JPH0635556U - ステアリングロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キーロータとシフトレバーとを連繋させたス
テアリングロック装置において、小形化を図ることがで
き、これに伴い配設スペースも小さくできるようにす
る。 【構成】 回動部材９及びスライダ１１を収納する収納
部７を、ハウジング１の外周部にその軸線８の上方に位
置し且つ長手方向が該外周部の接線方向となるように形
成することで、その収納部７がハウジング１の側方へ殆
ど張り出さないようにしている。回動部材９はキーロー
タ３と一体に回動するカム６により軸部９ａを中心に回
動され、スライダ１１はシフトレバーに連動して収納部
７の長手方向に移動されるようになっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、キーによって回動操作されるキーロータと自動変速機用のシフトレ バーとを連繋させた構成のステアリングロック装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、自動変速機付き自動車のステアリングロック装置においては、キーによ って回動操作されるキーロータと自動変速機用のシフトレバーとを連繋させる構 成とすることにより、キーロータが施錠位置たる「ＬＯＣＫ」位置にある状態で は、シフトレバーをパーキングポジションから他のポジションへシフトすること を阻止し、また、シフトレバーがパーキングポジション以外にシフトされた状態 では、キーロータを作動位置である「ＡＣＣ」位置から「ＬＯＣＫ」位置へ回動 することを阻止する機能を備えたものが供されている。

【０００３】 例えば実開平２−１０３８３３号公報には、次のような構成のものが示されて いる。すなわち、キーロータを収納するハウジング内にキーロータと一体に回動 するカムを設ける。また、ハウジングの外周部に側方へ張り出すように収納部を 設け、この収納部内に、ケーブルを介してシフトレバーと連動するスライド部材 をスライド可能に設けると共に、このスライド部材のスライドに伴って回動する カムレバーを設ける。

【０００４】 このものにおいて、キーロータが「ＬＯＣＫ」位置にある状態では、カムによ りカムレバーの回動が阻止されることによって、シフトレバーをパーキングポジ ションから他のポジションへシフトすることが阻止され、また、シフトレバーが パーキングポジション以外のポジションにある状態では、カムレバーによりカム の回動が阻止されることによって、キーロータを「ＡＣＣ」位置から「ＬＯＣＫ 」位置へ回動することが阻止されるようになっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した構成のものの場合、スライド部材及びカムレバーを収 納する収納部がハウジングの外周部から側方（径方向）へ大きく張り出している ため、大きな配設スペースを必要とするという欠点がある。

【０００６】 そこで、本考案の目的は、キーロータと自動変速機用のシフトレバーとを連繋 させたものにおいて、小形化を図ることができ、これに伴い配設スペースも小さ くし得るステアリングロック装置を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ハウジングに設けられ、差し込まれたキーの回動操作により施錠位 置と作動位置との間で回動されるキーロータと、このキーロータと一体に回動す るように設けられたカムと、前記ハウジングの外周部にその軸線の上方に位置し 且つ長手方向が該外周部の接線方向となるように形成された収納部と、この収納 部に規制位置と規制解除位置との間で回動するように設けられ、前記キーロータ が施錠位置へ回動されることに伴い前記カムにより規制位置へ回動されてその位 置に保持され、キーロータが作動位置へ回動されることに伴い規制位置から規制 解除位置への回動が許容される回動部材と、前記収納部にこれの長手方向に沿っ てロック位置とロック解除位置との間で移動するように設けられ、シフトレバー がパーキングポジションへシフトされることに伴いロック解除位置へ移動され、 その状態で前記回動部材がカムにより規制位置に保持されたときにその回動部材 によりロック解除位置からロック位置への移動が阻止され、シフトレバーがパー キングポジション以外のポジションへシフトされることに伴いロック位置へ移動 され、その状態で回動部材が規制解除位置から規制位置へ回動することを阻止す るスライダとを具備する構成としたところに特徴を有する。

【０００８】

【作用】

上記構成において、キーロータが施錠位置にある状態では、カムにより回動部 材が規制位置に保持され、その回動部材によりスライダがロック解除位置からロ ック位置へ移動することが阻止されることによって、シフトレバーをパーキング ポジションから他のポジションへシフトすることが阻止される。また、シフトレ バーがパーキングポジション以外のポジションにある状態では、スライダがロッ ク位置に移動して該スライダにより回動部材が規制解除位置から規制位置へ回動 することが阻止され、その回動部材によりカムの回動が阻止されることによって 、キーロータを作動位置から施錠位置へ回動することが阻止される。

