JPH0641578B2 - 親水性粘着剤組成物 - Google Patents

親水性粘着剤組成物

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JPH0641578B2
JPH0641578B2 JP62102292A JP10229287A JPH0641578B2 JP H0641578 B2 JPH0641578 B2 JP H0641578B2 JP 62102292 A JP62102292 A JP 62102292A JP 10229287 A JP10229287 A JP 10229287A JP H0641578 B2 JPH0641578 B2 JP H0641578B2
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高司 岸
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,例えば口腔粘膜に用いられる粘着剤組成物,
特に耐水粘着性を有しかつ柔軟性の良好な親水性粘着剤
組成物に関する。
(従来の技術) 人体に適用される貼付剤には,発汗や濡れに対して耐性
を有するべく,親水性粘着剤組成物が使用される。特
に,口腔内粘膜の傷部や疾患(口内炎,口唇炎,舌炎,
智歯周囲炎,歯槽膿漏,歯肉炎など)部分に貼付してそ
の箇所を保護し治療するための製剤;および口腔内粘膜
を通して薬物を吸収させ全身的治療効果を得るための製
剤には,親水性粘着剤組成物が用いられる。
親水性粘着剤組成物には,例えば,ヒドロキシプロピル
セルロースとアクリル酸(共)重合体またはその塩とを
含有する組成物(特公昭58-7605号公報に開示)があ
る。口腔内粘膜に用いられる親水性粘着剤組成物とし
て,例えば,特開昭59-196814号公報には,ニフェジピ
ンを薬物として含有する粘着剤層が支持体上に形成され
たシート状ニフェジピン製剤が開示されている。この薬
剤に用いられる粘着剤は,ゼラチンまたは寒天;グルテ
ン;カルボキシビニルポリマー;多価アルコール;およ
び酢酸ビニル樹脂またはガム類を含む。特開昭59-23255
3号公報には,ポリエステルなどのプラスチックフィル
ム表面に粘着剤層が形成された粘膜用包帯が開示されて
いる。この粘着剤としては,アクリル酸(共)重合体も
しくはその水溶性塩;カルボキシメチルセルロースナト
リウム,アルギン酸ナトリウムおよびヒドロキシエチル
セルロースのうちの少なくとも一種;そしてグリセリン
および/またはプロピレングリコールを主成分とする。
特開昭60-215622号公報には薬物を含む口腔粘膜用徐放
性製剤が開示されている。その基剤(粘着剤)としては
ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコール,ポリエ
チレングリコール,アルギン酸またはその塩,および無
水マレイン酸とメチルビニルエーテルとの交互共重合体
でなる群から選択される少なくとも一種のポリマーと,
アクリル酸(共)重合体またはその塩との混合物が開示
されている。
しかし,これらの組成物は,水を含まない状態では硬質
かつ非粘着性であり,水を含有してはじめて柔軟性・粘
着性を呈する。それゆえ,組成物を含む貼付剤のサイズ
を大きくすると,硬質ゆえに貼付が困難となる。柔軟性
を付与するべく、貼付剤の厚さを薄くしても、柔軟性は
それほど改善されない。かえって貼付剤の強度が低下す
る。しかも,この組成物は,耐水侵食性に欠けるため,
水に溶解しやすいか水により崩壊しやすく,口腔内に長
時間保持し得ない。例えば,特開昭58-109059号公報に
開示の組成物や特開昭60-215622号公報に開示の組成物
は,水を含んで容易に消失するため,口腔内に長時間
(例えば1時間以上)保持することが困難である。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,その
目的とするところは,水に濡れても粘着性・接着性を失
わず且つ長時間接着状態を保つことが出来る親水性粘着
剤組成物を提供することにある。本発明の他の目的は,
柔軟性のある親水性粘着剤組成物を提供することにあ
る。本発明のさらに他の目的は,吸水性を有する親水性
