JPH0858047A - 熱収縮性ポリエステル系複合フィルム - Google Patents
熱収縮性ポリエステル系複合フィルムInfo
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- JPH0858047A JPH0858047A JP6198774A JP19877494A JPH0858047A JP H0858047 A JPH0858047 A JP H0858047A JP 6198774 A JP6198774 A JP 6198774A JP 19877494 A JP19877494 A JP 19877494A JP H0858047 A JPH0858047 A JP H0858047A
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Abstract
に、熱収縮時および熱収縮後の熱履歴を経ても優れた強
度を保持することができる熱収縮性ポリエステル系フィ
ルムを提供する。 【構成】 エチレンテレフタレート単位が80モル%以
上であるポリエステルを中間層とし、その両側にエチレ
ンテレフタレート単位が80モル%以下で、しかも上記
中間層のポリエステルよりエチレンテレフタレート単位
が少ない、且つ同一または異なった化学構造からなるポ
リエステルが積層されたものである熱収縮性ポリエステ
ル系複合フィルムである。
Description
用いられる包装材として好適に用いられる熱収縮性ポリ
エステル系複合フィルムに関し、特に収縮仕上り性や溶
剤接着性に優れると共に、熱収縮後も優れた強度を保持
して破れや裂け等を発生しない熱収縮性ポリエステルフ
ィルムに関するものである。
収縮応力を利用して、瓶(ガラス製及びプラスチック製
のボトルを含む)や缶などの各種容器及び長尺物(パイ
プ、棒、木材、各種棒状体など)を被覆、結束または外
装するのに幅広く利用されている。具体的には、表示、
保護、結束、商品価値等の向上を目的として、瓶のキャ
ップ部、肩部及び胴部の一部または全体を被覆するのに
用いたり、あるいは箱、瓶、板、棒、ノートなどを複数
個ずつ集積して包装したり、被包装物に該フィルムを密
着させて包装するというスキンパッケージ等に用いられ
ている。実際には、上記熱収縮性フィルムをチューブ状
に成形して瓶にかぶせたり、パイプを集積した後、熱収
縮させることによって包装または結束が行われている。
常ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレンなど
が用いられるが、これらは、一般に耐熱性が乏しく、ボ
イル処理やレトルト処理等に耐えられないものが多い。
例えば、ポリ塩化ビニルからなるフィルムは、熱収縮時
にポリマーや添加剤のゲル状物が生成しやすく、印刷を
行うと印刷面にピンポールが生じたり、焼却時には塩素
ガスを発生するという問題がある。また、ポリスチレン
からなるフィルムは、耐候性や耐溶剤性に劣り、クラッ
クが生じやすく、フィルムの寸法が安定しないという問
題がある。さらに、ポリプロピレンからなるフィルムは
低温度域での収縮性が悪く、収縮部分にシワや斑が生じ
やすいという問題がある。
候性及び耐溶剤性の面で非常に優れた素材である。しか
しながら、その反面、高温で結晶化しやすく、脆化する
という性質を有するため、熱収縮後の加工工程(高温殺
菌等)等での熱履歴により強度が低下したり、摩擦や衝
撃等の外力によりキズ・裂け等が発生しやすくなるとい
う欠点がある。その為、高速熱収縮加工や熱収縮後の輸
送工程等の様にフィルム面が摩擦や衝撃を受けやすい条
件下では、フィルムのキズ・破れが頻発することから、
実用化に当たって非常に大きな問題となっていた。
情に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れた熱
収縮性や溶剤接着性を有すると共に、熱収縮時および熱
収縮後の熱履歴を経ても優れた強度を保持することがで
きる熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することに
ある。
のできた本発明の熱収縮性ポリエステル系複合フィルム
とは、エチレンテレフタレート単位が80モル%以上で
あるポリエステルを中間層とし、その両側にエチレンテ
レフタレート単位が80モル%以下で、しかも上記中間
層のポリエステルよりエチレンテレフタレート単位が少
ない、且つ同一または異なった化学構造からなるポリエ
