JPH0640835Y2 - 引戸の開放状態保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は引戸の開放状態保持装置に関するものである。

従来の技術 従来から建物に設けられる引戸を自動的に閉動させる引
戸クローザーが知られている。このように引戸を引戸ク
ローザーで閉じる方向に付勢した場合、開かれた引戸か
ら手を離すと引戸は引戸クローザーの付勢力で自動的に
閉じてしまう。そこで、引戸を開いた状態で保持するた
めに従来では引戸側にフックもしくはピンを設け、これ
を建物側に設けたピンもしくはフックと係合させて引戸
の開放状態を保持するように構成されている。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の構成では引戸の開放状態を一
定の大きさでしか保持することができないという問題が
あった。

本考案はこのような課題を解決するもので、任意の位置
で引戸を停止させ、引戸の開放状態の大きさを自由に得
られるようにすることを目的とするものである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本考案は、引戸クローザーに
より自動的に閉塞する方向に付勢されてなる引戸に、引
戸の移動方向に対して直交する前後方向に向く軸の周り
で回動するホルダーと、このホルダーの先端を前記軸か
ら離れる方向に付勢するばねと、前記ホルダーの先端に
前記軸と平行な軸芯周りで回動自在に軸支され建物側に
周面が当接するローラとからなる停止手段を設け、前記
ローラは周囲一箇所に偏平面を備えてなるものである。

作用 この構成により、引戸を開くときは前記ホルダーは傾い
た状態でローラーと一緒に引っ張られながら移動し、ロ
ーラと建物側との間に大きな摩擦力は作用せず、引戸を
ある任意の位置迄移動させて引戸から手を離すと引戸に
は引戸クローザーによって閉じる方向に力がかかるが、
その動作は前記ばねによって建物側に付勢されているロ
ーラと建物側との間の摩擦力によって止められ、引戸を
停止させることができる。

実施例 以下、本考案の一実施例について、図面に基づいて説明
する。

第１図〜第６図において、１は横方向にスライド自在に
設けられる引戸で、この引戸１の上端は建物側に設けた
レール２上に、ブラケット３に設けたローラ４を載せて
吊り下げられている。ブラケット３は引戸１の左右両端
近傍上端にそれぞれ取り付けられ、それぞれのブラケッ
ト３に水平軸芯の周りで回転可能に取り付けられたロー
ラ４を介して引戸１はレール２に吊り下げられ、この引
戸１の下端は床５上に鉛直軸芯の周りで回転可能なロー
ラ６を下端凹部1aで覆って案内支持されている。７は前
記ブラケット３の内、引戸１の閉動方向前端側に位置す
るブラケット３において、同じく引戸１の閉動方向前端
側で前後に向く水平な軸８の周りで回動自在に設けられ
た停止手段で、これは軸８に回動自在にのみ支持された
外筒９と、この外筒９に内嵌し長孔10を介して軸８に嵌
合して外筒９の長手方向に摺動自在な内筒11と、この内
筒11を外筒９の長手方向一端側より突出する方向に付勢
するばね12と、外筒９の長手方向一端側より突出する内
筒11の先端に前記軸８と平行な軸芯周りで回動自在に軸
支され前記レール２上に載るローラ13とから構成されて
いる。このローラ13は硬度80〜90でレール２に対して摩
擦力が大なるようにゴムを材料として作られており、周
囲一箇所にブレーキ面となる偏平面13aが形成されてい
る。

ところで、前記レール２は後端部、即ち引戸１の閉動方
向前端側の端部において切除されており、その位置では
前記ローラ13はレール２上に載らず外筒９、内筒11およ
びローラ13は真下に向くようになっている。なお、14は
引戸１を閉じる方向に付勢するばね（図示せず）を内蔵
する引戸クローザーで、引戸１の上方に水平に配設され
て、外筒14aは引戸１に前記左右のブラケット３を介し
て結合され、この外筒14aに対して摺動自在で外筒14aか
ら突出する内筒14bの一端は建物側にフック15を介して
結合されている。

上記構成において、引戸１が第１図および第３図に示す
状態から開かれると、前記停止手段７のローラ13はレー
ル２上に載って転がりながら引戸１とともに移動する。
このとき停止手段７の外筒９および内筒11は第４図に示
すように移動方向に対して反対側に傾き、開き方向には
停止手段７のブレーキ力が働かないようになっている。
そして引戸１をある必要な位置迄開いて止めておきたい
場合は、引戸１から手を離すと引戸１には引戸クローザ
ー14によって閉じる方向に力がかかるが、第４図に示す
状態の停止手段７によりブレーキ力が働き、引戸１の閉
動は止められ、開放状態を保持することができる。さら
に詳しくは第４図に示す状態で引戸１に引戸クローザー
14によって閉じる方向に力が加わっても、その動作は前
記ばね12によってレール２側に付勢されている前記ロー
ラ13の偏平面13aとレール２との摩擦力によって止めら
れ、引戸１を停止させることができる。

第４図に示す状態を開放保持状態とし、その状態から引
戸１を閉じる場合は、前記ローラ13とレール２との摩擦
力に抗して引戸１を手で閉じる方向に押すと第５図に示
すように引戸１を手で閉じる方向に押す力によってロー
ラ13は偏平面13aがレール２上に当接した状態で内筒11
がばね12の力に抗して上動し、さらには第６図に示すよ
うに停止手段７は第４図に示す状態とは反対側に傾き、
開放保持力が解除されて、その後引戸１は引戸クローザ
ー14の付勢力によって自動閉塞する。

ところで上記実施例では外筒９の内部に内筒11を設けて
ローラ13支持用のホルダーを構成しているが、ホルダー
はその他パンタグラフ式にしても良く、種々の変形例が
考えられる。また、停止手段７の位置は必ずしも引戸１
の上方に設けなくても良く、例えば引戸１の下端部に設
け、ローラを建物の床面と当接させて摩擦力を得るよう
にしても良い。

考案の効果 以上のように本考案によれば、任意の位置で引戸を停止
させ、引戸の開放状態の大きさを自由に得ることができ
る。また、開放保持状態の引戸を閉じるときは閉じ始め
の段階で引戸を手で押すことにより開放保持力は解除さ
れ、引戸を引戸クローザーの付勢力によって自動的に閉
塞することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は引戸の
上端部の正面図、第２図は引戸の側面図、第３図〜第６
図は引戸開放保持装置の動作説明図である。 １…引戸、２…レール、３…ブラケット、４…ローラ、
５…床、６…ローラ、７…停止手段、８…軸、９…外
筒、10…長孔、11…内筒、12…ばね、13…ローラ、13a
…偏平面、14…引戸クローザー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】引戸クローザーにより自動的に閉塞する方
   向に付勢されてなる引戸に、引戸の移動方向に対して直
   交する前後方向に向く軸の周りで回動するホルダーと、
   このホルダーの先端を前記軸から離れる方向に付勢する
   ばねと、前記ホルダーの先端に前記軸と平行な軸芯周り
   で回動自在に軸支され建物側に周面が当接するローラと
   からなる停止手段を設け、前記ローラは周囲一箇所に偏
   平面を備えてなる引戸の開放状態保持装置。