JPH0631806A - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents
熱収縮性ポリエステル系フィルムInfo
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- JPH0631806A JPH0631806A JP18943192A JP18943192A JPH0631806A JP H0631806 A JPH0631806 A JP H0631806A JP 18943192 A JP18943192 A JP 18943192A JP 18943192 A JP18943192 A JP 18943192A JP H0631806 A JPH0631806 A JP H0631806A
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- shrinkage
- film
- sec
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- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱収縮率が充分に大きく、熱収縮後のフィル
ムに収縮斑の発生がなく、しかも熱収縮後の種々の工程
においても優れた寸法安定性を有する熱収縮性ポリエス
テル系フィルムを提供する。 【構成】 100 ℃での熱収縮率が40%以上であり、かつ
熱収縮応力測定から導かれる緩和スペクトル曲線が次式
(1)〜(3) をすべて満足する熱収縮性ポリエステル系フ
ィルム。 300≧ f(logτ1)≧10 [g/mm2/log(sec)] (1) 300≧ f(logτ2)≧50 [g/mm2/log(sec)] (2) 1×103 ≧τ1 ≧ 2×10-1 [sec] (3) (ここで f(logτ) は 100℃、10秒を基準とした緩和ス
ペクトルであり、τ1は f(logτ) に極大値を与える緩
和時間、τ2 は 3×100 秒である。)
ムに収縮斑の発生がなく、しかも熱収縮後の種々の工程
においても優れた寸法安定性を有する熱収縮性ポリエス
テル系フィルムを提供する。 【構成】 100 ℃での熱収縮率が40%以上であり、かつ
熱収縮応力測定から導かれる緩和スペクトル曲線が次式
(1)〜(3) をすべて満足する熱収縮性ポリエステル系フ
ィルム。 300≧ f(logτ1)≧10 [g/mm2/log(sec)] (1) 300≧ f(logτ2)≧50 [g/mm2/log(sec)] (2) 1×103 ≧τ1 ≧ 2×10-1 [sec] (3) (ここで f(logτ) は 100℃、10秒を基準とした緩和ス
ペクトルであり、τ1は f(logτ) に極大値を与える緩
和時間、τ2 は 3×100 秒である。)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被覆、結束、外装等に用
いられる包装材として好適な熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムに関するものであり、詳細には収縮斑が少なく美
麗な仕上がり外観を安定して保持し、かつ耐熱性にも優
れた熱収縮性ポリエステル系フィルムに関するものであ
る。
いられる包装材として好適な熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムに関するものであり、詳細には収縮斑が少なく美
麗な仕上がり外観を安定して保持し、かつ耐熱性にも優
れた熱収縮性ポリエステル系フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱収縮性フィルム(シートも含む。以下
同じ)は、瓶(ガラス製およびプラスチック性のボトル
を含む)や缶等の各種容器あるいは長尺物(パイプ、
棒、木材、各種棒状体等)の被覆用、結束用、または外
装用として利用されている。例えば、標示、保護、結
束、商品価値の向上等を目的として、瓶のキャップ部、
肩部および胴部の一部または全体を被覆するために用い
られている。さらに、箱、瓶、板、棒、ノート等を複数
個ずつ集積して包装する用途や、被包装物にフィルムを
密着させて該フィルムにより包装するスキンパッケージ
用途にも適用されており、これらは熱収縮性フィルムの
収縮性、収縮応力を利用したものである。
同じ)は、瓶(ガラス製およびプラスチック性のボトル
を含む)や缶等の各種容器あるいは長尺物(パイプ、
棒、木材、各種棒状体等)の被覆用、結束用、または外
装用として利用されている。例えば、標示、保護、結
束、商品価値の向上等を目的として、瓶のキャップ部、
肩部および胴部の一部または全体を被覆するために用い
られている。さらに、箱、瓶、板、棒、ノート等を複数
個ずつ集積して包装する用途や、被包装物にフィルムを
密着させて該フィルムにより包装するスキンパッケージ
用途にも適用されており、これらは熱収縮性フィルムの
収縮性、収縮応力を利用したものである。
【0003】このような熱収縮性フィルムの素材として
は、従来よりポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチ
レン、塩酸ゴム等が用いられてきた。これらのフィルム
をチューブ状に成形し、例えば瓶にかぶせたりパイプ等
を集積した後に熱収縮させることによって包装や結束が
達成されるものであった。
は、従来よりポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチ
レン、塩酸ゴム等が用いられてきた。これらのフィルム
をチューブ状に成形し、例えば瓶にかぶせたりパイプ等
を集積した後に熱収縮させることによって包装や結束が
達成されるものであった。
【0004】しかし、前記従来フィルムは耐熱性が乏し
く、高温でのボイル処理やレトルト処理に耐えることが
できずに破損してしまうため、高熱殺菌処理を必要とす
る包装用途には使用できなかった。また印刷性において
も、例えばポリ塩化ビニルは、印刷インクとの接着性が
悪かったりゲル状物によるピンホールが発生し易い等の
問題を有していた。さらに前記従来フィルムは、製造後
に経時的に収縮するため寸法安定性が悪く、また収縮に
伴って印刷ピッチの変化を引き起こすため、高精度印刷
が不可能であった。
く、高温でのボイル処理やレトルト処理に耐えることが
できずに破損してしまうため、高熱殺菌処理を必要とす
る包装用途には使用できなかった。また印刷性において
も、例えばポリ塩化ビニルは、印刷インクとの接着性が
悪かったりゲル状物によるピンホールが発生し易い等の
問題を有していた。さらに前記従来フィルムは、製造後
に経時的に収縮するため寸法安定性が悪く、また収縮に
