以下、図1〜図17を参照して、本発明に係る遮蔽装置の一実施形態について説明する。
図1(a)〜(c)に示すように、遮蔽装置としての間仕切り1は、引戸であって、パネル2a〜2cが天井面に設けられる上部レール3a〜3cに沿って支持されている。すなわち、パネル2aは、上部レール3aによって吊り下げ支持され、パネル2bは、上部レール3bに吊り下げ支持され、パネル2cは、上部レール3cに吊り下げ支持されている。上部レール3a〜3cは、互いに平行で、かつ、近接して天井面に設けられ、各上部レール3a〜3cに引き違い操作可能に吊り下げ支持されている。図1の例では、パネル2aが手前側でかつ全閉状態で最右に配置され、パネル2cが奥側でかつ全閉状態で最左に配置され、パネル2bは、パネル2aとパネル2cの間の真ん中に配置されている。
図1(a)〜(c)において、矢印D1方向はパネル2aを操作して間仕切り1を全開状態にする開方向であり、矢印D2方向はこれとは逆に全閉状態とする閉方向である。また、矢印D2方向はパネル2cを操作して間仕切り1を全開状態にする開方向であり、矢印D1方向はこれとは逆に全閉状態とする閉方向である。同図では、パネル2a〜2cの全閉状態を示している。
パネル2aには、パネル2bと対向するパネル面であって矢印D2方向における縦框12bの上端部または下端部に、ドアストッパとしての押圧突部9が設けられている。押圧突部9は、パネル2cにパネル2bとパネル2aが重なった全開状態となったときに引き残し部分を設ける。また、パネル2aとパネル2b、および、パネル2bとパネル2cとは、パネル同士を繋ぎ連動させる連動部材としてのパネルガイド7によって接続されている。先頭のパネル2aが開方向(矢印D1方向)に移動されたときには、パネル2aがパネル2bに重なると、次いで、連動部材として押圧突部9がパネル2bを押して、同方向に移動されることになる。また、パネル2aを矢印D2方向に移動するとき、パネル2aは、パネルガイド7を介してパネル2bを引き連れて移動する。
また、床には、全閉状態においてパネル2a,2cの揺れを抑制する固定金具としての床付けマグネット8が設置されている。一例として、床付けマグネット8は、図1(a)中最右に位置しているパネル2aの矢印D2方向の下端部に対向する床に設置されており、上部にパネル2aが来ると、パネル2aの下端部に配置されたマグネットなどで金具が吸引されて引き上げられ、パネル2aに係合される。同様に、床付けマグネット8は、最左に位置しているパネル2cの矢印D1方向の下端部に対向する床にも設置されている。
縦框12a,12bは、ゴム材などのクッション19が設けられている(図4参照)。具体的に、パネル2a〜2cのうちでパネル2aの矢印D2方向の縦框12b、および、パネル2cの矢印D1方向の縦框12bは、壁部31b,66と突き当たる縦框であり、それ以外の縦框12a,12bは、壁部31b,66と突き当たらない縦框である。一例として、壁部31b,66と突き当たらない縦框12a,12bに配置されるクッション19は、壁部31b,66の当たりを和らげるクッション部19aと、隣接するパネル2との隙間を塞ぐ弾性片19bとを備えている。クッション部19aは、内部が中空構造であり、弾性片19bは、クッション部19aと一体に形成されている。なお、壁部31b,66と突き当たる縦框12bのクッション19は、一例として、クッション部19aだけを備えており、弾性片19bを備えていない。
以下、単にパネル2a〜2cをパネル2ともいう。また、上部レール3a〜3cを上部レール3ともいう。
間仕切り1は、パネルを自動的に閉方向に移動させる自閉機構4a,4bを備えている。第1自閉機構としての自閉機構4aは、パネル2aに備えられ、第2自閉機構としての自閉機構4bは、パネル2cに備えられる。したがって、開いた状態においてパネル2aから手を離したとき、パネル2aは、自閉機構4aにより矢印D2方向に移動を開始する。また、開いた状態においてパネル2cから手を離したとき、パネル2cは、自閉機構4bにより矢印D1方向に移動を開始する。
各パネル2a,2cにおいて、自閉機構4a,4bの主たる部品は、パネル2a,2cにおいて、開方向(パネル2aであれば矢印D1方向、パネル2cであれば矢印D2方向)に位置する縦框12aに配置される。なお、パネル2bの縦框およびパネル2a,2cにおいて自閉機構4a,4bの主たる部品を備えない縦框を縦框12bという。
また、パネル2aは、自閉機構4aに対応して、パネル2aが矢印D2方向に移動を開始したときに同方向への移動を停止状態としその後停止状態を解除するストッパ5aを備えている。したがって、パネル2aが矢印D2方向への移動を開始したとき、パネル2aは、停止して開状態を維持し、利用者によってパネル2aを矢印D2方向への移動する操作が再度されたときに、矢印D2方向への移動を再開する。また、パネル2cは、自閉機構4bに対応して、パネル2cが矢印D1方向に移動を開始したときに同方向への移動を停止状態としその後停止状態を解除するストッパ5bを備えている。したがって、パネル2cが矢印D1方向への移動を開始したとき、パネル2cは、停止して開状態を維持し、利用者によってパネル2cを矢印D1方向への移動する操作が再度されたときに、矢印D1方向への移動を再開する。