粘着剤組成物を提供することにある。本発明のさらに他
の目的は,乾燥時にも粘着性を有する親水性粘着剤組成
物を提供することにある。本発明のさらに他の目的は,
人体に毒性や刺激性を有しない親水性粘着剤組成物を提
供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は,セルロースエーテルおよび/またはセルロー
スエステルに軟化剤を加えて可塑化し粘着性とすれば,
耐水粘着性および柔軟性を有する粘着性組成物が得られ
る;この組成物の相に,吸水性高分子を分散させること
により,吸水性のある親水性粘着剤組成物が調製され得
る,との発明者の知見にもとづいて完成された。
本発明の親水性粘着剤組成物は,セルロースエーテルお
よび/またはセルロースエステル,および該セルロース
エーテルおよび/またはセルロースエステルに柔軟性・
粘着性を付与する軟化剤を含有する相に,吸水性高分子
を分散させてなり,そのことにより上記目的が達成され
る。
セルロースエーテルには,例えば,エチルセルロース,
プロピルセルロース,ブチルセルロースがあり,特にエ
チルセルロースが好適である。セルロースエステルとし
ては,酢酸セルロース,プロピオン酸セルロース,酪酸
セルロース,吉草酸セルロース,カプロン酸セルロー
ス,ラウリン酸セルロース,これらのセルロースエステ
ルを構成する脂肪酸とセルロースとの混合エステル,硝
酸セルロースなどが挙げられる。特に,酢酸セルロー
ス,酢酸酪酸セルロースが好ましい。
前記軟化剤は,フタル酸ジアルキルエステル,クエン酸
トリアルキルエステルおよびグリセリントリアセテート
のうち少なくとも一種である。フタル酸ジアルキルエス
テル,例えば,ジメチルフタレート,ジエチルフタレー
ト,ジブチルフタレート,ジオクチルフタレート,ジメ
トキシエチルフタレート,ジエトキシエチルフタレート
がある。クエン酸トリアルキルエステルとしては,クエ
ン酸トリエチルなどが挙げられる。
吸水性高分子としては,グアーガム,ローカストビーン
ガム,カラヤガム,アラビヤガム、ペクチンなどの天然
多糖類が挙げられる。これ以外に使用可能な吸水性高分
子には,例えば,コンニャクマンナン,トラガントガ
ム,アラビノガラクタンガム,クインスシードガム,ザ
ンサンガム,ゼラチン,ヘペリン,デキストラン,可溶
性デンプン,シクロデキストリン,キトサン,プルラ
ン,アルギン酸ソーダ,メチルセルロース,ヒドロキシ
メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒド
ロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロー
スナトリウム,カルボキシメチル化デンプン,ポリビニ
ルアルコール,ポリビニルピロリドン,ビニルピロリド
ン共重合体,ポリビニルメチルエーテル,ビニルメチル
エーテル−マレイン酸ナトリウム共重合体,ポリ2−ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート,2−ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート共重合体,ポリエチレ
ングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリ(エチ
レン−プロピレン)グリコール,中和ポリエチレンイミ
ン,ポリアクリル酸,ポリアクリル酸ナトリウム,ジア
セトンアクリルアミド共重合体(ジアセトンアクリルア
ミドを30%以上含有する),ポリアミノ酸がある。これ
らの吸水性高分子は,水不溶化処理が施されていてもよ
い。
セルロースエーテルおよび/またはセルロースエステル
と軟化剤との重量比は50:50から15:85,好ましくは4
0:60から30:70の範囲であり,かつ両者の合計量を100
重量部としたときに,吸水性高分子が30〜200重量部,
好ましくは50〜130重量部の割合で分散される。セルロ
ースエーテルおよび/またはセルロースエステルの量が
上記範囲よりも過大であると,得られた親水性粘着剤組
成物の耐水粘着性が低下し,かつ柔軟性も損なわれる。
逆に軟化剤が過剰であり,セルロースエーテルおよび/