伴って印刷ピッチの変化を引き起こすため、高精度印刷
が不可能であった。
【0005】これらの問題を解決するために、耐熱性、
耐候性および耐溶剤性に優れているポリエステルを用い
た熱収縮性フィルムが提案されたが、所望の方向への熱
収縮率が不充分であったり、該方向と直行する方向への
熱収縮率を小さくすることができないという問題があっ
た。しかし、本願と同じ出願人による特開昭63−156833
号公報等に開示されたように、特定の共重合組成を持つ
ポリエステルによってこの問題は解決されている。
耐候性および耐溶剤性に優れているポリエステルを用い
た熱収縮性フィルムが提案されたが、所望の方向への熱
収縮率が不充分であったり、該方向と直行する方向への
熱収縮率を小さくすることができないという問題があっ
た。しかし、本願と同じ出願人による特開昭63−156833
号公報等に開示されたように、特定の共重合組成を持つ
ポリエステルによってこの問題は解決されている。
【0006】ところが、上記特定共重合組成ポリエステ
ルフィルムにおいても、熱収縮速度が速過ぎて、収縮工
程での不均一な温度分布をそのまま鋭敏に反映すること
によって外観を損なわせる収縮斑が生成するという問題
があった。さらに、該フィルムを容器等に被覆した後で
高温ボイル処理やレトルト処理等の殺菌処理を行なった
り、容器に熱湯のような高温物質を充填する場合、ポリ
エステルの耐熱性のためフィルムの破損には至らない
が、たるみを生じてしまうことが多かった。
ルフィルムにおいても、熱収縮速度が速過ぎて、収縮工
程での不均一な温度分布をそのまま鋭敏に反映すること
によって外観を損なわせる収縮斑が生成するという問題
があった。さらに、該フィルムを容器等に被覆した後で
高温ボイル処理やレトルト処理等の殺菌処理を行なった
り、容器に熱湯のような高温物質を充填する場合、ポリ
エステルの耐熱性のためフィルムの破損には至らない
が、たるみを生じてしまうことが多かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル系熱収縮性フィルムの上記問題を解決し、熱収
縮率が充分に大きく、熱収縮後のフィルムに収縮斑の発
生がなく、しかも熱収縮後の種々の工程においても優れ
た寸法安定性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルム
を提供することにある。
エステル系熱収縮性フィルムの上記問題を解決し、熱収
縮率が充分に大きく、熱収縮後のフィルムに収縮斑の発
生がなく、しかも熱収縮後の種々の工程においても優れ
た寸法安定性を有する熱収縮性ポリエステル系フィルム
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムが、 100℃で
の熱収縮率が40%以上であり、かつ熱収縮応力測定から
導かれる緩和スペクトル曲線が次式 (1)〜(3) をすべて
満足するものであるところに要旨を有する。
発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムが、 100℃で
の熱収縮率が40%以上であり、かつ熱収縮応力測定から
導かれる緩和スペクトル曲線が次式 (1)〜(3) をすべて
満足するものであるところに要旨を有する。
【0009】 300≧ f(logτ1)≧10 [g/mm2/log(sec)] (1) 300≧ f(logτ2)≧50 [g/mm2/log(sec)] (2) 1×103 ≧τ1 ≧ 2×10-1 [sec] (3) (ここで f(logτ) は 100℃、10秒を基準とした緩和ス
ペクトルであり、τ1は f(logτ) に極大値を与える緩
和時間、τ2 は 3×100 秒である。)
ペクトルであり、τ1は f(logτ) に極大値を与える緩
和時間、τ2 は 3×100 秒である。)
【0010】
【作用】まず、本発明における緩和スペクトルについて
説明する。本発明では、熱収縮による応力測定から緩和
スペクトルを求めた。収縮する方向を長辺とした長方形
試料の両端をロードセルにつながれたチャックによって
把持し、試料を油浴中で測定温度に保ちながら、約1分
間収縮応力を検出した。測定温度は、65℃から5℃きざ
みで 120℃まで変化させた。各々の収縮応力対時間の曲
線がピークを示す時間を新たに0点とし時間軸を対数目
盛りとして描き直すと、温度をパラメーターとする曲線
群が得られるので、この曲線群を対数時間軸に沿って重
ね合わせを行なって1本のマスターカーブを得る。そし
て 100℃の時の10秒の点を新たに0点として、マスター
カーブの一次微分X−1の曲線を描くことによって、緩
和スペクトルを得ることができる。
説明する。本発明では、熱収縮による応力測定から緩和
スペクトルを求めた。収縮する方向を長辺とした長方形
試料の両端をロードセルにつながれたチャックによって
把持し、試料を油浴中で測定温度に保ちながら、約1分
間収縮応力を検出した。測定温度は、65℃から5℃きざ
みで 120℃まで変化させた。各々の収縮応力対時間の曲
線がピークを示す時間を新たに0点とし時間軸を対数目
盛りとして描き直すと、温度をパラメーターとする曲線
群が得られるので、この曲線群を対数時間軸に沿って重
ね合わせを行なって1本のマスターカーブを得る。そし
て 100℃の時の10秒の点を新たに0点として、マスター
カーブの一次微分X−1の曲線を描くことによって、緩
和スペクトルを得ることができる。
【0011】本発明では、緩和スペクトルにおいて次の
(1)〜(3) 式を満足することができるポリエステルが、
際立った収縮性を持ちながら、収縮時の収縮斑もなく、
収縮後の寸法安定性に優れていることを見出した。 300≧ f(logτ1)≧10 [g/mm2/log(sec)] (1) 300≧ f(logτ2)≧50 [g/mm2/log(sec)] (2) 1×103 ≧τ1 ≧ 2×10-1 [sec] (3) (ここで f(logτ) は 100℃、10秒を基準とした緩和ス
ペクトルであり、τ1は f(logτ) に極大値を与える緩
和時間、τ2 は 3×100 秒である。)
(1)〜(3) 式を満足することができるポリエステルが、
際立った収縮性を持ちながら、収縮時の収縮斑もなく、
収縮後の寸法安定性に優れていることを見出した。 300≧ f(logτ1)≧10 [g/mm2/log(sec)] (1) 300≧ f(logτ2)≧50 [g/mm2/log(sec)] (2) 1×103 ≧τ1 ≧ 2×10-1 [sec] (3) (ここで f(logτ) は 100℃、10秒を基準とした緩和ス
ペクトルであり、τ1は f(logτ) に極大値を与える緩
和時間、τ2 は 3×100 秒である。)
【0012】(1) 式において f(logτ1)が 300を超える
