JPH06328477A - 架橋ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 - Google Patents

架橋ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法

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JPH06328477A
JPH06328477A JP14020393A JP14020393A JPH06328477A JP H06328477 A JPH06328477 A JP H06328477A JP 14020393 A JP14020393 A JP 14020393A JP 14020393 A JP14020393 A JP 14020393A JP H06328477 A JPH06328477 A JP H06328477A
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film
pva
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Tomohisa Tsuchida
友久 土田
Teruo Tada
照雄 多田
Kazuo Kondo
和夫 近藤
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Okura Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 架橋ポリビニルアルコール系フィルムを、高
速で容易、かつ経済的に製造する方法を提供する。 【構成】 基材上に、ポリビニルアルコールまたはエチ
レン−ビニルアルコール共重合体の溶液を塗布し、膨潤
状態(例えば、塗膜中の溶媒含有率10重量%以上)の
塗膜に電子線を照射して架橋させた後、該塗膜を該基材
から剥離することを特徴とする、架橋ポリビニルアルコ
ール系フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリビニルアルコ
ール系フィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリビニルアルコール(以下PVAと略
称)やエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下EV
OHと略称)よりなるフィルムは極めて優れたガスバリ
アー性を有しており、各種用途に使用されている。ま
た、PVAやEVOHの架橋に関しては従来から種々の
方法が提案されているが、多大な設備を必要とせず、高
速度で工業的に有利に架橋させるうえでさまざまな問題
があった。
【0003】例えば、特開昭56−49734号公報に
は、PVA系重合体フィルムを水と接触させて、含水状
態にて電子線を照射することにより架橋せしめる方法が
提案されている。しかしながら、この方法の場合フィル
ムを電子線照射により架橋司能な含水率にせしめるため
には、水中に長時間該フィルムを浸漬しなければならな
いため、作業工程が煩雑で、高速生産が困難であるとい
う問題があった。
【0004】また、特開昭55−277299号公報に
は、オレフィンとビニルエステルとの共重合体フィルム
を架橋した後に、第1アルコール及び触媒と接触させる
ことにより、ビニルエステルを加水分解させ、架橋した
オレフィン−ビニルアルコール共重合体よりなるフィル
ムを得る方法が提案されているが、このためには膨大な
加水分解の為の設備が必要となり、なおかつ加水分解反
応のために生産速度が大きく制約を受けるという問題が
あった。
【0005】更に、特開昭62−252409号公報に
は、トリアリルシアヌレートまたはトリアリルイソシア
ヌレートを、PVAまたはEVOHに添加しフィルムと
した後に、電子線を照射することにより架橋せしめる方
法も提案されているが、高価な多官能性モノマーを多量
に添加しなければならないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、架橋したP
VAまたはEVOHフィルムを、高速で容易にかつ経済
的に製造する方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基材上
にPVAまたはEVOHの溶液を塗布し、塗膜が膨潤状
態である間に、電子線を照射して、該PVAまたはEV
OHを架橋させた後、該PVAまたはEVOH塗膜を基
材より剥離することを特徴とする、架橋ポリビニルアル
コール系フィルムの製造方法が提供される。
【0008】すなわち、本発明者らは、基材上にPVA
またはEVOH溶液を塗布し、塗膜が膨潤状態である間
に電子線を照射するとPVAまたはEVOHが溶易に架
橋し、その後に該PVAまたはEVOH塗膜を剥がすこ
とにより、短時間でかつ簡単な設備で架橋PVAまたは
EVOHフィルムが得られることを見いだし、本発明を
完成するに至ったのである。
【0009】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
で使用される基材としては特に制限がなく、例えばポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの合成
樹脂フィルムまたはシート、或いは、金属シート等が挙
げられる。更に必要に応じてPVAまたはEVOH塗膜
と、該フィルムまたはシートとの剥離性を改善するた
め、該フィルムまたはシートに離型剤処理を施すことも
可能である。
【0010】また、本発明で使用されるPVAとして
は、ケン化度60モル%程度の部分ケン化品からケン化
度99モル%以上の完全ケン化品までのものが好適に使
用され、EVOHとしては、十分なガスバりアー性を付
与するためビニルアルコール含有量が50モル%程度以
上のものが好適に使用される。
【0011】本発明の架橋ポリビニルアルコール系フィ
ルムの製造方法においては、まずPVAまたはEVOH
をそれぞれ水または水/アルコール(例えば、メチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル)混合溶媒などの溶媒に溶解してPVAまたはEVO
Hの溶液を調製するが、市販されているPVAまたはE
VOHの溶液をそのまま使用してもなんら差し支えな
い。この際に、架橋されたPVAまたはEVOHフィル
ムに柔軟性を付与するために、エチレングリコール、グ
リセリン等の可塑剤をあらかじめ溶液に添加することも
