JPH06330379A - 電解銅箔の表面調整方法 - Google Patents

電解銅箔の表面調整方法

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JPH06330379A
JPH06330379A JP14001493A JP14001493A JPH06330379A JP H06330379 A JPH06330379 A JP H06330379A JP 14001493 A JP14001493 A JP 14001493A JP 14001493 A JP14001493 A JP 14001493A JP H06330379 A JPH06330379 A JP H06330379A
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copper foil
electrolytic copper
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Toshio Saito
寿雄 斎藤
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    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • H05K3/382Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal by special treatment of the metal

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 合成樹脂製フィルム等と貼合するのに適した
電解銅箔を提供する。 【構成】 従来公知の電解銅箔の粗面に、ロール表面粗
さ(Ra)が0.4〜1μmのロールを押圧する。この押圧
は、電解銅箔の厚みを45〜85%減少させることができる
圧力を付与することによって行なう。なお、ロールの押
圧は、一回でも複数回でもよい。 【効果】 このようにして粗面が調整された電解銅箔
は、本来の水濡れ性を良好に維持したままで、粗面の凹
凸状態が少なくなっている。従って、合成樹脂製フィル
ムと積層して熱圧着した場合、表面が軟化若しくは溶融
した合成樹脂製フィルムと電解銅箔との親和性が良好で
ある。また、凹部の深さも浅くなっているので、合成樹
脂製フィルムとの密着力も向上している。従って、粗面
が調整された電解銅箔と合成樹脂製フィルムとの貼合物
は、高剥離強力を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解銅箔と合成樹脂製
フィルム等とを高剥離強度で貼合することができるよう
にするために、電解銅箔の粗面を調整する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】電解銅箔は、銅の電解液中に浸漬した金
属ドラム表面に、電解液中の銅を析出させて得られるも
のである。従って、この電解銅箔は、金属ドラム表面に
接していた面が比較的平滑な面になり、金属ドラム表面
に接していなかった面が比較的粗な面となるものであ
る。なお、電解銅箔の比較的平滑な面のことは、一般的
にシャイニー面と呼ばれ、比較的粗な面のことは、一般
的にマット面と呼ばれている。
【0003】電解銅箔のマット面は、粗面となっている
ため、水濡れ性が良好である。このため、電解銅箔のマ
ット面に、接着剤溶液を塗布すると、全体に均一に接着
剤溶液を塗布しうるという利点がある。従って、電解銅
箔と合成樹脂製フィルム等とを、接着剤溶液を使用して
貼合した場合、高剥離強度を示し、好ましいものであ
る。これに対し、銅鋳塊に圧延を繰り返して得られた圧
延銅箔は、繰り返し圧延のために、その表面が平滑とな
っており、水濡れ性が悪い。従って、接着剤溶液を使用
して、圧延銅箔と合成樹脂製フィルム等を貼合しても、
高剥離強度を示さないのである。
【0004】近年、接着剤溶液を使用しないで、熱圧着
によって、合成樹脂製フィルムと電解銅箔とを貼合する
ことが行なわれている。即ち、合成樹脂製フィルムの表
面を軟化若しくは溶融させて、それを電解銅箔のマット
面と圧着させ、その後、合成樹脂製フィルム表面を固化
させることによって、合成樹脂製フィルムと電解銅箔と
を貼合することが行なわれている。しかしながら、この
場合、接着剤溶液を使用したときのように、必ずしも高
剥離強度を示さないということがあった。また、圧延銅
箔を使用した場合においても、圧延銅箔の表面は水濡れ
性が悪いため、軟化若しくは溶融した合成樹脂製フィル
ム表面との親和性が悪く、密着させて貼合できないとい
う憾みがあった。従って、圧延銅箔を使用しても、同様
に高剥離強度を示す貼合物を得ることができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、電解銅箔
