JPH06328860A - 感熱記録材料 - Google Patents

感熱記録材料

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JPH06328860A
JPH06328860A JP5147086A JP14708693A JPH06328860A JP H06328860 A JPH06328860 A JP H06328860A JP 5147086 A JP5147086 A JP 5147086A JP 14708693 A JP14708693 A JP 14708693A JP H06328860 A JPH06328860 A JP H06328860A
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electron
dye precursor
heat
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recording material
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JP5147086A
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Mitsuyuki Tsurumi
光之 鶴見
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子供与性染料前駆体の量を増加させずに高
い発色濃度を得ることができると共に、記録材料の生保
存性や記録画像の保存性に優れた感熱記録材料を提供す
ること。 【構成】支持体上に、電子供与性染料前駆体及び電子受
容性化合物を発色成分として含有する感熱発色層を少な
くとも一層有する感熱記録材料であって、前記電子供与
性染料前駆体がマイクロカプセルに内包されていると共
に、感熱発色層中における前記電子受容性化合物の前記
電子供与性染料前駆体に対するモル比が10〜30であ
ることを特徴とする感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録材料に関し、特
に、電子供与性染料前駆体の量を増加させずに高い発色
濃度を得ることができると共に、記録材料の生保存性や
記録画像の保存性に優れた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来技術】感熱記録方法は、現像が不要であり、支持
体が紙の場合には、紙質が一般紙に近い上取扱いが容易
であり、発色濃度が高く、記録時の騒音が少ない等の利
点があるため、ファクシミリやプリンター等の分野で急
速に普及し、感熱記録の用途も拡大している。この場
合、発色濃度の観点から、発色剤としては、電子供与性
染料前駆体と電子受容性化合物の組み合わせが賞用され
ている。
【0003】一方、近年においては、多色化に対応した
り、記録材料の生保存生や記録画像の保存性を改善する
ために、電子供与性染料前駆体をマイクロカプセルに内
包させた感熱記録材料が提案されている(例えば、特開
平4−19778号公報)。しかしながら、電子供与性
染料前駆体をマイクロカプセルに内包させた感熱記録材
料は、マイクロカプセルを用いない場合と比較して発色
濃度が低くなるために、マイクロカプセルに内包させな
い場合に比較して、より多くの電子供与性染料前駆体を
添加しなければ十分な画像濃度を得ることができないと
いう欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
欠点を解決すべく鋭意研究した結果、電子受容性化合物
を電子供与性染料前駆体に対するモル比で一定の範囲と
なるように使用した場合には、電子供与性染料前駆体の
使用量が少なくても、十分な発色濃度を得ることができ
るということを見出し本発明に到達した。従って本発明
の目的は、電子供与性染料前駆体の使用量を増加させる
ことなく、高い発色濃度を得ることができると共に、記
録材料の生保存性及び記録画像の保存性に優れた感熱記
録材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
支持体上に、電子供与性染料前駆体及び電子受容性化合
物を発色成分として含有する感熱発色層を少なくとも一
層有する感熱記録材料であって、前記電子供与性染料前
駆体がマイクロカプセルに内包されていると共に、感熱
発色層中における前記電子受容性化合物の前記電子供与
性染料前駆体に対するモル比が10〜30であることを
特徴とする感熱記録材料によって達成された。
【0006】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。本発明で使用する電子供与性染料前駆体としては、
トリアリールメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合
物、チアジン系化合物、キサンテン系化合物、スピロピ
ラン系化合物などが挙げられるが、中でもトリアリール
メタン系化合物、キサンテン系化合物が発色濃度が高い
