JP3132238B2 - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents
熱収縮性ポリエステル系フィルムInfo
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Description
用いられる包装材として好適な熱収縮性ポリエステル系
フィルムに関する。特に収縮むらが少なく、耐熱性に優
れた収縮結果を与え、美麗な仕上がり外観を安定して保
持し得る熱収縮性ポリエステル系フィルムに関する。
びプラスチック製のボトルを含む)や缶等の各種容器、
長尺物(パイプ、棒、木材等の各種棒状体)の被覆用、
結束用、または外装用として利用されている。例えば、
表示、保護、結束、商品価値向上等を目的として、瓶の
キャップ部、肩部、および胴部の一部または全体を被覆
するために用いられる。さらに、箱、瓶、板、棒、ノー
ト等を複数個ずつ集積して包装する用途や、被包装物に
フィルムを密着させて包装するスキンパッケージ用途等
にも用いられる。これらの用途は、フィルムの収縮性お
よび収縮応力を利用するものである。
ニル、ポリスチレン、ポリエチレン、塩酸ゴム等が用い
られてきた。通常、これらのフィルムをチューブ状に成
形して、例えば瓶にかぶせたり、パイプ等を集積した
後、熱収縮させることにより包装または結束が行なわれ
る。
しく、高温でのボイル処理やレトルト処理に耐えること
ができないため、高温での殺菌処理ができず、例えばレ
トトルト処理を行なうと、前記従来のフィルムは処理中
に破損してしまうという問題があった。
ニルフィルムは、インクとの接着性が悪いために印刷が
施しにくく、さらに添加剤に由来するゲル状物が生成し
易いため、印刷面にピンホールを発生し易い。その他に
も、従来のフィルムは製造後に経時的に収縮するため、
収縮による印刷ピッチの変化を生じ、高精度の印刷を行
なうことができないという問題があった。
急激に増大しており、地球環境保護のためにボトルの回
収の必要性が叫ばれているが、特にポリエステルボトル
の被覆にポリ塩化ビニルやポリスチレン等の異種フィル
ムが使用されていると回収再利用に付すことができない
という問題がある。その上、ポリ塩化ビニルフィルム
は、塩素ガスによる焼却炉の腐食や大気汚染の問題が、
また塩化水素ガスによる酸性雨の問題が生じており、廃
棄物公害を招かないような熱収縮性フィルムが望まれて
いる。
に、耐熱性、耐候性および耐溶剤性に優れ、廃棄物公害
を招きにくいポリエステルを用いた熱収縮性フィルムが
提案されている。この熱収縮性ポリエステルフィルム
は、これまで所望の方向への熱収縮率が不充分であった
り、所望方向に直交する方向の熱収縮率を適当な値にコ
ントロールすることができない等の問題点があった。し
かしこの問題は、原料のポリエステル樹脂の共重合組成
を最適化することで解決できることが特開昭63−15
6833号等に開示されている。
収縮速度が速すぎるため、収縮工程に起こる不均一な温
度分布を鋭敏に反映した収縮むらが発生してしまうとい
う問題があり、また、容器に被覆した後の高温でのボイ
ル処理やレトルト処理を行なう場合、あるいはその容器
に熱湯のような高温物質を充填する場合、フィルムは破
損こそしないものの新たにたるみを生じるという耐熱性
の問題が依然として残存していた。
ステル系熱収縮フィルムの問題点を解決するものであ
り、その目的とするところは、熱収縮率が充分に大き
く、熱収縮させたときのフィルムに収縮むらが発生せ
ず、美麗な外観を持って仕上がり、仕上がり後に経験す
るような高温条件下においても、その外観を安定して保
持し得る熱収縮性ポリエステルフィルムを提供すること
にある。
発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムが、共重合ポ
リエステルを必須的に含む原料組成物から得られる熱収
縮性ポリエステル系フィルムであって、100℃におけ
るフィルムの1方向の熱収縮率が40%以上であり、該
フィルムの水分含有率が1000ppm以上10000
ppm未満であるところに要旨を有する。
ィルムの100℃におけるフィルムの1方向の熱収縮率
が40%以上であり、該フィルムの水分含有率が100
0〜10000ppm未満であることである。水分含有
率が1000ppm未満では収縮速度を充分に低下させ
ることが困難となり、これにより収縮工程の温度分布の
不均一性の影響を受けて、収縮むらが発生し易い。以上
のように水分含有率を最適化することによってフィルム
の収縮特性をコントロールできる原因については明らか