各パネル2は、上端部に2つの上部ランナ6を備えている。ここで、パネル2a,2cにおいて、自閉機構4a,4bの主たる部品の近くに位置する上部ランナが6aであり、自閉機構4a,4bの主たる部品から離れた上部ランナが上部ランナ6bである。また、パネル2bにおける2つの上部ランナが上部ランナ6bである。ストッパ5a,5bは、上部ランナが6aに対して、自閉機構4a,4bの主たる部品が配置された縦框12aに近い開方向(パネル2aであれば矢印D1方向、パネル2cであれば矢印D2方向)の端部に連結される。以下、上部ランナ6a,6bを上部ランナ6ともいう。
各パネル2は、パネル部11と、縦枠としての縦框12a,12bと、横枠としての横框13a,13bとを備えている。パネル部11は、矩形形状を有しており、各面は、種々の装飾が施されている。一例として、パネル部11は、遮光性を有していてもよいし、透光性を有していてもよい。また、一部が透光性を有し、残りが遮光性であってもよい。パネル2a,2cのパネル部11では、縦辺に縦框12a,12bが取り付けられ、上下の辺に横框13a,13bが取り付けられる。また、パネル2bでは、両縦辺に縦框12bが取り付けられ、上下の辺に横框13a,13bが取り付けられる。パネル2a,2cにおいて、縦框12aの内部空間には、自閉機構4a,4bの重錘35などの主たる部品が配置される。パネル部11は、4辺が縦框12a,12bおよび横框13a,13bに、接ぎ目部分の小さなすき間を埋めるゴム材などのグレチャン11a(図3参照)を介して挟持される。そして、横框13aには、上部ランナ6a,6bが連結されている。
パネル2aには、引手14が縦框12bの上下方向の中程に配置されている。引手14は、パネル2に対して、開閉の妨げとならないように、パネル2の厚さ方向に突出しない凹部によって構成されている。引手14は、パネル2aの縦框12bの高さ方向中程に配置されている。また、引手14は、手前に位置するパネル2aの縦框12bの手前の面に配置されている。
パネル2aとパネル2bは、下端部において、パネルガイド7によって接続されている。図2に示すように、パネルガイド7は、一例として、全体がL字形状を有し固定片7aと案内片7bとを備えた金具であって、固定片7aが一方のパネル2bの下端部にねじなどの固定部材7eにより固定され、案内片7bの案内突起7cが相手のパネル2aの下端部である例えば横框13bに形成された案内溝7dに係合される。パネル2bとパネル2cも、パネルガイド7によって接続されている。パネルガイド7は、固定片7aが一方のパネル2cの下端部に固定され、案内片7bの案内突起7cが相手のパネル2bの下端部に形成された案内溝7dに係合される。これにより、パネルガイド7は、2枚のパネル2を連結することで、パネル2の揺れを抑制する。また、案内突起7cが案内溝7dの端部に至ったとき、案内突起7cを備えたパネルは、他方のパネルを引き連れて移動する。これにより、パネル2aとパネル2bとは連動して移動し、さらに、パネル2bとパネル2cも連動して移動可能となる。
図3は、全開に近い状態におけるパネル2aの上部ランナ6a、ストッパ5a、および、自閉機構4aの要部斜視図である。上部ランナ6は、ランナ本体16を備えている。ランナ本体16には、4個の車輪17が回転可能に支持され、各車輪17は、一例として、ボールベアリング付きの車輪であって、上部レール3内をほぼ上下動不能な状態で転動する。ランナ本体16には、支軸18の上端が固定され、その支軸18は、横框13a内に配置された軸保持部材18aに挿通されている。軸保持部材18aは、パネル2の横框13aにネジなどの固定部材で固定されている。また、ランナ本体16は、ストッパ5aと連結するための第1連結部16aを備えている。
上部ランナ6が配置される上部レール3は、前壁21と、前壁21と対向する後壁22と、前壁21と後壁22とを繋ぐ上壁23とを備える。さらに、上部レール3の下面は、長手方向に沿って、支軸18が挿通されるレール開口部24を備え、レール開口部24を挟んだ両側に、支持片25を備えている。上部ランナ6は、上部レール3の内部に、長手方向に沿って移動可能に配置される。支持片25は、上部ランナ6の車輪17が転動するレールとなる。
図4に示すように、パネル2aの縦框12aに備える第1自閉機構としての自閉機構4aは、線状部材としてのコード31と、縦框12a内に配置される移動体32と、移動体32に備えられる動滑車33と、動滑車33に取り付けられるダンパ34と、重錘35とを備えている。なお、パネル2cに備える第2自閉機構としての自閉機構4bは、自閉機構4aと同様な構成を有するため、詳細は省略する。
コード31は、駆動力伝達部材として機能するものであり、パネル2を移動できる程度の強度を有するとともに可撓性を有した紐状部材である。コード31としては、丸紐、平紐などを代替して使用することができる。このようなコード31は、一端部と他端部とを備えている。一端部は、矢印D2方向に位置する壁部31bに近い上面に配置された固定部としての固定具31aに固定される第1固定端30aである。第1固定端30aは、結び玉を備え、この上面に取り付けられた固定具31aに係止される。また、コード31の他端部は、矢印D1方向に位置する縦框12aの上端部に動滑車33を介して固定される第2固定端30bである。第2固定端30bは、縦框12aの上端部を閉塞するキャップ12に固定される。
図5に示すように、移動体32は、縦框12a内において、上下方向(矢印D3方向および矢印D4方向)に移動可能に取り付けられる部材であって、本体部32aと、本体部32aが備える案内部としての案内片32bとを備える。案内片32bは、矢印D3方向および矢印D4方向に延びており、縦框12aの内面に対して突き当てられ線接触している。これにより、移動体32は、縦框12a内をがたつくことなく、円滑に上下方向に移動することができる。