ので有用である。
【0007】これらの一部を例示すれば、3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3
−ビス(p−ジメチルアミノ)フタリド、3−(p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(1,3−ジメチルイン
ドール−3−イル)フタリド、3−(o−メチル−p−
ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドー
ル−3−イル)フタリド;
【0008】4,4' −ビス(ジメチルアミノ)ベンズ
ヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオ
ーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコ
オーラミン、ローダミン−B−アニリノラクタム、ロー
ダミン(p−ニトロアニリノ)ラクタム、ローダミン−
B−(p−クロロアニリノ)ラクタム、2−ベンジルア
ミノ−6−ジエチルアミノフルオラン;
【0009】2−アニリノ−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−シクロヘ
キシルメチルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−メ
チル−6−イソアミルエチルアミノフルオラン、2−
(o−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラ
ン、2−エトキシエチルアミノ−3−クロロ−2−ジエ
チルアミノフルオラン、2−アニリノ−3−クロロ−6
−ジエチルアミノフルオラン;
【0010】ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニ
トロベンジルロイコメチレンブルー、3−メチル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラ
ン、3−プロピル−スピロ−ジベンゾピラン等がある。
電子受容性化合物としては、フェノール誘導体、サリチ
ル酸誘導体、ヒドロキシ安息香酸エステル等が挙げら
れ、特にビスフェノール類、ヒドロキシ安息香酸エステ
ル類等が好ましい。
【0011】これらの一部を例示すれば、2,2−ビス
(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4' −ヒドロキシ−3' −5' −ジクロ
ロフェニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−(p−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)
ペンタン、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2−
エチルヘキサン、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サ
ルチル酸及びその多価金属塩、3,5−ジ(tert−
ブチル)サルチル酸及びその多価金属塩、3−α,α−
ジメチルベンジルサリチル酸及びその多価金属塩、p−
ヒドロキシ安息香酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベ
ンジル、p−ヒドロキシ安息香酸−2−エチルヘキシ
ル、p−フェニルフェノール、p−クミルフェノールな
どが挙げられる。
【0012】本発明においては、熱感度を改善するため
に、低融点の有機化合物を増感剤として使用することも
できる。増感剤は、公知のものの中から適宜選択して使
用することができるが、特に、分子内に芳香族性の基と
極性基とを適度に有している低融点有機化合物が好まし
い。
【0013】本発明で使用することのできる増感剤の具
体例としては、例えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベ
ンジル、α−ナフチルベンジルエーテル、β−ナフチル
ベンジルエーテル、β−ナフトエ酸フェニルエステル、
α−ヒドロキシ−β−ナフトエ酸フェニルエステル、β
−ナフトール−(p−クロロベンジル)エーテル、1,
4−ブタンジオールフェニルエーテル、1,4−ブタン
ジオール−p−メチルフェニルエーテル、1,4−ブタ
ンジオール−p−エチルフェニルエーテル、1,4−ブ
タンジオール−m−メチルフェニルエーテル、1−フェ
ノキシ−2−(p−クロロフェノキシ)エタン、p−ベ
ンジルビフェニル等が挙げられる。
【0014】本発明の感熱記録材料においては、電子供
与性染料前駆体をマイクロカプセル中に内包させること
により、常温では電子受容性化合物と接触しないように
隔離する。従って本発明に用いられるマイクロカプセル
の壁は、常温ではカプセル内の物質とカプセル外の物質
を厳密に隔離する性質を有する必要があると同時に、加
熱時には壁の透過性が増大し、電子供与性染料前駆体と