またはセルロースエステルが過少であると,粘着性組成
物の乾燥時での粘着性が得られない。吸水性高分子の量
は,これらセルロースエーテルおよび/またはセルロー
スエステルと軟化剤との合計量を基準として決定され
る。この吸水性高分子の量が過少であると,親水性粘着
剤組成物の吸水性が得られない。過剰であると,吸水性
は得られるものの耐水性および柔軟性が損なわれる。
セルロースエーテルおよび/またはセルロースエステル
と軟化剤の相溶した相に分散される吸水性高分子の粒径
は,通常,1〜100μmの範囲とされる。
本発明の粘着剤組成物には,上記セルロースエーテルお
よび/またはセルロースエステル,軟化剤および吸水性
高分子のほかに,必要に応じて添加剤が加えられる。添
加剤には,例えば,薬効成分,充填剤(有機充填剤また
は無機充填剤),口臭成分吸収剤,着色剤,香料,防腐
防カビ剤(p−オキシ安息香酸エチルまたはブチル,主
として吸水性高分子の防腐防カビ用である),軟化剤
(グリセリン,ジグリセリン,トリグリセリン,ソルビ
トール,マルチトールなど,主として吸水性高分子の軟
化に用いられる),界面活性剤(または離型剤),薬効
成分がある。これら添加剤は,得られる粘着剤組成物の
特性に影響を与えない範囲(約30%以下)内で加えられ
る。
本発明の親水性粘着剤組成物は,各成分をロールまたは
ニーダーミキサーに加えた後,必要に応じて加熱しつつ
混練・分散して調製される。好ましくは以下の方法で行
われる。セルロースエーテルおよび/またはセルロース
エステルを必要に応じて予備粉砕した後,これを練りロ
ールまたはニーダーミキサーに入れてセルロースエーテ
ルおよび/またはセルロースエステルの軟化温度まで加
熱する。次いで,セルロースエーテルおよび/またはセ
ルロースエステルを軟化させつつ軟化剤を滴下・吸収さ
せる。さらに必要に応じて添加剤を加えながら混練し,
吸水性高分子を加えて均一になるまで混練が続けられ
る。得られた混練物は,冷却後,シート状またはフィル
ム状に形成された後,適当な基材と積層され貼付剤とさ
れる。別法として,セルロースエーテルおよび/または
セルロースエステルと軟化剤とを適当な溶媒に溶解させ
て高濃度溶液とした後,これに吸水性高分子を加えて混
合・分散させてもよい。この場合,得られた混合液を基
材に塗工して,貼付剤が形成される。基材としては,ポ
リエーテル系ポリウレタンフィルム,無可塑軟質塩化ビ
ニル樹脂フィルム,発泡ポリエチレンシート,エチレン
−酢酸ビニル共重合体フィルムなどがある。貼付剤は,
基材を用いずシリコーン剥離紙で両面を保護しただけの
単層の粘着剤被膜であってもよい。
(作用) 本発明によれば,このように,耐水粘着性を有しかつ柔
軟性の良好な親水性粘着剤組成物が得られる。この粘着
剤組成物は,さらに吸水性も有する。この粘着剤組成物
では,セルロースエーテルおよび/またはセルロースエ
ステルおよび軟化剤が完全に相溶したマトリックスに,
吸水性高分子が微細な状態で分散している。このマトリ
ックスと吸水性高分子とが分散状態にあるという点に,
本発明の親水性粘着剤組成物の優れた特性が認められ
る。
セルロースエーテルおよび/またはセルロースエステル
および軟化剤は,耐水侵食性および柔軟性の発現に用い
られる。セルロースエーテルおよび/またはセルロース
エステルのみ,またはセルロースエーテルおよび/また
はセルロースエステルと吸水性高分子だけでは,粘着剤
組成物の柔軟性・弾性が損なわれるとともに,粘着性も
低下する。
吸水性高分子は,粘着剤組成物に吸水性を付与し耐水粘
着性を高める作用がある。吸水性高分子を加えないと,
粘着剤組成物の吸水性が失われる。そのために,かかる
粘着剤組成物を含有する貼付剤は,皮膚に貼付すると,
発汗や濡れなどにより,蒸れや剥がれを生じる。口腔に
貼付すると,唾液によって剥離しやすい。
セルロースエーテルおよび/またはセルロースエステ
ル,軟化剤および吸水性高分子を適当な割合で配合する
ことにより,3成分の相乗効果により,耐水侵食性・柔
軟性と吸水性の両方の性質がもたらされる。この機構の
詳細は不明であるが,おそらくセルロースエーテルおよ
び/またはセルロースエステルと軟化剤とにより得られ
た優れた耐水粘着性・柔軟性を阻害することなく,吸水
