JP3635717B2 - 熱収縮性ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、熱収縮性ポリエステルフィルムに関し、より詳しくは、容器類の被覆用あるいは結束用、集積物の包装用等に使用される熱収縮性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱収縮性プラスチックフィルムを素材として形成されるチューブ状体は、従来より、例えば容器、瓶(プラスチックボトルを含む)、缶棒状物(パイプ、棒、木材、各種棒状体)等(以下、容器類と略す)の被服用あるいは結束用として、表示、保護、結束、商品価値向上等を目的として、特にこれらの容器のキャップ、肩部、胴部等の全面または一部の被覆のほか、箱、板、瓶、棒、ノート等の集積物の包装、或いはスキンパックのように被覆状物を密着させて包装する分野等において広く利用されている。このような熱収縮性プラスチックフィルムは、収縮性および収縮応力を利用した用途展開が期待されている。
上記の用途には、従来より、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、塩酸ゴム等の熱収縮性プラスチックのフィルムが使用され、このフィルムをチューブ状体に成形し、これを容器類を被覆または集積物を包装した後、フィルムを熱収縮させていた。
これらのフィルムは、食品、飲料等の包装用として用いる場合には、通常ボイル処理、レトルト処理等の加熱殺菌が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のフィルムは耐熱性が悪いため、上記の加熱処理を行うと、フィルムが溶融または破裂してフィルム状体を維持することができないという問題があった。また上記フィルムは接着性が悪いため、フィッシュアイ(フィルム内の添加剤やポリマーのゲル状物等の小球状の固まり)が存在するフィルムを印刷すると、インクが転移不良となって印刷ピンホール(微小凹凸)が発生する。たとえ良好に印刷できても、上記フィルムは耐薬品性が悪いため、印刷後にフィルムが常温で収縮して印刷ピッチに寸法変化をもたらすという問題があった。
【0004】
一方、上記の欠点が大幅に改良されたポリエステル系熱収縮フィルムは、最近大いに注目されている。
しかし、通常、熱収縮はボトル等の容器に熱収縮性フィルムを装着し、これを熱収縮させて固定させる工程(以下、熱収縮トンネルと略す)により行われるが、熱収縮トンネル自体の温度ムラおよび容器表面の温度ムラがあるために、熱収縮フィルムに収縮ムラが発生する。さらにポリエステル系熱収縮フィルムは、上記のポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、塩酸ゴム等の熱収縮性プラスチックフィルムと比べて熱収縮速度が大きいという問題がある。熱収縮速度が大きいとフィルムの収縮ムラが生じて商品価値が大幅に低くなる。例えば、このフィルムを瓶用のシュリングラベルとして用いた場合、熱収縮速度が大きすぎると収縮率が最も高くなる肩部に収縮ムラが集中し、かつラベル内部からの空気の逃げがスムーズに進行せずに気泡が溜まる等の問題が生じる。このような収縮ムラのあるラベルを使用すると印刷時の濃度ムラにつながり、製品の美観が著しく悪くなる。
また、ポリエステル系熱収縮フィルムは、上記のポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、塩酸ゴム等の熱収縮性プラスチックフィルムと比べて耐熱性が良好であり、製品をボイル処理あるいはレトルト処理してもフィルムの溶融または破裂がないが、これらの処理により収縮応力がなくなって2次たるみが生じ、商品価値が低くなるという問題があった。
本発明は、上記の欠点を解決しようとするもので、その目的は、適度な収縮速度を有して収縮ムラがなく、耐熱性が良好で、ボイル処理やレトルト処理を施しても2次たるみのなく、印刷性も良好な熱収縮ポリエステルフィルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは、少なくとも一方向の熱収縮率が30%以上であり、かつ少なくとも当該方向の70〜120℃の温度範囲における平均熱収縮速度係数が0.1〜0.5%/秒・℃の範囲である。
