JP3088215B2 - ユニット建物における室内手摺り用親柱の固定構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はユニット建物における室
内手摺り用の親柱を構造体に強固に固定する構造に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、室内手摺り用の親柱は、構造体に
対して一方向のみからボルト等により締め付け固定され
ている（例えば実開昭５５−６７０６５号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の親柱の固定
構造においては、一方向のみからの固定であるため、固
定方向にたいしては所要の強度を確保することができる
が、その固定軸にたいして直交方向からの外力にたいし
ては十分な強度を有しない難点がある。

【０００４】従って、本発明は、親柱を構造体に対して
直交する二軸方向から固定し、外力にたいして十分な強
度を確保することができる簡易な構造を提供することを
課題としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するため、構造体の側面に受け金具を固定
し、親柱本体の下端に固定金具を固着し、受け金具と固
定金具とに、複数のボルトを直交方向に挿通して結合す
る構造を採用し、受け金具は、構造体の側面とほぼ平行
に配置される取付け板部と、この取付け板部の縦方向の
一辺側からほぼ直角に起立した起立板部とを具備させ、
取付け板部には、構造体へ固定するための固定部とボル
トの挿通孔とを設け、起立板部には、ボルトの挿通孔を
設け、固定金具は、受け金具の取付け板部に接合可能な
第１の接合板部と、この接合板部の縦方向の一辺からほ
ぼ直角に起立し、受け金具の起立板部に接合可能な第２
の接合板部とを具備させ、第１及び第２の接合板部に
は、夫々受け金具の取付け板部又は起立板部のボルト挿
通孔に対応するボルト挿通孔を設け、かつ上部において
親柱本体に固着し、下部を親柱本体の下端から垂直に延
出させ、第１の接合板部及び第２の接合板部に跨がるリ
ブ板を設け、固定金具を受け金具に接合して各ボルト挿
通孔にボルトを直交方向に挿通して締め付け固定する構
造とした。

【０００６】

【作用】本発明においては、親柱本体の下端に固定金具
を固着しておく。固定金具は上部を親柱本体内に埋め込
み固着等の方法で固着し、下部を親柱本体の下端から垂
直に延出させておく。そして、鋼製の横梁等の構造体の
側面に、受け金具の固定部を溶着等の手段で固定し、こ
れに親柱本体の下端から延出した固定金具の下部を接続
する。両者の接続に当たっては、固定金具の第１の接合
板部を受け金具の取付け板部に、また第１の接合板部を
起立板部に夫々突き合わせ、各ボルト挿通孔を合致さ
せ、これにボルトを挿通し、ナット等により締め付け
る。ボルトは互いに直交方向に螺合され、従って、親柱
本体は直交する二軸方向に構造物に強固に固定されるこ
とになる。

【０００７】第１の接合板部及び第２の接合板部に跨が
るリブ板が設けられているので、第１の接合板部及び第
２の接合板部の剛性が増加し、固有の振動が抑えられ、
親柱に振動が伝達されない。又、このリブ板は施工時に
おいて、ボルト・ナットや工具等の置場として利用でき
る。

【０００８】

【実施例】図面を参照して本発明の一実施例を説明す
る。図１は本発明に係る室内手摺り用親柱の固定構造の
分解斜視図である。

【０００９】図において、１は室内手摺りの親柱本体、
２は構造体を構成する鋼製の横梁である。

【００１０】親柱本体１の下端部には、固定金具３が固
着されている。横梁２の側面には、受け金具４が固着さ
れる。しかして、親柱本体１は、固定金具３、受け金具
４を介して、横梁２に固定される。

【００１１】受け金具４は、横梁２の側面と平行に配置
される取付け板部５と、この取付け板部５の縦方向の一
辺側から直角に起立した起立板部６とを具備しており、
両者の下端は水平板部７により連続している。取付け板
部５には、上下２つのボルトの挿通孔８が形成され、ま
た裏面側には、横梁２へ固定するための固定部９が設け
られている。固定部９は、取付け板部５の上下両縁から
後方へ直角に起立し、先端部には下方又は上方へ直角に
屈折して延びる接合片１０を備えている。受け金具４
は、この接合片１０を横梁２の側面へ溶着することによ
り固着されている。取付け板部５と直交する起立板部６
には、ボルトの挿通孔１１が形成されている。

