JPH06321081A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH06321081A
JPH06321081A JP10830493A JP10830493A JPH06321081A JP H06321081 A JPH06321081 A JP H06321081A JP 10830493 A JP10830493 A JP 10830493A JP 10830493 A JP10830493 A JP 10830493A JP H06321081 A JPH06321081 A JP H06321081A
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JP
Japan
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pressure
increasing
pulse width
time
mode
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Application number
JP10830493A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Yogo
和俊 余語
Yuzo Imoto
井本  雄三
Takeshi Hado
羽藤  猛
Masayoshi Oishi
正悦 大石
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輪のスリップ状態に応じて増圧モード中の
デューティ比を常に変更するタイプでありながら、運転
者のペダル踏力によらず、増圧モードでの総増圧量を適
正値に近づけ、増圧の過不足によるハンチングや制動距
離悪化を防ぐ。 【構成】 N<NTの時は、今回サイクルの増圧パルス
幅T3 (n)を前回サイクルでの増圧パルス幅T3 (n
−1)より小さく補正する。補正前の状態に対し、1回
の増圧パルスでの増圧量が小さくなるため、補正後のサ
イクルにおける増圧パルス数Nが前サイクルの増圧パル
ス数Nより増え目標パルス数NTに近づく。逆にN>N
Tの時は、今回の増圧パルス幅T3 (n)を前回の増圧
パルス幅T3 (n−1)より大きく補正する。補正前に
対し1回の増圧パルスでの増圧量が大きくなるため、補
正後のサイクルにおける増圧パルス数Nが前サイクルの
増圧パルス数Nより減り目標パルス数NTに近づく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアンチスキッド制御装置
に関し、特に車輪のスリップ状態の変化に応じてブレー
キ圧力の増圧匂配を連続的に変更するアンチスキッド制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
アンチスキッド制御装置として、ホイールシリンダの油
圧を増大させる増圧位置、油圧を保持する保持位置、及
び油圧を減少させる減圧位置とに切換え可能な電磁弁を
備え、増圧位置と保持位置をデューティ制御(増圧位置
と保持位置の組み合わせの時間割合を変える制御)によ
りホイールシリンダ油圧の増圧匂配を連続的に変更可能
とすると共に、そのデューティ比を車輪のスリップ率と
そのスリップ率の時間変化率に応じて決定するアンチス
キッド制御位置が提示されている。
【0003】しかし、増圧位置と保持位置とをデューテ
ィ制御して増圧匂配を制御する場合、その増圧匂配はデ
ューティ比を一定としても、マスタシリンダ(圧力供給
源)の油圧とホイールシリンダの油圧の圧力差によって
変わってしまう。すなわち、運転者のブレーキぺダル踏
力によって増圧匂配が変わってしまい、目標とする増圧
匂配が得られず、増圧匂配が急すぎて短時間に増圧モー
ドと減圧モードを繰り返すハンチングが起きたり、逆に
増圧匂配が緩すぎてホイールシリンダ油圧が十分な大き
さになるまで時間がかかりすぎ制動距離が延びてしまう
という問題が生じていた。
【0004】この問題を解決するために、例えば特開平
2−158450号では、減圧モード・保持モード・増
圧モード(増圧出力と保持出力のデューテイ制御を行う
モード)の繰り返しを1サイクルとして、前回サイクル
での増圧モードの継続時間を予め定められた目標時間と
比較し、目標時間と異なる場合には、今回の増圧モード
におけるデューティ比を前回の増圧モードのデューティ
比に対し、増圧モードの継続時間が目標時間に近づく向
きに補正するというものが提案されている。
【0005】この実施例では増圧モード中のデューティ
比は増圧モード開始時からの時間に対して予め設定され
ており、車輪のスリップ状態に応じて変更するようには
なっていない。そのため、増圧モードの継続時間のみを
考慮し、継続時間を目標時間に近づけるようにデューテ
ィ比を補正することにより、1サイクル中の増圧モード
での総増圧量を運転者のペダル踏力によらず一定値(適
正値)に近づけることができ、増圧の過不足を解消する
ことができる。
【0006】しかし、本願出願人が特願平3−1186
42号(特開平4−345567号)に提案しているよ
うな、車輪のスリップ状態に応じて、増圧モード中のデ
ューティ比を常に変更するアンチスキッド制御装置(な