性高分子の添加により吸水性を付与し得るためと考えら
れる。これは,セルロースエーテルおよび/またはセル
ロースエステルと軟化剤との相溶したマトリックスに,
吸水性高分子が分散されているためと考えられる。セル
ロースエーテルおよび/またはセルロースエステルおよ
び軟化剤の割合が多くなると,粘着剤組成物の吸水性が
低下する。吸水性高分子の割合が多くなると,吸水性は
向上するものの耐水侵食性が得られない。柔軟性も低下
するため,口腔内粘膜などの部位には適用できない。
(実施例) 以下に本発明を実施例について述べる。
実施例1 (1)粘着剤組成物の調製 エチルセルロース(5%粘度は45cps−これはトルエン
/エタノール混合溶媒(60/40重量比)中での5重量%
濃度の粘度である;以下同じ)25重量部を粗粉砕した
後,加熱装置付ニーダーミキサーに投入した。このミキ
サーを約140℃に加熱して,エチルセルロースを軟化さ
せた。ミキサーの温度を徐々に低下させつつ,攪拌しな
がらクエン酸トリエチル75重量部を加えた。クエン酸ト
リエチルを約30分間かけて全量投入するとともに,ニー
ダーミキサーの温度を約70℃にした。次いで,このミキ
サーにグアーガム130重量部を,約30分間かけて少量ず
つ添加した。さらに,この温度にて約30分間混練した。
得られた親水性粘着剤組成物は,柔軟であるとともに弾
性回復性を有し,かつ約50%の伸長率を有していた。し
かも,常態で粘着性があり,ボールタック値(JIS-Z-02
37の転球法による)は,5〜7であった。この粘着剤組
成物を顕微鏡により観察したところ,10〜100μmの粒
径の分散粒子が認められた。
(2)貼付剤の作製 加熱装置を備えたプレス機に,上下2枚の平板状金型を
装着した。(金型の表面はあらかじめシリコーンにより
剥離性処理が施されていた。)この金型の下型上に,厚
さ80μmのポリエーテル系ポリウレタンフィルム(伸び
率500%以上)を置いた。このフィルム上に,(1)で得ら
れた粘着剤組成物を載せ,上型と合わせて,約90℃で10
分間にわたり押圧した。この成形操作により,ポリウレ
タンフィルムを基材とし,(1)の粘着剤組成物を粘着剤
層とする貼付剤が得られた。この粘着剤層の厚さは約14
0μmであった。
(3)貼付剤の評価 この貼付剤は,柔軟であるとともに伸縮性を有してい
る。貼付剤の粘着剤層は,吸水により粘着性が増すうえ
に剥離耐性を呈する。(2)で得られた貼付剤を1cm×1c
mの大きさに切断した後,頬の粘膜に貼付した。貼付
後、剥脱または溶解消失までの時間を口腔粘膜保持時間
とした。その結果,口腔粘膜保持時間は3時間以上であ
った。
実施例2 (1)粘着剤組成物の調製 酢酸セルロース(酢化度55%)20重量部およびグリセリ
ントリアセテート40重量部を均一に混合した後,加熱装
置付ニーダーミキサーに投入した。このミキサーを約14
0℃に加熱して,混合物を軟化させた。ミキサーの温度
を徐々に低下させつつ,攪拌しながらグリセリントリア
セテート40重量部を20分間かけて加えた。次いで,この
ミキサーにグアーガム150重量部を,約30分間かけて少
量ずつ添加した。このときの温度は約100℃であった。
さらに,この温度にて約30分間混練した。
得られた親水性粘着剤組成物は,柔軟であるとともに約
40%の弾性回復性を有し,かつ約80%の伸長率を有して
いた。この組成物は,乾燥状態では粘着性が低いが,湿
潤した表面から水分を吸収することにより,粘着性が増
す。この粘着剤組成物を顕微鏡により観察したところ,
10〜100μmの粒径の分散粒子が認められた。
(2)貼付剤の作製および評価 (1)で得られた粘着剤組成物を用い,実施例1と同様の
方法により,貼付剤を作製した。ただし,押圧温度は約
100℃とした。得られた貼付剤の粘着剤層の厚さは,約1
50μmであった。この貼付剤を,実施例1と同様にして
頬の粘膜に貼付したところ,3時間以上の口腔粘膜保持
時間が得られた。
実施例3 (1)粘着剤組成物の調製 エチルセルロース(5%粘度は10cps) 30重量部 ジエチルフタレート 70重量部 ローカストビーンガム 100重量部 上記処方を用い,混練時の最高温度を約130℃としたこ
と以外は,実施例1と同様にして粘着剤組成物を調製し