可能である。ここでPVAまたはEVOHの溶液の濃度
は1〜50重量%が好ましい。濃度が1重量%の場合
は、溶媒の量がPVAまたはEVOHの量に比べて著し
く多くなるため、電子線照射後の乾燥に膨大なエネルギ
ーが必要となるので好ましくなく、濃度が50重量%を
得える場合は溶液の粘度が非常に高くなり基材に対する
塗布が困難となるので好ましくない。
【0012】次いで、得られたPVAまたはEVOHの
溶液をバーコーター、ナイフコーター、グラビアロー
ル、リバースロールコーターなどの手段を用いて、基材
上に塗布厚みが通常2〜200μとなるよう塗布する。
塗布厚みが2μ以下では、高速度で均一な塗布が難し
く、また基材との剥離工程において塗膜が著しく薄くな
るため、基材との剥離が安定して行えなくなるので好ま
しくなく、200μ以上では、架橋後の乾燥を高速度で
行うのが困難となるので好ましくない。
【0013】次に、PVAまたはEVOHの塗膜が膨潤
状態であるうちに電子線を照射する。この際APVAま
たはEVOH塗膜は電子線の作用により架橋する。塗膜
中に溶媒が残存していない場合は電子線を照射しても架
橋しないので、塗膜が膨潤状態である間に電子線を照射
する必要があるが、塗膜中の溶媒の含有率は通常10w
t%程度以上必要である。
【0014】また、電子線の照射量は、50Mrad以
下が好ましい。照射量が50Mradを越えると、PV
AまたはEVOHの分解が起こるので好ましくない。更
に、フィルムのガスバリアー性を保つために、電子線照
射後PVAまたはEVOH塗膜中に残存する溶媒を熱風
乾燥炉などで除去することが望ましい。そして、架橋P
VAまたはEVOH塗膜を基材より剥がし架橋PVAま
たはEVOHフィルムを得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、評価は以下の方法によって行った。 〔ゲル分率(%)〕架橋PVAフィルムについては95
℃熱水中1時間、架橋EVOHフィルムについては80
℃水/イソプロピルアルコール=1/1混合溶媒中に1
時間浸漬した後、不溶部分の重量を測定しゲル分率を下
式に基づいて算出した。 ゲル分率(%)=(不溶部分重量/塗膜重量)×100 〔酸素透過度(cc/m2・24H・atm〕酸素バリ
アー性測定機(モコン社製)により架橋フィルムを23
℃、50%R.H.の条件下で酸素過度を測定した。
【0016】実施例1 60μのポリエチレンフィルムにケン化度88モル%の
PVA20wt%水溶液をバーコーターを用いて、10
0μの厚み(ウェット)で塗布し、温風を吹き付け塗膜
の含水率を10wt%に調整した後、直ちに電子線照射
装置(キュアトロン:日新ハイボルテージ製)に導入し
て10Mrad(加速電圧:200KV)の電子線を照
射してPVA塗膜を架橋させ、ドライヤーで残存水分を
蒸発させた後塗膜を剥がして、架橋PVAフィルム(2
0μ)を得た。この間に要した時間は約10分であっ
た。得られた架橋フィルムの性質を表1に示す。
【0017】実施例2 電子線照射時のPVA塗膜の含水率を50wt%にした
以外は実施例1と同様にして架橋PVAフィルム(20
μ)を得た。この間に要した時間は約10分であった。
得られた架橋フィルムの性質を表1に示す。
【0018】実施例3 PVA水溶液の代わりにEVOH(ビニルアルコール含
量68モル%)の水/イソプロピルアルコール=1/1
混合溶媒の溶液を用い、電子線照射時の溶媒含有率を5
0wt%、電子線の照射量を40Mradにした以外は
実施例1と同様にして架橋EVOHフィルム(20μ)
を得た。この間に要した時間は約10分であった。得ら
れた架橋フィルムの性質を表1に示す。
【0019】比較例1 20μのPVAフィルムをイオン交換水中に1時間漬け
フィルムの含水率を10wt%とした後、直ちに電子線
照射装置(キュアトロン:日新ハイボルテージ製)に導
入して、10Mrad(加速電圧:200KV)の電子
線を照射しフィルムを架橋させた。次いで、ドライヤー
で残存水分を蒸発させて架橋フィルムを作製した。この
間に要した時間は60分以上であった。得られた架橋フ
ィルムの性質を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明の架橋PVAまたはEVOHフィ
ルムの製造方法においては、PVAまたはEVOHを電
子線照射で架橋可能な含水状態にするのに、溶液を基材
上に塗布する方法を用いているため、従来のようにフィ
ルムを製膜した後に水に浸漬する等の方法に比べ、簡易
な設備で遥かに高速度の生産が可能である。また、本発
明の方法で得られるPVA系フィルムは架橋により耐熱
性が向上するので、従来、白化や“しわ”が発生するた
め使用できなかったレトルト食品の包装用途にも使用可
能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 29:00 B29L 7:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にポリビニルアルコールまたはエ
    チレン−ビニルアルコール共重合体の溶液を塗布し、塗
    膜が膨潤状態である間に、電子線を照射して、該ポリビ
    ニルアルコールまたはエチレン−ビニルアルコール共重
    合体を架橋させた後、該塗膜を該基材から剥離すること
    を特徴とする、架橋ポリビニルアルコール系フィルムの
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10168133A (ja) * 1996-12-09 1998-06-23 Kuraray Co Ltd エチレン−ビニルアルコール共重合体
JP2003082119A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Inst Of Physical & Chemical Res 細胞回収膜およびその製造方法
JP2011174982A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Kuraray Co Ltd ポリビニルアルコール系重合体フィルムの製造方法

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JP2003082119A (ja) * 2001-09-10 2003-03-19 Inst Of Physical & Chemical Res 細胞回収膜およびその製造方法
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