好適な実施態様は、上記の熱収縮性ポリエステルフィルムは、当該方向と直角方向の熱収縮率が10%以下である。
また本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムの製造方法は、未延伸ポリエステルフィルムを、ポリエステルの平均ガラス転移点(Tg)以上の温度で、かつ当該方向に2.5〜7.0倍の範囲、当該方向と直角方向に1.0〜2.0倍の範囲で延伸する工程を包含する。
好適な実施態様は、上記の製造方法は、延伸が、少なくとも当該方向に数段階に分けて温度を順次上昇せしめて行われる。
好適な実施態様は、上記の製造方法は、延伸が、少なくとも当該方向に平均ガラス転移点より高い温度より始めて3段階以上に温度を順次上昇せしめて行われ、かつ各段階間の温度差が各々2〜8℃である。
【0006】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは、少なくとも一方向(以下、主収縮方向と記す)の熱収縮率が30%以上、好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上である。主収縮方向の熱収縮率が30%未満の場合には、熱収縮率が悪いため、熱収縮性フィルムとしての機能を果たさない。
また、主収縮方向と直角方向の熱収縮率は、好ましくは15%以下、より好ましくは9%以下、特に好ましくは7%以下である。この方向の熱収縮率が15%を超える場合には、熱収縮が大きくなりすぎて熱収縮後のフィルムの仕上がりが波うち状となる場合がある。
【0007】
さらに本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは、少なくとも主収縮方向の70〜120℃の温度範囲における平均熱収縮速度係数が0.1〜0.5%/秒・℃の範囲であり、好ましくは0.1〜0.4%/秒・℃、特に好ましくは0.1〜0.35%/秒・℃の範囲である。上述したように熱収縮トンネル自体の温度ムラおよび容器表面の温度ムラがあるため、この平均熱収縮速度係数は、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃および120℃の各々の温度の熱風オーブン中における平均収縮速度(%/秒)を求め、これと熱風オーブン温度(℃)との関係より算出される。主収縮方向の平均熱収縮速度係数が0.1%/秒・℃未満の場合、熱収縮時に収縮量が不足し、一方、この平均熱収縮速度係数が0.5%/秒・℃を超える場合、熱収縮時に収縮ムラが発生する。
また、主収縮方向と直角方向の70〜120℃の温度範囲における平均熱収縮速度係数は、好ましくは0.1%/秒・℃以下である。この方向の平均熱収縮速度係数が0.1%/秒・℃を超える場合には、ポリエステルフィルムの仕上がりの寸法性が悪くなる場合がある。
【0008】
本発明の熱収縮ポリエステルフィルムに使用されるポリエステルは、主としてエチレンテレフタレート繰り返し単位から構成されたポリエステルであり、テレフタル酸またはその誘導体とエチレングリコールとの重合反応により製造される。このポリエステルは、好ましくはエチレンテレフタレート繰り返し単位を50モル%以上含む熱可塑性ポリエステルである。すなわち、このポリステルは、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー、あるいはテレフタル酸以外のジカルボン酸成分、および/またはエチレングリコール以外のジオール成分、および/またはオキシカルボン酸を含んで構成された共重合体であり、これらの共重合成分は特に限定されない。
また、上記のポリエステルは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を併用する場合には、ポリエチレンテレフタレートと、テレフタル酸および/またはエチレングリコール以外の成分を含むポリエステルとの組み合わせでも、このポリエステルどうしの組み合わせであってもよい。さらに、これらのポリエステルと、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート等のホモポリエステルとの組み合わせであってもよい。2種以上のポリエステルを併用する場合には、多様な特性を有するフィルムが得られるので好ましい。