ステルが積層されたものであることに要旨を有する。
少なくとも一方向への100℃における熱収縮率が30
%以上であり、且つ結晶化処理後の、主収縮方向と直交
する方向の下記破断率が20%以下である熱収縮性ポリ
エステル系複合フィルムは本発明の好適な実施態様であ
る。
を施し、円筒形にチューブ化した後、300mlの丸型
ガラス瓶容器に被せ、シュリンクトンネルを通過させ
る。シュリンクトンネルの通過条件は、第1ゾーンを1
00℃で滞留時間4.5秒とし、第2ゾーンを140℃
で滞留時間5秒とする。この様にしてラベルを被覆した
容器を60℃の雰囲気下で24時間エージングした後、
ラベルを主収縮方向に15mm幅にカットしてサンプル
とし、−5℃の雰囲気下で主収縮方向と直交する方向に
引張試験器(東洋ボールドウイン社製STM−T)で引
張ることによって、各サンプルの破断伸度をそれぞれ測
定する。このうち、破断伸度が10%以下のものを初期
破断とみなし、破断率(%)を下記式に基づいて算出す
る。 破断率(%)=[初期破断サンプルの数]/[測定サン
プルの数]×100 また、上記主収縮方向の90℃における最大収縮応力は
1.7kg/mm2 以下であることが好ましい。
は、上述した様に、(i)エチレンテレフタレート単位が
80モル%以上であるポリエステルを中間層(以下、B
層と略記する場合がある)とし、(ii)その両側にエチレ
ンテレフタレート単位が80モル%以下で、しかも中間
層のポリエステルよりエチレンテレフタレート単位が少
ない、且つ同一または異なった化学構造からなるポリエ
ステル(以下、A層と略記する場合がある)が積層され
た3層構造を有するものである。
ルムに優れた溶剤接着性を付与させるという観点から、
エチレンテレフタレート単位の上限を80モル%にする
ことが必要である。このエチレンテレフタレート単位が
80モル%を超えると、フィルム表面にテトラヒドロフ
ランの様な非塩素系溶剤を塗布してフィルム同士を接着
する際の溶剤接着性が低下するので好ましくない。好ま
しくは78モル%以下であり、より好ましくは75モル
%以下である。
は、フィルムに優れた力学的特性を付与するという観点
から、エチレンテレフタレート単位の下限を80モル%
とすることが必要である。80モル%未満では、フィル
ムの力学特性が低下し、ガラス瓶用ラベル等に用いた場
合には、内容物の充填時もしくは商品の移送時に瓶同士
が当ったりこすれたりする等してラベルに衝撃が加わっ
てラベルにキズや破れを引き起こしてしまい、商品価値
が著しく損なわれるので好ましくない。好ましくは83
モル%以上であり、より好ましくは85モル%以上であ
る。上述したA層およびB層の特性を有効に発揮させる
には、B層のポリエステルは、A層のポリエステルより
もエチレンテレフタレート単位が多いことが必要であ
る。上記A層およびB層に含有されるポリエステルは、
下記に記載のジカルボン酸成分とジオール成分から形成
され得る。
テレフタレート単位を構成するテレフタル酸の他、芳香
族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸及び脂環式ジカル
ボン酸のいずれもが用いられ得る。
タル酸、オルトフタル酸、5−tert−ブチルイソフ
タル酸などのベンゼンジカルボン酸類;2,6−ナフタ
レンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸類;
4,4’−ジカルボキシジフェニル、2,2,6,6−
テトラメチルビフェニル−4,4’−ジカルボン酸など
のジカルボキシビフェニル類;1,1,3−トリメチル
−3−フェニルインデン−4,5−ジカルボン酸及びそ
の置換体;1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジ
カルボン酸及びその置換体などが挙げられる。また上記
脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
チン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ウンデカン酸、ドデ
カンジカルボン酸、ブラシリン酸、テトラデカンジカル
ボン酸、タプシン酸、ノナデカンジカルボン酸、ドコサ
ンジカルボン酸などが挙げられる。さらに、上記脂環式
ジカルボン酸としては、1,4−ジカルボキシシクロヘ
キサン、1,3−ジカルボキシシクロヘキサン等が挙げ
られる。
レンテレフタレート単位を構成するエチレングリコール