電子受容性化合物との接触を許容することのできる熱応
答性を有する必要がある。
【0015】このようなカプセルの壁材としては、ゼラ
チン、ポリウレア、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、メラミン等を用いることこ
とができるが、特に熱応答性の観点から、ポリウレア、
ポリウレタン壁が好ましい。また、カプセル壁に熱応答
性を付与するには、カプセル壁としてのガラス転移点が
室温〜200℃の範囲であれば良く、特に70〜150
℃の範囲が好ましい。
【0016】カプセル壁としてのガラス転移温度は、カ
プセル壁のポリマー種を選ぶか、適当な可塑剤を添加す
ることによって制御することができる。このような可塑
剤としては、フェノール化合物、アルコール化合物、ア
ミド化合物、スルホンアミド化合物等があり、これら
は、カプセルの芯物質中に含有させても良いし、分散物
としてマイクロカプセル外に添加させても良い。
【0017】マイクロカプセル化の手法、その素材及び
化合物の具体例については、米国特許第3726804
号、同第3796696号に記載されている。例えば、
ポリウレタンまたはポリウレアをカプセル壁材として用
いる場合には、多価イソシアネート及びこれと反応して
カプセル壁を形成する第二の物質(例えば、ポリオール
又はポリアミン)を、それぞれ水相又はカプセル化すべ
き油性液体中に混合した後乳化分散し、次いで温度を上
昇させることにより油滴界面で高分子形成反応を起こさ
せ、マイクロカプセル壁を形成する。
【0018】第一の壁膜形成物質である多価イソシアネ
ートと第二の壁膜形成物質であるポリオール、ポリアミ
ンを適宜選択して、カプセル壁のガラス転移点を大幅に
変えることができる。カプセルの芯を形成する有機溶剤
としては高沸点オイルが用いられ、具体的にはリン酸エ
ステル、フタル酸エステル、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、その他のカルボン酸エステル、脂肪
酸アミド、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェ
ニル、アルキル化ナフタレン、ジアリールエタン、塩素
化パラフィン等が挙げられる。
【0019】また、電子供与性染料前駆体の溶解を容易
にするために、低沸点の補助溶剤を加えることもでき
る。このような補助溶剤の具体例としては、酢酸エチ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、メチレンクロライ
ド、シクロヘキサノン等が挙げられる。更に、乳化油滴
を安定に調製するため、水相に保護コロイドや界面活性
剤を添加することができる。保護コロイドとしては、一
般的な水溶性高分子を使用することが可能である。
【0020】このような水溶性高分子の具体的として
は、ポリビニルアルコール、変成ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム、エチレン/マレイン酸共重合体、ゼラチン、変成
ゼラチンなどが挙げられる。マイクロカプセルのサイズ
は、その取扱性の観点及び画像の解像度向上の観点か
ら、体積平均で0.3〜20μmの範囲であることが好
ましく、特に0.5〜4μmの範囲であることが好まし
い。
【0021】発色成分の隔離は、一般に、発色成分に吸
着した水溶性高分子の吸着層により完全に行われるの
で、本発明の場合の如く、反応成分のいずれか一方をマ
イクロカプセル化した場合には、これによって常温にお
ける発色反応を十分に抑えることができる。従って、電
子供与性染料前駆体をマイクロカプセル化する本発明の
場合には、電子受容性化合物は単に微粒子に分散した分
散液として用意され、カプセル液と混合されるのが一般
的である。
【0022】特に、電子受容性化合物を高沸点溶媒に溶
解し、水溶性高分子及び必要に応じて界面活性剤を含有
する水溶液中に混合して乳化した乳化分散物として使用
した場合には、感熱層を実質的に透明とすることができ
る。いずれにしても、電子受容性化合物は、バインダー
中に分散された形で記録層中に保持される必要がある。
【0023】従って感熱層を形成させるに際しては、電
子受容性化合物を水溶性高分子水溶液中で分散し、水溶
性高分子を分散質表面に十分に吸着させて固体分散物と
してからカプセル液と混合して塗布・乾燥するか、電子
受容性化合物を水に難溶又は不溶性の有機溶剤に溶解せ
しめた後、これを界面活性剤を含有し水溶性高分子を保
護コロイドとして有する水相と混合し乳化分散した乳化
分散物としてからカプセル液と混合して塗布・乾燥する
か、或いは固体分散物と乳化分散物の両者をカプセル液
と混合して塗布する方法などが挙げられる。
【0024】電子受容性化合物を微粒子分散又は乳化分
散する際に用いられる水溶性高分子としては、マイクロ
カプセル作製時に保護コロイドとして用いられる水溶性
高分子を用いることができるが、特に、ポリビニルアル
コール及びその誘導体、ポリアクリルアミド及びその共