お、特願平3−118642号(特開平4−34556
7号)においてはスリップ状態に応じて保持時間を変更
している。)では、増圧モードの継続時間を目標時間に
近づけるようにデューティ比を補正しても、1サイクル
中の増圧モードでの総増圧量は一定にならず、増圧の過
不足を解消できないという問題があった。
【0007】そこで、本発明は上記問題を解決するた
め、車輪のスリップ状態に応じて増圧モード中のデュー
ティ比を常に変更するタイプでありながら、運転者のペ
ダル踏力によらず、1サイクル中の増圧モードでの総増
圧量を一定値(適正値)に近づけることができ、増圧の
過不足によるハンチングや制動距離悪化を防ぐことが可
能なアンチスキッド制御装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
なされた請求項1記載のアンチスキッド制御装置は、制
動時の車輪のスリップ状態を適正な状態に維持すべく、
車輪のブレーキ圧力を増加、減少させるものであり、ブ
レーキ圧力の緩増圧は、増圧と保持とを交互に繰り返す
ことによって行われるアンチスキッド制御装置におい
て、前回の緩増圧モードにおける増圧パルスの出力状況
に応じて、少なくとも今回の緩増圧モードでの増圧パル
ス幅を補正する増圧パルス幅補正手段を設け、該増圧パ
ルス幅補正手段は、前回の緩増圧モードにおける補正前
の増圧パルス幅の合計時間が予め設定された目標時間と
異なる場合には、少なくとも今回の緩増圧モードでの増
圧パルス幅の補正量を、補正前の増圧パルス幅の合計時
間が前記目標時間に近づく向きに変更することを特徴と
する。
【0009】また、請求項2記載のアンチスキッド制御
装置は、制動時の車輪のスリップ状態を適正な状態に維
持すべく、車輪のブレーキ圧力を増加、減少させるもの
であり、ブレーキ圧力の緩増圧は、増圧と保持とを交互
に繰り返すことによって行われるアンチスキッド制御装
置において、前回の緩増圧モードにおける増圧パルスの
出力状況に応じて、少なくとも今回の緩増圧モードでの
増圧パルス幅を補正する増圧パルス幅補正手段を設け、
該増圧パルス幅補正手段は、前回の緩増圧モードにおけ
る増圧パルス数が予め設定された目標パルス数と異なる
場合には、少なくとも今回の緩増圧モードにおける増圧
パルス幅の補正量を、前記増圧パルス数が前記目標パル
ス数に近づく向きに変更することを特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成のアンチスキッド制御装置は、増圧と
保持とを交互に繰り返して行なうブレーキ圧力の緩増圧
をデューティ制御により実行し、制動時の車輪のスリッ
プ状態を適正な状態に維持しようとするものであり、増
圧パルス幅補正手段が、前回の緩増圧モードにおける増
圧パルスの出力状況に応じて、少なくとも今回の緩増圧
モードでの増圧パルス幅を補正する。
【0011】そして、請求項1記載のアンチスキッド制
御装置によれば、増圧パルス幅補正手段が、前回の緩増
圧モードにおける補正前の増圧パルス幅の合計時間が予
め設定された目標時間と異なる場合には、少なくとも今
回の緩増圧モードでの増圧パルス幅の補正量を、補正前
の増圧パルス幅の合計時間が目標時間に近づく向きに変
更する。従って、1サイクル中の増圧モードでの総増圧
量を一定値(適正値)に近づけることができ、増圧の過
不足によるハンチングや制動距離悪化を防ぐことができ
る。
【0012】また、請求項2記載のアンチスキッド制御
装置によれば、増圧パルス幅補正手段が、前回の緩増圧
モードにおける増圧パルス数が予め設定された目標パル
ス数と異なる場合には、少なくとも今回の緩増圧モード
における増圧パルス幅の補正量を、増圧パルス数が目標
パルス数に近づく向きに変更する。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。図1
に本発明の一実施例の構成を示す。図1において、右前
輪1、左前輪2、右後輪3及び左後輪4のそれぞれに電
磁ピックアップ式又は磁気抵抗素子(MRE)式の車輪
速度センサ5〜8が配置され、各車輪1〜4の回転に応
じてパルス信号を出力する。
【0014】更に、各車輪1〜4には各々油圧ブレーキ
装置(ホイールシリンダ)11〜14が配設され、マス
タシリンダ16からの油圧がアクチュエータ21〜24
及び各油圧管路を介して、各ホイールシリンダ11〜1
4に送られる。ブレーキペダル15の踏み込み状態はス
トップスイッチ25によって検出され、制動時はオン信
号が出力され、非制動時にはオフ信号が出力される。
【0015】通常時、ブレーキペダル15の踏み込みに
よりマスタシリンダ16に油圧が発生し、各車輪1〜4
を制動することができるが、別にスリップ制御用の油圧
源として、電動モータの駆動によってリザーバ19,2
0よりブレーキ液を吸い上げて油圧を発生する油圧ポン
プ17,18も設けられている。
【0016】電子制御回路(ECU)30がアクチュエ
ータ21〜24を制御することにより、ホイールシリン
ダ11〜14のブレーキ油圧を調整し、各車輪毎に制動
力を調整する。すなわち、各アクチュエータ21〜24
は、増圧位置、減圧位置、保持位置を持つ電磁式3位置
弁で、例えばアクチュエータ21の場合、「A位置」で
