JPH0633096A - ガラス洗浄剤 - Google Patents

ガラス洗浄剤

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JPH0633096A
JPH0633096A JP21239092A JP21239092A JPH0633096A JP H0633096 A JPH0633096 A JP H0633096A JP 21239092 A JP21239092 A JP 21239092A JP 21239092 A JP21239092 A JP 21239092A JP H0633096 A JPH0633096 A JP H0633096A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス類、例えばガラスびんを洗浄機により
洗浄する際に、洗浄効果を低下させることなく、ガラス
びんの表面に生じる白濁化(白化)現象を防止するガラ
ス洗浄剤を得る。 【構成】 苛性ソーダ、苛性カリ等のアルカリ金属水酸
化物およびグルコン酸ソーダ、EDTA等のキレートか
らなる金属イオン封鎖剤を含む強アルカリ洗浄剤に対し
て、ソルビトール、プロピレングリコール、グリセリン
等の多価アルコールを配合することにより構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス類、特にガラスび
んを洗浄機により洗浄する際に、ガラスびんの表面に生
じる白化(または白濁化)現象を防止し得るガラス洗浄
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラスびんはビール、日本酒、清涼飲料
水、牛乳等の容器として一般に広く利用されている。し
かも、これらの多くは使用後、回収され、再使用される
のが通例である。
【0003】回収されたガラスびんは通常、強アルカリ
洗浄剤水溶液を用いて噴射式、あるいは浸漬式の洗浄機
によって洗浄される。この種の強アルカリ洗浄剤水溶液
として、従来、苛性ソーダ1〜5重量%、グルコン酸ソ
ーダや縮合リン酸塩等からなる金属イオン封鎖剤が苛性
ソーダ重量に対して約8〜15重量%、および抑泡を目的
とした界面活性剤適当量を含む洗浄剤水溶液が用いら
れ、洗浄温度約70〜80℃で洗浄機に適用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】上述の洗浄では、ガ
ラスびんは表面に付着した汚れが充分に除去されてきれ
いになり、しかもガラス表面の光沢が増す。
【0005】しかし、洗浄機が長時間停止すると、強ア
ルカリ熱溶液に浸漬されたガラスびんは次の濯ぎ工程で
濯がれる前にそのまま乾燥し、びん表面に白濁状の汚れ
が付着してしまう。
【0006】洗浄剤水溶液は洗浄機によりガラスびん洗
浄を繰り返していると、わずかではあるがガラスびんか
ら珪酸分が溶け込んでくる。上述の白濁状の汚れは洗浄
剤水溶液中に溶存するこの珪酸分がびんの表面に付着
し、これが乾燥することによりSiO3 2- からSiO2
となってガラス表面に結合して不溶性の珪酸スケールを
形成し、さらにこれにびんのラベルから溶出されたカル
シウムイオン等の汚れが混じり合うことにより生じる。
【0007】上述の白濁状の汚れは強固であって、除去
し難く、その後に続く温水による濯ぎ程度では到底取り
除くことが不可能であるので、これを除くために、従来
では、洗びん後の検びん時に目視チエックを行い、この
白濁汚れがガラスびん表面に付着している場合には、こ
れらを回収して再度アルカリ洗浄を行なっていた。
【0008】しかし、近年、工場の機械化が進み、洗び
んから内容物の充填、製品化への生産スピードが速くな
ると、このような検びん時の目視チエックによる回収が
難しくなるばかりでなく、回収、再洗浄による生産効率
の著しい低下を招いてしまう。
【0009】そこで、本発明の目的は洗浄機によるガラ
ス類の洗浄の際、ガラス表面への白化の付着を防止し、
上述の公知技術に存する欠点を改良したガラス洗浄剤を
提供することにある。
【0010】
【問題点を解決するための手段】上述の目的を達成する
ため、本発明にかかる洗浄機による白化防止用ガラス洗
浄剤によれば、アルカリ金属水酸化物および金属イオン
封鎖剤を含む強アルカリ洗浄剤に多価アルコールを配合
してなることを特徴とする。
【0011】
【発明の具体的説明】上述の強アルカリ洗浄剤に含まれ
