JPS6234817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スライドドアを有する自動車におけ
るスライドドアの支持装置の改良に関するもので
ある。

従来、車体１の側方にスライドドア２を有する
自動車においては、第１図に示すように、車体１
の側壁にガイドレール３が前後方向に延在され、
スライドドア２がガイドレール３によつて移動可
能に支持されるようになされていた。そして、ス
ライドドア２の支持部において、第２図に示すよ
うに、スライドドア２に固定ブラケツト４を介し
てローラブラケツト５が枢支され、ローラブラケ
ツト５にはスライドドア２の荷重を支持しながら
転動可能なラジアルローラ６とスライドドア２を
開閉方向に案内するためのガイドローラ７が設け
られていた。

ガイドレール３の形状は、第３図に示すよう
に、その縦断面において略コ字状に形成され、そ
の下方にラジアルローラ受面となる下側壁３ｂが
ガイドレール３に沿つて延在され、かつ、上方に
形成された上側壁の外側から下方にフランジ３ａ
が垂設されて、下方が開放されたガイドローラ嵌
合部８がガイドレール３に沿つて延在されてい
た。そして、ラジアルローラ６が下側壁３ｂ上に
転動可能に載せられ、ガイドローラ７はガイドロ
ーラ嵌合部８の内壁間に前後方向に移動可能に嵌
合されていた。

しかしながら、上記スライドドア２に車体１の
外方に引かれる横方向の強荷、あるいは下方への
強い荷重が掛つた場合、ガイドローラを支えてい
るアーム９や下側壁３ｂ等が変形すると、ラジア
ルローラ６とガイドローラ７がガイドレール３か
ら外れやすくなるため、アーム９やガイドレール
３の板厚を厚くして、支持部の剛性を上げる等苦
心していた。

そこで本考案は、上記従来の問題点を解消する
ためになされたものであつて、万一ガイド部材を
支えているアームやガイドレールの下側壁等が変
形しても、スライドドアが外れることがないよう
なスライドドアの支持装置を提供することを目的
とするものである。

そのために本考案では、車体側壁に前後方向に
延在されたガイドレールの上方に形成されたガイ
ド部材嵌合部の外側壁の下端に、該下端から、該
ガイド部材嵌合部にガイドレールに沿つて移動可
能に嵌合されたスライドドアに設けられたガイド
部材の下側に折曲延在した係合部を形成すると共
に、ガイドレールの下端に形成されたラジアルロ
ーラ受面となる水平面を有する下側壁上であつ
て、かつ、外側壁と内側壁の間をガイドレールに
沿つて転動可能になされたスライドドアに設けら
れたラジアルローラの径を、前記下側壁と係合部
の間の間隙より大径になし、ガイド部材を支えて
いるアームやガイドレールの下側壁等が変形して
も、前記ラジアルローラがガイドレールに形成さ
れた係合部に係合するようにして所期の目的を達
成するようにしたものである。

以下、本考案を第４図に示した実施例に基いて
説明する。

ａは車体ｂの側壁２２の後半部の略中央部にお
いて車体の前後方向に延在されて設けられたガイ
ドレールであつて、該側壁２２のガイドレールａ
の前側に設けられたスライドドア開口部を開閉す
るスライドドア２（第１図参照）を案内するよう
になされている。

ガイドレールａは、その縦断面において、車体
ｂの側壁２２に面する内側壁２３と、該内側壁２
３の上方に形成されたガイド部材嵌合部２４と、
前記内側壁２３の下端から車体外方に水平に延在
されたラジアルローラ受面となる水平面を有する
下側壁１１とを有する略コ字状に形成されてい
る。

前記ガイド部材嵌合部２４は、前記内側壁２３
の上部２３ａと、該内側壁２３の上端から車体外
方に水平に延在された上側壁２５と、該上側壁２
５の外側端から垂下された外側壁１３とから形成
され、該外側壁１３の下端には、該下端から後述
するガイドローラ１７の下側に折曲延在された係
合部１４が形成されている。尚、該係合部１４の
長さは、ガイドローラ１７がガイドレールａの内
側壁２３の上部２３ａに当接した時でも該ガイド
ローラ１７の下側にあつて、該ガイドローラ１７
の万一の場合の脱落を防止できる長さに設定され
ている。又、通常はガイドローラ１７と係合部１
４との間に隙が形成されるように設定されてい
る。又、前記下側壁１１の外側端には、下方に延
在された補強用フランジ２６が形成されている。