た。得られた粘着剤組成物は,実施例1の組成物を上ま
わる柔軟性および粘着性を呈した。この組成物の伸長率
は約80%であった。この粘着剤組成物を顕微鏡により観
察したところ,10〜100μmの粒径の分散粒子が認めら
れた。
(2)貼付剤の作製および評価 (1)で得られた粘着剤組成物を用い,基材として,ポリ
エーテル系ポリウレタンフィルムに代えて,厚さ120μ
mの無可塑軟質塩化ビニル樹脂フィルム(エスメディカ
V,積水化学社製)を用いたこと以外は,実施例1と同
様の方法により,貼付剤を作製した。得られた貼付剤の
粘着剤層の厚さは約180μmであった。この貼付剤は,
口腔粘膜用貼付剤の他に,床ずれ防止用貼付剤や医療器
具(皮膚電極,心臓ペースメーカー,人工肛門など)の
固定用貼付剤として用いられる。
実施例4 (1)粘着剤組成物の調製 酢酸酪酸セルロース(酢酸化度25%,酪酸化 度25%) 23重量部 ジエチルフタレート 77重量部 ローカストビーンガム 120重量部 上記処方を用い,実施例1と同様の方法により粘着剤組
成物を調製した。混練温度は120℃に調整した。
得られた親水性粘着剤組成物は,実施例1と同様の柔軟
性があり,乾燥した皮膚にも貼付し得る粘着性を有して
いた。この粘着剤組成物を顕微鏡により観察したとこ
ろ,10〜100μmの粒径の分散粒子が認められた。
(2)貼付剤の作製および評価 (1)で得られた粘着剤組成物の溶液を用い,基材とし
て,ポリエーテル系ポリウレタンフィルムに代えて,厚
さ120μmの無可塑軟質塩化ビニル樹脂フィルム(エス
メディカV,積水化学社製)を用いたこと以外は,実施
例1と同様の方法により,貼付剤を作製した。得られた
貼付剤の粘着剤層の厚さは約180μmであった。この貼
付剤は,口腔粘膜用貼付剤の他に,床ずれ防止用貼付剤
や医療器具(皮膚電極,心臓ペースメーカー,人工肛門
など)の固定用貼付剤として用いられる。
実施例5 (1)粘着剤組成物の調製 エチルセルロース(5%粘度100cps) 15重量部 エチルセルロース(5%粘度4cps) 30重量部 グリセリントリアセテート 25重量部 ジオクチルフタレート 30重量部 上記処方を20重量%の濃度となるように,エチルアルコ
ールに溶解した。この溶液に,下記処方を加え,攪拌混
合機により,約40分間にわたって攪拌した。
カラヤガム 30重量部 レモンペクチン 20重量部 アラビアガム 30重量部 得られた粘着剤組成物の溶液は,乾燥状態では低粘着性
であるが,皮膚に付着すると粘着性を生じる。この粘着
剤組成物のボールタック値は,1〜2であった。この粘
着剤組成物の溶液を顕微鏡により観察したところ,10〜
100μmの粒径の分散粒子が認められた。この溶液は,
適当な基材に塗布することにより,貼付剤とされる。ま
た,この溶液を,シリコーン剥離紙上に塗布・乾燥すれ
ば,単層の粘着剤皮膜が得られる。
(2)貼付剤の作製 (1)で得られた粘着剤組成物の溶液を,シリコーン剥離
紙を介して伸縮性の布上に,乾燥後の厚さが約200μm
となるように,転写塗工法によって塗布・乾燥した。こ
の伸縮性の布は,横糸がスパンデックスコアヤーン,そ
して縦糸がスフ撚り糸からなる。塗布面に同じシリコー
ン剥離紙を重ねて,単層の粘着剤皮膜を得た。この粘着
剤皮膜は,医療器具(皮膚電極,心臓ペースメーカー,
人工肛門など)の固定用貼付剤として用いられる。
他方,(1)で得られた粘着剤組成物の溶液の固形分100重
量部に対し,薬効成分としてフルランドレノロン(副腎
皮質ホルモン)0.1重量部を加えて溶解した。この溶液
を,表面コロナ放電処理された発泡ポリエチレンシート
(厚さ1.0mm,発泡倍率30倍)に,シリコーン剥離紙を
介した転写塗工法により,乾燥後の厚さが約150μmと
なるように,塗布・乾燥した。この貼付剤は,適当な大
きさ(例えば,7cm×7cm)に裁断することにより,抗
炎症用の貼付剤として用いられる。
実施例6 (1)粘着剤組成物の調製 酢酸セルロース(酢化度55%) 10重量部 吉草酸セルロース(軟化点120℃) 30重量部 クエン酸トリエチル 60重量部 上記処方を20重量%の濃度となるように,アセトンに溶
解した。この溶液に下記処方を加え,攪拌混合機によ
り,約40分間にわたって攪拌した。
