JPH06346971A - エンジン用シリンダヘッドガスケットのグロメット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 製造コストが低く接着剤のはみ出しがなく、
又グロメットが金属板に片寄って取付けられた場合にも
グロメットの上下の面圧に著しい相違が生じることのな
いエンジン用シリンダヘッドガスケットのグロメットを
提供するにある。 【構成】 グロメット１２にシール部より厚さの小さい
厚みを持った突起をつけ、該突起部をある程度の締代を
もって金属板穴もしくは切欠部に挿入することによりグ
ロメットと金属板１１を固定する。グロメットのシール
部と金属板接触部の間にシール部の厚さの（１０〜８
０）％の薄肉部を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエンジンのシリンダヘッ
ドガスケットのグロメットの固定方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】図７〜９に従来のシリンダヘッドガスケ
ットの概略を示す。０１は金属板、０２〜０７はグロメ
ットである。該グロメットは、金属板０１より脱落しな
いため、少量の接着剤にて金属板に固定されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のシリンダヘッド
ガスケットは以下の点で不具合が有った。即ちグロメッ
トと金属板を１つ１つ接着剤で固定するため（１）製造
コストが高く、（２）グロメットシール面に接着剤がは
み出しやすくシールの信頼性が低い、（３）グロメット
の厚さ方向の位置が定まりにくく、金属板の表裏におい
てグロメットのつぶし代が大きく変わる可能性がありシ
ール性に不安が有る。（４）金属板表面に接着剤のはみ
出す可能性が高く、金属板の厚さでグロメットのつぶし
代を規制している場合、充分な締代がとれずシール面圧
の低下をまねく、（５）グロメットが金属板に片寄って
取付けられた場合、金属板近傍のシール面の上下部分で
面圧のアンパランスを生じグロメットに過大な永久圧縮
歪を生じシール性の経時劣化を発生する。

【０００４】本発明の目的は、接着剤を使用しないため
製造コストが安く、接着剤のはみ出しがなく、又グロメ
ットが金属板に片寄って取付けられた場合にもグロメッ
トの上下の面圧に著しい相違が生じることのないエンジ
ン用シリンダガスケットのグロメットを提供するにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】第１発明は、グロメット
にシール部より厚さの小さい厚みを持った突起をつけ、
該突起部をある程度の締代をもって金属板にあけた穴又
は切欠部に押し込むことにより、グロメットを金属板に
固定するものである。又第２発明はグロメットのシール
部と金属板接触部の間にシール部の厚さの（１０〜８
０）％の薄肉部を設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】第１発明によればグロメットの突起で金属板へ
の固定を行うことにより、接着剤による固定が廃止でき
るため、加工費の節減と、接着剤のはみ出しを防止し、
又第２発明によれば前記薄肉部分を設けることにより該
部の剛性が低下し、グロメットが片寄って金属板に接合
されていてもグロメットの上下面圧がバランスする方向
に移動可能とすることができ該ガスケットの耐久性も上
昇する。

【０００７】

【実施例】図（１〜３）に本発明の第１実施例を示す。
グロメット２〜７には突起が設けられており、又図２に
突起部Ｂの詳細を示す。図２中の破線は自由状態のグロ
メット形状を、実線は金属板１の穴８の形状をそれぞれ
示す。グロメット５の突起はｂ＝（１〜１．５）の締代
をもって金属板１の穴８に押込まれている。また、該締
代による変形がグロメット５のシール面の変形への影響
を防止するためと変形吸収のため穴８およびあそび９部
分を設けている。また、図３は、グロメット１および突
起部の断面である。突起部はシールを行なうグロメット
５および金属板１よりも厚さを少くし、シール面圧の確
保とグロメットシール部の変形を吸収するとともに、グ
ロメット５の金属板１側へのはみ出しを防止する。

【０００８】図４〜６に本発明の第２実施例を示す。図
４は本発明を適用したシリンダヘッドガスケットのグロ
メット１２と金属板１１の接触部の詳細断面であり、従
来の技術の図７〜９に対応するものである。グロメット
１２にはシール部と金属板接触部の間に、グロメットシ
ール部１２の厚さａに対して（０．１〜０．８）ａの薄
い部分を設けている。図５はグロメットが片寄って金属
板に接合された場合の図であり、図６は使用状態図であ
り、被シール１５を構造体１３，１４の間でグロメット
１２でシールする状態を示す。グロメット１２が片寄っ
て金属板１１に接合されていても、１３，１４の押し付
け力により薄肉部がたわみ、グロメット１２のシール部
が上下面圧のバランスを取る位置に移動する。

【０００９】

【発明の効果】本発明により以下の効果がある。グロメ
ットをある締代をもって金属板に固定することにより （１）接着剤を使用しないため、接着工数が低減できコ
ストが低減できる。 （２）グロメットシール面および金属板への接着剤はみ
出しの危険性が無くシールの信頼性を高くできる。 （３）グロメットが金属板に片寄って取付けられても、
シール時、グロメット薄肉部の変形によりグロメットの
上下面の面圧をほぼ均一にでき、シールの信頼性を高く
できる。 （４）また部分的なつぶし代の過大が防止できグロメッ
トの過大な永久歪を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による第１実施例のシリンダヘッドガス
ケット全体の概念図。

【図２】同上シリンダヘッドガスケットのグロメット突
起部の詳細図。

【図３】同上シリンダヘッドガスケットのグロメット突
起部の断面詳細図。

【図４】本発明による第２実施例のシリンダヘッドガス
ケットのグロメット部の断面図。

【図５】同上グロメットが片寄って取付けられた時の
図。

【図６】同上使用時の図。

【図７】従来のシリンダヘッドガスケットの全体図。

【図８】同上グロメット部の断面図。

【図９】同上グロメットが片寄って取付けられた時の
図。

【符号の説明】

１，１１…金属板、５，１２…グロメット。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンジン用シリンダガスケットにおい
   て、水もしくは油等をシールする弾性体でできたグロメ
   ットを一枚の金属板に設けた穴もしくは切欠部に挿入し
   て取付けたことを特徴とするエンジン用シリンダヘッド
   ガスケットのグロメット。
2. 【請求項２】 グロメットのシール部と金属板接触部の
   間にシール部の厚さの（１０〜８０）％の薄肉部分を設
   けてなるエンジン用シリンダヘッドガスケットのグロメ
   ット。