JP3074601B2

JP3074601B2 - 仮設工事用支持装置

Info

Publication number: JP3074601B2
Application number: JP09289008A
Authority: JP
Inventors: 勇吉藤
Original assignee: 勇吉藤
Priority date: 1997-09-12
Filing date: 1997-09-12
Publication date: 2000-08-07
Anticipated expiration: 2017-09-12
Also published as: JPH1193410A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、建築現場の仮設
工事などにおいて、型枠パネル等の被支持物体を支持す
る仮設工事用支持装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建築工事において被支持物体、た
とえばコンクリート打ち込み時に組み立てられる型枠パ
ネルを支持する際は、型枠パネルの外側に角材などをあ
てがい、これを釘打ちして固定することによって、型枠
パネルを支持補強する方法が多く行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように角材の釘打ちにより型枠パネルを支えた場合、型
枠パネルを支える力が角材の強度に依存しており、仮設
工事の大型化に伴い型枠パネルを支える力が大きくな
り、従来と同様の角材の釘打ちだけでは対応が困難にな
る。そこで、型枠パネルの支持力を大きくするため、径
の大きい角材を多数用い釘打ちの本数を倍増させること
があるが、この場合は釘打ちの手間がふえ仮設作業が煩
雑になるばかりか、釘抜きにも時間がかかり解体作業が
面倒になるという問題がある。この発明は上記の問題を
解決するもので、型枠パネル等を角材よりも強度の大き
い部材により支え、多数本の釘打ち作業を行うことなく
支持力を増大させることにより、仮設工事の大型化に対
応でき、現場での仮設作業および解体作業を効率よく行
うことができる仮設工事用支持装置の提供を目的とする
ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するこ
の発明は、ネジ部を有し固定物体を保持する保持部材
と、基端部に鍔部を有し先端部が前記ネジ部と螺合する
ネジ棒と、該ネジ棒の鍔部の近くに取り付けられた回転
レバーと、前記鍔部が遊びをもって結合された結合部を
有し被支持物体が係合する断面コ字形の係合部材とを備
え、該係合部材の両側壁に上側の係止孔及び下側の係止
孔を設けると共に、該係止孔には、被支持物体の係合位
置を固定するテーパ形状の固定部材を貫通装着し、下側
の係止孔は上側の係止孔に対して前記結合部側にずれた
位置に形成されていることを特徴とする。

【０００５】

【発明の実施の形態】この発明において、保持部材によ
る保持方式としては、固定物体の大きさと形状に応じて
締付け方式、挟持方式、握持方式、噛合方式などがあ
る。この保持部材はネジ棒の基端側に対して、すなわち
被支持物体用の係合部材に対して位置調整可能であれば
よい。具体的には、保持部材側には雄ネジと雌ネジのい
ずれを形成してもよいが、保持部材側とネジ棒側とは、
ターンバックルを介してネジ結合させることもできる。
ネジ棒は主に中実であって金属製とするが、使用条件に
よっては中空にしたりセラミック等で表面皮膜をほどこ
すことがある。このネジ棒の端部もしくは中間部には回
転レバーを着脱可能に装着でき、回転レバー自体を伸長
可能に構成すれば、回転レバーの操作性が向上する。ネ
ジ棒の基端部には係合部材が遊びをもった状態で結合さ
れるが、これは、保持部材を位置調整する時に、ネジ棒
に対する係合部材の位置ズレなどを吸収除去するためで
ある。係合部材には、主に型枠パネルの槓杆や仮設の配
管、支柱等が係合されるが、これら被支持物体の係合位
置を規定する固定部（実施例では着脱可能なクサビ状部
材）は、係合部材に対して抜き差し方式、揺動方式、ス
ライド方式などの適宜手段により装着できる。そのばあ
い固定部を装着方向に常にバネ付勢することも考えられ
る。

【０００６】この装置を使用するには、まず保持部材に
固定物体を保持するとともに、係合部材に被支持物体を
係合させて固定部で固定する。固定後、回転レバーによ
りネジ棒を回転させると、保持部材に対する係合部材の
位置が調整されるため、固定物体に対して被支持物体
は、所定位置で確実に固定支持される。なお他の使用例
として、一対の目的物体、たとえば隣り合う支柱同士の
一方を保持部材に保持させ、かつ他方の支柱を係合部材
に係合させることにより、一対の支柱同士の距離を一定
値に保つための位置決め手段として使用することも可能
である。