ではないが、水分子とポリエステル分子鎖との相互作用
によって熱収縮特性が変化することによるものと推定さ
れる。
に用いられる原料組成物中のポリエステルを構成するジ
カルボン酸成分としては、エチレンテレフタレートユニ
ットを構成するテレフタル酸のほか、芳香族ジカルボン
酸および脂環式ジカルボン酸のいずれもが用いられ得
る。
酸、オルトフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸等のベンゼンカルボ
ン酸類;2,6−ナフタレンジカルボン酸等のナフタレ
ンジカルボン酸類;4,4’−ジカルボキシジフェニ
ル、2,2,6,6−テトラメチルビフェニル−4,
4’−ジカルボン酸等のジカルボキシビフェニル類;
1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデン−4,
5−ジカルボン酸およびその置換体;1,2−ジフェノ
キシエタン−4,4’−ジカルボン酸およびその置換体
等が挙げられる。
ロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバチン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ウンデカ
ン酸、ドデカンジカルボン酸、ブラシル酸、テトラデカ
ンジカルボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン
酸、ドコサンジカルボン酸、およびこれらの置換体、
4,4’−ジカルボキシシクロヘキサンおよびその置換
体等が挙げられる。
ール成分としては、ポリエチレンテレフタレートユニッ
トを構成するエチレングリコールを始めとして、この他
に脂肪族ジオール、脂環式ジオール、および芳香族ジオ
ールのいずれもが用いられ得る。
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ネ
オペンチルグリコール、2−メチル−2−エチル−1,
3−プロパンジオール、2−ジエチル−1,3−プロパ
ンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−プ
ロパンジオール等がある。脂環式ジオールとしては、
1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール等がある。芳香族ジオールとして
は、2,2−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)スルフォン等のビスゲノール系化合物のエチレン
オキサイド付加物;キシリレングリコール等がある。ま
た、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコールもジオール成分として
用いられ得る。
は、上記酸成分およびジオール成分とからなるものであ
るが、ポリエステルを調整するには、熱収縮性フィルム
としての特性を改良するために1種以上の酸成分または
ジオール成分を組合わせて用いることが好ましく、組み
合わされるモノマー成分の種類および含有量は、所望の
フィルム特性、経済性等に基づいて適宜決定すればよ
い。
上のポリエステルが含有される。含有されるポリエステ
ルが1種である場合には、エチレンテレフタレートユニ
ットを含有する共重合ポリエステルとする。2種以上の
ポリエステルを混合する場合には、共重合ポリエステル
およびホモポリエステルの所望の組成の混合物とする。
一般に共重合ポリエステルは融点が低いため、乾燥時の
取扱が難しい等の問題があるので、ホモポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ
ート、ポリ(1,4−シクロヘキセンジエチレンテレフ
タレート)等)と共重合ポリエステルを混合して用いる
ことが好ましい。ただし、熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムとした時に、ポリエステル全体の1〜2モル%が脂
肪族ジカルボン酸ユニットであることが好ましい。この
範囲にコントロールすることで熱収縮の開始温度を好ま
しい範囲に制御することができる。
れも従来の方法により製造され得る。例えば、ジカルボ
ン酸とジオールとを直接反応させる直接エステル化法;
ジカルボン酸ジメチルエステルとジオールとを反応させ
るエステル交換法等を用いてポリエステルが調整され
る。調整は、回分式および連続式のいずれの方法で行な
われてもよい。
