JPH08128202A - コンクリート構築用傾斜サポート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】容易迅速に大小任意に伸縮し得る上に、微調節
もなすことができて適確に所要長さに変更でき、且つ、
固定は堅固で、取扱い易くて作業能率を向上するコンク
リート構築用傾斜サポートを提供する。 【構成】中間部に取手（２）を取付けた外管（４）の上
部内に内管（７）の下部を摺動自在に嵌合してその外管
（４）のピン孔（１）と内管（７）の適当調節孔（５）
に止ピン（８）を抜差可能に挿着し、上下端部内に左右
反対のねじの上方雌ねじ環（６）および下方雌ねじ環
（３）をそれぞれ設けてターンバツクル（ａ）を構成
し、上方受金（１０）付上方ねじ棒（１１）を上方雌ね
じ環（６）に、下方受金（１３）付下方ねじ棒（１４）
を下方雌ねじ環（３）にそれぞれ螺通し、その上方受金
（１０）に壁金具（ｂ）の上方取付片（１５）をそれら
のピン孔（９），（１６）に抜差可能の止ピン（１７）
により、下方受金（１３）に床金具（ｃ）の下方取付片
（１８）をそれらのピン孔（１２），（１９）に抜差可
能の止ピン（２０）によりそれぞれ取付けてコンクリー
ト構築用傾斜サポートを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート構築に使
用する壁型枠，ＰＣ板等を斜め方向に押し引きするコン
クリート構築用傾斜サポートに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のコンクリート構築用傾斜
サポートには、実開昭５９−６７４４１号公報に記載さ
れた発明がある。

【０００３】上記従来のコンクリート構築用傾斜サポー
トは、下方の大引材に結合するクランプ金具を取付けた
左ねじアイボルトと、上方の横ばた材に結合するクラン
プ金具を取付けた右ねじアイボルトとを、ターンバツク
ル金具の本体の左右両端にそれぞれ伸縮自在に螺合して
構成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のコンクリー
ト構築用傾斜サポートにおいては、

【０００５】傾斜サポートの伸縮は、ターンバツクル金
具の本体を回転してその左右ねじのみにより行うため、
傾斜サポートを大きく伸縮する場合には、ターンバツク
ル金具の本体を非常に多く回転させなければならない。

【０００６】而して、コンクリート構築の壁型枠，ＰＣ
板等を支持するには多くの傾斜サポートを使用するか
ら、その多くの傾斜サポートを伸縮させて所要の長さに
変更するのに、多大の手間と時間が掛り、非能率で作業
性が悪い点である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、容易迅速に大
小任意に伸縮し得る上に、微調節もなすことができて適
確に所要長さに変更でき、且つ、固定は堅固で、取扱い
易くて作業能率を向上するコンクリート構築用傾斜サポ
ートを提供することを目的とする。

【０００８】すなわち、上部にピン孔（１）を穿ち、中
間部に取手（２）を取付けて下端部に左ねじの下方雌ね
じ環（３）を設けた外管（４）の上部内には、多数の調
節孔（５）を軸心方向に適当間隔で並設して上端部に右
ねじの上方雌ねじ環（６）を設けた内管（７）の下部を
摺動自在に嵌合し、その外管（４）のピン孔（１）と内
管（７）の適当調節孔（５）に止ピン（８）を抜差可能
に挿着してターンバツクル（ａ）を構成し、ピン孔
（９）を穿つた上方受金（１０）を上端に設けた右ねじ
の上方ねじ棒（１１）を内管（７）の上方雌ねじ環
（６）に螺通し、ピン孔（１２）を穿つた下方受金（１
３）を下端に設けた左ねじの下方ねじ棒（１４）を外管
（４）の下方雌ねじ環（３）に螺通し、壁型枠（Ａ）に
着脱可能の壁金具（ｂ）の上方取付片（１５）のピン孔
（１６）と上方受金（１０）のピン孔（９）に止ピン
（１７）を、床（Ｂ）に着脱可能の床金具（ｃ）の下方
取付片（１８）のピン孔（１９）と下方受金（１３）の
ピン孔（１２）に止ピン（２０）をそれぞれ抜差可能に
挿着してコンクリート構築用傾斜サポートを構成し、容
易迅速に大小任意に伸縮し得る上に、微調節もなすこと
ができて適確に所要長さに変更でき、且つ、固定は堅固
で、取扱い易くて作業能率を向上する目的を、外管に多
数の調節孔付内管を摺動自在に嵌合し、抜差可能の止ピ
ンにより固定して大小任意に伸縮可能のターンバツクル
を構成し、該ターンバツクルの上下端部の左右反対のね
じの雌ねじ環に上方受金付上方ねじ棒および下方受金付
下方ねじ棒をそれぞれ螺通し、その上方受金に壁金具
を、下方受金に床金具をそれぞれ抜差可能の止ピンで取
付けることにより実現した。