ブレーキ油圧を増圧し、「B位置」でブレーキ油圧を保
持し、「C位置」でブレーキ油圧をリザーバ19へ逃が
し、減圧を行う。また、この3位置弁は非通電時に増圧
位置となり、通電時にその電流レベルにより保持又は減
圧位置となる。
【0017】ECU30は、イグニッションスイッチが
オンされることにより電力を供給され、速度センサ5〜
8及びストップスイッチ25からの信号を受け、アンチ
スキッド制御のための演算処理などを行い、アクチュエ
ータ21〜24を制御する信号を発生する。
【0018】ECU30は、マイクロコンピュータ式の
もので、周知のCPU、ROM、RAM、I/O回路を
有しており、車輪速度センサ5〜8の信号が入力され、
その信号を処理してアクチュエータ21〜24の駆動信
号を出力する。次に、上記構成を有する本実施例のアン
チスキッド制御装置の作動に付いて説明する。
【0019】ECU30は、イグニッションキーがオン
の状態にされると、図2に示すメインルーチンを実行す
る。まず、ステップ100では、初期化処理を実行す
る。ここで初期化の処理とは、RAMの各種変数、カウ
ンタの内容をクリアしたり、フラグ類をリセットすると
いった処理である。こうした初期化処理の後、繰り返し
実行されるステップ110以下の処理に移行し、まず、
推定車体速度VB を算出する処理を行う(ステップ11
0)。推定車体速度VB は、割込処理によりステップ2
00で演算される各車輪の車輪速度VW** (なお、以下
の説明において「**」は右前輪1に関する場合は「F
R」として、左前輪2に関係する場合は「FL」とし
て、右後輪3に関する場合は「RR」として、左後輪4
に関する場合は「RL」として、各々表示される添字で
ある)のうち最大値を選択し、この最大車輪速度と、前
回の推定車体速度演算処理によって得られた前回の推定
車体速度に、実際の車両走行状態で取り得る車両加速度
の上限値と、車両減速度(マイナスの加速度)の上限値
を考慮した上・下限制限速度のうちの、中間値を推定車
体速度VB とする。
【0020】次に、ステップ120では、システムの異
常チェックを実行する。この処理においては、ROM内
に予め格納されたシステム正常動作時のシステム要素の
動作状態に対応するデータと、この処理時に取り込まれ
たシステム要素の動作状態を表すデータとを比較検討
し、システム異常と判断した場合には、システム異常状
態を示す異常フラグをセットし、一方、異常なしと判断
した場合には異常フラグをリセット状態にする。
【0021】次に、ステップ130にて異常フラグをみ
てシステムが異常か否かを判定する。異常フラグがセッ
トされていない場合には、即ちシステムが正常に動作し
ている場合には、推定車体速度VB 演算処理ステップ1
10に進む。一方、異常フラグがセットされている旨判
断された場合、即ち、システム異常が発生、もしくは異
常動作中である場合には、ステップ140およびステッ
プ150が順次実行された上で、ステップ110に進
む。
【0022】ステップ140では、システムに異常が発
生した旨を運転者に報知し、アンチスキッド制御が有効
でないことを確認できるようにするためのステップであ
り、ステップ120にてシステムに異常がありと判断さ
れた場合に、図示しないインジケータランプを点灯させ
る。
【0023】ステップ150は、システム異常時にフェ
イルセーフ処理を行うステップであり、このステップ1
50においては、4個のアクチュエータ21〜24のそ
れぞれにおける増圧、保持、減圧制御用電磁ソレノイド
の通電をカットするための制御信号を出力する処理が行
われる。
【0024】図3〜図5は、上述したメインルーチン処
理実行途中に、所定の周期で実行開始されるタイマ割込
ルーチンを表したフローチャートである。この割込ルー
チンは、4輪分の処理をFR輪→FL輪→RR輪→RL
輪の順に順次実行し、4輪分の処理が終了した時点で、
このタイマ割込ルーチンを抜け出す処理構成となってい
る。
【0025】まず、ステップ200では、車輪速度V
W** を演算する処理が実行される。この車輪速度演算ス
テップ200においては、現在の処理実行の際での車速
パルスのカウント値と前回の処理実行の際での車速パル
スのカウント値との差と、時間間隔とにより所定の演算
式を演算すると共に、必要に応じてフィルタ処理、即ち
連続した複数回の演算により得られた車輪速度を平均化
する処理が併せて行われる。次に、ステップ201にて
車輪加速度GW** を演算する処理が実行される。この車
輪加速度演算ステップ201では、ステップ200で演
算された車輪速度と、前回算出された同一車輪の車輪速
度の差と、演算時間間隔とにより所定の演算式を演算す
ると共に、必要に応じて上記如きフィルタ処理とほぼ同
様な処理が併せて行われ、車輪速度、車輪加速度の脈動
成分をなますようにしている。
【0026】次にステップ202では、既にアンチスキ
ッド制御が実行中であるかを判定する。実行中の場合
は、ステップ203に進み、ステップ200及び201
で演算された車輪速度VW** 及び車輪加速度GW**
り、アンチスキッド制御を終了するかを判定する。制御
を終了しない場合にはステップ212に進み、各制御モ
ードを選択する。一方、制御を終了する場合にはステッ
プ213に進む。
