JPH0636718B2 - 複合チユ−インガムおよびその製法 - Google Patents

複合チユ−インガムおよびその製法

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JPH0636718B2
JPH0636718B2 JP60299442A JP29944285A JPH0636718B2 JP H0636718 B2 JPH0636718 B2 JP H0636718B2 JP 60299442 A JP60299442 A JP 60299442A JP 29944285 A JP29944285 A JP 29944285A JP H0636718 B2 JPH0636718 B2 JP H0636718B2
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浩一 尾形
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、柔軟性を有し、しかも喫食すると餅のような
食感を呈する餅様チユーインガムを芯体とし、非餅様チ
ユーインガムを外皮とする複合チユーインガムとその製
法に関するものである。
〔従来の技術〕
一般に、チユーインガムは、ガムベース,糖類,香料等
を混練し、これを冷却したのち、板状あるいは粒状等に
成形して得られるものであつて固体状を呈しており、喫
食してはじめてゴム様の柔軟性を発現するものである。
これに対して、新規で興趣に富む菓子が次々と開発され
ている業界の動きに対応して、近年、喫食前の通常の状
態においても、柔軟性を有する新しいソフトタイプのチ
ユーインガムが提案されている。
上記ソフトタイプのチユーインガムを得る方法として
は、チユーインガムに対して、結着剤である水飴や軟化
剤であるグリセリン等を増量する方法が行われている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記水飴やグリセリンを増量する方法に
よつて得られるチユーインガムは、例えば0℃以下の低
温では柔軟性を維持することができずに硬化し、脆くな
るため、冬期に食感が悪化するという難点を有する。
そこで、チユーインガム中の水飴の少なくとも一部を、
アミロペクチンを主成分とするもち米,ワキシ澱粉等と
水とを加熱処理したα澱粉物によつて代替した柔軟なチ
ユーインガムが提案されている(特開昭60−1141
49号公報)。このチユーインガムは、前記難点を解消
し、低温でも柔軟性を維持し、しかも甘味を抑えたもの
である。しかしながら、上記α澱粉物は、アミロペクチ
ンを主成分とするものの、やはり経時的に老化するた
め、上記チユーインガム自体も経時的に柔軟性を喪失し
商品寿命が短いという致命的な欠陥を有している。ま
た、用いるα澱粉物の製造が煩雑であるため、得られる
チユーインガムが従来のものに比べて割高になるという
難点も有している。一方、近年の傾向として商品の外
観,包装,他の素材との組合せ等によつて商品にその素
材を活かした、あるいはその素材からかけ離れたイメー
ジを付加したり、複合的な食味を与えたものが受け入れ
られやすいため、上記ソフトタイプのチユーインガム
と、より固い通常のチユーインガムとを組合せたものが
提案されている(特開昭57−163445号公報,特
開昭57−181647号公報等)。しかしながら、こ
れらのものは、単に、塑性変形しやすい柔軟なソフトチ
ユーインガムを、固いチユーインガムとともに同時押出
しているにすぎず、芯体部に特殊な食感が付与されてい
るわけではない。このため、口中でこれらを喫食する
と、固い外殻部が咀嚼によつて柔軟になればなるほど芯
体部の柔軟な食感と近似し、両者は混じり合つて区別が
つかなくなる。これでは、喫食し始めこそ特殊な食感
(固いものと軟らかいものの混在)となるが、すぐに単
純な食感となつてしまい、複合チユーインガムならでは