【０００９】

【実施例】図１乃至図３は、本発明の一実施態様を示
し、その構成を図面について説明すれば、（ａ）はコン
クリート構築用傾斜サポート（以下これを単にサポート
と言う。）のターンバツクルを示し、（４）はターンバ
ツクル（ａ）の外管で、丸パイプの上部にピン孔（１）
を穿ち、中間部両側に台形の取手（２）を取付け、下端
部内に台形左ねじの下方雌ねじ環（３）を嵌合固定して
成る。

【００１０】（７）はターンバツクル（ａ）の内管で、
丸パイプに多数の調節孔（５）を軸心方向に適当間隔で
並設し、上端部内には上端に鍔（２３）を設けた台形右
ねじの上方雌ねじ環（６）を嵌合固定して成る。（８）
は外管（４）と内管（７）を固定する止ピンで、外管
（４）の上部に固定した止金（２１）にくさり（２２）
により連結する。

【００１１】そして、外管（４）の上部内に内管（７）
の下部を摺動自在に嵌合し、その外管（４）のピン孔
（１）と内管（７）の適当調節孔（５）に止ピン（８）
を抜差可能に挿着してターンバツクル（ａ）を構成す
る。

【００１２】（１１）は台形右ねじの上方ねじ棒で、該
上方ねじ棒（１１）の上端にはピン孔（９）を穿つた凵
形の上方受金（１０）を固定してその上方ねじ棒（１
１）を内管（７）の上端の上方雌ねじ環（６）に螺通す
る。（１７）は上方受金（１０）に壁金具（ｂ）を取付
ける止ピンで、上方ねじ棒（１１）の上端部にくさり
（２４）により連結する。

【００１３】（１４）は台形左ねじの下方ねじ棒で、該
下方ねじ棒（１４）の下端にはピン孔（１２）を穿つた
逆凵形の下方受金（１３）を固定してその下方ねじ棒
（１４）を外管（４）の下端の下方雌ねじ環（３）に螺
通する。（２０）は下方受金（１３）に床金具（ｃ）を
取付ける止ピンで、下方ねじ棒（１４）の下端部にくさ
り（２５）により連結する。

【００１４】（ｂ）は壁金具を示し、凵形で両側片の遊
離端縁の上部および下部を凹弧状（２６）に形成した受
座（２７）内の中央部には先端部にねじ（２８）を設け
たボルト（２９）を固定し、該ボルト（２９）には、下
部外側にピン孔（１６）を穿つた上方取付片（１５）を
固定する押え座金（３０）の中央孔を遊嵌し、そのボル
ト（２９）の先端ねじ（２８）にナツト（３１）を螺合
して成る。

【００１５】（ｃ）は床金具を示し、中央部に上方への
リブ（３２）を形成して通孔（３３）を穿つた座板（３
４）の中央部上に、ピン孔（１９）を穿つた下方取付片
（１８）を固定して成る。

【００１６】（Ａ）はコンクリート壁の壁型枠を示し、
（３５）は壁型枠（Ａ）の堰板、（３６）は堰板（３
５）の外面に配置する丸パイプの縦ばた材、（３７），
（３７）は縦ばた材（３６）の外側に組合せる丸パイプ
の横ばた材、（３８）はコンクリートを打設して構築し
たコンクリート壁である。

【００１７】（Ｂ）はコンクリート床を示し、（３９）
はコンクリート床（Ｂ）の適当箇所内に埋込み固定した
後付けアンカー、（４０），（４１）は後付けアンカー
（３９）の取付ボルトおよびナツトである。

【００１８】なお、図示してないが、止ピン（８），
（１７），（２０）の外周面先端部には、小さな抜け止
め用ストツパを設ける。

【００１９】その作用を説明する。図２に示すように、
床（Ｂ）の適当箇所に孔を明けてアンカー（３９）を埋
込む。

【００２０】床（Ｂ）の所定箇所上に壁型枠（Ａ）の堰
板（３５）を立て、該堰板（３５）の外側に縦ばた材
（３６）および横ばた材（３７），（３７）を組合せ、
図示してないが両側の壁型枠（Ａ）を締付金具により連
結して壁型枠（Ａ）を建込む。