【0027】ステップ202において、アンチスキッド
制御が実行中でない場合には、ステップ210に進み、
ステップ200及び201で演算された車輪速度VW**
及び車輪加速度GW** より、アンチスキッド制御を開始
するかを判定する。制御を開始しない場合にはステップ
213にて増圧出力を行い、ステップ500に進む。
【0028】一方、制御を開始する場合にはステップ2
11に進み、増圧パルスカウンタNに初期値NTをセッ
トし、ステップ212に進む。ステップ212では、各
制御モードを選択する。減圧モードの選択時は、ステッ
プ214にて、また保持モードの選択時はステップ21
5にて、それぞれのモードに従って、アクチュエータ2
1〜24が減圧位置C及び保持位置Bに切り換えられ
る。
【0029】ステップ214,215の各モード実行
後、ステップ500に進む。また、ステップ212で、
増圧モードが選択された時には、ステップ216以降の
増圧モードの実行がなされる。ステップ216では、既
に増圧モードが実行中であるかを判定する。既に増圧モ
ードが実行中である場合にはステップ219に進む。一
方、増圧モードの開始時にはステップ217に進み、今
回の制御サイクル中の増圧パルス幅補正値△T3 を演算
する。
【0030】ここでは例えば次の様にして△T3 を設定
する。ステップ217が処理される時には、増圧パルス
カウンタNには前回サイクルの増圧モード中の増圧パル
ス出力数がセットされており、これを目標値NTと比較
し、N<NTの場合には増圧パルス幅補正値△T3 をマ
イナス側へ変更する。例えば、 △T3 (n)=△T3 (n−1)−1(ms) とすれば、今回の制御サイクルでの増圧パルス幅補正値
△T3 (n)は前回の制御サイクルでの増圧パルス幅補
正値△T3 (n−1)より1msだけマイナス側へ変更
される。
【0031】N>NTの場合には逆に△T3 をプラス側
に変更する。例えば、 △T3 (n)=△T3 (n−1)+1(ms) とすれば、今回の制御サイクルでの増圧パルス幅補正値
△T3 (n)は前回の制御サイクルでの増圧パルス幅補
正値△T3 (n−1)より1msだけプラス側に変更さ
れる。
【0032】N=NTの場合には、 △T3 (n)=△T3 (n−1) とし、今回の制御サイクルでの増圧パルス幅補正値△T
3 (n)は、前回の制御サイクルでの増圧パルス幅補正
値△T3 (n−1)と同じ値を用いる。ここで、△T3
は正負の値を取る。
【0033】この実施例ではNとNTの大小比較によ
り、△T3 を1msずつ変更する様にしたが、NとNT
の差に応じて△T3 の変更量を変える様にしても良い。
△T3演算後、ステップ218では増圧パルスカウンタ
Nがクリアされる。ステップ219では、ステップ11
0で演算された推定車体速度VB を読み込む。次に、ス
テップ220では、上記の推定車体速度VB と車輪速度
W** との偏差量(=VB −VW** )を演算する。ここ
で、車輪にスリップ等が発生して車輪速度VW** が推定
車体速度VB よりも高くなり、上記偏差量(VB −V
W** )が負の値となる場合は、偏差量(VB −VW**
を「0」とする。ステップ230では、ステップ220
で算出された推定車体速度VB と車輪速度VW** との偏
差量(VB −VW** )を所定のメモリエリアに車輪スリ
ップ量△V**として記憶する。ここで、アンチスキッド
制御時の推定車体速度VB 及び車輪速度VW** の変化を
図9(b)に示し、車輪スリップ量△V**の変化を図9
(c)に示す。
【0034】次に、ステップ240では、次回のブレー
キ圧力の増圧勾配(保持に対する増圧の割合)の演算が
完了済であるか否かを判定する。この判定においては、
後述の増圧勾配演算済フラグFAが1であるとき演算完
了済であると判定し、0であるとき未だ演算を完了して
いないと判定する。ここで、増圧勾配演算済フラグFA
が1であるときには、既に次回の増圧勾配が演算されて
いるので、ステップ250〜310の増圧勾配演算ルー
チンをスキップしてステップ400に進む。一方、増圧
勾配演算済フラグFAが0であるときには、ステップ2
50に進む。
【0035】ステップ250では、タイムカウンタT**
の値を読み込む。このタイムカウンタT**は、本ルーチ
ンの実行中、後述のステップ400にてカウントアップ
されるとともに、アクチュエータ21〜24が増圧位置
Aから保持位置Bに切り換えられたときステップ470
にて0にクリアされる。すなわち、タイムカウンタT **
の値は、図9(f)に示すように前回の増圧終了時点か
らの経過時間を示すものである。
【0036】次に、ステップ260では、タイムカウン
タT**の値と判定時間T1 とを比較する。この判定時間
T1 は、前回の増圧終了時点から増圧終了後の車輪振動
などによって車輪スリップ量△V**の乱れが収まるのに
要する時間(数10ms)に設定されている。このた
め、タイムカウンタT**の値が判定時間T1 よりも小さ
いときには、まだ正確な車輪スリップ量△V**が検出で
きないとみなしてステップ270〜300の増圧勾配演
算ルーチンをスキップしてステップ400に進む。一方
タイムカウンタT**の値が判定時間T1 以上、つまりタ
イムカウンタT**の値が判定時間T1 に達したと判定さ