図6に示すように、本体部32aは、第1半体36aと第2半体36bとを備えている。第1半体36aと第2半体36bとの間には、動滑車33とダンパ34とが配置される。第1半体36aは、動滑車33の回転軸33aを軸支する軸孔36cを一側面に備えている。軸孔36cには、スリーブ36gが取り付けられ、回転軸33aは、スリーブ36gに挿通された状態でEリングなどの抜け止め部材36fにより抜け止めがされて配置される。また、第1半体36aは、上端部に、動滑車33に巻回されたコード31が導出される挿通孔36dを2つ備えている。さらに、第1半体36aは、下端部に、重錘35を取り付けるための取付部36eを備えている。取付部36eには、紐35aを介して重錘35が吊り下げられる。
動滑車33は、コード31が下側から巻回され、コード31は、動滑車33を挟んだ両側の部分が挿通孔36dから導出される。動滑車33の他方の回転軸に接続されるダンパ34が接続され、第2半体36bには、ダンパ34を取り付ける取付孔37が設けられている。ダンパ34は、一例として、オイルダンパである。ダンパ34は、本体部34aと接続軸34bとを備え、接続軸34bが動滑車33に接続される。また、本体部34aには、側面に取付凸部34cを備えている。取付凸部34cは、取付孔37の内周面に形成された取付凹部37aに係合される。移動体32は、移動体32及び重錘35の重さによって落下距離が長くなるほど加速する。オイルダンパは、動滑車33の回転を減速して、パネル2aの移動速度を遅くし、パネル2が静かに停止するようにする。また、オイルダンパは、移動速度を一定にし、同じ速度でパネル2が移動できるようにする。
なお、第1半体36aと第2半体36bとは、ビスなどの固定部材38により結合される。
動滑車33を備えた移動体32は、パネル2が全閉状態のとき、相対的に、縦框12aの下方の最下位置に位置し、矢印D1方向にパネル2が移動するに連れて順次矢印D3方向に上昇する。また、重錘35および移動体32の重さによって、移動体32は、矢印D4方向に下降し、下降するときに発生する駆動力をコード31でパネル2に伝達し、パネル2aを矢印D2方向に移動する。自閉機構4aは、縦框12a内において、動滑車33にコード31を下側から巻回し、移動体32に重錘35を接続する構成、すなわち間接的にコード31と接続する構成としたことで、パネル2aの自閉機能が作用する移動範囲を広くしている。
ストッパ5aは、上部ランナ6aに対して、矢印D1方向側に連結されている。図7に示すように、ストッパ5aは、上部レール3内を移動するベース41と、ベース41に対して回転する回転ベース42と、回転ベース42に対して移動する移動ベース43と、移動ベース43を付勢する付勢部材44と、回転ベース42を回転状態から中立位置に戻す方向に付勢する回転付勢部材45と、カバー46とを備えている。回転ベース42と移動ベース43とは組み合わされることで、ベース41に対して回転する回転ユニットを構成する。なお、パネル2cに備えるストッパ5bは、ストッパ5aと同様な構成を有するため、詳細は省略する。
ベース41は、回転ベース42が配置される部品配置部51と、上部ランナ6aと連結するための第2連結部52と、車輪53と、コード31を支持する支持部としての滑車54とを備えている。第2連結部52は、上部ランナ6aの側の端部に突出して設けられており、上部ランナ6aの第1連結部16aとねじなどの固定部材によって連結される。車輪53は、一例として、ボールベアリング付きの車輪であって、第2連結部52とは反対側の端部に配置され、ベース41が上部ランナ6aに連結されたときに、上部ランナ6aの車輪17と協働してベース41を支持する。
部品配置部51は、回転ベース42が回転可能に配置される領域であって、平坦面に、軸部51aが配置されている。軸部51aには、中心部に軸孔としての中心孔51bが形成され、中心孔51bには、回転ベース42の回転中心軸56が挿通される。軸部51aには、一例としてねじりコイルばねで構成された回転付勢部材45が配置される。回転付勢部材45は、コイル部45aと、コイル部45aから延出した第1アーム部45bおよび第2アーム部45cとを備えている。軸部51aには、コイル部45aが嵌められる。部品配置部51は、突起部51cが配置されている。突起部51cの両側には、回転付勢部材45の第1アーム部45bおよび第2アーム部45cが配置される。突起部51cは、回転ベース42の回転に合わせて、第1アーム部45bおよび第2アーム部45cが選択的に係合される。