重合体、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン誘導
体、ゼラチン及びその誘導体などが好ましい。
【0025】電子受容性化合物を乳化分散する際に溶解
する有機溶剤は、マイクロカプセルの芯を形成する有機
溶剤として用いられる高沸点オイルを使用することが望
ましい。この場合、電子受容性化合物の溶解を容易にす
るために補助溶剤を加えることもできる。このような補
助溶剤は、マイクロカプセル調製時に補助溶剤として使
用することができる低沸点の有機溶剤の中から適宜選択
することができる。増感剤等の他の添加剤は、電子受容
性化合物と混合された後に微粒子分散又は乳化分散され
ても良いが、それぞれ単独に、受容性化合物と同様な方
法で、微粒子分散又は乳化分散された後、塗布液に加え
られても良い。
【0026】本発明においては、塗布液を作製する際
に、電子供与性染料前駆体の使用量に対する電子受容性
化合物の使用量をモル比で10〜30、好ましくは15
〜30の範囲とする。理由は必ずしも明らかでないが、
これにより、感熱層中に含有させる電子供与性染料前駆
体の量をマイクロカプセルを使用しない場合と同程度と
しても、マイクロカプセルを用いない場合の濃度と同程
度の画像の飽和濃度を得ることができる。特に、本発明
の上記効果は、マイクロカプセル壁及び/又は感熱層の
バインダーとしてゼラチンを使用した場合に顕著であ
る。
【0027】感熱記録材料の支持体は、紙、ポリエチレ
ン等を紙上にラミネートしたラミネート紙、合成紙、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリイミド、トリアセチ
ル、セルロース等のプラスチックベースなどの公知のも
の中から適宜選択して使用することができる。支持体に
塗布する方法としては、エアーナイフコート法、カーテ
ンコート法、スライドコート法、ローラーコート法、デ
ィップコート法、ワイヤーバーコート法、ブレードコー
ト法、グラビアコート法、スピンコート法及びエクスト
ルージョンコート法等が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0028】支持体としてプラスチックフィルムを使用
する場合には、支持体から感熱層全体が剥がれることを
防ぐ目的で、感熱層液を支持体上に塗布する前に、支持
体上に下塗り層を設けることが望ましい。下塗り層とし
ては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、SBR、水性ポリエステル等を用いることができ、
膜厚は、0.1〜0.5μmが望ましい。塗布量は1〜
20g/m2 が好ましく、特に3〜10g/m2 とする
ことが好ましい。
【0029】下塗層は、感熱層がその上に塗布された時
に感熱層中に含まれる水により下塗層が膨潤する場合に
は、感熱層の画質が悪化することがあるので、硬膜剤を
用いて硬化させることが望ましい。このような硬膜剤
は、特開平2−111585号に詳細に記載されてい
る。更に、下塗層を塗布する前には、支持体の表面を公
知の方法により活性化処理することが望ましい。
【0030】活性化処理の方法としては、酸によるエッ
チング処理、ガスバーナーによる火焔処理、或いはコロ
ナ処理、グロー放電処理等が用いられるが、コストの面
或いは簡便さの観点から、米国特許第2,715,07
5号、同第2,846,727号、同第3,549,4
06号、同第3,590,107号等に記載されたコロ
ナ処理が最も好んで用いられる。
【0031】本発明における感熱層には、サーマルヘッ
ドに対するスティッキングの防止や筆記性を改良する目
的で、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、水酸化アル
ミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等の顔料や、スチ
レンビーズ、尿素−メラミン樹脂等の微粉末を添加する
ことができるが、加熱して記録された画像部分の記録層
の透明性を維持するために、感熱層の上に、主として保
存性とサーマルヘッド適正を目的とする保護層を公知の
方法により設け、この保護層に添加することが好まし
い。
【0032】保護層についての詳細は、例えば「紙パル
プ技術タイムス」(1985、9月号)2〜4頁に記載
されている。本発明においては、従来から使用されてい
る上記の保護層と共に、又はそれらの保護層に代えて、
シリコーン樹脂(特開平4−316885号公報)、又
はコロイダルシリカとシリカ変成ポリビニルアルコール
を主成分とする保護層(特開平2−153781号公
報)を設けることもできる。これによって、記録層の透
明性を損なうことなく、サーマルヘッドに対する適性を
著しく改良することができると共に、耐水性をも改善す
ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の感熱記録材料は、電子供与性染
料前駆体をマイクロカプセルに内包させているので、記
録材料の生保存性及び画像保存性が良好であるのみなら
ず、電子受容性化合物を、前記電子供与性染料前駆体に