【００２１】そこで、ターンバツクル（ａ）の外管
（４）と内管（７）の止ピン（８）を抜出してその外管
（４）と内管（７）の固定を解き、その後、内管（７）
を外管（４）に摺動させターンバツクル（ａ）を自由に
伸長または短縮させてサポートをほぼ所要の長さになし
た後、止ピン（８）を外管（４）のピン孔（１）と内管
（７）の適当調節孔（５）に挿着してターンバツクル
（ａ）を上記長さの状態に固定する。

【００２２】図３に示すように、サポート下端の床金具
（ｃ）の通孔（３３）をアンカー（３９）の取付ボルト
（４０）の上方突出部に嵌合して座板（３４）を床
（Ｂ）上に載置した後、その取付ボルト（４０）の先端
ねじにナツト（４１）を螺着しアンカー（３９）を介し
て床（Ｂ）上に床金具（ｃ）を固定する。

【００２３】次いで、壁金具（ｂ）のボルト（２９）を
横ばた材（３７），（３７）間に内側より挿通して受座
（２７）の上下の凹弧状縁（２６）を横ばた材（３
７），（３７）の内側面にそれぞれ当てた後、そのボル
ト（２９）の突出部に押え座金（３０）の中央孔を嵌合
してボルト（２９）の先端ねじ（２８）にナツト（３
１）を螺着し、壁金具（ｂ）の受座（２７）と押え座金
（３０）により横ばた材（３７），（３７）を挟持して
横ばた材（３７），（３７）に壁金具（ｂ）を固定す
る。

【００２４】その後、取手（２）によりターンバツクル
（ａ）を適宜に回転し、その左右反対のねじの上下の雌
ねじ環（６），（３）に螺通する上方ねじ棒（１１）お
よび下方ねじ棒（１４）を同時に進出させてサポートを
伸長し、サポートの長さを微調節してサポートにより壁
型枠（Ａ）を支持する。

【００２５】図４および図５は、コンクリート構築に、
上記壁型枠（Ａ）に代えてＰＣ板を使用する場合を示
し、その構成を図面について説明すれば、（Ａ１）はＰ
Ｃ板を示し、（４２）はＰＣ板（Ａ１）の適当箇所に埋
設したインサート、（４３），（４４）はインサート
（４２）の取付ボルトおよびナツト、（ｃ１）は床金具
（ｃ）と同じの上方床金具である。その他の符号は、図
１乃至図３におけると同一部分を示す。

【００２６】そして、サポートの上記状態から、止ピン
（１７）を抜出して上方受金（１０）より壁金具（ｂ）
を取外した後、図５に示すように上方受金（１０）に上
方床金具（ｃ１）の取付片（１８）を嵌合してそれらの
ピン孔（９），（１９）に止ピン（１７）を挿着し、上
方受金（１０）に上方床金具（ｃ１）を取付けてＰＣ板
用サポートを構成する。

【００２７】その作用を説明する。ターンバツクル
（ａ）を上記と同様に操作し、図４に示すように床金具
（ｃ）を床（Ｂ）に固定し、その後、図５に示すよう
に、インサート（４２）の取付ボルト（４３）の突出部
に上方床金具（ｃ１）の座板（３４）の通孔（３３）を
嵌合して該座板（３４）をＰＣ板（Ａ１）に当てた後、
その取付ボルト（４３）の先端ねじにナツト（４４）を
螺着し、インサート（４２）を介してＰＣ板（Ａ１）に
上方床金具（ｃ１）を固定する。

【００２８】その後、上記と同様に、取手（２）により
ターンバツクル（ａ）を適宜に回転し、サポートの長さ
を微調節してサポートによりＰＣ板（Ａ１）を支持す
る。

【００２９】なお、上記インサート（４２）に代えて、
後付けアンカーを使用してもよい。

【００３０】また、上記の右ねじの上方雌ねじ環（６）
および上方ねじ棒（１１）を左ねじになすと共に、左ね
じの下方雌ねじ環（３）および下方ねじ棒（１４）を右
ねじになしても、上記と同様に作用する。

【００３１】

【発明の効果】本発明のコンクリート構築用傾斜サポー
トは、下記のような利点がある。

【００３２】（１） 多数の調節孔を軸心方向に適当間
隔で並設した内管を、ピン孔を穿つた外管内に摺動自在
に嵌合し、その外管のピン孔と内管の適当調節孔に止ピ
ンを抜差可能に挿着してターンバツクルを形成し、該タ
ーンバツクルの上下の左右反対のねじの雌ねじ環に上方
受金付上方ねじ棒および下方受金付下方ねじ棒をそれぞ
れ螺通し、その上方受金に壁金具を、下方受金に床金具
をそれぞれ抜差可能の止ピンにより取付けてサポートを
構成する。従つて、