図8に示すように、回転ベース42は、基台部55を備え、基台部55は、表面側と裏面側に突出した回転中心軸56を備えている。回転中心軸56の裏面側の端部は、中心孔51bに挿通され、部品配置部51において、回転中心軸56を中心に回転可能に取り付けられる。回転中心軸56を中心に平坦面と平行な面内を回転可能に取り付けられる。なお、回転中心軸56の表面側の端部は、ベース41に配置された回転ベース42および移動ベース43を覆うように配置されるカバー46に形成された支持孔46aに係合される(図7参照)。回転ベース42は、表面の中央部に、一例としてコイルバネで構成された付勢部材44が配置される第1凹部47aが設けられている。第1凹部47aの両側には、一対の案内軸57が配置される。案内軸57は、各端部が片57aに支持されている。案内軸57は、移動ベース43の移動を案内する。さらに、基台部55の裏面には、駆動突起部58を備えている。駆動突起部58は、回転ベース42の回転に合わせて、第1アーム部45bおよび第2アーム部45cが選択的に係合される。そして、駆動突起部58は、突起部51cに対して回転方向に移動することで、突起部51cとの間隔を広げ、先端部が互いに近接する方向に付勢されている第1アーム部45bおよび第2アーム部45cを、互いに離間する方向に開く。また、基台部55には、移動ベース43が取り付けられる側とは反対側の端部に、押圧力を受ける受け部59を備えている。受け部59は、上部レール3の後壁22の内面に当接される。
移動ベース43は、基台部61と、弾性部62と、案内部63とを備える。基台部61には、付勢部材44が配置される第2凹部47bを備えている。案内部63は、基台部61に設けられており、案内軸57が挿通される案内孔を備えている。案内部63は、一対の片57aの間に配置された後に、案内軸57が挿通される。これにより、移動ベース43は、案内軸57に案内されて直線的に移動可能となる。第1凹部47aおよび第2凹部47bには、付勢部材44が配置される。
さらに、基台部61には、上部レール3の前壁21の内面に圧接される圧接部ともなる弾性部62が配置されている。弾性部62は、ゴムといった弾性体で構成されている。弾性部62は、円弧面と平坦面とで構成された半円形状を備え、円弧面が前壁21の内面に対する摺接面とされ、平坦面が基台部61に対する取付面とされる。基台部61には、取付突起が突設されており、取付面に穿設された取付孔に係合され、さらに接着剤などの固定手段で固定される。弾性部62は、受け部59に対して高摩擦部である。なお、上部レール3の前壁21の内面は、弾性部62が接触する第1側面であり、第1接触面である。弾性部62の位置と受け部59とは、回転ベース42の回転中心軸56を挟んだ対極に位置する。弾性部62は、常時、付勢部材44の付勢力によって、前壁21の内面に圧接されており、受け部59は、常時、後壁22の内面に当接されることにより、付勢部材44の付勢力に伴う反力を受ける。なお、上部レール3の後壁22の内面は、受け部59が接触する第2側面であり、第2接触面である。そして、弾性部62は第1円弧面を備え、受け部59は第2円弧面を備え、共に、前壁21の内面および後壁22の内面と当接する面が円弧面で構成され、内面に対して摺動し易い形状を有している。ただし、受け部59の第2円弧面の方が第1円弧面より半径の大きい緩やかな円弧面で構成されている。また、受け部59の第2円弧面の方が第1円弧面より滑らかな低摩擦面で構成されている。このように、受け部59は、後壁22の内面に対して滑りやすく構成されている。
間仕切り1は、自閉機構4aが備えられているため、パネル2を全開状態に維持するロック機構を備えている(図7参照)。具体的に、ロック機構は、ベース41に設けられるロック部64と、ロック部64が係合されるロック受け部65とを備えている。ロック部64は、ベース41の車輪53側の端部に突設されている。ロック受け部65は、パネル2aに対応する上部レール3aにおける矢印D1方向に位置する壁部66に近い位置に設けられており、互いに近接離間する方向に変位する一対の弾性片65aによってロック部64を挟持する。これにより、自動的に矢印D2方向に移動しようとするパネル2を全開状態に維持することができる。
なお、矢印D2方向に位置する壁部31bに近い位置にも、自閉機構4bによって、パネル2cが自動的に閉じないようにするため、パネル2cの横框13aに備えられたストッパ5bのロック部が係合するロック受け部65が設けられている(図1(b)参照)。
図7に示すように、カバー46は、ベース41上に、ベース41に配置された回転ベース42および移動ベース43を覆うように配置される。カバー46の表面には、長手方向に沿って、コード31を案内する案内部としての案内溝67を備えている。カバー46は、ベース41に対してねじなどの固定部材68によって固定される。さらに、ベース41には、パネル2の縦框12aの方向に延びるコード31が係合される滑車54が配置される。滑車54は、車輪53の近くで、縦框12aの方向に延びるコード31が係合されて、重錘35の荷重を受ける支持部である。滑車54の軸54aは、ベース41の軸受54bに回転可能に支持される。
滑車54は、ベース41ではなく、縦框12aに設けることも可能である。この場合、ストッパ5の構成の簡素化を図ることができる。ところで、支軸18は、上部ランナ6にパネル2を吊り下げる部材であり、支軸18に対して軸保持部材18aの位置を上下に移動させることで、パネル2の上下位置が調整される(図2および図3参照)。したがって、縦框12aに滑車54を設けたときには、パネル2の上下位置が調整されると、パネル2の上下位置の変動に合わせて、滑車54の位置も上下に変動することになる。
次に、以上のように構成された間仕切りの作用について説明する。
この間仕切り1では、手前のパネル2aを矢印D1方向に移動することで全閉状態から全開状態にすることもできるし、奥側のパネル2cを矢印D2方向に移動することで全閉状態から全開状態にすることができる。そこで、先ずは、手前のパネル2aを閉方向に移動する場合を説明する。
