JPH0636288Y2

JPH0636288Y2 - フレームを利用した消音装置

Info

Publication number: JPH0636288Y2
Application number: JP11527388U
Authority: JP
Inventors: 幸博山咲
Original assignee: Daihatsu Motor Co Ltd
Current assignee: Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date: 1988-08-31
Filing date: 1988-08-31
Publication date: 1994-09-21
Anticipated expiration: 2003-08-31
Also published as: JPH0237256U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、フレーム付き構造を採用する自動車等に好適
に利用可能なフレームを利用した消音装置に関するもの
である。

［従来の技術］フレーム付き構造を採用するキャブオーバタイプ等の自
動車では、フレーム内の空間を利用して吸気騒音を低減
させるようにしているものがある。

しかして、従来のものは、本考案の先行技術として、例
えば実開昭57−78761号公報に示されるように、フレー
ム内に設けた共鳴室を、吸気の吸込口とエアクリーナと
の途中で、吸気通路に並列的に接続しているのが普通で
ある。

［考案が解決しようとする課題］ところが、音波は吸気の流れる方向、換言すれば、フレ
ームの先端側から後端側の軸方向へ伝播し易い傾向があ
るため、共鳴室は吸気の流れる方向に配置するのが望ま
しい。しかして、前記先行技術に示されるように、共鳴
室を吸気通路に連通させているだけでは、充分な消音効
果を得ることが難しい。

本考案は、このような不具合を解消するとともに、共鳴
室と拡張室とを好適に組合わせることによって、より効
果的に吸気騒音を低減することのできるフレームを利用
した消音装置を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］本考案は、かかる目的を達成するために、次のような構
成を採用したものである。

すなわち、本考案にかかるフレームを利用した消音装置
は、フレーム内の空間を利用してエアクリーナに吸気を
導くように構成したものにおいて、前記空間に拡張室と
共鳴室を軸方向に直列に連設するとともに、前記共鳴室
の上流側に隣設した拡張室を前記エアクリーナ内に連通
させていることを特徴とする。

［作用］このような構成によると、拡張室によってフレーム内に
不連続的な断面の吸気通路が形成される。このため、フ
レーム内に導入された吸気は、膨脹および収縮するとと
もに、音波の反射・干渉によって音波のエネルギーが緩
衝されることになる。

また、吸気の流れに伴って軸方向へ伝播する音波のエネ
ルギーは、前記拡張室の下流側の共鳴室へ導かれる。そ
して、この共鳴室における共鳴によって音波のエネルギ
ーが吸収されることになる。

［実施例］以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第１図は、キャブオーバタイプ等の自動車に採用される
フレームを利用した消音装置を概略的に示した一部断面
図である。このフレームを利用した消音装置は、フレー
ム１内の空間２に一直線上に設けた吸気の拡張室３、４
と、これらの拡張室３、４の下流側に連設した共鳴室５
とを備えている。

フレーム１は、第２図に概略的に示すように、上面開口
形の下フレーム６の上端に略平坦な上フレーム７を固着
してなるもので、内部に直線状の空間２を形成してい
る。そして、この空間２を吸気通路として利用し、フレ
ーム１の先端部に設けた吸気の吸込口（図示せず）から
該フレーム１内の吸気が導入されるようになっている。

拡張室３、４は、複数の仕切板８によってフレーム１内
の空間２を軸直交方向に仕切って形成してあり、軸方向
に直列に配置してある。各仕切板８は、第３図に概略的
に示すように、上端部8aと下端部8b、および左右の側端
部8c、8dをそれぞれ反対側に屈曲させた金属製のもの
で、フレーム１の横断面形状に対応する形に形成してあ
る。そして、各仕切板８の下端部8bおよび側端部8c、8d
の略中央8eを、下フレーム６の底壁6aおよび両側の側壁
6b、6cの内面にそれぞれスポット溶接し、フレーム１内
に略鉛直姿勢に固着してある。また、各仕切板８とフレ
ーム１の内壁面との隙間、例えば仕切板８の四角部とフ
レーム１内の四隅部との間に形成された隙間には、シー
ラ等のシール材９を充填してある。一方、各仕切板８の
中央には、開口部10をそれぞれ設けてあり、隣設する拡
張室３、４同士、および拡張室４と前記共鳴室５とを連
通させてある。