該フランジ２６により、ガイドレールａを車体
ｂに取付けたとき、該ガイドレールの下側部分の
剛性（ふんばり）を強くすることができる。２１
はガイドレールａの下側壁１１の下面と車体ｂと
の間に介装されたスペーサである。

１５はスライドドアに固定されたブラケツトに
回動可能に枢支されたローラブラケツトであつ
て、該ローラブラケツト１５には支軸１６を介し
てラジアルローラ１２が回転自在に取付けられて
いる。該ラジアルローラ１２は前記ガイドレール
ａの下側壁１１上であつて、かつ、前記外側壁１
３と内側壁２３の間にガイドレールａに沿つて転
動可能になされ、その径は、前記下側壁１１とガ
イド部材嵌合部２４に形成された係合部１４の間
の間隙より大径になされ、その外側面が前記係合
部１４に係合するようになされている。

又、前記ローラブラケツト１５にはガイドレー
ルａ内に突入するアーム１８が突設され、該アー
ム１８には支軸１９が立設され、該支軸１９には
スペーサ２０を介してガイド部材となるガイドロ
ーラ１７が回転自在に取付けられている。該ガイ
ド部材１７は前記ガイド部材嵌合部２４を形成す
る内側壁２３上部２３ａと外側壁１３間に嵌合さ
れて、ガイドレールａに沿つて移動可能になされ
ている。前記スペーサ２０の外径は、前記ラジア
ルローラ１２の外側面より車体外方にくるように
設定されている。

尚、上記実施例では、ガイド部材をガイドロー
ラによつて形成したが、これに限ることなく、例
えば樹脂性のスライダー等ガイド部材嵌合部内を
移動できるものであればよい。

以上述べたように本考案によれば、ガイドレー
ルの上方に形成されたガイド部材嵌合部の外側壁
にガイド部材の下側に折曲する係合部を形成する
と共に、ラジアルローラの径を、その外側面が前
記係合部に係合するような大径にしたので、万一
ガイド部材を支えているアームやガイドレールの
下側壁等が何らかの作用で変形したとしても、ラ
ジアルローラがガイドレールの係合部に係合し、
該ガイドレールから外れることがない。したがつ
てスライドドアの安全性を向上させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はスライドドアを有する自動車の側面
図、第２図は第１図Ａ部の拡大平面図、第３図は
従来のガイドレールとガイド部材との関係を示す
拡大側断面図、第４図は本考案によるガイドレー
ルとガイド部材との関係を示す拡大側断面図であ
る。 ａはガイドレール、１２はラジアルローラ、１
４は係合部、１７はガイドローラ、２４はガイド
部材嵌合部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体側壁にスライドドアを案内するガイドレー
   ルが前後方向に延在され、該ガイドレールには車
   体側壁に面する内側壁と、該内側壁の上方に形成
   されたガイド部材嵌合部と、前記内側壁の下端か
   ら車体外方に延在する水平面を有する下側壁とが
   形成され、前記ガイド部材嵌合部は前記内側壁と
   該内側壁の上端から車体外方に延在する上側壁
   と、該上側壁の外側壁から垂下する外側壁とから
   形成され、又、スライドドアには回動可能にロー
   ラブラケツトが枢支され、該ローラブラケツトに
   ガイド部材とラジアルローラが取付けられ、ラジ
   アルローラは前記下側壁上であつて、かつ、外側
   壁と内側壁の間にガイドレールに沿つて転動可能
   に設けられ、ガイド部材は前記ガイド部材嵌合部
   の両側壁間にガイドレールに沿つて移動可能に嵌
   合されたスライドドアの支持装置において、 前記ガイド部材嵌合部の外側壁の下端に、該下
   端からガイド部材の下側に折曲延在された係合部
   が形成されていると共に、前記ラジアルローラの
   径が下側壁と係合部の間の間隙より大径になされ
   ていることを特徴とするスライドドアの支持装
   置。