と、ポリエステル中に、熱収縮の原動力となる要素が多
くなり過ぎて、収縮速度が速くなることがわかった。こ
のため、収縮工程での不均一な温度分布を鋭敏に反映し
て収縮斑が生成してしまうのである。一方 f(logτ1)が
10より小さいと、熱収縮の原動力となる要素が少な過ぎ
るため、収縮が起こらなくなる。(1) 式を満足するポリ
エステル系フィルムは収縮斑を生成させることなく、良
好な収縮性を有するものである。
と、ポリエステル中に、熱収縮の原動力となる要素が多
くなり過ぎて、収縮速度が速くなることがわかった。こ
のため、収縮工程での不均一な温度分布を鋭敏に反映し
て収縮斑が生成してしまうのである。一方 f(logτ1)が
10より小さいと、熱収縮の原動力となる要素が少な過ぎ
るため、収縮が起こらなくなる。(1) 式を満足するポリ
エステル系フィルムは収縮斑を生成させることなく、良
好な収縮性を有するものである。
【0013】(2) 式において f(logτ2)が 300を超える
と、ポリエステル中に熱収縮を阻害するような固体構造
(ある種の結晶構造等)が生じており、収縮率が低くな
ることがわかった。一方 f(logτ2)が50より小さいと、
熱収縮の原動力となる要素の内、長時間に亘って収縮に
寄与し、かつ高温状態において収縮効果を発揮する要素
が少ない。このため、収縮被覆工程が完了した段階で収
縮の原動力がもはや消失してしまったり、被覆後または
結束後に、例えばボイル処理やレトルト処理、高温物の
充填等の高温条件下でたるみが生じてしまうのである。
従って (2)式を満足するポリエステル系フィルムは長時
間に亘って、また高温においても収縮原動力を有してい
ることがわかる。
と、ポリエステル中に熱収縮を阻害するような固体構造
(ある種の結晶構造等)が生じており、収縮率が低くな
ることがわかった。一方 f(logτ2)が50より小さいと、
熱収縮の原動力となる要素の内、長時間に亘って収縮に
寄与し、かつ高温状態において収縮効果を発揮する要素
が少ない。このため、収縮被覆工程が完了した段階で収
縮の原動力がもはや消失してしまったり、被覆後または
結束後に、例えばボイル処理やレトルト処理、高温物の
充填等の高温条件下でたるみが生じてしまうのである。
従って (2)式を満足するポリエステル系フィルムは長時
間に亘って、また高温においても収縮原動力を有してい
ることがわかる。
【0014】(3) 式においてτ1 が 1×103 秒より大き
いと、ポリエステル中の熱収縮の原動力となる要素が短
時間領域に少ないことを示している。このため、収縮速
度が遅くなって被覆工程における作業能率が悪くなるた
め 1×103 ≧τ1 とした。一方τ1 が 2×10-1秒より小
さい時は、熱収縮の原動力となる要素が短時間領域に多
いこととなり、収縮速度が速過ぎて収縮斑が発生してし
まうのである。
いと、ポリエステル中の熱収縮の原動力となる要素が短
時間領域に少ないことを示している。このため、収縮速
度が遅くなって被覆工程における作業能率が悪くなるた
め 1×103 ≧τ1 とした。一方τ1 が 2×10-1秒より小
さい時は、熱収縮の原動力となる要素が短時間領域に多
いこととなり、収縮速度が速過ぎて収縮斑が発生してし
まうのである。
【0015】緩和スペクトルにおいて上記 (1)〜(3) 式
を満足することができるポリエステル系フィルムは、 1
00℃における熱収縮率が40%以上という本発明のもうひ
とつの必須要件を満足させることができる。すなわち、
際立った収縮性を持ちながら、収縮時の収縮斑もなく、
収縮後の寸法安定性に優れた熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムを得ることができる。
を満足することができるポリエステル系フィルムは、 1
00℃における熱収縮率が40%以上という本発明のもうひ
とつの必須要件を満足させることができる。すなわち、
際立った収縮性を持ちながら、収縮時の収縮斑もなく、
収縮後の寸法安定性に優れた熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムを得ることができる。
【0016】本発明における熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムは上記 (1)〜(3) 式を満足する緩和スペクトルを
有しており、かつ 100℃における熱収縮率が40%以上で
あるならば、特にそのポリエステル組成は限定されな
い。例えばジカルボン酸成分としては、エチレンテレフ
タレートユニットを構成するテレフタル酸の他に、イソ
フタル酸、オルトフタル酸、 5-tert-ブチルイソフタル
酸等のベンゼンジカルボン酸類、2,6-ナフタレンジカル
ボン酸等のナフタレンジカルボン酸類、 4,4'-ジカルボ
キシジフェニル、2,2,6,6-テトラメチルビフェニル-4,
4'-ジカルボン酸等のジカルボキシビフェニル類、1,1,3
-トリメチル-3- フェニルインデン-4,5- ジカルボン酸
およびその置換体、1,2-ジフェノキシエタン-4,4'-ジカ
ルボン酸およびその置換体等の芳香族ジカルボン酸類;
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシリン
酸、テトラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカ
ンジカルボン酸、ドコサンジカルボン酸、およびこれら
の置換体等の脂肪族ジカルボン酸;4,4'- ジカルボキシ
シクロヘキサンおよびこの置換体等の脂環式ジカルボン
酸等を用いることができる。
ィルムは上記 (1)〜(3) 式を満足する緩和スペクトルを
有しており、かつ 100℃における熱収縮率が40%以上で
あるならば、特にそのポリエステル組成は限定されな
い。例えばジカルボン酸成分としては、エチレンテレフ
タレートユニットを構成するテレフタル酸の他に、イソ
フタル酸、オルトフタル酸、 5-tert-ブチルイソフタル
酸等のベンゼンジカルボン酸類、2,6-ナフタレンジカル
ボン酸等のナフタレンジカルボン酸類、 4,4'-ジカルボ
キシジフェニル、2,2,6,6-テトラメチルビフェニル-4,
4'-ジカルボン酸等のジカルボキシビフェニル類、1,1,3
-トリメチル-3- フェニルインデン-4,5- ジカルボン酸
およびその置換体、1,2-ジフェノキシエタン-4,4'-ジカ
ルボン酸およびその置換体等の芳香族ジカルボン酸類;
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、ウンデカン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシリン
酸、テトラデカンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカ
ンジカルボン酸、ドコサンジカルボン酸、およびこれら
の置換体等の脂肪族ジカルボン酸;4,4'- ジカルボキシ
シクロヘキサンおよびこの置換体等の脂環式ジカルボン
酸等を用いることができる。
【0017】ジオール成分としては、エチレンテレフタ
レートユニットを構成するエチレングリコールや、この
他にジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、1,6-ヘキサンジオール、 1,10-デカンジ
オール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-2- エチル
-1,3- プロパンジオール、2-ジエチル-1,3- プロパンジ
オール、2-エチル-2-n- ブチル-1,3- プロパンジオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール等の脂肪族ジオール
類;1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキ
サンジメタノール等の脂環式ジオール類;2,2-ビス(4'-
β- ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパン、ビス
(4'-β- ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビ
スフェノール系化合物のエチレンオキサイド付加物や、
キシリレングリコール等の芳香族ジオール類等を用いる
ことができる。
レートユニットを構成するエチレングリコールや、この
他にジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、1,6-ヘキサンジオール、 1,10-デカンジ
オール、ネオペンチルグリコール、2-メチル-2- エチル
-1,3- プロパンジオール、2-ジエチル-1,3- プロパンジ
オール、2-エチル-2-n- ブチル-1,3- プロパンジオー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール等の脂肪族ジオール
類;1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキ
サンジメタノール等の脂環式ジオール類;2,2-ビス(4'-
β- ヒドロキシエトキシジフェニル)プロパン、ビス
(4'-β- ヒドロキシエトキシフェニル)スルホン等のビ
スフェノール系化合物のエチレンオキサイド付加物や、
キシリレングリコール等の芳香族ジオール類等を用いる
ことができる。
【0018】上記例示したジカルボン酸成分とジオール
成分を通常それぞれ一種以上組み合わせて用いること
が、熱収縮性ポリエステル系フィルムの緩和スペクトル
が前記条件を満足するためには好ましい。製造方法とし
ては公知の方法を利用でき、例えばジカルボン酸成分と
ジオール成分を直接反応させる直接法や、ジカルボン酸
成分のジメチルエステルとジオール成分を反応させるエ
ステル交換法等で、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムの原料となる(共重合)ポリエステルを調製する
ことができ、調製は回分式、連続式のいずれの方法で行
なわれても構わない。
成分を通常それぞれ一種以上組み合わせて用いること
が、熱収縮性ポリエステル系フィルムの緩和スペクトル
が前記条件を満足するためには好ましい。製造方法とし
ては公知の方法を利用でき、例えばジカルボン酸成分と
ジオール成分を直接反応させる直接法や、ジカルボン酸
成分のジメチルエステルとジオール成分を反応させるエ
ステル交換法等で、本発明の熱収縮性ポリエステル系フ
ィルムの原料となる(共重合)ポリエステルを調製する
ことができ、調製は回分式、連続式のいずれの方法で行
なわれても構わない。
【0019】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
を構成するポリエステル組成物は、ポリエステル全体の
40〜80モル%がエチレンテレフタレートユニットである
ことが好ましい。より好ましくは40〜75モル%である。
エチレンテレフタレートユニットが40モル%より少ない
とフィルムの強度や耐溶剤性が悪化してしまい、80モル
%を超えると 100℃における熱収縮率が40%以上になら
ずに充分な熱収縮性能が得られないため好ましくない。
を構成するポリエステル組成物は、ポリエステル全体の
40〜80モル%がエチレンテレフタレートユニットである
ことが好ましい。より好ましくは40〜75モル%である。
エチレンテレフタレートユニットが40モル%より少ない
とフィルムの強度や耐溶剤性が悪化してしまい、80モル
%を超えると 100℃における熱収縮率が40%以上になら
ずに充分な熱収縮性能が得られないため好ましくない。
【0020】また、上記ポリエステル全体の 1〜10モル
%が脂肪族ジカルボン酸からなるユニットであることが
好ましい。この範囲にコントロールすると、熱収縮開始
温度を50〜80℃(熱風中10秒処理)の好ましい範囲に制
御することができるからである。
%が脂肪族ジカルボン酸からなるユニットであることが
好ましい。この範囲にコントロールすると、熱収縮開始
温度を50〜80℃(熱風中10秒処理)の好ましい範囲に制
御することができるからである。
【0021】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は、1種以上のポリエステル組成物で構成される。単独
のポリエステルから熱収縮性ポリエステル系フィルムを
構成する場合には、上記ポリエチレンテレフタレートユ
ニットおよび脂肪族ジカルボン酸成分の含有量を満足さ
せる共重合ポリエステルが使用される。2種以上のポリ
エステル組成物から熱収縮性ポリエステル系フィルムを
構成する場合は、共重合ポリエステル同士、または共重
合ポリエステルとホモポリエステル[例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
(1,4- シクロヘキセンジメチレンテレフタレート)等]
との混合物を上記ポリエチレンテレフタレートユニット
および脂肪族ジカルボン酸成分の含有量を満足させるよ
うに配合して用いると良い。ただ、共重合ポリエステル
は融点が低いものもあり乾燥時の取扱いが難しいので、
ホモポリエステルとの混合物が好ましく使用される。
は、1種以上のポリエステル組成物で構成される。単独
のポリエステルから熱収縮性ポリエステル系フィルムを
構成する場合には、上記ポリエチレンテレフタレートユ
ニットおよび脂肪族ジカルボン酸成分の含有量を満足さ