の特殊な食感に乏しいという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、経時
的に老化せず常にソフトな柔軟性を有し、しかも喫食す
ると、餅のような粘弾性を有する特殊な餅様チユーイン
ガムを芯体とし、より固い非餅様チユーインガムをその
外皮とする、複雑な食感の略球状複合チユーインガムお
よびその製法の提供を目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するため、本発明は、芯体とこれを被
覆する外皮とからなる複合チユーインガムであつて、上
記芯体が、キサンタンガムを0.05〜0.1重量%含有する
とともに、マルトースおよびマルトオリゴ糖の少なくと
も一方を含有し、かつ水分を5〜8重量%含有している
餅様チユーインガムによつて形成されており、しかも全
体が略球状に成形されている複合チユーインガムを第1
の要旨とし、キサンタンガムを0.05〜0.1重量%含有す
るとともに、マルトースおよびマルトオリゴ糖の少なく
とも一方を含有し、かつ水分を5〜8重量%含有してい
る餅様チユーインガムを準備する工程と、ガムベースと
糖類を主成分とする非餅様チユーインガムを準備する工
程と、上記餅様チユーインガムを芯体とし、この外周を
上記非餅様チユーインガムが被覆するロープ状の複合チ
ユーインガム材を成形する複合チユーインガム材成形工
程と、上記複合チユーインガム材の長手方向に対して直
角方向から上下一対の刃を、刃の向きに沿つて往復運動
させながら徐々に入れて複合チユーインガム材の略中央
で上記両刃を当接させることにより切断する切断工程と
を備える複合チユーインガムの製法を第2の要旨とす
る。
ここで、ガムベースと糖類を主成分とする非餅様チユー
インガムとは、従来汎用されている通常のチユーインガ
ムのことをいう。
〔作用〕
すなわち、本発明者らは、経時的に老化せず常にソフト
な柔軟性を有し、しかも喫食すると餅のような食感を有
する餅様チユーインガムを通常のチユーインガムで被覆
すると、これまでのものにない風味を有するチユーイン
ガムを得ることができると着想し、この実現のために一
連の研究を重ねた。その結果、天然ガム質であるキサン
タンガムを所定割合で含有するとともにマルトースおよ
びマルトオリゴ糖の少なくとも一方を含有し、かつ一定
量の水分を含有した特殊な餅様チユーインガムを芯体と
して用い、これを通常のチユーインガム(非餅様チユー
インガム)で被覆すると、上記芯体部が、ソフトであり
ながら餅様のこしと粘着性を有する新規な食感となり、
周囲の非餅様チユーインガムの食感と相俟つて、非常に
斬新な風味のチユーインガムとなることがわかつた。そ
して、上記芯体となるチユーインガム材と外皮とあるチ
ユーインガム材とをロープ状に押し出して、独特の動き
をする上下一対の刃で徐々に切断すると、切断面が偏平
になつたり芯体である餅様チユーインガムがはみ出した
り変形を生じたりすることなく、きれいな略球状体に成
形でき、外観的にも斬新なものが得られることを見いだ
し、本発明に到達した。
つぎに、本発明を詳しく説明する。
本発明の複合チユーインガムは、芯体とこの外周を被覆
する外皮からなり、例えば第1図に示すような上下方向
にややつぶれた略球形に成形されている。図において1
は芯体、2は外皮である。
上記芯体1は、例えばつぎのようにして得られる特殊な
餅様チユーインガムによつて形成されている。すなわ
ち、まず、40〜50℃にガムベースを保温し、これを
混合機(ニーダ)に投入し、水飴,ソルビツト,グリセ
リン等を添加すると同時に、キサンタンガムの水溶液を
添加し充分に混練する。つぎに、マルトースおよびマル
トオリゴ糖の少なくとも一方と、必要であれば蔗糖粉
末,ブドウ糖,麦芽糖等の他の粉体成分を投入して混練
し、全体が略均一に混ざつた時点で香料,色素および必
要に応じて酸味料を添加し、均一な餅状の滑らかさがで
るまで充分に混練する。このようにして餅様チユーイン
