JPH0640199U - 型枠の緊締装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ねじ桿に付着したコンクリートの剥離が容易
であり、スパナがなくてもシノ等の他の工具でも締め付
けが行なえるようにする。 【構成】 躯体１の両側に型枠パネ２ルを配置し、二つ
の型枠パネル間に貫通して型枠パネルを締め付ける型枠
の緊締装置において、パイプ６と、パイプの両端に着脱
自在に差し込まれたコーン７と、パイプと各コーン内に
挿入されたねじ桿８と、ねじ桿の両側に挿入されたワッ
シャ９と、ワッシャの外方においてねじ桿の両端に螺合
されたナット１０とからなり、ねじ桿は断面楕円状本体
１１を備え、本体の外周上下に平滑面１２を形成し、外
周の左右にねじ山１３を形成したこととする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建築、土木工事において打設されたコンクリートを支持して躯体を成 形する時に使用される型枠の緊締装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種、従来の型枠パネルの緊締装置は、例えば実公平１−３９３１４号公報 に開示されたものが知られている。

【０００３】 これはパイプと、パイプ内に差し込まれるねじ桿と、ねじ桿の端部に設けたコ ーンと、ねじ桿の他端に螺合されたナットとからなるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の緊締装置は、ねじ桿が全周にねじ山を刻設してある為、このねじ山 にコンクリートが付着して固化したとき、コンクリートが喰い込み、その剥離作 業が非常に困難である。

【０００５】 更に締め付けはボルトをスパナで回動するが、スパナが無いような場合にはそ の締め付けが困難である。

【０００６】 そこで、本考案の目的はねじ桿に付着したコンクリートの剥離が容易であり、 スパナがなくてもシノ等の他の工具でも締め付けが行なえる緊締装置を提供する ことである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案の構成は躯体の両側に型枠パネルを配置し 、二つの型枠パネル間に貫通して型枠パネルを締め付ける型枠の緊締装置におい て、パイプと、パイプの両端に着脱自在に差し込まれたコーンと、パイプと各コ ーン内に挿入されたねじ桿と、ねじ桿の両側に挿入されたワッシャと、ワッシャ の外方においてねじ桿の両端に螺合されたナットとからなり、ねじ桿は断円楕円 状本体を備え、本体の外周上下に平滑面を形成し、外周の左右にねじ山を形成し たことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

型枠パネル間にパイプとコーンを介して挿入されたねじ桿はナットで両側から 締め付けられ、ナットで型枠パネルが挾持される。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図にもとづいて説明する。

【００１０】 図３に示すようにビルディングの梁、壁等の躯体、又はトンネル等の壁の躯体 １の両側に型枠パネル２，２を配置させ、型枠パネル２，２の背部は水平材又は 斜め材からなるブレース３を介して足場枠４に結合されている。

【００１１】 型枠パネル２，２は足場枠４の設置と同時に配置され、この足場枠４を利用し て型枠パネル２，２の組付、解体を行なう。

【００１２】 足場枠４の上方には足場板と手摺が設けられ、足場板でコンクリートの打設作 業や上方の床、天井等の型枠の組付、解体作業も行なうようにしている。

【００１３】 型枠パネル２，２は足場枠４で両側から押し付けられてコンクリートからの荷 重を支え、型枠パネル２，２の起立状態を維持しているが、更にしツカリと型枠 パネル２，２を締め付けるために本考案の緊締装置５が使用される。

【００１４】 緊締装置５は図１に示すように、中央のパイプ６と、パイプ６の両端に着脱自 在に差し込まれたコーン７，７と、パイプ６と各コーン７，７内に挿入されたね じ桿８と、ねじ桿８の両側に挿入されたワッシャ９，９とワッシャ９，９の外方 においてねじ桿８の両端に螺合されたナット１０，１０とで構成されている。

【００１５】 ねじ桿８は図３に示すように断面楕円状の長尺本体１１を備え、本体１１の外 周上下に軸方向に沿ってほぼ水平な平滑面１２，１２を形成し、同じく外周の左 右に多数のねじ山１３，１３が形成されている。

【００１６】 パイプ６はプラスチックス等の硬質材で成形され、その外周に多数の小さい滑 り止め用突起が形成されている。

【００１７】 コーン７はプラスチックス等の硬質材で成形され、これは軸方向に複数スリッ ト１４を形成した円筒部１５と、円筒部の端部に設けたラッパ型の中空な支持部 １６とからなり、支持部１６内に断面台形状の補強用リブ１７が設けられている 。