せる共重合ポリエステルが使用される。2種以上のポリ
エステル組成物から熱収縮性ポリエステル系フィルムを
構成する場合は、共重合ポリエステル同士、または共重
合ポリエステルとホモポリエステル[例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
(1,4- シクロヘキセンジメチレンテレフタレート)等]
との混合物を上記ポリエチレンテレフタレートユニット
および脂肪族ジカルボン酸成分の含有量を満足させるよ
うに配合して用いると良い。ただ、共重合ポリエステル
は融点が低いものもあり乾燥時の取扱いが難しいので、
ホモポリエステルとの混合物が好ましく使用される。
【0022】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
に用いられるポリエステルの、結晶の状態や結晶分布、
分子量、主鎖中への側鎖の導入量と導入方法および混合
組成等をコントロールすることによって、得られるフィ
ルムの緩和スペクトルが前式(1) 〜(3) を満足するよう
にすることができる。
に用いられるポリエステルの、結晶の状態や結晶分布、
分子量、主鎖中への側鎖の導入量と導入方法および混合
組成等をコントロールすることによって、得られるフィ
ルムの緩和スペクトルが前式(1) 〜(3) を満足するよう
にすることができる。
【0023】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
には、上記ポリエステルの他に、必要に応じて各種の添
加剤を加えても良い。例えば、二酸化チタン、微粒子状
シリカカ、カオリン、炭酸カルシウム等の滑剤;帯電防
止剤;老化防止剤;紫外線防止剤;着色剤(染料)等で
ある。
には、上記ポリエステルの他に、必要に応じて各種の添
加剤を加えても良い。例えば、二酸化チタン、微粒子状
シリカカ、カオリン、炭酸カルシウム等の滑剤;帯電防
止剤;老化防止剤;紫外線防止剤;着色剤(染料)等で
ある。
【0024】本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルム
は、押出し法やカレンダー法等公知の方法によって成形
された後延伸することによって得られる。フィルム形状
は、平面状やチューブ状等限定されない。得られたフィ
ルムを、後述の延伸方法で所定の一方向(主延伸方向)
へ 2.5〜7.0 倍、好ましくは 3.0〜6.0 倍に延伸する。
主延伸方向に直行する方向には 1.0〜2.0 倍、好ましく
は 1.1〜1.8 倍延伸すると良い。この延伸の順序はどち
らが先であっても同時であっても構わない。主延伸方向
への延伸は、この方向に高い熱収縮率を得るために行な
われる。主延伸方向に直行する方向の延伸倍率が 2.0倍
を超えると、主延伸方向だけでなくこの直行方向の収縮
性が大きくなり過ぎて、熱収縮を行なった時に仕上がり
が波打ち状となって好ましくない。
は、押出し法やカレンダー法等公知の方法によって成形
された後延伸することによって得られる。フィルム形状
は、平面状やチューブ状等限定されない。得られたフィ
ルムを、後述の延伸方法で所定の一方向(主延伸方向)
へ 2.5〜7.0 倍、好ましくは 3.0〜6.0 倍に延伸する。
主延伸方向に直行する方向には 1.0〜2.0 倍、好ましく
は 1.1〜1.8 倍延伸すると良い。この延伸の順序はどち
らが先であっても同時であっても構わない。主延伸方向
への延伸は、この方向に高い熱収縮率を得るために行な
われる。主延伸方向に直行する方向の延伸倍率が 2.0倍
を超えると、主延伸方向だけでなくこの直行方向の収縮
性が大きくなり過ぎて、熱収縮を行なった時に仕上がり
が波打ち状となって好ましくない。
【0025】延伸方法としては、公知のロール延伸法、
長間隙延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等
を採用することができ、逐次2軸延伸、同時2軸延伸、
1軸延伸およびこれらの組み合わせにより行なわれる。
2軸延伸では、縦横方向の延伸は同時に行われても良い
が、どちらか一方を先に行なう逐次2軸延伸が効果的で
あり、縦横どちらが先であっても良い。延伸工程は、一
般的に原料ポリエステルの平均ガラス転移温度(Tg)
以上、例えばTg+80℃程度の温度で予熱してから行な
われるが、特に主延伸方向を延伸するときにこの温度範
囲で予熱を行なえば、主延伸方向と直行する方向の熱収
縮を抑制することができる。延伸後、通常30〜150 ℃の
加熱ゾーンを約1秒から30秒通過させるヒートセットが
行なわれる。本発明では、前式の条件を満足する緩和ス
ペクトルを有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを得
るために、60℃以上の加熱ゾーンを通すことが好まし
い。
長間隙延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等
を採用することができ、逐次2軸延伸、同時2軸延伸、
1軸延伸およびこれらの組み合わせにより行なわれる。
2軸延伸では、縦横方向の延伸は同時に行われても良い
が、どちらか一方を先に行なう逐次2軸延伸が効果的で
あり、縦横どちらが先であっても良い。延伸工程は、一
般的に原料ポリエステルの平均ガラス転移温度(Tg)
以上、例えばTg+80℃程度の温度で予熱してから行な
われるが、特に主延伸方向を延伸するときにこの温度範
囲で予熱を行なえば、主延伸方向と直行する方向の熱収
縮を抑制することができる。延伸後、通常30〜150 ℃の
加熱ゾーンを約1秒から30秒通過させるヒートセットが
行なわれる。本発明では、前式の条件を満足する緩和ス
ペクトルを有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを得
るために、60℃以上の加熱ゾーンを通すことが好まし
い。
【0026】またフィルムの延伸後に、ヒートセットを
行なう前もしくは行なった後に、所定の度合いで伸長を
行なっても良い。フィルム長の70%の長さまでの伸長が
好ましく、特に主延伸方向に伸長を行なうことが高い収
縮率が得られることから好ましい。主延伸方向に直行す
る方向には伸長させない方が好ましい。さらに、伸長ま
たは緊張状態に保ったまま、フィルムにストレスをかけ
ながら冷却する工程、あるいはこれらの処理に続いて緊
張状態を解舒した後も引き続いて冷却する工程を付加し
ても良い。本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは
6〜250 μmが好ましい厚みである。
行なう前もしくは行なった後に、所定の度合いで伸長を
行なっても良い。フィルム長の70%の長さまでの伸長が
好ましく、特に主延伸方向に伸長を行なうことが高い収