共鳴室５は、前記拡張室３、４の下流側に軸方向に直列
に設けてある。この共鳴室５の他方の仕切板11は、上端
部11aと下端部11b、および両側の側端部（図示せず）を
それぞれ反対側に屈曲させた金属製のもので、前記仕切
板８と略同様な形に形成してある。そして、下端部11b
および両側の側端部の中央を下フレーム６の底壁6aおよ
び側壁6b、6cの内面にそれぞれスポット溶接し、フレー
ム１内に鉛直姿勢に固着してある。また、この仕切板11
とフレーム１の内壁面との隙間、例えば仕切板11の四角
部とフレーム１内の四隅部との間に形成された隙間に
は、シーラ等のシール材（図示せず）を充填してある。
そして、この共鳴室５に隣接する前記拡張室４を吸気導
出管12を介してエアクリーナ13内に連通させてある。ま
た、このエアクリーナ13にはエアインレットホース14等
を接続してあり、該エアクリーナ13内の吸気が気化器側
Ｃへ導かれるようになっている。

このような構成によると、フレーム１内に不連続的な断
面の吸気通路が形成される。そして、フレーム１内に導
入された吸気は、拡張室３、４を通過する際に膨脹およ
び収縮を繰り返しながらエアクリーナ13に導かれる。こ
のため、吸気流等に伴って発生した吸気騒音の音波は、
吸気の膨脹・収縮とともに相互に反射・干渉してそのエ
ネルギーが緩衝されることになる。

また、吸気流に伴って気流方向、すなわち、軸方向に伝
播する音波のエネルギーは、前記拡張室３、４の下流側
に直列に連設した共鳴室５等へ導かれる。そして、この
共鳴室５における共鳴によって音波のエネルギーが吸収
されることになる。

したがって、このような構成によれば、吸気流に伴って
発生する吸気騒音の音波エネルギは、拡張室３、４によ
って有効に減衰され、さらに、これらの拡張室３、４の
下流側に伝播する音波エネルギは、共鳴室５によって有
効に吸収されるので、吸気騒音を確実に抑制することが
できる。そして、叙述のように、吸気騒音を効果的に抑
制することができると、拡張室３、４や共鳴室５等を小
さくすることも可能であり、装置全体を無理なく小型化
することもできる。

また、上述の実施例の如く、拡張室３、４や共鳴室５を
形成する仕切板８、11をフレーム１と横断面形状が対応
する形状とし、このフレーム１内に溶接してあると、仕
切板８、11がフレーム１の補強部材としての役割を果た
すため、フレーム１の強度・剛性等が高められる。

なお、フレームは必ずしも一直線状のものに限らず、拡
張室と共鳴室をフレームが伸びる方向に直列に連設し得
るものであれば、若干曲折したものでも、本考案は有効
に適用可能である。また、拡張室や共鳴室および仕切板
等の形状、あるいは拡張室の室数等は、上記実施例に示
すものに限定されないのは勿論である。

［考案の効果］以上叙述の如く、本考案では吸気の拡張室および共鳴室
を軸方向へ直列に連設してあるので、吸気音の音波エネ
ルギを有効に減衰および吸収させて、吸気騒音を効果的
に抑制することができるフレームを利用した消音装置を
提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体の構成を
概略的に示す一部断面図、第２図はフレーム内に仕切構
造を示す横断面図、第３図は仕切板の概略的な斜視図で
ある。１…フレーム２…フレーム内の空間３、４…拡張室５…共鳴室８、９…仕切板 13…エアクリーナ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】フレーム内の空間を利用してエアクリーナ
に吸気を導くように構成したものにおいて、前記空間に
拡張室と共鳴室を軸方向に直列に連設するとともに、前
記共鳴室の上流側に隣設した拡張室を前記エアクリーナ
内に連通させていることを特徴とするフレームを利用し
た消音装置。