パネル2aを移動させて空間を仕切っている全閉状態(図1参照)から全開状態にするには、先ず、パネル2aの引手14に手をかけて、パネル2aを矢印D1方向に移動する。すると、パネル2aが同方向に移動し、パネル2aがパネル2bと重なった状態となる(図9(a)および(b)参照)。次いで、パネル2aの押圧突部9がパネル2bを押してパネル2bが同方向に移動する。図10(a)および(b)に示すように、全開状態のときには、パネル2aがパネル2bの矢印D1方向の縦框12b分矢印D2方向にずれた状態で重なる。自閉機構4aは、全閉状態にあるとき、重錘35および移動体32が最下位置にあり(図1参照)、パネル2aが矢印D1方向に移動されることで、重錘35および移動体32の重さに抗して重錘35および移動体32が順次矢印D3方向に上昇する(図9(a)および(b)参照)。そして、全開状態のとき、移動体32は、縦框12a内において最上位置となる(図10(a)および(b)参照)。パネル2aは、全開状態にまで移動されると、壁部66側のロック受け部65に第1ロック部としてのロック部64が係合することで、全開状態が維持される。すなわち、パネル2aは、自閉機構4aを備えているが、ロック機構によって、自動的に閉方向に移動してしまうことが抑制される。
図11に示すように、矢印D1方向にパネル2aが移動するとき、上部ランナ6aと共にストッパ5aも同方向に上部レール3a内を移動する。移動ベース43の弾性部62が付勢部材44の付勢力によって上部レール3aの前壁21の内面に圧接されていることで、回転ベース42は、回転付勢部材45の付勢力に抗してストッパ5aの矢印D1方向への移動に従って回転中心軸56を中心に矢印D5方向に回転する。そして、弾性部62は、前壁21の内面に対して摺接しながら移動する。
第1パネルとなるパネル2aを全開状態から閉方向に移動するときは、ロック部64によるロックを解除してから、ストッパ5aのロックを解除する。具体的には、パネル2aの引手14に手をかけて閉方向となる矢印D2方向にパネル2aを操作し、壁部66側のロック受け部65からロック部64を外す。すると、重錘35および移動体32の重さによってパネル2aが矢印D2方向に移動を開始する。
別の方法として、第1パネルとなる手前のパネル2aを矢印D2方向に移動させるには、第2パネルとなる奥側のパネル2cを僅かに矢印D2方向に移動させることで、パネル2cとパネルガイド7で接続されたパネル2bがパネル2aの押圧突部9を押してパネル2aの同方向への移動を開始させることができる。なお、パネル2cは、矢印D2方向に移動させるので、ストッパ5bによって、わずかに開いた位置で停止状態となる。このため、パネル2cを再度矢印D1方向に移動させる操作を行う。これにより、パネル2cは、ストッパ5bによる停止状態が解除され、自閉機構4bの作用により全閉状態になるまで移動する。
すると、移動ベース43の弾性部62が上部レール3aの前壁21の内面に圧接されていることで、回転ベース42は、回転付勢部材45の付勢力とも相まって、ストッパ5aの矢印D2方向への移動に合わせて第2回転方向である矢印D6方向に回転しようとする。しかし、矢印D5方向に回転している回転ベース42の弾性部62は、付勢部材44の付勢力により前壁21の内面に圧接されているため、自閉機構4aの重錘35および移動体32の重さに基づく駆動力だけでは、回転ベース42を矢印D6方向に回転しない。したがって、パネル2aは、自閉機構4aによって矢印D2方向に移動しようとしても、ストッパ5aによって同方向の移動が阻止され停止状態となる。これにより、パネル2aのほぼ全開状態が維持される。この間に、利用者は、荷物の移動などを行うことができる。
パネル2aの矢印D2方向の移動を再開するには、引手14に手をかけてパネル2aを、再度同方向に移動する操作を行う。すると、ストッパ5の矢印D2方向への移動に従って、回転ベース42は、前壁21によって弾性部62が押圧され付勢部材44が収縮され、回転中心軸56を中心に矢印D6方向に回転される(図13参照)。これにより、ストッパ5aによるロックが解除される。図11から図13の状態に遷移する過程では、移動ベース43が前壁21の内面に対してほぼ垂直の中立状態となる(図12参照)。このとき、弾性部62が前壁21の内面を圧接する圧接力が最大となる。弾性部62と回転中心軸56を挟んで対極にある円弧突部としての受け部59は、後壁22の内面に当接し、付勢部材44の反力を受け、回転中心軸56に対する負荷を軽減する。これにより、回転中心軸56を曲げる方向の外力が加わっても、当該外力により回転中心軸56が曲がることを抑制できる。
そして、弾性部62は、回転ベース42が矢印D6方向に回転した状態で前壁21の内面に対して摺接しながら、パネル2aが全閉状態となるまで移動する(図13参照)。自閉機構4aの移動体32は、重錘35および移動体32がその重さによって、縦框12a内において最下位置まで矢印D4方向に下降する。すなわち、パネル2aは、パネル2cと重なった状態からパネル2bとともに矢印D2方向に移動する。その後、パネル2aだけが全閉状態となるまで同方向に移動する(図1参照)。
別の方法として、パネル2aの矢印D2方向の移動を再開する操作を行う場合、奥側のパネル2cを大きく矢印D2方向に移動させることで、パネル2cとパネルガイド7で接続されたパネル2bがパネル2aの押圧突部9を押してパネル2aの同方向への移動を開始させることができる。この場合、回転ベース42は、前壁21によって弾性部62が押圧され付勢部材44が収縮され、回転中心軸56を中心に矢印D6方向に回転される(図13参照)。これにより、ストッパ5aのロックが解除されてパネル2aが全閉状態となるまで同方向に移動する。