縮率が得られることから好ましい。主延伸方向に直行す
る方向には伸長させない方が好ましい。さらに、伸長ま
たは緊張状態に保ったまま、フィルムにストレスをかけ
ながら冷却する工程、あるいはこれらの処理に続いて緊
張状態を解舒した後も引き続いて冷却する工程を付加し
ても良い。本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは
6〜250 μmが好ましい厚みである。
【0027】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお、実施例で用いた
測定方法は次の通りである。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。なお、実施例で用いた
測定方法は次の通りである。
【0028】熱収縮率 フィルムの主収縮方向を長辺とし、幅15mmの試料片を作
成し、この長片方向に200mm の間隔で標線を記す。この
試料片に 100℃の熱風を1分間当て、標線間の距離の変
化量を測定し、元長(200mm) に対する割合を熱収縮率
(%)とした。
成し、この長片方向に200mm の間隔で標線を記す。この
試料片に 100℃の熱風を1分間当て、標線間の距離の変
化量を測定し、元長(200mm) に対する割合を熱収縮率
(%)とした。
【0029】緩和スペクトル 収縮する方向を長辺とした幅 2mmの長方形試料の両端を
50mm間隔のチャック間に把持する。チャックは、試料の
収縮によって生じる応力がてこを介してロードセルに直
に伝わるようにしておく。試料およびチャックを温度制
御可能なシリコンオイル浴中に浸漬し、測定温度に保ち
ながら約1分間収縮応力を検出した。測定温度は、65℃
から 5℃きざみで 120℃まで変化させた。各々の収縮応
力対時間の曲線がピークを示す時間を新たに0点とし時
間軸を対数目盛りとして描き直すと、温度をパラメータ
ーとする曲線群が得られるので、この曲線群を対数時間
軸に沿って重ね合わせを行なって1本のマスターカーブ
を得る。そして 100℃の時の10秒の点を新たに0点とし
て、マスターカーブの一次微分X−1の曲線を描くこと
によって、緩和スペクトルを得た。
50mm間隔のチャック間に把持する。チャックは、試料の
収縮によって生じる応力がてこを介してロードセルに直
に伝わるようにしておく。試料およびチャックを温度制
御可能なシリコンオイル浴中に浸漬し、測定温度に保ち
ながら約1分間収縮応力を検出した。測定温度は、65℃
から 5℃きざみで 120℃まで変化させた。各々の収縮応
力対時間の曲線がピークを示す時間を新たに0点とし時
間軸を対数目盛りとして描き直すと、温度をパラメータ
ーとする曲線群が得られるので、この曲線群を対数時間
軸に沿って重ね合わせを行なって1本のマスターカーブ
を得る。そして 100℃の時の10秒の点を新たに0点とし
て、マスターカーブの一次微分X−1の曲線を描くこと
によって、緩和スペクトルを得た。
【0030】収縮斑 試料フィルム上に、収縮ラベル用としてメタリック調印
刷を施し、円筒形にチューブ化する。これを 1.5リット
ルの角型ポリエチレンテレフタレート製ボトルに被せ、
シュリンクトンネルを通過させて収縮させ、得られたラ
ベルの印刷の濃淡を目視して収縮斑の有無を判定した。
シュリンクトンネルの条件は、第1ゾーン: 100℃で滞
留時間 4.5秒、第2ゾーン: 140℃で滞留時間 5秒とし
た。また総試料数は10個とし、下記の基準で評価した。 ◎:収縮斑の認められた試料は全くなかった。 ○:わずかに収縮斑の認められた試料が1〜2個あっ
た。 △:わずかに収縮斑の認められた試料が3〜5個あっ
た。 ×:収縮斑の認められた試料が6個以上あった。
刷を施し、円筒形にチューブ化する。これを 1.5リット
ルの角型ポリエチレンテレフタレート製ボトルに被せ、
シュリンクトンネルを通過させて収縮させ、得られたラ
ベルの印刷の濃淡を目視して収縮斑の有無を判定した。
シュリンクトンネルの条件は、第1ゾーン: 100℃で滞
留時間 4.5秒、第2ゾーン: 140℃で滞留時間 5秒とし
た。また総試料数は10個とし、下記の基準で評価した。 ◎:収縮斑の認められた試料は全くなかった。 ○:わずかに収縮斑の認められた試料が1〜2個あっ
た。 △:わずかに収縮斑の認められた試料が3〜5個あっ
た。 ×:収縮斑の認められた試料が6個以上あった。
【0031】ボイル処理 ボトル中に水を満たした以外は、上記収縮斑試験と同様
にしてボトルにフィルムを被せてラベルとした。これを
80℃の温水中で収縮させた。その後再び80℃の温水中に
30分浸漬し、ラベルのタルミ状態を目視判定した。また
総試料数は10個とし、下記の基準で評価した。 ◎:タルミの認められた試料は全くなかった。 ○:わずかにタルミの認められた試料が1〜2個あっ
た。 △:わずかにタルミの認められた試料が3〜5個あっ
た。 ×:タルミの認められた試料が6個以上あった。
にしてボトルにフィルムを被せてラベルとした。これを
80℃の温水中で収縮させた。その後再び80℃の温水中に
30分浸漬し、ラベルのタルミ状態を目視判定した。また
総試料数は10個とし、下記の基準で評価した。 ◎:タルミの認められた試料は全くなかった。 ○:わずかにタルミの認められた試料が1〜2個あっ
た。 △:わずかにタルミの認められた試料が3〜5個あっ
た。 ×:タルミの認められた試料が6個以上あった。
【0032】高温物質の充填適性 収縮斑試験と同様にして収縮ラベルを得た。次に87℃の
温水をボトルに満たし、6分後に水冷し、ラベルのタル
ミ状態を目視判定した。判定基準はボイル処理の時と同
じである。
温水をボトルに満たし、6分後に水冷し、ラベルのタル
ミ状態を目視判定した。判定基準はボイル処理の時と同
じである。
【0033】実施例1 ジカルボン酸成分として、テレフタル酸95.4モル%、セ
バシン酸 4.6モル%を含み、グリコール成分として、エ
チレングリコール70.0モル%、ネオペンチルグリコール
30.0モル%含み、平均粒径 2.4μmの二酸化珪素を0.05
重量%配合した共重合ポリエステル組成物を用いて、 2
90℃で溶融押出しし、厚さ 190μmのシートを得た。こ
の未延伸シートを 110℃で6秒間予熱した後、70℃で主
延伸方向に 4.8倍に延伸した。延伸後、緊張状態を保ち
ながら80℃で5秒間ヒートセット行なった後に40℃に冷
却し、厚さ40μmの熱収縮性フィルムを得た。得られた
フィルムの特性を評価し、表1に測定結果を示した。
バシン酸 4.6モル%を含み、グリコール成分として、エ
チレングリコール70.0モル%、ネオペンチルグリコール
30.0モル%含み、平均粒径 2.4μmの二酸化珪素を0.05
重量%配合した共重合ポリエステル組成物を用いて、 2