【００１８】 ナット１０は内周にねじを刻設した外側の筒部１８と、筒部の内端部に一体に 設けた中空なフランジ１９とで構成され、フランジ１９の背面にはスパナその他 の回転駆動用の工具を引掛る工具引掛用突起２０が複数設けられている。

【００１９】 二つの対向する型枠パネル２，２間にパイプ６とコーン７，７を配置し、これ らの中央にねじ桿８を挿入させ、コーン７，７のラッパ型支持部１６，１６の端 面を各型枠パネル２，２の内面に当接させる。

【００２０】 継いで、ワッシャ９，９を介してナット１０，１０をねじ桿８の両端部に螺合 し、ワッシャ９，９を介してフランジ１９，１９の内面を各型枠パネル２，２の 外面に当接させる。

【００２１】 更に工具を突起２０に引掛けながらナット１０を回転して締め付け、各型枠パ ネル２，２を両側からナット１０，１０で挾持し、各型枠パネル２，２間にコン クリートを打設する。

【００２２】 コンクリートが固まった時、ナット１０，１０を弛めてこれをはずし、更にワ ッシャ９，９と各型枠パネル２，２を成形された躯体から取りはずす。

【００２３】 この際、ねじ桿８は引き抜くことができるが、パイプ６とコーン７，７は躯体 内に埋め殺しとなって残る。

【００２４】 但し、コーン７，７は躯体の外面から除去され、その後を仕上げ加工させても よい。

【００２５】 図４は本考案のコーンの他の実施例を示す。

【００２６】 これは支持部１６の両側にスリット１４，１４を形成した円筒部１５，１５ａ を水平に設けたものであり、一方の円筒部１５ａは型枠パネル２，２の孔２１， ２１内に挿入し、コーン７，７を安定して保持すると共にねじ桿８を挿入しやす くしたものである。

【００２７】

【考案の効果】

本考案によれば、次の効果がある。

【００２８】 １）ねじ桿の上下に平滑面が形成されているために、ねじ桿の外面にコンクリ ートが付着しても、この平滑面上のコンクリートを擦りやすく、これを擦ると、 コンクリートの剥離も簡単にとれる。

【００２９】 ２）ナットにはフランジの背面に工具引掛用突起が設けられているから、スパ ナのみならず、突起間に差し込むシノ等の工具でも締め付けられる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る緊締装置を型枠パネルに配設した
状態の分解斜視図である。

【図２】ねじ桿の断面図である。

【図３】本考案に係る緊締装置を型枠パネルに組み付
け、型枠パネルを足場枠に結合した状態を示す一部切欠
き斜視図である。

【図４】コーンの他の実施例に係る斜視図である。

【符号の説明】

１ 躯体 ２ 型枠パネル ６ パイプ ７ コーン ８ ねじ桿 ９ ワッシャ １０ ナット １１ 本体 １２ 平滑面 １３ ねじ山 １４ スリット １５ 円筒部 １６ 支持部 １７ リブ

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 躯体の両側に型枠パネルを配置し、二つ
   の型枠パネル間に貫通して型枠パネルを締め付ける型枠
   の緊締装置において、パイプと、パイプの両端に着脱自
   在に差し込まれたコーンと、パイプと各コーン内に挿入
   されたねじ桿と、ねじ桿の両側に挿入されたワッシャ
   と、ワッシャの外方においてねじ桿の両端に螺合された
   ナットとからなり、ねじ桿は断面楕円状本体を備え、本
   体の外周上下に平滑面を形成し、外周の左右にねじ山を
   形成したことを特徴とする型枠の緊締装置。
2. 【請求項２】 パイプの外周に多数の小さい滑り止め用
   突起を形成している請求項１記載の型枠の緊締装置。
3. 【請求項３】 コーンがスリットを軸方向に複数設けた
   円筒部と、円筒部の端部に設けたラッパ型の中空な支持
   部とからなり、支持部内に断面台形状の補強用リブが設
   けられている請求項１記載の型枠の緊締装置。
4. 【請求項４】 コーンがラッパ型の中空な支持部と支持
   部の両側に設けた円筒部とからなる請求項１記載の型枠
   の緊締装置。
5. 【請求項５】 ナットが内周にねじを刻設した筒部と、
   筒部の端部に一体に設けた中空なフランジとからなり、
   フランジの背面に工具引掛用突起が複数設けられている
   請求項１記載の型枠の緊締装置。