【０００９】 このものの場合、回動部材及びスライダを収納する収納部を、ハウジングの外 周部にその軸線の上方に位置し且つ長手方向が該外周部の接線方向となるように 形成することで、その収納部がハウジングの側方へ殆ど張り出さないようにでき る。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の一実施例につき図面を参照して説明する。まず図１において、 ハウジング１は略筒状をなし、前部に周知構成のシリンダ錠２が配設されている 。このシリンダ錠２にはキーロータ３が回動可能に設けられている。

【００１１】 キーロータ３は、施錠位置たる「ＬＯＣＫ」位置でキー孔３ａに対するキー（ 図示せず）の抜き差しが可能で、差し込まれたキーが矢印Ａ方向へ回動操作され ることに伴いそれぞれ作動位置たる「ＡＣＣ」、「ＯＮ」及び「ＳＴＡＲＴ」位 置へ順に回動され、その作動位置ではキーの抜き取りが不能となる構成となって いる。

【００１２】 キーロータ３の後方にはこれと一体に回動されるシャフト４が設けられており 、このシャフト４を介してイグニッションスイッチ５が操作されるようになって いる。上記シャフト４の前部寄りの外周部にはカム６が一体に設けられており、 このカム６の一方側の端部には斜面６ａが形成されている。なお、シャフト４は 、シリンダ錠２をハウジング１に組み込む前に、ハウジング１の前面開口部側か らハウジング１内に挿入して組み込まれる。

【００１３】 上記ハウジング１において、カム６と対応する外周部には、第１及び第２の収 納部７ａ，７ｂを有する収納部７を一体に形成している。収納部７は、ハウジン グ１の外周部において、このハウジング１の軸線、すなわちキーロータ３の軸線 ８の上方に位置し、且つ長手方向が該外周部の接線方向となるように形成されて いる。

【００１４】 上記収納部７においてカム６の外周部と対応する第１の収納部７ａには、図２ 及び図３に示すように、回動部材９を軸部９ａを介して回動可能に設けている。 回動部材９の自由端部側には円柱状をなす規制部９ｂが設けられており、この規 制部９ｂにおけるカム６側の先端部が、ハウジング１に形成された孔１０（図３ 参照）を通してカム６側（ハウジング１の内方側）へ突出している。

【００１５】 而して、この回動部材９は、図２及び図４に示すように規制部９ｂが第２の収 納部７ｂ側へ突出した規制位置と、図５に示すように規制部９ｂが第１の収納部 ７ａ内に収納された規制解除位置との間で回動するようになっており、上記キー ロータ３が「ＬＯＣＫ」位置に回動されたときにカム６により規制位置へ回動さ れてその位置に保持され、キーロータ３が作動位置へ回動されることに伴いカム ６による規制が解除されて規制位置から規制解除位置への回動が許容されるよう になっている。

【００１６】 上記収納部７における第２の収納部７ｂには、これの長手方向に沿ってスライ ダ１１が移動可能に収納されている。このスライダ１１には、上面部に収容凹部 １１ａが形成され、また、回動部材９側の角部に斜面１１ｂが形成されている。 収容凹部１１ａにはケーブル１２が連結された連結部１３が収容されていて、そ のケーブル１２の他端部は図示はしないが自動変速機のシフトレバー側と連結さ れている。

【００１７】 而して、スライダ１１は、シフトレバーがパーキングポジションにシフトされ ることに伴い、ケーブル１２を介して図２及び図４に示すように図中上方側のロ ック解除位置へ移動され、また、シフトレバーがパーキングポジション以外のポ ジションへシフトされることに伴い、ケーブル１２を介して図５に示すように図 中下方側のロック位置へ移動されるようになっている。