ガムが得られる。この餅様チユーインガムは、それ自身
流動性は有さず固形状であり、手触りが餅様の柔らかさ
と粘弾性を呈する。
上記キサンタンガムの水溶液は、1〜3重量%(以下
「%」と略す)のものを用いることが好ましく、このよ
うな水溶液を用いてガム中のキサンタンガム含有量がガ
ムの0.05〜0.1%になるように添加することが必要であ
る。キサンタンガム含有量が0.05%未満の場合、得られ
るチユーインガムは餅様でなく、通常のガムと変わりな
いものとなり、逆に0.1%を超えると食感がブヨブヨし
て喫食に適さなくなるからである。また、1%未満のキ
サンタンガム水溶液を用いて上記ガム中のキサンタンガ
ム含有量の適正範囲のものを得ようとすれば、水分が多
くなりすぎ、好ましい餅様食感が得られない。逆に、3
%よりも濃いキサンタンガム水溶液を用いるとキサンタ
ンガムの分散性が悪く、いわゆるダマを生じ易くなると
同時に、やはりブヨブヨした食感となるのである。
上記キサンタンガム水溶液の添加により、餅様チユーイ
ンガムに含有される水分量がガムに対し5〜8%となる
ことが必要である。5%未満では餅様の柔軟性,弾力性
を得ることができず、8%を超えるとガムがブヨブヨに
なつて餅様食感が得られないからである。通常、キサン
タンガムは、上記製法に示すように水溶液として添加さ
れるが、場合によつてはキサンタンガムと水とを個別に
添加してもよい。また、キンタンガム水溶液と水および
キサンタンガムのいずれか一方を組み合わせてもよい。
これらの場合も、両者のガムに対する配合量は上記範囲
を守ることが肝要である。
なお、上記の製法では、キサンタンガム水溶液を水飴,
ソルビツト等と同時に添加しているが、キサンタンガム
水溶液の添加はチユーインガム製造のどの段階で加えて
もよい。チユーインガム原料の配合段階で加えてもよい
し、チユーインガム製造後の段階で加えてもよい。ま
た、チユーインガム甘味原料としては水飴,ソルビツ
ト,蔗糖粉末,ブドウ糖および麦芽糖等の糖類以外に、
通常、甘味原料として用いられる糖類を広く用いること
ができる。
特に、上記糖類の一部としてマルトースおよびマルトオ
リゴ糖の少なくとも一方を用いることが必要である。す
なわち、上記のように、キサンタンガム水溶液を所定割
合で配合すると、チユーインガムに柔軟性が与えられソ
フトな食感となるが、そのままではべたつきやすく、餅
様の粘り(こしの強さ)が乏しくなる。そこで、上記マ
ルトース,マルトオリゴ糖を用いることにより、柔軟な
チユーインガムに粘弾性を与え、喫食時に餅様の粘りと
こしを発現させるのである。この場合、その使用量は糖
類全体の10〜20%に設定することが好ましい。これ
より多く添加するとガムに粘弾性がつきすぎて好ましく
ないからである。なお、上記マルトオリゴ糖としてはマ
ルトトリオースやマルトテトラオース等をあげることが
できる。
また、上記ガムベースについてはどのようなものを用い
てもよいが、特に風船ガム用ガムベースが好適である。
さらに、香料についても適宜選択されて用いられるが、
糖類の一部としてマルトースやマルトオリゴ糖を用いる
と甘味を幅広く調整することができるため、従来あまり
用いられていない桜餅香料や抹茶香料を用いても香りの
効果が高く、餅様の食感と相俟つて好ましいチユーイン
ガムが得られるようになる。
このようにして得られる餅様チユーインガムは、老化に
よる硬化が全くみられず、ソフト感が持続する優れたチ
ユーインガムであり、しかも、喫食時には餅様のこしと
粘着性を味わうことができるものである。
一方、外皮2は通常のチユーインガムによつて形成され
ている。このような通常のチユーインガムは例えばつぎ
のようにして得られる。すなわち、下記の原料を下記の
割合で準備し、保湿したガムベースに糖類の一部と水飴
を加えてよく混練したのち、香料と残りの糖類を加え、
さらに混練することによつて得られる。