に必要に応じて各種の公知の添加剤を加えてもよい。添
加剤としては、例えば、二酸化チタン、微粒子状シリ
カ、カオリン、炭酸カルシウム等の滑剤;帯電防止剤;
老化防止剤;紫外線吸収剤;着色剤(染料等)が挙げら
れる。
押し出し法、カレンダー法)によりフィルム状に成形さ
れる。フィルムの形状は、例えば平面状またはチューブ
状であり、特に限定されない。延伸方法としては、例え
ば、ロール延伸法、長間隙延伸法、テンター延伸法、チ
ューブラー延伸法等の公知の方法が採用できる。これら
の方法のいずれにおいても、逐次2軸延伸、同時2軸延
伸、1軸延伸、およびこれらの組み合わせで延伸を行な
えばよい。上記2軸延伸では縦横方向の延伸は同時に行
なわれてもよいが、どちらか一方を先に行なう逐次2軸
延伸が効果的であり、その縦横の順序はどちらが先でも
よい。延伸倍率は1.0倍から7.0倍の範囲で任意に
設定され、所定の一方向の倍率を3.5倍以上、好まし
くは4.5倍以上とすれば、熱収縮率40%が達成でき
る。
重合体が有するガラス転移温度(Tg)以上でかつ例え
ばTg+80℃以下の温度で予熱を行なうことが好まし
い。延伸時のヒートセットでは、例えば、延伸を行なっ
た後に、30〜150℃の加熱ゾーンを約1〜30秒通
すことが推奨される。また、フィルムの延伸後、ヒート
セットを行なう前もしくは行なった後に、所定の度合で
延伸を行なってもよい。さらに上記延伸後、伸張あるい
は緊張状態に保ってフィルムにストレスをかけながら冷
却する工程、あるいは、該処理に引き続いて緊張状態を
解除した後も冷却工程を付加してもよい。得られるフィ
ルムの厚みは6〜250μmの範囲が好ましい。
ルムの水分含有率は1000〜10000ppm未満と
しなければならない。この水分含有率の制御は上記工程
中の任意の工程において水分の調節を行なうことによっ
て達成され、特に延伸工程の前または途中に行なわれる
ことが好ましい。水分調節は任意の方法で行なうことが
でき、例えば、押出されたフィルム状成形物を延伸前に
温水または水中に浸漬する方法や、フィルムに加熱蒸気
を噴霧する方法、多湿雰囲気中を通す方法、湿式延伸機
を用いる方法が例示されるがこれに限定されるものでは
ない。
エステル系フィルムは、従来提案された熱収縮性ポリエ
ステル系フィルムに比べ、収縮速度が小さく、収縮させ
たときのフィルムに収縮むらが発生しにくく、美麗な外
観を持って仕上がると共に、後に経験する様々な高温条
件下においても、その外観を安定して保持し得るもので
ある。
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。実施例に用いた測定・
評価方法は次の通りである。
onics社製 MKC−210)を使用し、試料重量
1g、試料加熱温度230℃で判定した。 (2)収縮むら フィルムに収縮ラベル用のメタリック印刷を施し、円筒
形にチューブ化した後、1.5リットルの角形PETボ
トルに被せ、シュリンクトンネルを通過させる。シュリ
ンクトンネルの条件は、第1ゾーン:100℃×滞留時
間4.5秒、第2ゾーン:140℃×滞留時間5秒とし
た。得られたラベルの収縮むらによる印刷の濃淡の有無
を視覚により判定した。 ◎:収縮むらが認められず非常に良好。 ○:収縮むらが皆無ではないが比較的良好。 △:収縮むらが認められ不良に近い。 ×:収縮むらが多く不良である。
せ、80℃の温湯中で収縮させた。これを再び80℃の
温湯中に30分間浸積し、ラベルのたるみの状態を視覚
により判定した。 ◎:たるみが認められず非常に良好。 ○:たるみが皆無ではないが比較的良好。 △:たるみが認められ不良に近い。 ×:たるみが多く不良である。 (4)高温物質の充填適正 フィルムを収縮ラベルとなし、収縮むらの判定に用いた
方法でボトルに収縮装着する。このボトルに87℃の温
湯を充填し、6分後に水冷した後のラベルのたるみの状
態を視覚により判定した。 ◎:たるみが認められず非常に良好。 ○:たるみが皆無ではないが比較的良好。 △:たるみが認められ不良に近い。 ×:たるみが多く不良である。
ように切り出す。この長辺方向に200mmの間隔に標
線を記す。この試料に100℃の熱風を1分間当てて加
熱し、標線間の距離の変化量を測る。この変化量の元の
長さに対する百分率を熱収縮率(%)とした。 (6)収縮速度 収縮フィルムを適当な大きさに切断し、80℃のオイル
バス中に1秒間浸した後速やかに空冷し、主収縮方向の
変化量の元の長さに対する百分率を収縮速度の評価特性
とした。
とセバシン酸4.6モル%を、またグリコール成分とし
て、エチレングリコール74.5モル%、ネオペンチル