対して、多量に使用しているので高い発色飽和濃度を得
ることができる。また電子供与性染料前駆体の使用量
を、マイクロカプセルを使用しない場合と同程度とする
ことができるので、経済的である。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、以下における部及び%は、特にことわりのない限
り、それぞれ重量部及び重量%を意味する。
【0035】実施例1. (1)感熱記録層液の調液 〔電子供与性染料前駆体カプセル液の調製〕クリスタル
バイオレットラクトン(電子供与性染料前駆体)3.0
部を酢酸エチル20部に溶解し、更に高沸点溶媒である
アルキルナフタレンを20部添加し、加熱して均一に混
合した。得られた混合溶液に、カプセル壁剤として、キ
シリレンジイソシアナート/トリメチロールプロパンの
3/1付加物(75重量%酢酸エチル溶液)〔タケネー
トD−110N(武田薬品工業株式会社製マイクロカプ
セル壁剤の商品名)〕20部を更に添加し、均一に攪拌
した。
【0036】別途、ポリビニルアルコール(重合度17
00、鹸化度88%)の6%水溶液54部を用意し、前
記の電子供与性染料前駆体を添加した後、ホモジナイザ
ーにて乳化分散した。得られた乳化液に水68部を加え
て均一化した後、攪拌しながら50℃に昇温し、3時間
カプセル化反応を行わせて目的のカプセル液を得た。カ
プセルの平均粒子径は1.6μmであった。
【0037】〔電子受容性化合物分散液の調製〕ビスフ
ェノールA(電子受容性化合物)30部をポリビニルア
ルコール4%水溶液150部中に加えた後、ボールミル
にて24時間分散して分散液を作製した。得られた分散
液中の電子受容性化合物の平均粒径は1.2μmであっ
た。
【0038】〔塗液の調製〕上記の電子供与性染料前駆
体カプセル液、電子受容性化合物分散液を電子供与性染
料前駆体/電子受容性化合物のモル比が1/15となる
ように混合して目的の塗布液を調製した。
【0039】(2)塗布 厚み75μmのポリエチレンテレフタレート支持体上
に、メイヤーバーで、感熱記録層液を塗布・乾燥して目
的の感熱記録材料を得た。電子供与性染料前駆体の塗布
量は0.3g/m2 であった。
【0040】(3)熱記録 京セラ株式会社製のサーマルヘッド(KST型)を用い
て、単位面積当たりの記録エネルギーが35mJ/mm
2 となるように、サーマルヘッドに対する印加電力、パ
ルス幅を決め、該感熱記録材料を印字したところ、発色
濃度はマクベス濃度計でO.D.=1.6であった。
【0041】比較例1 電子供与性染料前駆体/電子受容性化合物のモル比が1
/4となるように塗料を調製した他は、実施例1と全く
同様にして感熱記録材料を得、実施例1と同様に印加エ
ネルギーをかけて発色させたところ、発色濃度はマクベ
ス濃度計でO.D.=1.1であった。
【0042】実施例2 塗液の調製の際に、電子供与性染料前駆体/電子受容性
化合物のモル比が1/20となるように混合した他は、
実施例1と全く同様な条件で感熱記録材料を作製し、印
字したところ、発色濃度はマクベス濃度計で1.65で
あった。更に70mJ/mm2 までエネルギーを加えた
ところ、発色濃度はマクベス濃度計で1.61であっ
た。
【0043】比較例2 塗液の調製の際に、電子供与性染料前駆体/電子受容性
化合物のモル比が1/6となるように塗液を調製した他
は、実施例2と全く同様にして感熱記録材料を得、実施
例2と全く同様にそれぞれ35mJ/mm2 及び70m
J/mm2 のエネルギーをかけて発色させたところ、発
色濃度はマクベス濃度計でO.D=1.2であった。
【0044】実施例3 塗液の調製の際に、電子供与性塗料前駆体/電子受容性
化合物のモル化が1/30となるように混合した他は、
実施例1と全く同様にして感熱記録材料を作製し、印字
したところ、発色濃度はマクベス濃度計で1.58であ
った。更に70mJ/mm2 までエネルギーを加えたと
ころ、発色濃度はマクベス濃度計で1.55であった。
【0045】比較例3 塗液の調製の際に、電子供与性塗料前駆体/電子受容性
化合物のモル化が1/40となるように混合した他は、
実施例1と全く同様にして感熱記録材料を作製し、印字
したところ、発色濃度はマクベス濃度計で1.20であ
った。また、70mJ/mm2 までエネルギーを加えた
ところ、発色濃度はマクベス濃度計で1.30であっ
た。更にエネルギーを加えたところ、画像が乱れ、発色
濃度は1.30のままでこれ以上の濃度は得られなかっ
た。
【0046】実施例4 (1)感熱記録層液の調液 〔電子供与性染料前駆体カプセル液の調製〕電子供与性
染料前駆体として、実施例1で用いたクリスタルバイオ
レットラクトンの代わりに、3−(o−メチル−p−ジ
メチルアミノフェニル)−3−(1, −エチル−2,
メチルインドール−3−イル)フタリドを用いた他は、
実施例1と同様に作製した。
【0047】〔電子受容性化合物分散液の調製〕電子受
容性化合物として、実施例1で用いたビスフェノールA
の代わりに、1,1−(p−ヒドロキシフェニル)−2
−エチルヘキサン5部、トリクレジルホスフェート0.
