JPH0634313Y2 - 混合容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、異種の調剤を隔離して収納し、使用時にこれ
らを混合して使用する混合容器に関する。

「従来の技術」 この種容器の一例として実公昭51−6352号がある。これ
は第６図に示すように、下部容器Ａの上部にその頂部の
弁孔51を塞ぐように螺動可能に上部容器Ｂを重ね、両容
器A,Bに異種液を隔離して収納しておき、使用時に上部
容器Ｂを螺退操作してその底部のすべり筒52と弁筒53を
同体に上方に移動させ、弁筒53の連通孔54と前記弁孔51
を連通させ、両液を混合させるものである。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来容器によれば、簡単な操作で２液混合ができる
利点があるが、その混合方法が単なる重力式であると共
に、弁孔51周囲と弁筒53部に平面部が多く形成される構
造であるため、混合するのに時間がかかると共に、特
に、上部容器Ｂ内に液体と比べて流動性が悪い粉末、ペ
ースト状等の内容物を収納した場合に、上記平面部に溜
って下部容器Ａ内に流入しないことから、両容器A,B共
に大きくかつ多数回振らなければならず、使用が面倒で
あるという問題点があった。

そこで、本考案は二剤を瞬時に混合できて使用に便利な
混合容器を提供することを目的とする。

「課題を解決するための手段」 上記目的を達成するために、本考案に係る混合容器は貫
通孔６付き第１頂壁７周縁から垂下する第１周壁８上半
部を小径筒部９に、かつ下半部を上向き段部10を介して
大径筒部11に、それぞれ形成した筒状部材１と、上記小
径筒部の下端部内面に短筒部12を、該短筒部下端に付設
する外向きフランジ13上面を上記小径筒部下端面に圧接
させて、嵌合させると共に、短筒部下端面を破断可能な
シール部材14で閉塞させた栓部材２と、上記大径筒部内
に口頚部16を、該口頚部頂面を上記外向きフランジ下面
に圧接させて、着脱自在に嵌合させた第１剤Ｃ入りの容
器体３と、上記小径筒部の上部内に板状ピストン17を上
下動自在に嵌合させると共に、該板状ピストンの下面か
らカッター18を垂下しかつ上面から、上記貫通孔内を貫
挿して上方へ突出する支持棒19を起立したカッター付き
部材４と、上記小径筒部外面に、第２頂壁20周縁から垂
設する第２周壁21を、該周壁下端面を上記上向き段部10
上面に当接させて、嵌合させると共に、上記第２頂壁下
面に上記支持棒の上端部を固着させた操作筒５とを有
し、上記板状ピストン下方の小径筒部９内に、上記第１
剤に混合するための第２剤Ｄを収納させておくと共に、
上記第２周壁21に破断線23を周設して該破断線下方の周
壁部分を除去筒部24となし、該除去筒部を取除くことで
カッター付き部材４を筒状部材に対し押込みでき、かつ
該押込みにより上記シール部材14をカッター18が破断可
能に形成させたことを特徴とする。

「作用」 例えば第１図の状態から、破断線23を破断して除去筒部
24を取除いた後、操作筒５を筒状部材１に対し押込め
ば、カッター付き部材４が下降する。これにより、シー
ル部材14がカッター18により破断されると共に、小径筒
部９内の第２剤Ｄが板状ピストン17下面に押されてその
殆どが上記破断部より容器体３内に積極的に押入される
（第２図参照）。

このようにして、二剤を混合した後筒状部材を栓部材２
等と共に取外して、容器体内混合剤を口頚部16より注出
すれば良い。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案に係る混合容器の一実
施例を説明する。

第１図及び第２図に示すように、本考案混合容器は、筒
状部材１と、栓部材２と、容器体３と、カッター付き部
材４と、操作筒５とを主要部材としている。

筒状部材１は、貫通孔６付き第１頂壁７周縁から垂下す
る第１周壁８上半部を小径筒部９に、かつ下半部を上向
き段部10を介して大径筒部11に、それぞれ形成した合成
樹脂製のものである。

栓部材２は、第３図にも示すように、上記小径筒部９の
下端部内面に合成樹脂製短筒部12を、該短筒部下端に一
体に付設する外向きフランジ13上面を上記小径筒部９下
端面に圧接させて、嵌合させると共に、短筒部12下端面
を、破断可能なシール部材としてのアルミシール14で閉
塞させてなる。