なお、パネル2aを全開状態の位置まで移動するのではなく、パネル2aを途中状態まで開けた場合(例えば図9のようにパネル2aだけを開けた状態やパネル2aだけを途中まで開けた場合)次のようになる。自閉機構4aの移動体32は、途中まで矢印D3方向に上昇し、このとき、ストッパ5aの回転ベース42は、回転中心軸56を中心に矢印D5方向に回転し、弾性部62は、前壁21の内面に対して摺接しながら移動する(図11参照)。そして、引手14から手を離すと、パネル2aは、重錘35および移動体32の重さによって、移動体32が矢印D4方向に下降することを開始する。この際、弾性部62は、付勢部材44の付勢力により前壁21の内面に圧接されているため、自閉機構4の重錘35および移動体32の重さに基づく駆動力だけでは、回転ベース42を矢印D6方向に回転しない。したがって、パネル2aは、自閉機構4によって矢印D2方向に移動しようとしても、ストッパ5によって同方向の移動が阻止され停止状態となる。そして、パネル2aの矢印D2方向の移動を再開するには、再度同方向にパネル2aを移動する操作を行う。
さらに、一気に全開状態から全閉状態にする場合、パネル2aやパネル2cを一気に矢印D2方向に移動させることで、ロック部64によるロック解除とストッパ5aのロックをほぼ同時に解除することができ、その後、パネル2aを同方向に移動させることができる。
以上の動作は、手前のパネル2aを矢印D1方向に移動して全閉状態から全開状態とし、矢印D2方向に移動して、全開状態から全閉状態とするものであったが、間仕切り1では、さらに奥側のパネル2cを矢印D2方向に移動して全閉状態を全開状態として、矢印D1方向に移動して、全閉状態とすることができる。
図14(a)および(b)に示すように、先ず、パネル2cを矢印D2方向に移動する。すると、先ずパネル2cが同方向に移動し、パネル2cがパネル2bと重なった状態となる。さらに、同方向にパネル2cが移動されると、重なった状態にあるパネルガイド7で接続されたパネル2cおよびパネル2bは、同方向に移動する。図15(a)および(b)に示すように、そして、パネル2cおよびパネル2bは、パネル2aとほぼ重なった全開状態となる。具体的には、全開状態のときには、パネル2c,2bは、パネル2aの矢印D1方向の縦框12b分、矢印D1方向にずれた状態で重なる。自閉機構4bは、全閉状態にあるとき、縦框12a内において、自閉機構4bの重錘35および移動体32が最下位置にあり(図1参照)、パネル2cが矢印D2方向に移動されることで、重錘35および移動体32の重さに抗して重錘35および移動体32が順次矢印D3方向に上昇する。そして、全開状態のとき、移動体32は、縦框12b内において最上位置となる(図15(a)および(b)参照)。
第1パネルであるパネル2cを全開状態から閉方向に移動するときは、ロック部64によるロックを解除してから、ストッパ5bのロックを解除する。具体的には、矢印D1方向にパネル2cを移動操作し、壁部31b側のロック受け部65から第2ロック部としてのロック部64を外す。すると、重錘35および移動体32の重さによってパネル2cが矢印D1方向に移動を開始する。
別の方法として、第1パネルである奥側のパネル2cを矢印D1方向に移動させるには、第2パネルとなる手前のパネル2aを僅かに矢印D1方向に移動させることで、押圧突部9でパネル2bを押してパネル2bとパネルガイド7で接続されたパネル2cを同方向に移動させる。なお、パネル2aは、矢印D1方向に移動させるで、ストッパ5aによって、わずかに開いた状態で停止状態となる。このため、パネル2aを再度矢印D2方向に移動させる操作を行う。これにより、パネル2aは、ストッパ5aによる停止状態が解除され、自閉機構4aの作用により全閉状態になるまで移動する。
これにより、パネル2cに関し、ロック受け部65からロック部64を外すことができ、この後、自閉機構4bによりパネル2cは、矢印D1方向に移動を開始する。しかし、パネル2cは、自閉機構4bによって矢印D1方向に移動しようとしても、ストッパ5bによって同方向の移動が阻止され、ほぼ全開状態が維持される。この間に、利用者は、荷物の移動などを行うことができる。
パネル2cの矢印D1方向の移動を再開するには、パネル2cを、再度同方向に移動する操作を行う。すると、先ず、パネル2cだけが同方向に移動する。これにより、ストッパ5bによるロックが解除される。そして、パネル2cは、パネルガイド7で接続されたパネル2bを引っ張るようにして同方向に移動させる。そして、パネル2cは、自閉機構4bの重錘35および移動体32がその重さによって、縦框12a内において最下位置まで矢印D4方向に下降するまで移動する。重錘35および移動体32が最下位置まで下降したところで、全閉状態となる。
別の方法として、パネル2cの矢印D2方向の移動を再開する操作を行う場合、手前のパネル2aを大きく矢印D1方向に移動させることで、ロック部64によるロック解除とストッパ5bのロックをほぼ同時に解除することができ、その後、パネル2cを同方向に移動させることができる。
さらに、一気に全開状態から全閉状態にする場合、パネル2aやパネル2cを一気に矢印D2方向に移動させることで、ロック部64によるロック解除とストッパ5bのロックをほぼ同時に解除することができ、その後、パネル2cを同方向に移動させることができる。