カラヤガム 30重量部 レモンペクチン 20重量部 アラビヤガム 20重量部 得られた粘着剤組成物の溶液の乾燥後の状態は,粘着性
および柔軟性に優れている。この粘着剤組成物の乾燥塗
膜のボールタック値は,6〜8であった。この粘着剤組
成物の溶液を顕微鏡により観察したところ,10〜100μ
mの粒径の分散粒子が認められた。この溶液は,適当な
基材に塗布することにより,貼付剤とされる。また,こ
の溶液を,シリコーン剥離紙上に塗布・乾燥すれば,単
層の粘着剤皮膜が得られる。
(2)貼付剤の作製 (1)で得られた粘着剤組成物の溶液を,表面コロナ放電
処理された発泡ポリエチレンシート(厚さ1.0mm,発泡
倍率30倍)の処理面に,シリコーン剥離紙を介した転写
塗工法により,乾燥後の厚さが約300μmとなるよう
に,塗布・乾燥した。この貼付剤は,適当な大きさに裁
断することにより,手術部位およびその周辺部の保護・
固定用貼付剤,床ずれ防止用貼付剤,医療器具(皮膚電
極,心臓ペースメーカー,人工肛門など)の固定用貼付
剤として用いられる。
他方,(1)で得られた粘着剤組成物の溶液の固形分100重
量部に対し,薬効成分としてジクロルフェナックナトリ
ウム0.5重量部を加えて溶解した。この溶液を,表面コ
ロナ放電処理されたエチレン−酢酸ビニル共重合体フィ
ルム(厚さ90μm,酢酸ビニルの含量は25重量%)の処
理面に,シリコーン剥離紙を介した転写塗工法により,
乾燥後の厚さが約150μmとなるように,塗布・乾燥し
た。この貼付剤は,抗炎症用の貼付剤として用いられ
る。
(発明の効果) 本発明の親水性粘着剤組成物は,このように,耐水粘着
性・柔軟性を有するうえに吸水性に優れている。この粘
着剤組成物は,水に濡れても粘着性・接着性を失わない
だけでなく,吸水・吸湿により,柔軟性や粘着性が促進
される。それゆえ,この組成物を用いて,例えば,口腔
粘膜用の貼付剤を作製し,これを患部に貼付しても,粘
膜によく馴染み,長期間にわたり剥脱しない。他の医療
用貼付剤としても,濡れた表面や高湿度の環境下でも容
易に粘着する。この組成物は乾燥時にも粘着性を有する
ため,貼付操作が簡単である。しかも,人体に毒性や刺
激性を有しないうえに,安価にて得られる。
このようなことから,本発明の親水性粘着剤組成物は,
口腔粘膜用貼付剤,経皮吸収用の貼付剤,床ずれ防止用
貼付剤(特に,長期療養者,産褥者,老人などの長時間
就床者のための貼付剤),医療器具(心電計,脳波計等
の皮膚電極;心臓ペースメーカー,人工肛門など)の固
定用貼付剤,怪我部位や手術部位の保護・固定用の貼付
剤などに好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61L 25/00 Z 7167−4C C08L 1/08 LAM 7415−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セルロースエーテルおよび/またはセルロ
    ースエステル、および該セルロースエーテルおよび/ま
    たはセルロースエステルに柔軟性・粘着性を付与する軟
    化剤を含有する相に、吸水性高分子を分散させた組成物
    であり、前記軟化剤が、フタル酸ジアルキルエステル、
    クエン酸トリアルキルエステルおよびグリセリントリア
    セテートのうちの少なくとも一種である親水性粘着剤組
    成物。
  2. 【請求項2】前記吸水性高分子が、グァーガム、ローカ
    ストビーンガム、カラヤガム、アラビヤゴムおよびペク
    チンのうち少なくとも一種である特許請求の範囲第1項
    に記載の親水性粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】前記セルロースエーテルおよび/またはセ
    ルロースエステルと前記軟化剤との重量比が50:50から
    15:85の範囲であり、かつ両者の合計量を100重量部と
    したときに、前記吸水性高分子が30〜200重量部の割合
    で分散される特許請求の範囲第1項に記載の親水性粘着
    剤組成物。
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