の他、脂肪族ジオール、脂環式ジオール及び芳香族ジオ
ールのいずれもが用いられ得る。
グリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−メチル−2−エチル
−1,3−プロパンジオール、2−ジエチル−1,3−
プロパンジオール、2−エチル−2−n−ブチル−1,
3−プロパンジオールなどが挙げられる。また上記脂環
式ジオールとしては、1,3−シクロヘキサンジメタノ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げ
られる。さらに、上記芳香族ジオールとしては、2,2
−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシジフェニル)プ
ロパン、ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)スルホンなどのビスフェノール系化合物のエチレン
オキサイド付加物;キシリレングリコール;ポリエチレ
ングリコールやポリプロピレングリコール等のポリアル
キレングリコールなどが挙げられる。
を用いて上記A層およびB層に用いられるポリエステル
を調製するには、熱収縮性フィルムとしての特性を改良
するために1種類以上のジカルボン酸成分またはジオー
ル成分を組み合わせて用いることが好ましい。組み合わ
せられるモノマー成分の種類及び含有量は、所望のフィ
ルム特性、経済性などに基づいて適宜決定すればよい。
を用いても良いし、2種類以上の共重合またはホモポリ
エステルの混合物を用いることも可能である。経済上の
観点から言えば、ポリエチレンテレフタレートと共重合
ポリエステルの混合物を用いることが推奨される。
リエステルの化学構造は同一であってもよいし、異なっ
ていてもよい。また上記B層は、ポリエチレンテレフタ
レートのみを単独に含有するポリエステルであっても良
い。
製造することができ、その様な例として、例えばジカル
ボン酸とジオールを直接反応させる直接エステル化法;
ジカルボン酸ジメチルエステルとジオールを反応させる
エステル交換法などが挙げられる。調製は、回分式およ
び連続式のいずれの方法で行ってもよい。
ルムには、上記組成のポリエステルの他に、必要に応じ
て各種の既知の添加剤が含有される。その様な例とし
て、例えば二酸化チタン、微粒子状シリカ、カオリン、
炭酸カルシウムなどの滑剤;帯電防止剤;老化防止剤;
紫外線防止剤;着色剤(染料等)が挙げられる。上記組
成からなるA層およびB層の固有粘度は、0.50〜
1.3d/gであることが好ましい。
系複合フィルムを製造する方法としては、上記の要件を
満足できるフィルムが形成できれば特に制限はなく、例
えば多層押出法、押出ラミネート法等が挙げられるが、
経済性の観点から言えば、多層押出法を用いることが推
奨される。フィルムの形状は特に限定されず、平面状、
チューブ状等に形成される。得られたフィルムは、例え
ばロール延伸法、長間隙延伸法、テンター延伸法、チュ
ーブラー延伸法等の公知の延伸方法によって所定の一方
向(主延伸方向)へ延伸される。いずれの方法において
も、逐次2軸延伸、同時2軸延伸、1軸延伸およびこれ
らの組み合わせにより延伸を行う。このうち2軸延伸を
用いる場合は、縦横方向の延伸を同時に行ってもよい
が、より優れた延伸効果を得るためには、いずれか一方
を先に延伸する逐次2軸延伸法を用いることが推奨され
る。その場合の縦横の延伸順序はどちらを先に行っても
構わない。延伸倍率は、好ましくは2.5倍から7.0
倍、より好ましくは3.0倍から6.0倍、さらにより
好ましくは4.0倍から6.0倍、最も好ましくは4.
5倍から6.0倍である。上記主延伸方向と直交する方
向には、好ましくは1.0倍から2.0倍、より好まし
くは1.1倍から1.8倍の範囲で延伸される。この延
伸の順序はどちらが先であってもよい。主延伸方向と直
交する方向へ延伸することにより、フィルムの耐衝撃性
が向上し、且つ一方向に引き裂かれ易いという性質が緩
和される。上記直角方向の延伸倍率が2倍を超えると、
主収縮方向と直交する方向への熱収縮性が大きくなり過
ぎ、熱収縮を行ったときの仕上がりが波打ち状態の不均
一なものとなる。上記の様な割合で延伸を行ったフィル
ムは、主方向の収縮率に対して、それと直交する方向の
収縮率が、好ましくは15%以下、より好ましくは8〜
9%以下、更に好ましくは7%以下である。この様にし
て延伸されたフィルムは加熱処理を行ったときの仕上が