上記実施の形態によれば、以下のように列挙する効果を得ることができる。
(1)間仕切り1は、手前のパネル2aを矢印D1方向に移動して、全閉状態から全開状態にし、矢印D2方向に操作して、全開状態から全閉状態にすることができる。加えて、奥側のパネル2cを矢印D2方向に移動して、全閉状態から全開状態にし、矢印D1方向に操作して、全開状態から全閉状態にすることができる。このように2方向からの操作を可能とし、操作性を向上することができる。
(2)手前のパネル2aを矢印D1方向に移動して全開状態にした場合において、奥側のパネル2cを矢印D2方向に操作することで、壁部66側のロック受け部65からロック部64を外すことができ、次いで、さらに、ストッパ5aのロックを解除することができる。その後、自閉機構4aによりパネル2aを矢印D2方向に移動することができる。
加えて、奥側のパネル2cを矢印D2方向に移動して全開状態にした場合において、手前のパネル2aを矢印D1方向に操作することで、壁部31b側のロック受け部65からロック部64を外すことができ、次いで、さらに、ストッパ5bのロックを解除することができる。その後、自閉機構4bによりパネル2cを矢印D1方向に移動することができる。このように、全開状態から全閉状態にするときには、手前のパネル2aによっても奥側のパネル2cの何れのパネルによっても、ロックを解除し、自動的に閉じることができる。これにより、操作性を向上することができる。
(3)パネル2aとパネル2bの動きは、パネルガイド7や押圧突部9によって連動させることができる。また、パネル2bとパネル2cも、パネルガイド7によって連動させることができる。
(4)引手14は、パネル2aの厚さ方向に突出しない凹部によって構成されているので、開閉の妨げにならないようにすることができる。
(5)自閉機構4a、4bにはストッパ5a,5bが設けられることで、パネル2の閉方向への移動を停止状態にし、この間に、利用者は、荷物の移動などを行うことができる。そして、再度パネル2を閉方向へ移動する操作をすることで、パネル2の停止状態を解除し、パネル2を同方向へ移動させることができる。
(6)ストッパ5a,5bの何れにも、ロック部64を備えている。したがって、パネル2aを移動して全開状態にしたときにも、パネル2cを移動して全開状態としたときにも、ロック部64をロック受け部65に係合させることで、全閉状態を維持することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更して実施することもできる。
・ロック部64とロック受け部65で構成されたロック機構は、ストッパ5aだけに設けられていてもよいし、ストッパ5bだけに設けられていてもよい。また、ストッパ5a,5bに設けていなくてもよい。
・引手14は設けなくてもよいが、引手14を設ける場合には、取っ手などパネルから突出する構成であってもよい。また、引手14は、全てのパネル2に設けてもよい。
・隣り合うパネルを連動させる連動部材としては、パネルガイド7の構成に限定されるものではない。一例として、互いに隣り合うパネルの前面または後面であって、上端部または下端部の近傍において、一方のパネルに案内突起を設け、他方のパネルに案内溝を設けるようにしてもよい。
・押圧突部9は、パネルガイド7を備えていれば、省略してもよい。また、押圧突部9は、パネル2cにおけるパネル2bと対向するパネル面であって矢印D1方向の縦框12bにおける上端部または下端部にも設けるようにしてもよい。また、押圧突部9は、パネル2cに設けてもよい。
・パネルの枚数は特に限定されるものではなく、2枚でもよいし、4枚以上であってもよい。
・間仕切りは、ストッパ5a,5bを備えていなくてもよい。また、ストッパ5a,5bの構成は特に限定されるものではない。図16は、ストッパ5a,5bを備えないパネル2のロック部64の周辺構造を示す斜視図である。ここでは、上部ランナ6に接続される接続体81を備えている。接続体81は、ストッパ5に対応する位置に配置されている。接続体81も車輪53を備え、ロック部64は、車輪53側の端部に突設されている。そして、壁部31b,66に近い位置に設けられるロック受け部65に係合される。これにより、パネルは、全閉状態に維持されることになる。
また、接続体81を設けるまでもなく、ロック部64は、パネル2aの矢印D1方向の縦框12bの上端部に設けてもよいし、パネル2cの矢印D2方向の縦框12bの上端部に設けてもよい。
・間仕切りは、少なくとも自閉機構4a,4bの何れか一方を備えていればよい。この場合、自閉機構を備えたパネル2を開状態から閉方向に移動させるときに、自閉機構を備えていないパネル2を同方向に移動させることを契機として、自閉機構を備えたパネル2のロック部64によるロックを解除し、自閉機構を備えたパネル2の移動を開始させることができる。
・パネル2a〜2cは、下ランナを横框13bに設け、床面に設けた下部レールでの案内するようにしてもよい。これにより、安定してパネル2a〜2cを移動させることができる。
・遮蔽装置としては、引戸だけでなく、折引戸、アコーディオンカーテン、パネルスクリーンなどにも適用可能である。開閉操作は、引手14以外の手段で行うことができるようにしてもよい。一例として、パネルスクリーンの場合、スクリーンの上端部に連結されたバトンなどの操作棒で行うようにしてもよい。