ガムベース:33.0% ブドウ糖 :25.0% 粉 糖 :21.3% 水 飴 :20.0% 色素・香料: 0.7% この場合、上記色素は、組み合わす餅様チユーインガム
の色と異なる色となるように選択することが色のコント
ラストの点で好ましい。
上記のようにして得られた餅様チユーインガムと通常の
チユーインガムを用いて本発明の複合チユーインガムを
得るためには、例えば、まず上記餅様チユーインガムと
通常のチユーインガムとを、公知の押出機に掛け、餅様
チユーインガムを芯体とし、これを通常のチユーインガ
ムが被覆したロープ状の複合チユーインガム材として押
し出す。つぎに、これを所定の径に絞つたのち、切刃等
で適当な大きさに切断することによつて行うことができ
る。ただし、単にロープ状複合チユーインガム材を切刃
で切断するだけでは、第2図に示すような円柱状の複合
チユーインガムとなり、形状の面白さに欠けるばかりで
なく、柔軟で粘弾性ある餅様チユーインガムが切断の際
に外皮2からはみ出したりする等の不都合を生じる。
このような弊害の排除は、前記と同様にして得られたロ
ープ状の複合チユーインガム材を、球断機を用いて切断
することにより実現できるのであり、このように球断
機、あるいはこれと同様の原理の切断手段を用いて切断
することが本発明の大きな特徴である。
上記球断機は、第3図に示すように、所定間隔で上下一
対の刃5が複数個配設されている上下一対のコンベア
6,6aから構成している。これらのコンベ6および6
aは、入口から出口の方に向かつて上下の刃5の間隔が
徐々に狭くなるように傾斜配置されている。7はロープ
状の複合チユーインガム材である。上記コンベア6,6
aは矢印Bのように回転し、ローフ状複合チユーインガ
ム材7を入口から出口方向へ搬送すると同時に送り方向
に対して垂直方向(紙面に対して直角方向)にも一定の
往復振動を行う。したがつて、上記コンベア6,6aに
取り付けられた上下一対の刃5は、ともに刃5の向きに
沿つて往復運動を行う。
このような球断機を用いて上記ロープ状の複合チユーイ
ンガム材を切断すると、上記のように往復運動する上下
の刃5が徐々にその間隔を狭めてゆき、切断動作が緩慢
に行われるため、切断の過程で、切断面があたかも手で
丸められたかのように丸く変形し、被切断物が上下方向
(切断方向)にややつぶれた略球形になり、第1図に示
すような略球形の複合チユーインガムが得られるように
なる。
このように、球断機を用いてロープ状複合チユーインガ
ムを切断すると、芯体である餅様チユーインガムがはみ
出したり変形を生じたりすることがなく、良好な成形品
を得ることができる。しかも、得られる複合チユーイン
ガムが、角張つた感じがなく全体として餅のように丸味
を帯びた略球状とあり、視覚的にも興趣に富むようにな
る。
なお、上記製法においては球断機を用いたが、球断機を
用いた連続的な切断によらなくても、球断機と同様の原
理による切断であればどのような切断方法を用いてもよ
い。
また、上記複合チユーインガムの製法において、芯体と
する餅様チユーインガムと外皮とする通常のチユーイン
ガムの配合割合は、餅様チユーインガムが複合チユーイ
ンガム全量に対して50〜70%であることが好まし
い。50%未満では得られる複合チユーインガムを口中
で咀嚼しても餅様食感があまり得られず、70%を超え
ると外皮が薄くなり、得られる複合チユーインガムの保
形性が弱いものとなるためである。
このようにして得られた本発明の複合チユーインガム
は、餅様チユーインガムを芯体とし、より固い通常のチ
ユーインガムを外皮とするため、流通過程において保形
性がよく、略球形の成形品をそのまま需要者に供給する
ことができる。そして、需要者が口中で咀嚼すると、ま
ず餅様チユーインガムが内側からはみ出すため、粘弾性
ある餅様食感を楽しめ、つぎに、餅様チユーインガムと
通常のチユーインガムの混じり合つた食感を楽しめ、最
後には通常のチユーインガムの食感が楽しめるという3
