナ2,3,25を介して躯体４に連結される
ので、このタイル３の取付強度及びその耐久性も極めて
高い。

第６〜８図はそれぞれ本考案の別の実施例を示す水平断
面図である。第６図の実施例では役物タイルよりなるコ
ーナータイル26が平板状の連結金具27を介してタイル３
（3A）に連結されている。符号28はこの連結金具27をコ
ーナータイル26に止め付けているボルトを示す。

第７図の実施例では躯体４の直交面4a,4bの双方のタイ
ル３（3A）にコーナータイル11が連結金具15により連結
され、コーナータイル11同志の間にバックアップ材14を
介してコーキング材13が充填されている。

第８図の実施例では躯体面4a側のタイル３（3A）には連
結金具15を介してコーナータイル11が連結され、躯体面
4b側のタイル３（3B）には連結金具29を介してコーナー
タイル11が連結されている。この連結金具29は平面視形
状がクランク状のものであり、コーナータイル11の自由
辺側には役物タイルよりなるコーナータイル30がボルト
31、ナット31aにより連結されている。

なお、第6,8図においてコーナータイル26,30にもタイル
３の差込穴18及びピン穴19と同様の差込穴及びピン穴が
穿設され、ピン20によりピン挿通孔付きのボルト28,31
が止着されている。

第６〜８図のその他の構成は前記第１図と同様であり、
同一符号は同一部材を示している。第６〜８図の実施例
においても、タイル３は躯体４に強固に取り付けられ、
コーナータイル11,26,30とタイル３（3A）との連結強度
及び取り付けの耐久性も高い。

また、コーナータイル11,26,30と、板状タイル３（3B）
とは非拘束となっているから、建築躯体が変形してもコ
ーナータイル11,26,30は板状タイル3Bから自由に動くこ
とができる。加えて、外観上の見栄えも良く、ボルト腐
食も防止される。

更に、コーナータイル11は、取り付け金具を用いて板状
タイルに予め一体にしておいて、それから、躯体に取付
施工できるので、施工が迅速にかつ容易に行なえる。

なお、上記実施例は本考案の一例であり、本考案では取
付金具や連結金具を図示以外のものを採用しても良い。
またコーナータイルの形状も図示以外としても良い。

壁面の窓周りなどの仕上げを行なう場合、第10図に示す
如く、大型の平板状タイル50に小型のタイル51を連結金
具52にて連結して施工することができる。この金具52は
ボルト及びナットによりタイル50、51に連結されてい
る。このボルトは第３図と同様にしてタイル50、51に固
着されている。

本考案において、連結金具や取付金具等は耐食性に優れ
たステンレス製とするのが好適である。

また、本考案においてタイルとしては各種の陶磁器質の
外装材が好適であるが、内装材であっても良く、また陶
磁器質以外の外装又は内装用建材にも適用できる。

［考案の効果］以上の通り、本考案のコーナー部のタイル施工構造によ
ればコーナータイルの取付強度が高く、耐久性にも優れ
る。

また、このタイルの施工構造にあっては、コーナータイ
ルと一方の板状タイルのみが堅固に連結され、該コーナ
ータイルと他方の板状タイルとは非拘束となっているか
ら、建築躯体が変形してコーナータイル施工部に歪みが
集中しても、該歪みはコーナータイルと該他方の板状タ
イルとの間で逃がされるので、該コーナータイルの連結
部が歪んだり、コーナータイル自体が破損したり落下し
たりする恐れがなくなる。

本考案のコーナー部のタイル施工構造においては、取付
金具及び連結金具とタイル、コーナータイルとの結合強
度が極めて高く、耐久性も著しく高い。また、外観上の
見栄えが良いと共にボルトの腐食も防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例構造を示す水平断面図、第２図は縦断面
図である。第３図はタイル３の要部斜視図、第４図は２
次ファスナの斜視図、第５図は下部ファスナの斜視図で
ある。第６図，第７図及び第８図は別の実施例を示す水
平断面図、第９図は従来例を示す水平断面図である。第
10図はタイル連結例を示す平面図である。１……１次ファスナ、２……２次ファスナ、３……タイル、４……躯体、 11……コーナータイル、 15,27,29……連結金具、 30……コーナータイル。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者岩田章男三重県上野市三田1030番地株式会社イナックス上野タイル工場内 (56)参考文献実開昭61−41705（ＪＰ，Ｕ) 特公昭55−49658（ＪＰ，Ｂ２)

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】第１の躯体壁面と第２の躯体壁面とがコー
ナー部において交わっており、第１の躯体壁面に第１の
板状タイルが取付金具により取り付けられ、第２の躯体
壁面に第２の板状タイルが取付金具により取り付けられ
たタイル施工構造であって、該コーナー部に配設される
コーナータイルを前記板状タイルに連結金具を介して連
結したコーナー部のタイル施工構造において、該コーナータイルは前記第１及び第２の板状タイルのう
ち一方にのみ連結されており、前記連結金具は前記コー
ナータイル及び該一方の板状タイルの裏面に取り付けら
れており、前記板状タイル及びコーナータイルの背面にはボルト後
端部の差込穴が凹設され、前記取付金具及び連結金具は
それぞれ該差込穴に装着されたボルトにより該板状タイ
ルに結合されると共に、該板状タイル及びコーナータイ
ルの端面から穿設されたピン穴にピンが差し込まれ、該
ピンの先端は前記ボルトの後端に穿設されたピン挿通孔
に挿通されていることを特徴とするコーナー部のタイル
施工構造。