3部、マレイン酸ジエチル0.1部を酢酸エチル10部
中に溶解したものを用いて、これを6%ポリビニルアル
コール溶液50g及び2%ドデシルスルホン酸ナトリウ
ム溶液2gを混合した水溶液中に投入し、ホモジナイザ
ーで10分間乳化して、目的の乳化液を得た。
【0048】〔塗液の調製〕上記の電子供与性染料前駆
体カプセル液、電子受容性化合物分散液を電子供与性染
料前駆体/電子受容性化合物のモル比が1/16となる
ように混合し、目的の塗布液を調製した。
【0049】(2)塗布 上質紙上にポリエチレンをラミネートした印画紙用支持
体上に、メイヤーバーで塗布液を塗布・乾燥して目的の
感熱記録材料を得た。電子供与性染料前駆体の塗布量は
0.3g/m2 であった。
【0050】(3)熱記録 京セラ株式会社製のサーマルヘッド(KST型)を用い
て、単位面積当たりの記録エネルギーが35mJ/mm
2 となるように、サーマルヘッドに対する印加電力及び
パルス幅を決め、該感熱記録材料を印字したところ、発
色濃度はマクベス濃度計でO.D.=1.7であった。
更に70mJ/mm2 までエネルギーを加えたととこ
ろ、発色濃度はO.D=1.75であった。
【0051】比較例4 塗液の調製の際に、電子供与性染料前駆体/電子受容性
化合物のモル比が1/4となるように混合した他は、実
施例3と全く同様にして感熱記録材料を作製し、印字し
たところ、記録エネルギーが35mJ/mm2 でO.D
=1.15、70mJ/mm2 でO.D=1.18であ
った。
【0052】実施例5 塗液の調製の際に、電子供与性染料前駆体/電子受容性
化合物のモル比が1/30となるように混合した他は、
実施例3と全く同様にして感熱記録材料を作製し、印字
したところ、記録エネルギーが35mJ/mm2 でO.
D=1.80、70mJ/mm2 でO.D=1.78で
あった。
【0053】比較例5 塗液の調製の際に、電子供与性染料前駆体/電子受容性
化合物のモル比が1/5となるように混合した他は、実
施例3と全く同様にして感熱記録材料を作製し、印字し
たところ、記録エネルギーが35mJ/mm2 でO.D
=1.20、70mJ/mm2 でO.D=1.25であ
った。
【0054】比較例5 塗液の調製の際に、電子供与性染料前駆体/電子受容性
化合物のモル比が1/40となるように混合した他は、
実施例3と同様にして感熱記録材料を作製し、印字した
ところ、記録エネルギーが35mJ/mm2 で1.2
5、70mJ/mm2 で1.35であった。更にエネル
ギーを加えたところ、画像が乱れ、それ以上の濃度は得
られなかった。上記実施例1〜5及び比較例1〜6の結
果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】表1の結果に示すように、電子受容性化合
物の電子供与性染料前駆体に対するモル比が10〜30
であることが、高い発色飽和濃度を得る観点から、極め
て有効であること及び40以上では、かえって濃度が低
下するので好ましくないことが実証された。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、電子供与性染料前駆体及び電
    子受容性化合物を発色成分として含有する感熱発色層を
    少なくとも一層有する感熱記録材料であって、前記電子
    供与性染料前駆体がマイクロカプセルに内包されている
    と共に、感熱発色層中における前記電子受容性化合物の
    前記電子供与性染料前駆体に対するモル比が10〜30
    であることを特徴とする感熱記録材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6559209B1 (en) 1996-06-26 2003-05-06 Bridgestone Corporation Rubber composition and pneumatic tire
JP2010069871A (ja) * 2008-08-20 2010-04-02 Fujifilm Corp 感熱記録材料

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US6559209B1 (en) 1996-06-26 2003-05-06 Bridgestone Corporation Rubber composition and pneumatic tire
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