グリコール25.5モル%を、さらに平均粒径2.4μ
mの二酸化珪素を0.05重量%含有する共重合ポリエ
ステル組成物を原料として用い、290℃で溶融押出し
し、厚さ190μmのフィルムを得た。得られたフィル
ムを80℃の温湯中で20秒間処理し、フィルム表面に
付着した水分を除去した。この時フィルム中の水分含有
量は8200ppmであった。この未延伸フィルムを1
10℃で6秒間予熱した後、70℃の温度において所定
の方向に4.8倍に延伸した。延伸後、緊張状態を保ち
ながら40℃で5秒間ヒートセットを行ない、厚さ40
μmの熱収縮性フィルムを得た。この時のフィルム中の
水分含有率は3600ppmであった。
湯による処理をそれぞれに60℃、30秒(実施例
2)、40℃、60秒(実施例3)とした以外は実施例
1と同様にして熱収縮性フィルムを得た。この時の未延
伸フィルム中の水分含有率はそれぞれ5800ppmと
4600ppmであり、延伸後の水分含有率はそれぞれ
2700ppmと1800ppmであった。
られた未延伸フィルムを、80℃の温湯内において20
秒間予熱した後、65℃の温湯内で所定の方向に4.8
倍に延伸し、表面を乾燥し、厚さ40μmの熱収縮性フ
ィルムを得た。この時のフィルムの水分含有率は、25
00ppmであった。
湯による処理を行なわなかった以外は実施例1と同様に
して熱収縮性フィルムを得た。この時延伸製膜後の水分
含有率は600ppmであった。得られた熱収縮性フィ
ルムの特性をまとめて表1に示す。
ムは実用上充分な熱収縮率を有し、熱収縮させて被覆用
途または結束用途に用いたとき、収縮工程での温度勾配
や不均一さにかかわりなく均等な収縮結果を与え、被覆
または結束した後の高温殺菌処理(例えばレトルト処
理、ボイル処理)や、被覆した容器への高温物質の充填
等、フィルムが収縮後に経験する高温条件下において
も、たるみやしわの発生がないものであり、広範な包装
材料分野において利用価値が高い。
Claims (1)
- 【請求項1】 共重合ポリエステルを必須的に含む原料
組成物から得られる熱収縮性ポリエステル系フィルムで
あって、100℃におけるフィルムの1方向の熱収縮率
が40%以上であり、該フィルムの水分含有率が100
0ppm以上10000ppm未満であることを特徴と
する熱収縮性ポリエステル系フィルム。
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Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP13069493A Expired - Lifetime JP3132238B2 (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
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---|---|---|---|
JP31374498A Pending JPH11207819A (ja) | 1993-06-01 | 1998-11-04 | 熱収縮性ポリエステル系フィルム |
Country Status (1)
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---|---|
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Families Citing this family (2)
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JP2005097490A (ja) * | 2003-09-26 | 2005-04-14 | Toyobo Co Ltd | 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび熱収縮性ラベル |
-
1993
- 1993-06-01 JP JP13069493A patent/JP3132238B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1998
- 1998-11-04 JP JP31374498A patent/JPH11207819A/ja active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
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