【００１８】 収納部７はカバー１４によって覆われており、このカバー１４により上記回動 部材９における軸部９ａの上端部が回動可能に支持されている。

【００１９】 なお、上記シャフト４には図示はしないがカム６とは別にステアリングロック 用カムが設けられるようになっており、また、ハウジング１において、上記収納 部７とイグニッションスイッチ５との間にはステアリングロック用収納部１５が 設けられている。そして、ステアリングロック用収納部１５には、ステアリング ロック用カムにより移動される可動枠及びロックバー、並びにこれらをステアリ ングシャフト側へ付勢するばね（いずれも図示せず）が収納されるようになって おり、上記キーロータ３が「ＬＯＣＫ」位置へ回動されたときに、ロックバーの 先端がステアリングシャフトに係合してステアリングシャフトをロックし、キー ロータ３が作動位置へ回動されたときには、そのロックが解除されるように構成 されている。

【００２０】 次に上記構成の作用を説明する。キーロータ３が「ＬＯＣＫ」位置に回動され た状態では、カム６が図２ないし図４に示す位置にあり、そのカム６により回動 部材９が規制位置（図２及び図４参照）に回動された状態で保持されており、ま た、図示しないシフトレバーはパーキングポジションにあり、これに伴いスライ ダ１１はロック解除位置（同図２及び図４参照）に移動されている。さらに、ス テアリングシャフトはロックバーとの係合によりロックされている。

【００２１】 この状態で、シフトレバーをパーキングポジションから他のポジションへシフ トしようとすると、ケーブル１２を介してスライダ１１が図２及び図４中矢印Ｂ 方向へ引っ張られ、スライダ１１の斜面１１ｂが回動部材９の規制部９ｂを押す ようになるが、回動部材９は規制位置に保持されていて規制解除位置への回動が 阻止されているから、スライダ１１をロック解除位置からロック位置へ移動させ ることはできない。

【００２２】 従って、キーロータ３が「ＬＯＣＫ」位置に回動された状態では、シフトレバ ーをパーキングポジションから他のポジションへシフトすることが阻止されてい る。

【００２３】 この状態で、キーロータ３にキーを差し込んで、キーロータ３を作動位置方向 である矢印Ａ方向へ回動させて「ＡＣＣ」位置まで回動させると、カム６が同矢 印Ａ方向に回動されて回動部材９の規制部９ｂと対応する位置から外れるように なり（図５参照）、回動部材９が規制位置から規制解除位置へ回動することが許 容されるようになる。また、キーロータ３の回動に伴い、ステアリングシャフト に対するロックバーの係合が外れて、ステアリングシャフトのロックが解除され る。

【００２４】 キーロータ３が作動位置（例えば「ＡＣＣ」位置）に回動された状態で、シフ トレバーをパーキングポジションから他のポジションへシフトすると、ケーブル １２を介してスライダ１１が矢印Ｂ方向へ引っ張られて図５に示すロック位置へ 移動される。これに伴い、回動部材９の規制部９ｂが斜面１１ｂにより押され、 回動部材９が規制位置から軸部９ａを中心に矢印Ｃ方向へ回動して規制解除位置 へ回動される。

【００２５】 従って、キーロータ３が作動位置に回動された状態では、シフトレバーをパー キングポジションから他のポジションへシフトすることが許容される。

【００２６】 一方、シフトレバーがパーキングポジション以外のポジション、例えばドライ ブポジションにある状態では、スライダ１１は図５に示すロック位置にあり、こ の状態ではスライダ１１により回動部材９が規制解除位置から規制位置への回動 （反矢印Ｃ方向への回動）が阻止されている。

【００２７】 この状態で、キーロータ３を作動位置、例えば「ＡＣＣ」位置から「ＬＯＣＫ 」位置へ回動させようとしても、カム６の斜面６ａが回動部材９の規制部９ｂに 当たってそれ以上回動させることができない。

【００２８】 従って、シフトレバーがパーキングポジション以外のポジションにある状態で は、キーロータ３を「ＬＯＣＫ」位置まで回動させることができないから、不用 意にキーが抜かれたり、ステアリングシャフトがロックされたりすることが防止 される。

【００２９】 そして、キーロータ３が作動位置にある状態で、シフトレバーをパーキングポ ジション以外のポジションからパーキングポジションへシフトすると、ケーブル １２を介してスライダ１１が矢印Ｂとは反対方向へ移動してロック解除位置へ移 動される。これに伴い、回動部材９の規制解除位置から矢印Ｃとは反対方向への 回動が許容されるようになる。