りが均一になるという利点を有する。
いられる。具体的には、延伸を行った後、30℃〜10
0℃の加熱ゾーンに約1秒から30秒間通すことが推奨
される。この様なヒートセットを行うことにより、夏季
高温下におけるフィルムの寸法変化を防止することがで
きる。フィルムの延伸後であってヒートセットを行う前
もしくは行った後に、所定の度合で伸長を行ってもよい
が、その場合には、フィルム長の70%までの割合で伸
長を行う。特に主方向に伸長することが好ましく、非収
縮方向(主収縮方向に対して直交する方向)には伸長し
ない方がよい。
態に保ってフィルムにストレスをかけながら冷却する工
程、あるいは、該処理に続いて緊張状態を解除した後も
引き続いて冷却する工程を付加することにより、加熱に
よるフィルムの収縮特性をより良好且つ安定したものと
することができる。
成する重合体が有する平均ガラス転移温度(Tg)以上
で、且つ例えば[Tg+80℃]以下の温度で予熱を行
うことが好ましい。この様な温度範囲で予熱を行うと、
該主収縮方向と直交する方向の熱収縮を制御することが
できる。その後、80℃±25℃の温度範囲で加熱する
ことにより、直交する方向の熱収縮率をほぼ最小とする
ことができる。
伸工程の前半部分の温度(t1 )と後半部分の温度(t
2 )を、異なる様に設定することが推奨される。好まし
くは、t2 は[1/2t1 +10](℃)以上にする。
ポリエステル系複合フィルムにおいて、フィルムの長手
方向及び幅方向の少なくとも一方向への100℃におけ
る熱収縮率が30%以上であることは、本発明の好まし
い実施態様である。この収縮率が30%未満の場合に
は、該フィルムを異形被包装物の表面にかぶせて熱収縮
させたとき、各部における必要な収縮率が得られず、十
分な収縮を得ようとすれば高温まで加熱する必要があ
る。しかしながら、被包装物の耐熱性についても制限が
あることから、その適用範囲を狭くするばかりであり、
好ましくない。
縮方向と直交する方向の結晶化処理後の、上記の方法に
よって求められる破断率(−5℃)は、20%以下であ
ることが好ましい。この破断率が20%を超えると、本
発明のフィルムをガラス瓶用ラベルとして用いたとき、
内容物の充填時や移送時に瓶同士が当ったりこすれたり
してラベルに衝撃や摩擦等の力が加わり、ラベルにキズ
や破れが発生する等、商品価値が著しく損なわれるので
好ましくない。上記破断率は、より好ましくは15%以
下であり、さらにより好ましくは10%以下である。
℃におけるフィルムの最大収縮応力は、1.7kg/m
m2 以下であることが好ましく、より好ましくは1.5
kg/mm2 以下である。この収縮応力が1.7kg/
mm2 を超えるフィルムでは、ラベル用に収縮させたと
きに、容器の変形、ラベルの歪み、収縮斑等が生じ、商
品価値が著しく低下するため好ましくない。
00μmが好ましく、25〜75μmがより好ましい。
20μm未満では強度や腰等の力学特性が不足するので
好ましくなく、一方、100μmを超えると力学特性が
過剰となり、且つ経済的に不利になる。
の厚みの比は、A層/B層=0.01/0.99〜0.
9/0.1が好ましく、0.05/0.95〜0.8/
0.2がより好ましい。ここでB層の厚みは表、裏の両
方の合計厚みであり、両側の厚みは同じでもよいし、異
なっていてもよい。
説明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
大収縮応力、収縮仕上がり、輸送テスト破れ発生率およ
び溶剤接着性の測定・評価方法は次の通りである。 (1)熱収縮率 フィルムの収縮する方向を長辺とし、幅15mmとなる
様に切断してサンプルとし、この長辺方向に200mm
の間隙に標線を記す。このサンプルに所定の温度(10
0℃)の熱風を1分間あてて加熱し、標線間の距離の変
化量を測定する。この変化量の元の長さに対する百分率
を熱収縮率(%)とした。なお、後記する表1中、MD
は延伸方向の熱収縮率を表し、TDは幅方向の熱収縮率
を表す。
形にチューブ化した後、300mlの丸型ガラス瓶容器
に被せ、シュリンクトンネルを通過させた。シュリンク
トンネルの通過条件は、第1ゾーンを100℃で滞留時
間4.5秒とし、第2ゾーンを140℃で滞留時間5秒
とした。この様にしてラベルを被覆した容器を60℃の
雰囲気下で24時間エージングした後、ラベルを主収縮
方向に15mm幅にカットしてサンプルとし(n=2
0)、−5℃の雰囲気下で主収縮方向と直交する方向に
引張試験器(東洋ボールドウイン社製STM−T)で引