90℃で溶融押出しし、厚さ 190μmのシートを得た。こ
の未延伸シートを 110℃で6秒間予熱した後、70℃で主
延伸方向に 4.8倍に延伸した。延伸後、緊張状態を保ち
ながら80℃で5秒間ヒートセット行なった後に40℃に冷
却し、厚さ40μmの熱収縮性フィルムを得た。得られた
フィルムの特性を評価し、表1に測定結果を示した。
【0034】実施例2〜3 実施例1と同組成の原料ポリエステル組成物を用いて、
ヒートセット温度をそれぞれ90℃と75℃にした以外は実
施例1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。表1に特
性評価結果を併記した。
ヒートセット温度をそれぞれ90℃と75℃にした以外は実
施例1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。表1に特
性評価結果を併記した。
【0035】実施例4〜5 表1に示した組成の原料ポリエステル組成物を用いた以
外は実施例1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。表
1に特性評価結果を併記した。
外は実施例1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。表
1に特性評価結果を併記した。
【0036】実施例6 ジカルボン酸成分として、テレフタル酸90.0モル%、セ
バシン酸10.0モル%を含み、グリコール成分として、エ
チレングリコール35.2モル%、ネオペンチルグリコール
64.8モル%からなる共重合ポリエステルと、平均粒径
2.4μmの二酸化珪素を0.1 重量%配合したポリエチレ
ンテレフタレートを1:1の重量比でブレンドした原料
ポリエステル組成物を用いた以外は実施例1と同様にし
て熱収縮性フィルムを得た。表1に特性評価結果を併記
した。
バシン酸10.0モル%を含み、グリコール成分として、エ
チレングリコール35.2モル%、ネオペンチルグリコール
64.8モル%からなる共重合ポリエステルと、平均粒径
2.4μmの二酸化珪素を0.1 重量%配合したポリエチレ
ンテレフタレートを1:1の重量比でブレンドした原料
ポリエステル組成物を用いた以外は実施例1と同様にし
て熱収縮性フィルムを得た。表1に特性評価結果を併記
した。
【0037】実施例7 表1に示した組成の原料ポリエステル組成物を用いた以
外は実施例1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。表
1に特性評価結果を併記した。
外は実施例1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。表
1に特性評価結果を併記した。
【0038】比較例1〜2 ヒートセット温度およびグリコール成分を表1に示した
ように変えた以外は実施例1と同様にして熱収縮性フィ
ルムを得た。表1に特性評価結果を併記した。
ように変えた以外は実施例1と同様にして熱収縮性フィ
ルムを得た。表1に特性評価結果を併記した。
【0039】比較例3 原料ポリエステル組成を表1に示したように変えた以外
は比較例1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。表1
に特性評価結果を併記した。
は比較例1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。表1
に特性評価結果を併記した。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、本発明による実
施例は熱収縮率および緩和スペクトル中の特性値も本発
明の規定要件を満たしているので、収縮斑が極めて少な
く、ボイル処理や高温物質の充填においてもタルミの発
生がほとんど見られなかった。しかし、緩和スペクトル
の特性値が本発明の規定要件からはずれている比較例は
いずれも収縮斑、タルミが多く観察された。
施例は熱収縮率および緩和スペクトル中の特性値も本発
明の規定要件を満たしているので、収縮斑が極めて少な
く、ボイル処理や高温物質の充填においてもタルミの発
生がほとんど見られなかった。しかし、緩和スペクトル
の特性値が本発明の規定要件からはずれている比較例は
いずれも収縮斑、タルミが多く観察された。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているの
で、熱収縮性に優れ、熱収縮後のフィルムに収縮斑の発
生がなく、しかも熱収縮後の高温処理工程においても優
れた寸法安定性を有する熱収縮性ポリエステル系フィル
ムを提供することができた。
で、熱収縮性に優れ、熱収縮後のフィルムに収縮斑の発
生がなく、しかも熱収縮後の高温処理工程においても優
れた寸法安定性を有する熱収縮性ポリエステル系フィル
ムを提供することができた。
フロントページの続き (72)発明者 井坂 勤 大阪市北区堂島浜2丁目2番8号 東洋紡 績株式会社本社内
Claims (1)
- 【請求項1】 100 ℃での熱収縮率が40%以上であり、
かつ熱収縮応力測定から導かれる緩和スペクトル曲線が
次式 (1)〜(3) をすべて満足することを特徴とする熱収
縮性ポリエステル系フィルム。 300≧ f(logτ1)≧10 [g/mm2/log(sec)] (1) 300≧ f(logτ2)≧50 [g/mm2/log(sec)] (2) 1×103 ≧τ1 ≧ 2×10-1 [sec] (3) (ここで f(logτ) は 100℃、10秒を基準とした緩和ス
ペクトルであり、τ1は f(logτ) に極大値を与える緩
和時間、τ2 は 3×100 秒である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4189431A JP2596287B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4189431A JP2596287B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0631806A true JPH0631806A (ja) | 1994-02-08 |
JP2596287B2 JP2596287B2 (ja) | 1997-04-02 |
Family