るアルカリ金属水酸化物は本洗浄剤の主成分となる基材
であって、洗浄効果を発揮するものであり、具体的には
苛性ソーダまたは苛性カリである。
【0012】また、上述の金属イオン封鎖剤はキレート
剤であり、具体的にはEDTA等のアミノカルボン酸ま
たはその塩、グルコン酸等のヒドロキシカルボン酸また
はその塩、アミノトリ(メチレンスルホン酸)等のホス
ホン酸またはその塩、トリポリリン酸等の縮合リン酸ま
たはその塩等が挙げられ、この配合量はアルカリ金属水
酸化物100重量部に対して、2〜20重量部、好ましくは
3〜20重量部である。
【0013】さらに、上述の多価アルコールは本発明に
かかる洗浄剤に保湿性を付与し、ガラス表面上での乾燥
を防止するものであって、具体的には、ソルビトール、
プロピレングリコール、グリセリン等が好ましい例とし
て挙げられ、さらには、エチレングリコール、ブチレン
グリコール、ヘキシレングリコール、マンニトール等も
用いられる。
【0014】前記多価アルコールの配合量はアルカリ金
属水酸化物100重量部に対して、少なくとも1重量部、
好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは2〜25重量
部であり、25重量部以上配合しても効果の向上はない。
【0015】上述の組成からなる本発明洗浄剤は使用に
際して、好ましくは、アルカリ金属水酸化物が純分量で
1〜5重量%になるように水で希釈され、約70〜80℃の
温度で洗浄機に適用される。この場合、金属イオン封鎖
剤はアルカリ金属水酸化物100重量部に対して、純分量
で約3〜20重量部、多価アルコールは約2〜25重量部で
ある。さらに、上述の本発明は必要に応じて、抑泡に寄
与する界面活性剤を所望量、例えば、約0.05〜0.1重量
%量添加してもよい。
【0016】上述の希釈は洗浄機の洗浄槽内で行なって
もよく、また、各成分を所望の濃度に希釈後、洗浄槽内
に投入してもよい。また、本発明の対象とするガラス類
はガラスびんに限らず、レストランの厨房や家庭で用い
られる自動食器洗浄機で洗浄される各種ガラス食器も含
まれる。
【0017】
【作用】洗浄機でガラスびんを洗浄の際、ガラスびん表
面に白濁汚れ(白化)が生じる原因は上述のとおり、洗
浄槽内の洗浄剤水溶液中に存在する珪酸分がびんの表面
に付着し、これが乾燥によってガラス表面と結合して不
溶性の珪酸スケールになるためである。したがって、こ
の白化を防ぐためにはガラス表面上に付着した珪酸分を
洗い流すまで、ガラス表面を乾燥させないようにするこ
とである。
【0018】本発明は特にアルカリ金属水酸化物と金属
イオン封鎖剤からなる強アルカリ洗浄剤に多価アルコー
ル成分を含有するところに特徴を有する。この多価アル
コール成分は強アルカリ洗浄剤の洗浄効果に悪影響を与
えずに、びん表面の保湿を長時間維持するものである。
この多価アルコールは、従来、可溶化剤として洗びん剤
組成物に使用されていたが、白濁防止に顕著な作用効果
を有することは未だ知られておらず、特にソルビトー
ル、プロピレングリコール、およびグリセリンの白濁防
止効果については全く知られていなかった。
【0019】
【発明の実施例】
実施例1 カルシウム分150ppm、珪酸分600ppmを含有する水溶液中
に、表1の各組成の洗浄剤(試料No.1〜6)を希釈して
洗浄水溶液を調製した。この洗浄水溶液を70℃の温度に
加温した後、この水溶液中に、茶色に着色したガラス片
を浸漬した。次いで、これを水溶液から引き上げて、乾
燥機内で乾燥し、ガラス表面の白濁化現象を観察した。
観察後、温水でガラス片表面を濯いで洗浄剤を洗い流
し、同じ着色ガラス片を使用して、同様な浸漬・乾燥・
観察・温水濯ぎを反復し、ガラス片表面の白濁化現象が
見られるまでの浸漬回数を比較し、結果を表1に示し
た。
【0020】
【表1】 注:表1の数値は重量部である。試料No.1〜6はいずれ
も、苛性ソーダ分が4%となるように水で希釈したもの
である。
【0021】表1から明らかなように、苛性ソーダとグ
ルコン酸ソーダとからなる従来の洗浄剤に、多価アルコ
ールを添加した場合、ガラス表面の白濁化防止効果は著
しく向上した。
【0022】実施例2 多価アルコールの代表例として、ソルビートールを選
び、表2に示すようにこの量を変化させ、量的効果につ
いて観察し、結果を表2に示した。実験は実施例1と同
様の方法で、ガラス片表面の白濁化現象が見られるまで
の浸漬回数を比較することにより行なった。表2の判定
基準は表1と同様である。