張ることによって、各サンプルの破断伸度をそれぞれ測
定した。このうち、破断伸度が10%以下のものを初期
破断とみなし、破断率(%)を下記式に基づいて算出し
た。 破断率(%)=[初期破断サンプルの数]/[測定サン
プルの数]×100
mにカットしてサンプルとし、このサンプルに100m
mの標線を記し、100mmに設定した引張試験器(東
洋ボールドウイン社製STM−T)の上下チャックにサ
ンプルを設置した。次に、90℃の熱風中で3分間処理
し、その間の収縮応力の最大値を最大収縮応力とした。
せたラベルの収縮仕上りを、シワ、印刷ゆがみ、収縮斑
による印刷の濃淡の観点から、それぞれ視覚により評価
した。
せたラベルを被覆した容器を2400本ずつ用意した。
ダンボール箱1箱につき、各容器を12本ずつ詰めて、
各容器のラベル面同士が触れ合う様な状態でトラックに
集積し、700kmの距離を往復させた。輸送後にラベ
ルの破れの有無を検査し、その発生率を算出した。
ロフラン(塗布量:5g/m2 )を塗布し、室温で接合
させてチューブ化した。このチューブ状サンプルを幅:
15mmにカットし、該接合面における90℃での剥離
強度(g/15mm)を引張試験器(東洋ボールドウイ
ン社製STM−T)で10回測定し、その平均値により
溶剤接着性を評価した。この評価方法によれば、実用レ
ベルでは、溶剤接着性:400g/15mm以上の数値
が要求される。
別々の押出機で溶融押出しした。得られた溶融体をダイ
間で合流させて、A/B/Aの三層構造からなる溶融体
を冷却ロールで急冷し、総厚さ188μmのフィルムを
得た。この未延伸フィルムを95℃で予熱した後、横方
向へ4.7倍に延伸した。延伸時における温度条件は全
工程の1/2までは80℃に設定し、残りの1/2は9
0℃に設定した。延伸後、フィルムを緊張状態に保ちな
がら40℃に冷却し、総厚み:40μm(A/B/A層
の厚み比=1/2/1)の熱収縮性フィルムを得た。こ
の様にして得られたフィルムについて、上記(1)〜
(6)の特性を調べた結果を表1に示す。
たフィルムは溶剤接着性に優れると共に収縮仕上り性も
良好なものである。また、収縮後のホット充填、パスト
ライズ等での熱履歴による結晶化後においても強度を保
持しているので、加工後の商品の輸送時の振動・衝撃等
によるフィルムの傷や破れが発生せず、このことからも
ラベル用フィルムとして非常に実用性の高いものである
ことが分かる。
は実施例1と同じ方法によって、比較例1の熱収縮性フ
ィルムを得た。得られたフィルムの特性結果を表1に併
記する。
は、溶剤接着性や収縮仕上り性は良好であるが、結晶化
処理後の破断率が高く、これをラベルとして用いた場
合、商品の輸送時の振動・衝撃等によりラベルの傷や破
れの発生が多くなるので、実用性に劣るものであること
が分かる。
径2.4μmの二酸化珪素を0.05重量%含有させた
こと以外は実施例1と同じ方法で、比較例2の熱収縮性
フィルムを得た。得られたフィルムの特性結果を表1に
併記する。表1から明らかな様に比較例2のフィルムは
力学特性には優れているものの、溶剤接着性が劣るた
め、溶剤接着法を適用することができない。この溶剤接
着法の代わりに接着剤で接着させてラベルとして用いら
れるかどうかを検討してみたが、収縮仕上り性が劣るた
め、非常に実用性の低いものであることが分かる。
ート
い、A層/B層/A層の厚みの割合を1/1/1とした
こと以外は実施例1と同じ方法によって、実施例2の熱
収縮性フィルムを得た。この様にして得られたフィルム
の特性結果を表1に併記する。実施例2の熱収縮性フィ
ルムは、実施例1の熱収縮性フィルムと同様、ラベルと
して用いた場合、溶剤接着性に優れると共に収縮仕上り
性も良好であり、且つ商品の輸送時の振動や衝撃等によ
るフィルムの傷や破れが発生しないことから、非常に実
用性の高いものであることが分かる。
は実施例2と同じ方法によって、比較例3の熱収縮性フ
ィルムを得た。得られたフィルムの特性結果を表1に併
記する。表1から明らかな様に比較例3の熱収縮性フィ
ルムは、熱収縮仕上り性は良好であるが結晶化処理後の
破断率が大きく、商品の輸送時にラベルの破れが発生す
るなど、ラベルとして用いるには非常に実用性に劣るも
のであることが分かる。
0.05重量%を含有し、固有粘度:0.75dl/g
のポリエチレンテフタレートを用いたこと以外は実施例
2と同じ方法によって、比較例4の熱収縮性フィルムを
得た。得られたフィルムの特性結果を表1に併記する。