と合成樹脂製フィルムとを熱圧着によって貼合した場
合、何故、高剥離強度を持つ貼合物が得られないのかを
検討した。その結果、電解銅箔のマット面は、凹凸が激
しく、凹部において合成樹脂製フィルムと密着していな
いことが判明した。
【0006】そこで、本発明は、電解銅箔の良好な水濡
れ性を維持したまま、電解銅箔のマット面の凹凸を少な
くすることによって、電解銅箔のマット面と合成樹脂製
フィルムとを熱圧着によって貼合した場合、この貼合物
の剥離強度を高めようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、電解銅
箔の粗面に、ロール表面粗さ(Ra)が0.4〜1μmのロ
ールを押圧して、該電解銅箔の厚みを45〜85%減少させ
ることができる圧力を付与することを特徴とする電解銅
箔の表面調整方法に関するものである。
【0008】本発明において使用する電解銅箔は、従来
公知の方法によって得られる電解銅箔である。即ち、金
属ドラム表面に電解液中の銅を析出堆積させ、その後析
出した銅箔を金属ドラム表面から剥離して得られるもの
である。使用する電解銅箔の厚みは任意であるが、一般
的には18〜70μmの厚みのものを使用するのが好まし
い。
【0009】この電解銅箔は、金属ドラム表面に接して
いた面が比較的平滑なシャイニー面であり、一方、金属
ドラム表面に接していない面が比較的粗なマット面とな
っている。本発明においては、このマット面(粗面)
に、ロール表面粗さ(Ra)が0.4〜1μmのロールを押
圧する。ロール表面粗さ(Ra)が0.4μm未満のロー
ルを押圧すると、電解銅箔の粗面が平滑になりすぎて、
水濡れ性が悪くなるので、好ましくない。水濡れ性が悪
くなると、合成樹脂製フィルムと熱圧着した場合、軟化
若しくは溶融した合成樹脂製フィルム表面との親和性が
低下し、高剥離強度を示す貼合物が得られなくなるの
で、好ましくないのである。逆に、ロール表面粗さ(R
a)が1μmを超えるロールを押圧すると、電解銅箔の
粗面の凹凸を少なくすることができないので、好ましく
ない。電解銅箔の粗面の凹凸が激しいと、合成樹脂製フ
ィルムと熱圧着した場合、凹部と合成樹脂製フィルム表
面とが密着せず、高剥離強度を示す貼合物が得られなく
なるので、好ましくないのである。
【0010】また、このロールによる押圧は、電解銅箔
の厚みを45〜85%減少させることができる圧力を付与す
ることによって行なう。電解銅箔の厚みの減少(%)
は、当初の電解銅箔の厚みをt0とし、最終の電解銅箔
の厚みをt1とした場合、[(t0−t1)/t0]×100
で算出されるものである。電解銅箔の厚みの減少が45%
未満であると、電解銅箔の粗面に付与される圧力が十分
でなく、粗面の凹凸が少なくならないので、好ましくな
い。逆に、電解銅箔の厚みの減少が85%を超えると、電
解銅箔の粗面に付与される圧力が高くなりすぎて、粗面
が平滑になりすぎて、水濡れ性が悪くなるので、好まし
くない。なお、ロールによる押圧は、一回だけであって
も良いし、二回以上の複数回であっても良い。
【0011】また、ロールによる押圧は、一枚の電解銅
箔を使用して行なっても良いし、二枚上の電解銅箔を重
ね合わせて行なっても良い。後者の場合には、二枚の電
解銅箔のシャイニー面同士を重ね合わせる。従って、こ
の重ね合わせた積層物の表裏面は、いずれもマット面
(粗面)となっている。そして、この積層物に、表裏面
を前記したロールによって押圧し、厚みを所定量減少さ
せて、電解銅箔の粗面を調整するのである。
【0012】以上のようにして粗面が調整された電解銅
箔は、その粗面がポリエチレンフィルム,ポリプロピレ
ンフィルム,ポリエステルフィルム等の合成樹脂製フィ
ルムと当接するようにして貼合するのが好ましい。この
貼合は、合成樹脂製フィルムの当接面を軟化若しくは溶
融して行なう熱圧着の手段を採用するのが好ましい。ま
た、本発明に係る方法で粗面が調整された電解銅箔は、
未だ十分な水濡れ性を維持しているため、粗面に接着剤
溶液を塗布して、合成樹脂製フィルムと貼合してもよ
い。
【0013】
【実施例】
実施例1 厚さ35μmの電解銅箔を準備する。この電解銅箔の粗面
に、ロール表面粗さ(Ra)が0.5μmのロールを押圧
し、電解銅箔の厚さを28μmとした。更に、このロール
を電解銅箔の粗面に押圧して、電解銅箔の厚さを25μm
とし、続けて21μmとし、更に続けて18μmとした。従
って、ロールによる押圧は四回行ない、電解銅箔の厚み
の減少は49%であった。このようにして粗面を調整した
電解銅箔の引張強さ、伸び及び粗面の濡れ指数を測定し
た結果を表1に示した。なお、濡れ指数は、JIS K 6768
「ポリエチレン及びポリプロピレンの濡れ試験方法」に
よって測定したものである。また、以下のようにして剥
離強度を測定し、表1に示した。即ち、粗面を調整した