容器体３は、上記大径筒部11内に、胴部15上端から起立
する口頚部16を、該口頚部16頂面を上記外向きフランジ
13下面に圧接させて、螺合させた合成樹脂製のものであ
る。そして、上記胴部15内には液体等の第１剤Ｃが収納
されている。

カッター付き部材４は、第４図にも示すように、上記小
径筒部９の上部内に板上ピストン17を上下動自在に嵌合
させると共に、該板状ピストン17の下面から先鋭なカッ
ター18を一体に垂下しかつ下面から、上記貫通孔６内を
貫通して上方へ突出する支持棒19を一体に起立した合成
樹脂製のものである。

操作筒５は、第５図にも示すように、上記小径筒部９外
面に、第２頂壁20周縁から垂設する第２周壁21を、該周
壁下端面を上記上向き段部10上面に当接させて、嵌合さ
せると共に、上記第２頂壁20下面に上記支持棒19の上端
部を固着させた合成樹脂製のものである。図示例では、
第２頂壁20の中央部下面から支持棒19嵌着用の嵌合筒部
22が垂下されている。

そして、上記板上ピストン17下方の小径筒部９内に、上
記第１剤Ｃに混合するための第２剤Ｄを収納させておく
と共に、上記第２周壁21下部に破断線23を周設して該破
断線下方の周壁部分を除去筒部24となし、該除去筒部24
を取除くことでカッター付き部材４を筒状部材１に対し
押込みでき、かつ該押込みにより上記アルミシール14を
カッター18が破断可能に形成させている。

図示例では、第５図でも解るように、上記第２周壁21下
部に、破断線23破断用の縦スリット25が穿設されてい
る。

従って、本実施例ではその組付けにあたっては、筒状部
材１にカッター付き部材４及び操作筒５を組付けた後、
筒状部材１を倒立させてその小径筒部９内に第２剤Ｄを
収納させ、次いで栓部材２を装着した後、筒状部材１を
正立させてその大径筒部11を容器体口頚部16に螺合させ
ることになる。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、カッターと板状ピ
ストンを備えたカッター付き部材を筒状部材に対して操
作筒で押込むことにより、シール部材が破断されると共
に該破断部より容器体内へ筒状部材内の第２剤が積極的
に押入されるようにしたので、従来例のように容器を大
きくかつ多数回に亘って振る必要はなく、簡単な操作で
二剤を速やかに混合できるという効果が得られる。ま
た、押出し式であるため、第２剤が流動性の良くない粉
末、ペースト状のものであっても、その殆どを容器体内
へ押入できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案混合容器の一実施例を示す半断面図、第
２図はその作用状態を示す半断面図、第３図は栓部材の
斜視図、第４図はカッター付き部材の斜視図、第５図は
操作筒の斜視図である。第６図は従来容器の断面図であ
る。 １…筒状部材、２…栓部材 ３…容器体、４…カッター付き部材 ５…操作筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】貫通孔６付き第１頂壁７周縁から垂下する
   第１周壁８上半部を小径筒部９に、かつ下半部を上向き
   段部10を介して大径筒部11に、それぞれ形成した筒状部
   材１と、上記小径筒部の下端部内面に短筒部12を、該短
   筒部下端に付設する外向きフランジ13上面を上記小径筒
   部下端面に圧接させて、嵌合させると共に、短筒部下端
   面を破断可能なシール部材14で閉塞させた栓部材２と、
   上記大径筒部内に口頚部16を、該口頚部頂面を上記外向
   きフランジ下面に圧接させて、着脱自在に嵌合させた第
   １剤Ｃ入りの容器体３と、上記小径筒部の上部内に板状
   ピストン17を上下動自在に嵌合させると共に、該板状ピ
   ストンの下面からカッター18を垂下しかつ上面から、上
   記貫通孔内を貫挿して上方へ突出する支持棒19を起立し
   たカッター付き部材４と、上記小径筒部外面に、第２頂
   壁20周縁から垂設する第２周壁21を、該周壁下端面を上
   記上向き段部10上面に当接させて、嵌合させると共に、
   上記第２頂壁下面に上記支持棒の上端部を固着させた操
   作筒５とを有し、上記板状ピストン下方の小径筒部９内
   に、上記第１剤に混合するための第２剤Ｄを収納させて
   おくと共に、上記第２周壁21に破断線23を周設して該破
   断線下方の周壁部分を除去筒部24となし、該除去筒部を
   取除くことでカッター付き部材４を筒状部材に対し押込
   みでき、かつ該押込みにより上記シール部材14をカッタ
   ー18が破断可能に形成させたことを特徴とする混合容
   器。