れたときには、増圧勾配を演算するためにステップ27
0に進む。
【0037】ステップ270では、増圧勾配演算済フラ
グFAを1に設定する。すなわち、この増圧勾配演算済
フラグFAは、図9(e)に示すように、前回の増圧が
終了した時点から判定時間T1 経過したときに1に設定
され、後述するステップ480にて次回の増圧が終了し
た時点で0にリセットされる。
【0038】次に、ステップ280では、後述のステッ
プ440にて記憶された前回の増圧開始直前の増圧前車
輪スリップ量△VM** と、ステップ230で記憶した現
在の車輪スリップ量△V**、すなわち前回の増圧の終了
時点から判定時間T1 経過した時点の車輪スリップ量△
**との偏差量d△V**を演算する。つまり、図9
(d)に示すように、増圧前車輪スリップ量△VM**
は、前回の増圧開始直前の車輪スリップ量△V**を記憶
しているものである。
【0039】ここで、図9(c),(d)に示すよう
に、増圧開始直前の車輪スリップ量△VM** 及びその増
圧の終了時点から判定時間T1 経過時点の車輪スリップ
量△V **には、増圧による車輪振動等に起因する誤差が
含まれる可能性が非常に小さい。このため、両時点の車
輪スリップ量△VM** 及び△V**の偏差量d△V**
ら、正確な車輪のスリップ状態の変化を検出することが
できる。なお、増圧前車輪スリップ量△VM** よりも現
在の車輪スリップ量△V**が小さい場合には、偏差量d
△V**を「0」に設定する。
【0040】次に、ステップ290では、ステップ28
0にて演算された偏差量d△V**の大きさに基づいて、
判定時間T1 が経過した後に延長して出力すべき保持時
間T2 を演算する。この延長すべき保持時間T2 は、例
えば図6のマップに示すように、偏差量d△V**が大き
くなるほど長くなるように設定される。そして、ステッ
プ300では、判定時間T1 及び保持時間T2 が経過し
た後に出力すべき増圧パルス幅T3 を、ステップ280
にて演算された偏差量d△V**の大きさに基づいて演算
する。この増圧パルス幅T3 は、上記保持時間T2 に対
して言えば増圧時間ということになり、例えば図7のマ
ップに示すように、偏差量d△V**が大きくなるほど短
くなるように設定される。
【0041】ここで、タイヤと路面間の摩擦係数μは、
制動時の車輪のスリップ率Sにより変化し、その特性は
図8に示す如きものである。この図8からも理解される
ように、車輪のスリップ率Sがある程度増大(約20
%)したときタイヤと路面間の摩擦係数μは最も高くな
る。そして、アンチスキッド制御においては、このタイ
ヤと路面間の摩擦係数μが高い状態を維持するようにブ
レーキ圧力を制御すれば、制動効率等の面で良好な結果
をもたらすことは良く知られている。
【0042】このため、本実施例では、タイヤと路面間
の摩擦係数μが高い状態に近づくほど同様の油圧変化に
対する車輪のスリップ率Sの変化が大きくなることに着
目した。そして、本実施例では、スリップ率Sの変化を
スリップ量△V**の変化(偏差量d△V**)とみなし
て、増圧によるブレーキ圧力の増加に対して偏差量d△
**が大きく変化するほど増圧勾配を緩やかにするよう
にしている。つまり、図6及び図7に示すように、スリ
ップ偏差量d△V**が大きくなるほど、保持時間T2 を
長く、かつ増圧パルス幅T3 を短くしてブレーキ圧力の
増加量を小さくする。
【0043】また、逆にタイヤと路面間の摩擦係数μが
高い状態に近づくまでは、増圧勾配を急峻にして、素早
くブレーキ圧力の増加を行う。つまり、図6、図7に示
すように、スリップ偏差量d△V**が小さくなるほど、
保持時間T2 を短く、かつ増圧パルス幅T3 を長くして
ブレーキ圧力の増加量を大きくしている。これにより、
本実施例によれば、タイヤと路面間の摩擦係数μが高い
状態に素早く近づくように、かつその摩擦係数μの高い
状態を長く維持することができるようになる。
【0044】なお、保持時間T2 及び増圧パルス幅T3
は、マップによらず演算式によって決定することができ
るのもいうまでもない。また、ステップ290及びステ
ップ300にて、偏差量d△V**に応じて保持時間T2
及び増圧パルス幅T3 の両者を変更しなくとも、何方か
一方の時間を固定し、他方の時間のみを変更することも
可能である。
【0045】次にステップ310では、ステップ217
で演算した増圧パルス幅補正値△T3 に基づき、増圧パ
ルス幅T3 がT3 ←T3 +△T3 として補正される。前
述したように、△T3 は正負の値を取るため、△T3 が
正の場合にはT3 は大きくなる向きに補正され、△T3
が負の場合にはT3 は小さくなる向きに補正される。
【0046】次に、ステップ400では、前述したよう
にタイムカウンタT**をカウントアップして、増圧終了
時点からの経過時間を計時する。ステップ410では、
タイムカウンタT**の値が判定時間T1 及び保持時間T
2 の加算時間よりも小さいか否かを判定する。この判定
の結果、タイムカウンタT**の値が上記加算時間よりも
小さいときには、ステップ490に進んでアクチュエー
タ21〜24に対して保持出力を行う。
【0047】一方、タイムカウンタT**の値が上記加算