【００１２】一方、固定金具３は、上部を親柱本体１内
に埋め込んで固着され、下部が親柱本体１の下端から垂
直に延出している。固定金具３は、受け金具４の取付け
板部５に接合可能な第１の接合板部１２と、この接合板
部１２の縦方向の一辺から直角に起立した第２の接合板
部１３とを具備している。第２の接合板部１３は、受け
金具４の起立板部６に接合可能である。両接合板部１
２，１３の下端間は、水平板部１４により結合され、補
強されている。第１及び第２の接合板部１２，１３に
は、夫々受け金具４の取付け板部５又は起立板部６のボ
ルト挿通孔８，１１に対応するボルト挿通孔１５，１６
が形成されている。第１の接合板部１２と第２の接合板
部１３とに跨がってリブ板２１、２１が溶接により設け
られている。

【００１３】しかして、固定金具３の第１の接合板部１
２を受け金具４の取付け板部５に、また第２の接合板部
１３を起立板部６に夫々突き合わせ、各ボルト挿通孔
８，１１，１５，１６を合致させ、これにボルト１７，
１８を挿通し、ナット１９，２０で締め付ける。ボルト
１７，１８は互いに直交方向に螺合され、従って、親柱
本体１は直交する二軸方向に横梁２に強固に固定される
ことになる。

【００１４】なお、当然のことではあるが、本発明は上
記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸
脱しない範囲でなされる各種の設計変更等も本発明の範
囲に含まれる。例えば、固定金具３は、溶着意外にボル
ト止め等の他の固定手段を用いて、構造体である横梁２
に固定することができる。

【００１５】

【発明の効果】以上のように、本発明においては、構造
体の側面に受け金具を固定し、親柱本体の下端に固定金
具を固着し、受け金具と固定金具とに、複数のボルトを
直交方向に挿通して結合する構造を採用し、受け金具
は、構造体の側面とほぼ平行に配置される取付け板部
と、この取付け板部の縦方向の一辺側からほぼ直角に起
立した起立板部とを具備させ、取付け板部には、構造体
へ固定するための固定部とボルトの挿通孔とを設け、起
立板部には、ボルトの挿通孔を設け、固定金具は、受け
金具の取付け板部に接合可能な第１の接合板部と、この
接合板部の縦方向の一辺からほぼ直角に起立し、受け金
具の起立板部に接合可能な第２の接合板部とを具備さ
せ、第１及び第２の接合板部には、夫々受け金具の取付
け板部又は起立板部のボルト挿通孔に対応するボルト挿
通孔を設け、かつ上部において親柱本体に固着し、下部
を親柱本体の下端からほぼ垂直に延出させ、固定金具を
受け金具に接合して各ボルト挿通孔にボルトを直交方向
に挿通して締め付け固定する構造としたため、親柱を構
造体に対してほぼ直交する二軸方向から固定し、外力に
たいして十分な強度を確保することができるという効果
を有する。

【００１６】第１の接合板部及び第２の接合板部に跨が
るリブ板が設けられているので、第１の接合板部及び第
２の接合板部の剛性が増加し、固有の振動が抑えられ、
親柱に振動が伝達されない。又、このリブ板は施工時に
おいて、ボルト・ナットや工具等の置場として利用でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る室内手摺り用親柱の固定構造の分
解斜視図である。

【符号の説明】

１ 親柱本体 ２ 横梁（構造体） ３ 固定金具 ４ 受け金具 ５ 取付け板部 ６ 起立板部 ８ ボルトの挿通孔 ９ 固定部 １１ ボルトの挿通孔 １２ 第１の接合板部 １３ 第２の接合板部 １５ ボルト挿通孔 １６ ボルト挿通孔 ２１ リブ板

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 構造体の側面に固定される受け金具と、
   親柱本体の下端に固着される固定金具と、受け金具と固
   定金具とを結合するための複数のボルトとを具備し、 前記受け金具は、前記構造体の側面とほぼ平行に配置さ
   れた取付け板部と、この取付け板部の縦方向の一辺側か
   らほぼ直角に起立した起立板部とを有し、取付け板部
   は、前記構造体へ固定するための固定部と前記ボルトの
   挿通孔とを有し、かつ起立板部は、前記ボルトの挿通孔
   を有し、 前記固定金具は、前記受け金具の取付け板部に接合可能
   な第１の接合板部と、この接合板部の縦方向の一辺から
   ほぼ直角に起立し、前記受け金具の起立板部に接合可能
   な第２の接合板部とを有し、第１及び第２の接合板部
   は、夫々受け金具の取付け板部又は起立板部のボルト挿
   通孔に対応するボルト挿通孔を有し、かつ上部において
   前記親柱本体に固着され、下部が親柱本体の下端からほ
   ぼ垂直に延出しており、第１の接合板部及び第２の接合
   板部に跨がるリブ板が設けられ、 前記固定金具を受け金具に接合して各ボルト挿通孔にボ
   ルトを挿通して締め付け固定することを特徴とするユニ
   ット建物における室内手摺り用親柱の固定構造。