段階の変化に富む食感を楽しむことができるのである。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔実施例1〕 下記の原料を下記の割合で準備し、前記製法に従つて餅
様チユーインガムと通常のチユーインガムをそれぞれ製
造した。
〈餅様チユーインガム〉 ガムベース 25 重量部 グルコース 25 〃 マルトース 20 〃 マルチテトラオース 15 〃 ラクトース 10 〃 水 飴 3 〃 キサンタンガム3%水溶液 3 〃 フルーツ香料 0.7〃 酸 味 料 0.8〃 〈通常のチユーインガム〉 ガムベース 25 重量部 グルコース 50 〃 マルトース 10 〃 ラクトース 10 〃 水 飴 3 〃 グリセリン 1 〃 フルーツ香料 0.7〃 酸 味 料 0.8〃 色 素 0.1〃 このようにして得られた餅様チユーインガムと通常のチ
ユーインガムを、餅様チユーインガム:通常のチユーイ
ンガム=60:40の割合で押出機に掛けてロープ状の
複合チユーインガム材を得たのち、球断機を用いて略球
状に切断することにより目的とする複合チユーインガム
を得た。
〔実施例2〕 餅様チユーインガムの香料を桜餅香料0.5重量部に変え
た。それ以外は実施例1と同様にして目的とする複合チ
ユーインガムを得た。
〔実施例3〕 餅様チユーインガム:通常のチユーインガム=40:6
0の割合とした。それ以外は実施例1と同様にして目的
とする複合チユーインガムを得た。
〔実施例4〕 餅様チユーインガム:通常のチユーインガム=80:2
0の割合とした。それ以外は実施例1と同様にして目的
とする複合チユーインガムを得た。
〔実施例5〕 キサンタンガム水溶液として1%水溶液を5重量部用い
た。それ以外は実施例1と同様にして目的とする複合チ
ユーインガムを得た。
〔実施例6〕 キサンタンガム水溶液として3%水溶液を3重量部用い
ると同時に水を3重量部添加した。それ以外は実施例1
と同様にして目的とする複合チユーインガムを得た。
〔比較例1〕 餅様チユーインガムとして下記の原料を下記の割合で準
備したものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして
目的とする複合チユーインガムを得た。
〈餅様チユーインガム〉 ガムベース 25 重量部 グルコース 62 〃 ラクトース 10 〃 澱粉加工物 * 3 〃 フルーツ香料 0.7〃 酸 味 料 0.8〃 *:アミロペクチンのα化澱粉 (水分30%含有) 〔比較例2〕 餅様チユーインガムとして下記の原料を下記の割合で準
備したものを用いた。それ以外は実施例1と同様にして
目的とする複合チユーインガムを得た。
〈餅様チユーインガム〉 ガムベース 25 重量部 グルコース 58 〃 ラクトース 10 〃 水 飴 3 〃 キサンタンガム3%水溶液 3 〃 フルーツ香料 0.7〃 酸 味 料 0.8〃 以上のようにして得られた実施例品と比較例品につい
て、ポリエチレン袋に充填し、ヒートシールによつて密
封したのち、室温下および−10℃の雰囲気下で2ケ月
間放置してパネル(成人男女各10名)による官能試験
に供した。官能評価の基準は下記のとおりである。
〈喫食評価〉 ×…餅様チユーインガムが硬くなつており、食感が悪
い。
△…やや劣る。
○…餅様チユーインガムと通常のチユーインガムの混じ
り合つた優れた食感である。
その結果を第1表に示した。
第1表から明らかなように、実施例1,2,4〜6によ
つて得られた複合チユーインガムは、室温下および−1
0℃の雰囲気下に2ケ月間放置しても芯体である餅様チ
ユーインガムが硬化せず、優れた食感を維持しており、
極めて興趣に富むものである。これに対して、比較例1
品は、硬化が著しく、食感が悪くなつていることがわか
る。また、比較例2品は、硬化はしないものの、マルト
ースもマルトオリゴ糖も含有していないため、餅様の粘
弾性に乏しく、斬新な食感とはいえない。一方、実施例
3によつて得られた複合チユーインガムは、餅様チユー