時間以上のときには、ステップ420に進む。ステップ
420では、タイムカウンタT**の値が上記加算時間と
等しいか否かが判定される。両者の値が等しいときに
は、増圧を開始すべきタイミングであるので、ステップ
450にて増圧出力を行い、アクチュエータ21〜24
を保持位置Bから増圧位置Aに切り換える。この場合、
前述したように増圧開始直前の車輪スリップ量△VM**
を記憶するために、ステップ450にて増圧出力を行う
前に、ステップ430にてステップ230で記憶した現
在の車輪スリップ量△V**を読み込み、ステップ440
にて増圧前車輪スリップ量△VM**として記憶する。
【0048】また、ステップ420にてタイムカウンタ
**の値が上記加算時間と等しくないと判定された場合
にはステップ460に進む。ステップ460では、タイ
ムカウンタT**の値が、判定時間T1 ,保持時間T2 及
び増圧パルス幅T3 の加算時間に等しいか否か、つまり
増圧出力を終了させるタイミングか否かが判定される。
タイムカウンタT**の値が上記三者の加算時間よりも小
さいとき、未だ増圧出力を終了させるタイミングではな
いとみなして、ステップ450に進み増圧出力を継続す
る。
【0049】一方、タイムカウンタT**の値が上記3者
の加算時間に等しいときには、増圧出力を終了させるタ
イミングとみなしてステップ470に進む。ステップ4
70では、タイムカウンタT**の値を0にクリアして、
増圧終了時点から新たなカウントを行わせる。ステップ
480では、増圧勾配演算済フラグFAを0にリセット
し、次回の増圧勾配の演算に備える。
【0050】ステップ481では、増圧パルスカウンタ
Nがカウントアップされ、今回サイクルでの増圧パルス
出力数が計数され、この数は次回の制御サイクルで増圧
モードが開始される時に次回の増圧パルス幅補正値△T
3 を演算するのに用いられる。 そして、ステップ49
0ではアクチュエータ21〜24に対して、保持出力の
指令を出す。
【0051】ステップ500では、全車輪1〜4のアク
チュエータ21〜24に対して制御信号を出力したか否
かを判定し、未だ全車輪1〜4のアクチュエータ21〜
24に対して制御信号を出力していない場合には、ステ
ップ200に進んで本ルーチンを繰り返し実行させる。
一方、全車輪1〜4のアクチュエータ21〜24に対し
て制御信号を出力している場合には、本ルーチンの処理
を終了する。
【0052】上述したように、本実施例におけるアンチ
スキッド制御中、図10に示すように減圧モードMD・
保持モードMK・増圧モードMIを1サイクルとした制
御が繰り返される(なお図10は1つの車輪について表
わしたもの)。すなわち、ECU30は車輪速度センサ
5〜8からの信号に基いて各車輪1〜4のスリップ状態
を検出しており、車輪がロックしそうになると減圧信号
を3位置弁21〜24に出力してブレーキ油圧を減じ、
車輪速度の回復時には保持信号を出力し、車輪速度が十
分回復した後、増圧を行う。
【0053】また、増圧モードMIでは、増圧出力と保
持出力を組み合わせたデューティ制御を行う。本実施例
では、この増圧モードMIが本発明の「緩増圧モード」
に対応する。増圧出力はパルス的に行われ、それに引き
続いて保持出力が行われる。そして、ステップ217等
における説明でも述べたように、増圧パルス幅補正値△
T3 が演算されて、増圧モードMI中の増圧パルス幅の
補正が行われる。この補正結果の一例を図10を用いて
説明する。図10(a)において、時刻toに運転者に
よってブレーキペダル15が踏み込まれるとホイールシ
リンダ11〜14のブレーキ油圧が上昇し、時刻t1で
車輪1〜4がロックしそうになると、アンチスキッド制
御が開始される。アンチスキッド制御中は前述したよう
に、減圧モードMD、保持モードMK、増圧モードMI
を1サイクルとした制御が繰り返され、車輪のスリップ
状態が制御される。
【0054】時刻t2で最初のサイクルが終り、次のサ
イクルが始まる時点で、今回のサイクル(=上記「次の
サイクル」)の増圧モードMI時に出力する増圧パルス
幅補正値△T3 (n)が決められる。すなわち、前サイ
クルの増圧モード中に出力した増圧パルス数Nと目標パ
ルス数NTを比較し、N<NTの時(図10(a))
は、今回サイクルの増圧パルス幅補正値△T3 (n)を
前サイクルでの増圧パルス幅補正値△T3 (n−1)よ
りマイナス側に変更する。これにより、今回サイクルの
増圧パルス幅T3 (n)は、前サイクルでの増圧パルス
幅T3 (n−1)より小さくなる。逆にN>NT(図1
1(b))の時は、今回サイクルの増圧パルス幅補正値
△T3 (n)を前サイクルでの増圧パルス幅補正値△T
3 (n−1)よりプラス側に変更する。これにより、今
回サイクルの増圧パルス幅T3 (n)は、前サイクルで
の増圧パルス幅T3 (n−1)より大きくなる。
【0055】このような増圧パルス幅補正値△T3 の変
更はアンチスキッド制御が終了するまでサイクルが終了
する毎に繰り返される。この時の補正値△T3 の変更量
は一定でも良いし、増圧パルス数Nと目標パルス数NT
の差に応じて変えるようにしても良い。
【0056】N<NTの時増圧パルス幅T3 (n)が小
さく補正されると、前サイクルの状態に対し、1回の増