【００３０】 この状態で、作動位置にあるキーロータ３を反矢印Ａ方向へ回動させると、カ ム６が斜面６ａにより回動部材９を反矢印Ｃ方向へ回動させながら「ＬＯＣＫ」 位置まで回動させることができるようになる。

【００３１】 従って、キーロータ３が作動位置にある状態で、シフトレバーをパーキングポ ジションへシフトすると、キーロータ３を「ＬＯＣＫ」位置まで回動させること が許容されるようになる。

【００３２】 キーロータ３を「ＬＯＣＫ」位置まで回動させると、カム６により回動部材９ が図２及び図４に示す規制位置へ回動され、前述したようにスライダ１１がロッ ク解除位置に規制されるようになる。

【００３３】 上記した実施例によれば、回動部材９及びスライダ１１を収納する収納部７を 、ハウジング１の外周部にその軸線８の上方に位置し且つ長手方向が該外周部の 接線方向となるように形成したことにより、その収納部７がハウジング１の側方 へ殆ど張り出さないようにでき、収納部がハウジングの側方へ大きく張り出して いた構成のものに比べて、小形化を図ることができ、これに伴い配設スペースも 小さくすることができる。

【００３４】 また、上記構成においては、キーロータ３が「ＬＯＣＫ」位置にある状態で（ 回動部材９が規制位置に保持された状態）、シフトレバーをパーキングポジショ ンから他のポジションへシフトしようとした場合（スライダ１１をロック解除位 置からロック位置方向へ移動させようとした場合）、或いはシフトレバーがパー キングポジションへシフトされた状態で（スライダ１１がロック位置にある状態 ）、キーロータ３を作動位置から「ＬＯＣＫ」位置へ回動させようとした場合（ 回動部材９を規制解除位置から規制位置へ回動させようとした場合）でも、回動 部材９やスライダ１１からカバー１４に無理な力が作用することがなく、従って カバー１４は回動部材９の軸部９ａの一端部を支持している以外は回動部材９及 びスライダ１１を覆っているだけでよい利点がある。

【００３５】

【考案の効果】

以上の記述にて明らかなように、本考案によれば、キーロータと自動変速機の シフトレバーとを連繋させたものにおいて、回動部材及びスライダを収納する収 納部を、ハウジングの外周部にその軸線の上方に位置し且つ長手方向が該外周部 の接線方向となるように形成したことにより、その収納部がハウジングの側方へ 殆ど張り出さないようにでき、収納部がハウジングの側方へ大きく張り出してい た構成のものに比べて、小形化を図ることができ、これに伴い配設スペースも小 さくすることができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部の分解斜視図

【図２】カバーを外した状態の平面図

【図３】図２中Ｘ−Ｘ線に相当する部分に沿って示した
縦断側面図

【図４】作用を説明するための要部の平面図

【図５】図４とは異なる状態を示す要部の平面図

【符号の説明】

１はハウジング、２はシリンダ錠、３はキーロータ、６
はカム、７は収納部、８は軸線、９は回動部材、１１は
スライダ、１２はケーブル、１４はカバーである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハウジングに設けられ、差し込まれたキ
   ーの回動操作により施錠位置と作動位置との間で回動さ
   れるキーロータと、 このキーロータと一体に回動するように設けられたカム
   と、 前記ハウジングの外周部にその軸線の上方に位置し且つ
   長手方向が該外周部の接線方向となるように形成された
   収納部と、 この収納部に規制位置と規制解除位置との間で回動する
   ように設けられ、前記キーロータが施錠位置へ回動され
   ることに伴い前記カムにより規制位置へ回動されてその
   位置に保持され、キーロータが作動位置へ回動されるこ
   とに伴い規制位置から規制解除位置への回動が許容され
   る回動部材と、 前記収納部にこれの長手方向に沿ってロック位置とロッ
   ク解除位置との間で移動するように設けられ、シフトレ
   バーがパーキングポジションへシフトされることに伴い
   ロック解除位置へ移動され、その状態で前記回動部材が
   カムにより規制位置に保持されたときにその回動部材に
   よりロック解除位置からロック位置への移動が阻止さ
   れ、シフトレバーがパーキングポジション以外のポジシ
   ョンへシフトされることに伴いロック位置へ移動され、
   その状態で回動部材が規制解除位置から規制位置へ回動
   することを阻止するスライダとを具備して成るステアリ
   ングロック装置。