インガムの配合割合がやや少ないため、他の実施例のも
のに比べて食感がやや劣つている。さらに実施例4によ
つて得られた複合チユーインガムは、食感では問題がな
いが、餅様チユーインガムの配合割合が多すぎて外皮が
薄くなりすぎているため、やや保形性が悪い。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明の複合チユーインガムは、その芯
体が経時的に老化せず常に餅様の柔軟性を有し、しかも
喫食すると餅のような食感を有する餅様チユーインガム
で形成されており、外皮がより固い通常のチユーインガ
ムで形成されているため、保形性に優れ、しかも喫食す
るとはじめは餅様チユーインガムの食感を楽しめ、しだ
いに通常のチユーインガムの食感に移行するという特異
な食感を呈する極めて興趣に富むものである。また、本
発明の製法に従うことにより略球状の複合チユーインガ
ムを、変形を生じさせることなく効率よく製造しうるの
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の複合チユーインガムの外観図、第2図
は複合チユーインガム成形品の説明図、第3図は本発明
の複合チユーインガムの製法に用いる球断機の原理説明
図である。 1……芯体、2……外皮、5……刃、6,6a……コン
ベア、7……複合チユーインガム材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯体とこれを被覆する外皮とからなる複合
    チユーインガムであつて、上記芯体が、キサンタンガム
    を0.05〜0.1重量%含有するとともに、マルトースおよ
    びマルトオリゴ糖の少なくとも一方を含有し、かつ水分
    を5〜8重量%含有している餅様チユーインガムによつ
    て形成されており、しかも全体が略球状に成形されてい
    ることを特徴とする複合チユーインガム。
  2. 【請求項2】餅様チユーインガムの含有量が全量に対し
    て50〜70重量%となるように設定されている特許請
    求の範囲第1項記載の複合チユーインガム。
  3. 【請求項3】複合チユーインガムのガムベースが風船ガ
    ム用ガムベースである特許請求の範囲第1項または第2
    項記載の複合チユーインガム。
  4. 【請求項4】キサンタンガムを0.05〜0.1重量%含有す
    るとともに、マルトースおよびマルトオリゴ糖の少なく
    とも一方を含有し、かつ水分を5〜8重量%含有してい
    る餅様チユーインガムを準備する工程と、ガムベースと
    糖類を主成分とする非餅様チユーインガムを準備する工
    程と、上記餅様チユーインガムを芯体とし、この外周を
    上記非餅様チユーインガムが被覆するロープ状の複合チ
    ユーインガム材を成形する複合チユーインガム材成形工
    程と、上記複合チユーインガム材の長手方向に対して直
    角方向から上下一対の刃を、刃の向きに沿つて往復運動
    させながら徐々に入れて複合チユーインガム材の略中央
    で上記両刃を当接させることにより切断する切断工程と
    を備えることを特徴とする複合チユーインガムの製法。
  5. 【請求項5】餅様チユーインガムの含有量が全量に対し
    て50〜70重量%となるように設定されている特許請
    求の範囲第4項記載の複合チユーインガムの製法。
  6. 【請求項6】複合チユーインガムのガムベースが風船ガ
    ム用ガムベースである特許請求の範囲第4項または第5
    項記載の複合チユーインガムの製法。
JP60299442A 1985-12-28 1985-12-28 複合チユ−インガムおよびその製法 Expired - Lifetime JPH0636718B2 (ja)

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