圧パルスでの増圧量が小さくなるため、今回のサイクル
における増圧パルス数Nが前サイクルの増圧パルス数N
より増え、目標パルス数NTに近づく。図10(a)に
示すように、前サイクルでは1回の増圧パルスでの増圧
量が大きいため、例えば図10(a)中に一点鎖線で示
す目標ブレーキ油圧PTに対するオーバーシュート量が
大きいが、今回サイクルでは1回の増圧パルスでの増圧
量が適正値に近くなり、例えオーバーシュートしてもそ
の量が小さい。
【0057】逆にN>NTの時、増圧パルス幅T3
(n)が大きく補正されると前サイクルの状態に対し、
1回の増圧パルスでの増圧量が大きくなるため、今回の
サイクルにおける増圧パルス数Nが前サイクルの増圧パ
ルス数Nより減り、目標パルス数NTに近づく。図10
(b)に示すように、前サイクルでは1回の増圧パルス
での増圧量が小さすぎて増圧勾配が緩すぎるため、目標
ブレーキ油圧に到達する迄に時間がかかりすぎてしま
う。それに対し、今回サイクルでは1回の増圧パルスで
の増圧量が適正値に近くなって増圧勾配も改善され、制
動距離の短縮に寄与する。
【0058】このようにして、増圧モード中の増圧パル
ス数Nを一定の目標値に近づけるように増圧パルス幅T
3 (n)を補正することにより、運転者のペダル踏力に
よらず、増圧パルス1発あたりのブレーキ油圧の増圧量
を一定値(適正値)に近づけることができる。そのた
め、ブレーキ油圧の増圧過不足によるハンチングや増圧
勾配が緩すぎることに起因する制動距離の悪化を防ぐこ
とができる。
【0059】上記実施例(以下第1の実施例と呼ぶ。)
では、前回の増圧モードでの増圧パルス数Nと目標パル
ス数NTを比較して今回の増圧パルス幅補正値△T3
(n)の変更を行ったが、第2の実施例として、前回の
増圧モードでの補正前の増圧パルス幅の合計時間を目標
時間と比較して今回の増圧パルス幅補正値△T3 (n)
を変更するようにしても良い。
【0060】例えば、基準となる増圧パルス幅をT3 o
(以後基準パルス幅という)とし、前回の増圧モードで
の増圧パルス幅がT3 (n−1)=T3 o+△T3 (n
−1)だったとすると、前回の増圧モードでの補正前の
増圧パルス幅の合計時間(基準パルス幅の合計時間)は
T3 o×Nであり、これを目標時間tT と比較し、T3
o×N<tT の時は今回の増圧モードでの増圧パルスの
補正値△T3 (n)を△T3 (n)<△T3 (n−1)
とし、逆にT3 o×N>tT の時は△T3 (n)>△T
3 (n−1)とする。
【0061】基準パルス幅T3 oが1つ場合は、この方
法は第1の実施例のパルス数で行う方法と全く同じこと
になるが、基準パルス幅T3 oが1サイクル中に車輪の
スリップ状態等によって変わる場合には、基準パルス幅
T3 oの合計時間を目標時間tTと比較する方法の方
が、より適切に増圧パルス幅補正値△T3 (n)の変更
を行うことができる。
【0062】さらに詳しく説明すると、基準パルス幅T
3 oがスリップ状態等によって変わる場合、例えば前回
の制御サイクルで2msの基準パルス幅T3 oを持つ増
圧パルスが5回出た後に減圧モードが開始された時と、
前回の制御サイクルで5msの基準パルス幅T3 oを持
つ増圧パルスが2回が出た後に減圧モードが開始された
時とを比べてみると、どちらも合計では10msの増圧
出力が行われたことにる。つまり、本来上記2つの場合
の増圧量の合計の期待値は同じであり、前者の場合が増
圧不足、後者の場合が増圧過大ということはない。しか
し、これを増圧パルス数Nによって増圧量の過不足を判
断すると上記のような間違いが起こる場合がある。従っ
て、このような場合には、基準パルス幅T3 o(補正さ
れる前のパルス幅)の合計時間を目標値と比較して増圧
量の過不足を判断した方が良い。
【0063】また、上記第1あるいは第2の実施例では
増圧モード中、増圧と保持の組み合わせにより緩やかな
増圧を行ったが、図11に示すように増圧モードを2つ
に分け、増圧モード初期に、増圧モード後期より増圧匂
配の急な増圧を行う制御もある。この場合は、増圧モー
ド後期が本発明の「緩増圧モード」に対応する。そし
て、この増圧モード初期の増圧パルス幅または増圧パル
ス数を今回サイクルの減圧時間tDに依存して決めると
いう制御を行う場合には、前回の増圧モード後期の増圧
パルス数(第2の実施例では基準パルス幅の合計時間T
3 o×N)を目標値と比較して、今回のサイクルの補正
値を決めるようにすれば良い。この場合、増圧パルス幅
T3 (n)の補正は、増圧モード後期のみ行うようにし
ても良いし、増圧モード前期の増圧パルス幅も含めて補
正するようにしても良い。
【0064】また第2の実施例では増圧パルス幅の補正
後の値もT3 (n)=T3 o+△T3 (n)として説明
したが、補正の方法を、補正係数Kc(n)を用いたT
3 (n)=T3 o×Kc(n)(0<Kc(n))とい
う形にして、補正係数Kc(n)を変更していくように
しても良い。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のア
ンチスキッド制御装置は、前回の緩増圧モードにおける
補正前の増圧パルス幅の合計時間が予め設定された目標
時間と異なる場合には、少なくとも今回の緩増圧モード