ID=16241138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4189431A Expired - Lifetime JP2596287B2 (ja) | 1992-07-16 | 1992-07-16 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2596287B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002087853A1 (en) * | 2001-04-26 | 2002-11-07 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Heat-shrinkable polyester film roll and process for producing the same |
JP2003012830A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-01-15 | Toyobo Co Ltd | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
WO2003006229A1 (en) * | 2001-07-11 | 2003-01-23 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Heat-shrinkable polyester films and process for production thereof |
WO2003039841A1 (fr) * | 2001-08-01 | 2003-05-15 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Rouleau de film polyester thermoretractable |
JP4850378B2 (ja) * | 1999-11-25 | 2012-01-11 | 出光興産株式会社 | スパッタリングターゲット、透明導電性酸化物、およびスパッタリングターゲットの製造方法 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10543656B2 (en) | 2018-01-11 | 2020-01-28 | Eastman Chemical Company | Tough shrinkable films |
US12116452B2 (en) | 2018-10-08 | 2024-10-15 | Eastman Chemical Company | Crystallizable shrinkable films and thermoformable sheets made from resins blends |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5864958A (ja) * | 1981-10-09 | 1983-04-18 | 大日本インキ化学工業株式会社 | 熱収縮性フイルム並びに該熱収縮性フイルムを使用した物品の熱収縮包装方法 |
JPS63146940A (ja) * | 1986-12-11 | 1988-06-18 | Diafoil Co Ltd | ポリエステル系収縮フイルム |
JPS63309424A (ja) * | 1987-06-11 | 1988-12-16 | Diafoil Co Ltd | 低温収縮ポリエステルフィルム |
JPH01258935A (ja) * | 1988-04-09 | 1989-10-16 | Diafoil Co Ltd | ポリエステル系収縮フィルム |
JPH0368634A (ja) * | 1989-08-08 | 1991-03-25 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 熱収縮性ポリエステルフィルム |
-
1992
- 1992-07-16 JP JP4189431A patent/JP2596287B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (5)
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JPS5864958A (ja) * | 1981-10-09 | 1983-04-18 | 大日本インキ化学工業株式会社 | 熱収縮性フイルム並びに該熱収縮性フイルムを使用した物品の熱収縮包装方法 |
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WO2002087853A1 (en) * | 2001-04-26 | 2002-11-07 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Heat-shrinkable polyester film roll and process for producing the same |
US7939174B2 (en) | 2001-04-26 | 2011-05-10 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Heat-shrinkable polyester film roll and a process for producing the same |
JP2003012830A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-01-15 | Toyobo Co Ltd | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
WO2003006229A1 (en) * | 2001-07-11 | 2003-01-23 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Heat-shrinkable polyester films and process for production thereof |
US7749584B2 (en) | 2001-07-11 | 2010-07-06 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Heat-shrinkable polyester films |
WO2003039841A1 (fr) * | 2001-08-01 | 2003-05-15 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | Rouleau de film polyester thermoretractable |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2596287B2 (ja) | 1997-04-02 |
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