【００３３】（イ） ターンバツクルが中空であるた
め、軽量であり、且つ、コンパクトで、運搬および取扱
上便利である。

【００３４】（ロ） ターンバツクルの外管と内管が摺
動自在であるから、その外管と内管を固定する止ピンを
抜出すことにより、ターンバツクルを大きく自由に伸縮
してサポートの長さを大小任意に調節でき、サポートの
長さの大小調節を容易迅速になし得て作業性が良い。

【００３５】（ハ） ターンバツクルの回転により、左
右反対のねじの上下のねじ棒が同時に進退してサポート
の長さを微調節するから、その微調節の操作が簡易で、
容易迅速にサポートの長さを微調節して型枠の建込みを
正確になすことができる。

【００３６】（ニ） ターンバツクルの外管と内管，上
方ねじ棒の上方受金と壁金具，および下方ねじ棒の下方
受金と床金具の固定は、抜差可能の止ピンによりそれぞ
れ行うから、ターンバツクルの伸縮，壁金具および床金
具の付替操作が簡易で作業上便利である。

【００３７】（２） 上方ねじ棒の上方受金に取付ける
壁金具を付替えることにより、壁型枠に使用したり、Ｐ
Ｃ板に使用することができ、汎用性が大で、作業上有益
である。

【００３８】（３） 取手をターンバツクルの中間部に
設けたから、ターンバツクルを回転操作するときに作業
者はしやがみこむ必要が無く、ターンバツクルを回転し
易くて作業性が良い。

【００３９】（４） 簡単に構成して、容易安価に製作
でき、その作動は軽快円滑である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様を示すコンクリート構築用
傾斜サポートの分解斜面図である。

【図２】同上サポートによつて壁型枠を支持した状態の
正断面図である。

【図３】同上要部の拡大正断面図で、中間の上部および
下部を切欠して示す。

【図４】上記サポートによつてＰＣ板を支持した状態の
正断面図である。

【図５】同上サポートのＰＣ板への取付部の拡大正断面
図である。

【符号の説明】

Ａ 壁型枠 Ｂ コンクリート床 ａ ターンバツクル ｂ 壁金具 ｃ 床金具 １ ピン孔 ２ 取手 ３ 下方雌ねじ環 ４ 外管 ５ 調節孔 ６ 上方雌ねじ環 ７ 内管 ８ 止ピン ９ ピン孔 １０ 上方受金 １１ 上方ねじ棒 １２ ピン孔 １３ 下方受金 １４ 下方ねじ棒 １５ 上方取付片 １６ ピン孔 １７ 止ピン １８ 下方取付片 １９ ピン孔 ２０ 止ピン ２１ 止金 ２２ くさり ２３ 鍔 ２４ くさり ２５ くさり ２６ 凹弧状 ２７ 受座 ２８ ねじ ２９ ボルト ３０ 押え座金 ３１ ナツト ３２ リブ ３３ 通孔 ３４ 座板 ３５ 堰板 ３６ 縦ばた材 ３７ 横ばた材 ３８ コンクリート壁 ３９ 後付けアンカー ４０ 取付ボルト ４１ ナツト ４２ インサート ４３ 取付ボルト ４４ ナツト Ａ１ ＰＣ板 ｃ１ 上方床金具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部にピン孔を穿ち、中間部に取手を取
   付けて下端部に左ねじの下方雌ねじ環を設けた外管の上
   部内には、多数の調節孔を軸心方向に適当間隔で並設し
   て上端部に右ねじの上方雌ねじ環を設けた内管の下部を
   摺動自在に嵌合し、上記外管のピン孔と上記内管の適当
   調節孔に止ピンを抜差可能に挿着してターンバツクルを
   構成し、ピン孔を穿つた上方受金を上端に設けた右ねじ
   の上方ねじ棒を上記内管の上方雌ねじ環に螺通し、ピン
   孔を穿つた下方受金を下端に設けた左ねじの下方ねじ棒
   を上記外管の下方雌ねじ環に螺通し、壁型枠に着脱可能
   の壁金具の上方取付片のピン孔と上記上方受金のピン孔
   に止ピンを、床に着脱可能の床金具の下方取付片のピン
   孔と上記下方受金のピン孔に止ピンをそれぞれ抜差可能
   に挿着したことを特徴とするコンクリート構築用傾斜サ
   ポート。