電解銅箔を二枚準備し、一枚の電線被覆用導電性フィル
ム(厚さ50μmのポリエチレンフィルム)の表面及び裏
面に、各々の粗面がフィルムに当接するようにして積層
した。その後、この積層体を、加熱温度150℃,圧力2kg
/cm2,時間5秒の条件で熱圧着して貼合物を得た。この
貼合物を、引張試験機を用いて、剥離角度180℃で剥離
して、剥離強度を測定した。
【0014】比較例1 電解銅箔の厚みが25μmになった時点で、ロールによる
押圧を終えた以外は、実施例1と同様にして電解銅箔の
粗面を調整した。従って、ロールによる押圧は二回行な
い、電解銅箔の厚みの減少は29%であった。そして、実
施例1と同様にして各物性値等を測定し、その結果を表
1に示した。
【0015】比較例2 実施例1におけるロールによる押圧を終えた後、更に、
このロールによる押圧を五回繰り返し、電解銅箔の厚み
を4.5μmにした。従って、ロールによる押圧は九回行
ない、電解銅箔の厚みの減少は87%であった。そして、
実施例1と同様にして各物性値等を測定し、その結果を
表1に示した。
【0016】比較例3 銅鋳塊に繰り返し圧延を施して、厚み18μmの圧延銅箔
を得た。この圧延銅箔を使用して、実施例1と同様に、
各物性値等を測定し、その結果を表1に示した。
【0017】比較例4 厚さ18μmの電解銅箔を準備し、この電解銅箔にロール
による押圧を全く行なわないで、実施例1と同様に、各
物性値等を測定し、その結果を表1に示した。
【0018】実施例2 ロールの表面粗さ(Ra)を0.8μmにした以外は、実
施例1と同様にして電解銅箔の粗面を調整した。そし
て、実施例1と同様にして各物性値等を測定し、その結
果を表1に示した。
【0019】比較例5 ロールの表面粗さ(Ra)を0.1μmにした以外は、実
施例1と同様にして電解銅箔の粗面を調整した。そし
て、実施例1と同様にして各物性値等を測定し、その結
果を表1に示した。
【0020】実施例3 実施例1におけるロールによる押圧を終えた後、更に、
このロールによる押圧を三回繰り返し、電解銅箔の厚み
を9μmにした。従って、ロールによる押圧は七回行な
い、電解銅箔の厚みの減少は74%であった。そして、実
施例1と同様にして各物性値等を測定し、その結果を表
1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1〜3に係る方法で粗面を調整した
電解銅箔は、濡れ指数も40以上と良好で、また剥離強度
も高いものである。これに対し、比較例1は、ロールの
押圧による圧力が不足しており、粗面の凹凸が未だ激し
いもので、高剥離強度が得られないものである。比較例
2は、ロールの押圧による圧力が高すぎて、粗面が平滑
になりすぎている。従って、水濡れ性も悪く、剥離強度
も低いものである。比較例3は、実施例1に係る粗面を
調整した後の電解銅箔と同様の厚みを持つ圧延銅箔であ
り、表面が平滑すぎて、水濡れ性も悪く、また剥離強度
も低いものである。比較例4は、実施例1に係る粗面を
調整した後の電解銅箔と同様の厚みを持つ粗面を調整し
ていない電解銅箔であり、粗面の凹凸が激しすぎて、剥
離強度の低いものである。比較例5は、表面粗さ(R
a)が0.1μmのロールで粗面を調整したもので、粗面
が平滑すぎて、水濡れ性が悪く、また剥離強度も低いも
のである。
【0023】
【作用及び発明の効果】以上説明したように、本発明に
係る方法で、電解銅箔の粗面を調整すれば、粗面の水濡
れ性を良好に維持したまま、粗面の凹凸状態を少なくす
ることができる。従って、合成樹脂製フィルムと本発明
に係る方法で粗面が調整された電解銅箔とを、粗面が合
成樹脂製フィルムと当接するようにして、熱圧着等によ
って貼合すれば、表面が軟化若しくは溶融した合成樹脂
製フィルムと電解銅箔との親和性が良好で、且つ粗面の
凹部の深さが浅くなっているため、合成樹脂製フィルム
と電解銅箔との密着性も良好となり、依って高剥離強度
の貼合物が得られるという効果を奏するものである。な
お、合成樹脂製フィルムと電解銅箔との貼合物は、フレ
キシブルプリント配線板(FPC),電池極板,ワイヤ
ーハーネス,シールド用材料等の各種用途に使用される
ものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解銅箔の粗面に、ロール表面粗さ(R
    a)が0.4〜1μmのロールを押圧して、該電解銅箔の厚
    みを45〜85%減少させることができる圧力を付与するこ
    とを特徴とする電解銅箔の表面調整方法。
  2. 【請求項2】 ロールの押圧を複数回行なう請求項1記
    載の電解銅箔の表面調整方法。
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Cited By (4)

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