・図17には、パネルスクリーンを示す。平板状のカーテン生地を使用したパネルカーテンは、複数枚のカーテン生地で構成されたパネル101a〜101dがそれぞれ吊下枠100から吊下支持され、各吊下枠100がハンガーレール102に沿って移動可能に支持される。そして、各パネル101a〜101dをハンガーレール102に沿って引き出すことにより、そのパネル101a〜101dで窓外からの外光を遮り、各パネル101a〜101dをハンガーレール102の一方に移動させれば、窓面を開放可能となっている。このようなパネルカーテンでは、複数枚のパネル101a〜101dを最大限まで引き出したとき、隣り合う各パネル101a〜101dの端部が重なり合うようにして、外光の洩れを阻止する。
パネル101a〜101dの下端部は、上方に折り返して縫製されて袋状部が形成され、その袋状部内には、ウェイト部材103がそれぞれ挿入されている。ウェイト部材103の両端部にはウェイトキャップ106がそれぞれ嵌着されている。パネル101a〜101cの各ウェイトキャップ106間には、連動部材としてのガイドコード104が張設されている。このガイドコード104は、その両端部に形成された結び玉がウェイトキャップ106に着脱可能に掛止めされている。
パネル101a〜101dのうち、最も室内側に吊下支持されるパネル101aを除き、パネル101b〜101dの先頭側(矢印B方向)のウェイトキャップ106には第1ガイドリング105aがそれぞれ取着されている。各第1ガイドリング105aには、その室内側に位置するパネル101a〜101cのウェイトキャップ106間に張設されたガイドコード104が挿通されている。また、パネル101a〜101cのウェイト部材103の背面側において、パネル101a〜101cの後端側(矢印A方向)には、第2ガイドリング105bがそれぞれ取着され、その第2ガイドリング105bにガイドコード104が挿通されている。各第2ガイドリング105bは、同一のガイドコード104が挿通された第1ガイドリング105aよりパネル101a〜101dの後端側(矢印A方向)に位置し、例えばパネル101a〜101cに縫着されている。第1ガイドリング105aおよび第2ガイドリング105bは、ガイドコード104と連携して連動部材として機能する。
パネル101aの先端側には、操作棒107が垂下され、その操作棒107の操作により、パネル101aをハンガーレール102に沿って移動操作可能となっている。
各パネル101a〜101dの全閉状態から操作棒107を操作して、パネル101aをハンガーレール102に沿って矢印A方向に移動させ各パネル101a〜101dを一端側に折り畳んだ全開状態にする場合について説明する。この場合、パネル101aの第2ガイドリング105bがパネル101bの第1ガイドリング105aに当接するまでは、パネル101aのみが移動する。そして、パネル101aの第2ガイドリング105bがパネル101bの第1ガイドリング105aに当接すると、パネル101aに追随してパネル101bが移動する。同様にして、パネル101bの第2ガイドリング105bがパネル101cの第1ガイドリング105aに当接すると、パネル101bに追随してパネル101cが移動する。そして、パネル101cの第2ガイドリング105bがパネル101dの第1ガイドリング105aに当接すると、各パネル101a〜101dが全開位置まで移動される。
一方、パネル101a〜101dを全閉状態にする場合には、パネル101aを矢印B方向に移動させる。すると、パネル101aの先端部がパネル101bの第1ガイドリング105aの位置に移動した時点で、パネル101bがパネル101aに追随して移動する。同様にして、パネル101bの先端部がパネル101cの第1ガイドリング105aの位置に移動すると、パネル101cがパネル101bに追随して移動する。パネル101cの先端部がパネル101dの第1ガイドリング105aの位置に移動すると、パネル101a〜101dが全閉位置まで移動する。
このようなパネル101a〜101dは、上述のように縦框を備えていない。このため、パネル101aの自閉機構4aは、パネル101a側の壁面框111の内側の収納空間部111aに、移動体32、動滑車33、ダンパ34、重錘35などの主要部品が配置され、コード31の一端は、パネル101aの吊下枠100に固定され、他端は、パネル101a側の壁面框111の内側に固定される。また、パネル101dの自閉機構4bは、パネル101d側の壁面框112の内側の収納空間部112aに、移動体32、動滑車33、ダンパ34、重錘35などの主要部品が配置され、コード31の一端は、パネル101dの吊下枠100に固定され、他端は、パネル101d側の壁面框112の内側に固定される。また、壁面框111,112には、ロック受け部65が設けられており、パネル101a,101dのロック部64が設けられ、全閉状態が維持される(図17では不図示)。
このような図17に示すパネルスクリーンは、間仕切り1におけるパネル2a〜2cをパネル101a〜101dに置換し、自閉機構4a,4bの主要部品を壁面框111,112の内側に移動させた構成となる。したがって、上述した間仕切り1と同様な作用効果を得ることができる。
図17に示す壁面框111,112は、壁面に対して内部に入り込むように配置されている。これに対して、壁面框111,112は、壁面に対して突出するように配置されていてもよい。この場合、壁面框111,112を壁面に対して容易に後付けすることができる。