【０００７】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明
の実施の形態を説明する。図１はこの発明の一実施例に
係る建築工事用支持装置の使用例を示す斜視図、図２は
同装置の係合部材を示す拡大斜視図、図３は同装置の保
持部材を示す拡大斜視図、図４は図２のＡ−Ａ断面図で
ある。

【実施例】図２及び図３に示すように、基端側に係合部
材１が結合されたネジ棒３は、基端部に一対の鍔部３
１、３２を有している。ネジ棒３の鍔部３２近くには、
図４にも示すように、回転レバー３３が移動可能に貫通
して取り付けられている。ネジ棒３の先端側には保持部
材、ここでは固定物体を把持するクランプ２のネジ部２
３が螺合している。クランプ２は、ネジ部２３に固着さ
れ円弧状内側部をもつ固定受け部２２を備え、固定受け
部２２の両端部にはピン２４、２５が固定されている。
固定受け部２２のピン２４には、円弧状内側部をもつ可
動押え部２６の基端部が枢着され、可動押え部２６の先
端部にはＵ字孔２６ａが形成されている。Ｕ字孔２６ａ
には、先端側にナット２７を螺合したボルト２８が挿入
自在とされ、ボルト２８の基端側は固定受け部２２のピ
ン２５に枢着されている。

【０００８】１３は、基底面に嵌合孔１３ａをもつ断面
コ字形の結合部で、この嵌合孔１３ａには、図４に示す
ように、ネジ棒３の鍔部３１、３２箇所が若干の遊びを
もって嵌合している。嵌合孔１３ａは、ここでは結合部
１３の基底面を切り欠いて形成され、この切り欠き幅を
ネジ棒３の直径よりも大きくすることによって、結合部
１３に対してネジ棒３は着脱可能に連結されている。従
って、長さの異なるネジ棒に変更する場合、または係合
幅の異なる係合部材１に変更する場合でも、これに容易
に対応可能となっている。結合部１３には、断面コ字形
の係合部材１が固着され、係合部材１のコ字形開口部に
は、被支持物体５が係合可能とされている。係合部材１
の開口部の両側壁１１、１２には、矩形の係止孔１４
ａ、１４ｂと係止孔１４ｃ、１４ｄが段違い状に設けら
れている。

【０００９】係止孔１４ａ、１４ｂと係止孔１４ｃ、１
４ｄには、板体の固定部材４が出し入れ自由に貫通装着
されている。固定部材４は先端にいくほど幅狭となるテ
ーパ形状、より詳しくは固定部材４の内側面４ａに対し
て外側面４ｂがしだいに傾斜接近する形状であって、固
定部材４の下端部側の板幅は、係止孔１４ｂ、１４ｄの
長手方向の長さに比べ略半分とされている。固定部材４
の上端部に結合したクサリ４１は、係合部材１の上側壁
１２に連結されている。この固定部材４により、被支持
物体５の係合時における位置固定ないし離脱阻止を可能
にしている。なお、上側の係止孔１４ａと下側の係止孔
１４ｂおよび係止孔１４ｃと係止孔１４ｄとは、互いに
上下対向する同位置でもよいが、ここでは図４に示すよ
うに、係止孔１４ａ、１４ｃに対して係止孔１４ｂ、１
４ｄは、結合部１３側に寸法Ｄだけずれた位置に形成さ
れている。

【００１０】つぎに、この建築工事用支持装置をコンク
リート打設工事の現場に用いて、槓杆で連結された型枠
パネルを支持する方法について説明する。図１に示すよ
うに、まずネジ棒３先端側のクランプ２に支柱等の固定
物体６を把持させる。すなわち、固定物体６を固定受け
部２２に挿入して可動押え部２６で押さえたうえで、可
動押え部２６のＵ字孔２６ａにボルト２８を挿入しナッ
ト２７で締めつける。ついで、ネジ棒３基端側の係合部
材１に被支持物体５、ここでは型枠パネルの槓杆を係合
させる。係合部材１内奥まで被支持物体５を係合させた
ら、係合部材１の係止孔１４ａ、１４ｂに固定部材４を
装着する。このあと、回転レバー３３によりネジ棒３を
適宜回転させることによって、ネジ棒３の軸方向に沿っ
てクランプ２を移動させ、クランプ２の係合部材１に対
する離間距離を設定値に調整する。これにより、クラン
プ２内の固定物体６と係合部材１内の被支持物体５との
間の距離調整が行われ、被支持物体５は所定の位置に確
実に支持固定される。