での増圧パルス幅の補正量を、補正前の増圧パルス幅の
合計時間が目標時間に近づく向きに変更し、一方請求項
2記載のアンチスキッド制御装置は、前回の緩増圧モー
ドにおける増圧パルス数が予め設定された目標パルス数
と異なる場合には、少なくとも今回の緩増圧モードにお
ける増圧パルス幅の補正量を、増圧パルス数が目標パル
ス数に近づく向きに変更する。
【0066】従って、これら請求項1,2のアンチスキ
ッド制御装置によれば、車輪のスリップ状態に応じて増
圧モード中のデューティ比を常に変更するタイプであり
ながら、運転者のペダル踏力によらず、1サイクル中の
増圧モードでの総増圧量を一定値(適正値)に近づける
ことができ、増圧の過不足によるハンチングや制動距離
悪化を防ぐことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成を示す概略説明図であ
る。
【図2】 ECUが処理するメインルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図3】 ECUが処理する割込みルーチンの前半を示
すフローチャートである。
【図4】 ECUが処理する割込みルーチンの途中を示
すフローチャートである。
【図5】 ECUが処理する割込みルーチンの後半を示
すフローチャートである。
【図6】 車輪スリップ偏差量d△Vに対する保持時間
T2 の特性を示す特性図である。
【図7】 車輪スリップ偏差量d△Vに対する増圧パル
ス幅T3 の特性を示す特性図である。
【図8】 車輪のスリップ率Sに対するタイヤと路面間
の摩擦係数μの特性を示す特性図である。
【図9】 実施例の作動を説明するタイムチャートであ
る。
【図10】 増圧モードMI中の増圧パルス幅の補正が
行われた制御結果例を示すタイムチャートである。
【図11】 別実施例の制御結果例を示すタイムチャー
トである。
【符号の説明】
MD…減圧モード、 MK…保持モードMK、
MI…増圧モード、1〜4…車輪、
5〜8…車輪速度センサ、11〜14…ホイールシ
リンダ、 15…ブレーキペダル、16…マスタ
シリンダ、 17,18…油圧ポンプ、19,
20…リザーバ、 21〜24…アクチュエー
タ、25…ストップスイッチ、 30…E
CU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大石 正悦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制動時の車輪のスリップ状態を適正な状
    態に維持すべく、車輪のブレーキ圧力を増加、減少させ
    るものであり、ブレーキ圧力の緩増圧は、増圧と保持と
    を交互に繰り返すことによって行われるアンチスキッド
    制御装置において、 前回の緩増圧モードにおける増圧パルスの出力状況に応
    じて、少なくとも今回の緩増圧モードでの増圧パルス幅
    を補正する増圧パルス幅補正手段を設け、 該増圧パルス幅補正手段は、前回の緩増圧モードにおけ
    る補正前の増圧パルス幅の合計時間が予め設定された目
    標時間と異なる場合には、少なくとも今回の緩増圧モー
    ドでの増圧パルス幅の補正量を、補正前の増圧パルス幅
    の合計時間が前記目標時間に近づく向きに変更すること
    を特徴とするアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】 制動時の車輪のスリップ状態を適正な状
    態に維持すべく、車輪のブレーキ圧力を増加、減少させ
    るものであり、ブレーキ圧力の緩増圧は、増圧と保持と
    を交互に繰り返すことによって行われるアンチスキッド
    制御装置において、 前回の緩増圧モードにおける増圧パルスの出力状況に応
    じて、少なくとも今回の緩増圧モードでの増圧パルス幅
    を補正する増圧パルス幅補正手段を設け、 該増圧パルス幅補正手段は、前回の緩増圧モードにおけ
    る増圧パルス数が予め設定された目標パルス数と異なる
    場合には、少なくとも今回の緩増圧モードにおける増圧
    パルス幅の補正量を、前記増圧パルス数が前記目標パル
    ス数に近づく向きに変更することを特徴とするアンチス
    キッド制御装置。
JP10830493A 1993-05-10 1993-05-10 アンチスキッド制御装置 Pending JPH06321081A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10114265A (ja) * 1996-10-09 1998-05-06 Nissan Motor Co Ltd アンチロックブレーキ制御装置
JP2008110716A (ja) * 2006-10-31 2008-05-15 Advics:Kk アンチスキッド制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10114265A (ja) * 1996-10-09 1998-05-06 Nissan Motor Co Ltd アンチロックブレーキ制御装置
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