表1から明らかな様に比較例4の熱収縮性フィルムは、
熱収縮率が低く、品質の低いものであった。
A):30重量% 平均粒径2μmの球状シリカ:0.12重量% 固有粘度:0.75dl/g 下記組成のポリエステル(ポリエステルB):62重量
% ジカルボン酸として テレフタル酸:100モル% ジオール成分として エチレングリコール :53% ジエチレングリコール : 2モル% ネオペンチルグリコール:45モル% 固有粘度:0.75dl/g ポリブチレンテレフタレート(ポリエステルC):8重
量% 固有粘度:1.10dl/g B層用レジン ポリエステルA:85重量% ポリエステルB:10重量% ポリエステルC: 5重量%
施例1と同じ方法によって、実施例3の熱収縮性フィル
ムを得た。得られたフィルムの特性結果を表1に併記す
る。表1から明らかな様に実施例3の熱収縮性フィルム
は、実施例1のフィルムと同様、高品質で実用性の高い
ものであった。
は実施例3と同じ方法によって、比較例5の熱収縮性フ
ィルムを得た。得られたフィルムの特性結果を表1に併
記する。表1から明らかな様に比較例5の熱収縮性フィ
ルムは、溶剤接着性や収縮仕上り性は良好であるもの
の、ラベルとして利用した時には商品の輸送時にラベル
破れが発生するので、実用性に劣るものであることが分
かった。
は実施例3と同じ方法によって、比較例6の熱収縮性フ
ィルムを得た。得られたフィルムの特性結果を表1に併
記する。表1から明らかな様に比較例6の熱収縮性フィ
ルムは、力学特性は良好であるが、溶剤接着性や収縮仕
上り性に劣るため、実用性の低いものであることが分か
った。
ィルムは上記の様に構成されているので、優れた熱収縮
性や溶剤接着性を有すると共に収縮仕上り性にも優れ、
熱収縮後も優れた強度を保持することができるので、破
れ、裂け等を発生することがない。従って、ラベル用収
縮フィルムを始め、包装材料の広範な分野において有用
であり、利用価値が非常に高いものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位が80モル
%以上であるポリエステルを中間層とし、その両側にエ
チレンテレフタレート単位が80モル%以下で、しかも
前記中間層のポリエステルよりエチレンテレフタレート
単位が少ない、且つ同一または異なった化学構造からな
るポリエステルが積層されたものであることを特徴とす
る熱収縮性ポリエステル系複合フィルム。 - 【請求項2】 フィルムの長手方向及び幅方向の少なく
とも一方向への100℃における熱収縮率が30%以上
であり、且つ結晶化処理後の、主収縮方向と直交する方
向の下記破断率が20%以下である請求項1に記載の熱
収縮性ポリエステル系複合フィルム。フィルムに収縮ラ
ベル用のメタリック印刷を施し、円筒形にチューブ化し
た後、300mlの丸型ガラス瓶容器に被せ、シュリン
クトンネルを通過させる。シュリンクトンネルの通過条
件は、第1ゾーンを100℃で滞留時間4.5秒とし、
第2ゾーンを140℃で滞留時間5秒とする。この様に
してラベルを被覆した容器を60℃の雰囲気下で24時
間エージングした後、ラベルを主収縮方向に15mm幅
にカットしてサンプルとし、−5℃の雰囲気下で主収縮
方向と直交する方向に引張試験器(東洋ボールドウイン
社製STM−T)で引張ることによって、各サンプルの
破断伸度をそれぞれ測定する。このうち、破断伸度が1
0%以下のものを初期破断とみなし、破断率(%)を下
記式に基づいて算出する。 破断率(%)=[初期破断サンプルの数]/[測定サン
プルの数]×100 - 【請求項3】 前記主収縮方向の90℃における最大収
縮応力が1.7kg/mm2 以下である請求項2に記載
の熱収縮性ポリエステル系複合フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19877494A JP3396962B2 (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | 熱収縮性ポリエステル系複合フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19877494A JP3396962B2 (ja) | 1994-08-23 | 1994-08-23 | 熱収縮性ポリエステル系複合フィルム |
Publications (2)
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