【００１１】なお、クランプ２がネジ棒３の軸方向に沿
って移動する際、ネジ棒３の軸方向に対して係合部材１
の傾きが多少変化するが、この傾きの変化はネジ棒３と
結合部１３との間の遊びによって吸収除去される。ま
た、段取りの変更に伴い厚さ寸法ｔのより大きい被支持
物体５に係合部材１を係合させようとする際は、若干厚
くなっても、テーパ形状の固定部材４の位置変化、特に
その下端部分の図４中左方向Ｌへの傾動変位により、前
記若干量を吸収してこれに対応できる。また、厚さ寸法
ｔがより小さいときはその変化がある程度大きい場合で
も、固定部材４の装着位置を外側の係止孔１４ａ、１４
ｂから内側の係止孔１４ｂ、１４ｄに変更することによ
り、厚さ寸法ｔが小さくなっても容易に対応可能とな
る。

【００１２】この発明は実施例に限定されない。必要に
より被支持物体５の損傷防止のため、係合部材１の内面
には樹脂等により内張りをほどこしてもよい。さらに、
係合幅の寸法調整を可能にするために、係合部材１の開
口部の下側壁１１を、上側壁１２に対して離反接近可能
に構成することも考えられる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば以上のとおり、ネジ棒の
鍔部の近くに取り付けられた回転レバ、ーと、鍔部と遊
びをもって結合された結合部を有する断面コ字形の係合
部材を備え、係合部材の両側壁に設けた係止孔には、テ
ーパ形状の固定部を装着し、下側の係止孔を、上側の係
止孔に対して結合部側にずれた位置に形成したことによ
り、係合部材に被支持物体を係合させて高い強度のネジ
棒によって支持するので、型枠パネル等の工事の大型化
に対応できる大きな支持力が確実にえられ、太い角材や
多数本の釘打ちを必要とせず、支持装置の取り付け取り
外しが簡単となり、仮設作業ないし解体作業を従来にく
らべ効率よく行うことができる。特に、ネジ棒に対し係
合部材の傾きが変化しても、ネジ棒と結合部間の遊びに
より吸収でき、又、段取りの変更で被支持物体の厚さが
若干厚くなっても、テーパ形状の固定部材の傾動変位に
より吸収できる効果がある。また、ネジ棒の基端部を係
合部材に着脱可能に連結したものでは、工事現場での使
用条件の要求に応じて、最適長さのネジ棒や最適幅の係
合部材に容易に取り替えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る建築工事用支持装置の使用例を示
す斜視図である。

【図２】同装置の係合部材を示す拡大斜視図である。

【図３】同装置の保持部材を示す拡大斜視図である。

【図４】図２のＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

１係合部材２クランプ（保持部材）３ネジ棒４固定部材（固定部）４ａ内側面４ｂ外側面５被支持物体６固定物体１１下側壁１２上側壁１３結合部１３ａ嵌合孔１４ａ、１４ｂ係止孔（固定部）１４ｃ、１４ｄ係止孔（固定部）２２固定受け部２３ネジ部２４、２５ピン２６可動押え部２６ａＵ字孔２７ナット２８ボルト３１、３２鍔部３３回転レバー４１クサリ

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ネジ部を有し固定物体を保持する保持部材
と、基端部に鍔部を有し先端部が前記ネジ部と螺合する
ネジ棒と、該ネジ棒の鍔部の近くに取り付けられた回転
レバーと、前記鍔部が遊びをもって結合された結合部を
有し被支持物体が係合する断面コ字形の係合部材とを備
え、該係合部材の両側壁に上側の係止孔及び下側の係止
孔を設けると共に、該係止孔には、被支持物体の係合位
置を固定するテーパ形状の固定部材を貫通装着し、下側
の係止孔は上側の係止孔に対して前記結合部側にずれた
位置に形成されていることを特徴とする仮設工事用支持
装置。