【0023】
【表2】 注:表2の数値は重量部である。試料NO.1〜8はいずれ
も、苛性ソーダ分が4%となるように水で希釈したもの
である。
【0024】表2の結果から明らかなようにソルビトー
ルが 1.0重量部以上、好ましくは2.0重量部以上から25
重量部の範囲で存在することにより、ガラス表面の白濁
化防止効果は著しく向上し、25重量部以上使用してもそ
の白濁化防止効果は変わらなかった。
【0025】実施例3 表3の各試料について洗浄性の評価試験を行なった。ま
ず、汚れとして珪藻土を分散した水溶液をガラス板上に
均一に塗布した後、これを 110℃で8時間乾燥熟成して
人工汚垢板を作製した。この人工汚垢板を70℃に加熱し
た表3に示す各試料の希釈水溶液に10分間浸漬した後、
温水中に浸漬して濯ぎ、乾燥後の洗浄表面の汚れ残量を
光沢度計で測定した。洗浄前の人工汚垢板の光沢度と、
洗浄後のガラス面の光沢度とにより洗浄効率を算出し比
較した。
【0026】
【表3】 注:表3の数値は重量部である。試料NO.1〜10はいずれ
も、苛性ソーダ分が4%となるように水で希釈したもの
である。
【0027】表3の結果より、ソルビトールは洗浄効果
についての寄与は小さいが、グルコン酸ソーダの使用に
よって洗浄効果が高められることがわかる。また、ソル
ビトールは洗浄効果の低下を引き起こさなかった。
【0028】実施例4 表4の各試料について洗浄性の評価試験を行なった。ま
ず、汚れとして牛乳中にガラス板を浸漬し、引き上げて
牛乳を均一に塗布した後、これを110 ℃で2時間加熱熟
成して人工汚垢板を作製した。この人工汚垢板を70℃に
加熱した表4に示す各試料の希釈水溶液に10分間浸漬し
た後、温水中に浸漬して濯ぎ、乾燥後の洗浄表面の汚れ
残量を光沢度計で測定した。実施例3と同様の方法によ
り洗浄効率を算出して比較、結果を表4に示した。
【0029】
【表4】 注:表4の数値は数値は重量部である。試料NO.1〜9は
いずれも、苛性ソーダ分が4%となるように水で希釈し
たものである。
【0030】表4の結果より、牛乳汚れは苛性ソーダだ
けでも充分に洗浄性を有し、しかも、グルコン酸ゾー
ダ、縮合リン酸ソーダ、EDTA等の金属イオン封鎖剤
は洗浄効果を著しく向上すること、さらに、ソルビトー
ルに代表される多価アルコールの使用は洗浄効果の低下
を引き起こさないことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上のとおり、本発明にかかるガラス洗
浄剤はアルカリ金属水酸化物を含むアルカリ洗浄剤とし
ての洗浄力を低下させることなく、洗浄機を使用したガ
ラス表面を洗浄する際に洗浄機が一時停止して温水濯ぎ
の工程まで時間が掛かっても、ガラス表面に白濁化を起
こさない。このため、工場の機械化が進み、生産スピー
ドが速くなっても、白濁化発生による生産効率低下を引
き起こすことがない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 7:32)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属水酸化物および金属イオン
    封鎖剤を含む強アルカリ洗浄剤に、多価アルコールを配
    合してなる洗浄機による白化防止用ガラス洗浄剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の多価アルコールがソルビトー
    ルである請求項1のガラス洗浄剤。
  3. 【請求項3】 請求項1の多価アルコールがプロピレン
    グリコールまたはグリセリンである請求項1のガラス洗
    浄剤。
  4. 【請求項4】 多価アルコール配合量がアルカリ金属水
    酸化物100重量部に対して、少なくとも1重量部である
    請求項1のガラス洗浄剤。
  5. 【請求項5】 前記多価アルコール配合量がアルカリ金
    属水酸化物100重量部に対して、1乃至25重量部である
    請求項4のガラス洗浄剤。
  6. 【請求項6】 請求項1の金属イオン封鎖剤がアミノカ
    ルボン酸またはその塩、ヒドロキシカルボン酸またはそ
    の塩、ホスホン酸またはその塩、および縮合リン酸また
    はその塩からなる群から選択されたキレート剤である請
    求項1のガラス洗浄剤。
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