上記のポリエステルは、常法により、溶融重合させることにより製造されるが、この方法に限定されるものではなく、その他の重合法を採用してもよい。このポリエステルの固有粘度は0.3〜1.2dl/gのものが好ましい。
さらに、必要に応じて、上記のポリエステルに、二酸化チタン、微粒子シリカ、カオリン、炭酸カルシウム等の滑剤を配合してもよく、さらに、帯電防止剤、劣化防止剤、紫外線防止剤、染料等の着色剤等を配合してもよい。
【0009】
上記のポリエステルは、押出し法やカレンダー法等の任意の方法によりフィルムに成形した後、延伸される。
延伸方法は特に制限されず、ロール延伸、長間隙延伸、テンター延伸、等の延伸方法が採用される。またその形状面はフラット状、チューブ状のいずれの形状でもよい。さらに延伸は逐次2軸延伸が有効であり、その順序はどちらが先でもよい。延伸におけるヒートセットは目的に応じて実施されるが、夏期高温下の寸法変化を防止するためには、30〜150℃の加熱ゾーンを約1秒〜30秒間通すことが好ましい。また延伸処理の前後に主収縮方向と主収縮方向と直角方向のどちらか一方向または両方向に最高70%までの伸長をかけてもよい。特に主収縮方向に伸長し、主収縮方向と直角方向に伸長せずに緩和させるのがよい。
この時の延伸倍率は、主収縮方向では、2.5〜7.0倍、好ましくは3.0〜6.0倍、特に好ましくは4.0〜5.0倍の範囲である。主収縮方向と直角方向では、1.0〜2.0倍、好ましくは1.0〜1.8倍、特に好ましくは1.2〜1.6倍の範囲である。主収縮方向の延伸倍率が2.5倍未満の場合、熱収縮時に熱収縮量が不足し、一方この延伸倍率が7.0倍を超える場合、フィルムの製膜時にフィルムの破断が多くなる。また主収縮方向と直角方向の延伸倍率が2.0倍を超える場合、主収縮方向と直角方向の熱収縮が多くなりすぎ、フィルムの仕上がりが波うち状となる。
【0010】
さらに、ポリエステルフィルムは、ポリエステルの平均ガラス転移点(Tg)以上の温度で、好ましくは少なくとも主収縮方向は、数段階、好ましくは3段階以上に分けて温度を順次上昇せしめて延伸される。その際、最初の延伸時の温度はTg+7〜13℃、好ましくはTg+9〜11℃、就中Tg+10℃程度であることが適当である。各段階間の温度差は、通常各々2〜8℃、好ましくは各々4〜6℃、就中各々5℃程度である。例えば、3段階以上に分けて温度を順次上昇せしめて延伸される場合には、好ましくはTg+10℃程度、Tg+15℃程度、Tg+20℃程度の温度で順次行われる。好ましくは、主収縮方向は、Tg+20℃〜Tg+50℃の範囲にて予熱される。このような条件で延伸することにより、平均熱収縮速度係数が0.1〜0.5%/秒・℃の範囲である熱収縮性ポリエステルフィルムを得ることができる。
上記の延伸処理後、この延伸特性を良好に安定させるために、伸長あるいは緊張状態を保ってフィルムにストレスをかけながら冷却するか、又は更に引き続いて冷却することが好ましい。
【0011】
このような構成の本発明の熱収縮ポリエステルフィルムは、以下の優れた特性を有する。
(1)一方向収縮性
収縮フィルムの役割の一つは被包装物の破壊や荷崩れ等を防止する点にあるが、そのためには高い耐衝撃性を有し、かつ主収縮方向に大きい収縮率を得ることが必要である。本発明の熱収縮ポリエステルフィルムは、主収縮方向の熱収縮率が30%以上と高くかつ耐衝撃性が良好であるため、美しい包装が得られ、しかも被包装物の保護という面で優れた耐久性を示す。この傾向は落下テスト(収縮フィルムを装着したPETボトルを1.5mの高さからコンクリートに落下させる)によって証明される。また一方向収縮性によって収縮包装後の仕上がり寸法安定性がよい。
(2)耐熱性
従来のフィルムはいずれも耐熱性が悪いため、高温ボイル処理やレトルト処理には耐えうることができず殺菌処理に不適当なフィルムであり、処理中に破壊し、機能が失われるが、本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは、ポリエステルを原料としているので耐熱性が良好であり、ボイル処理やレトルト処理ができ優れた有用性を示す。
(3)印刷性
従来のフィルムは、インクとの接着性が悪く、ハーフトーン印刷によりピンホールが発生するが、本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムは、ポリエステルを原料としているので耐薬品性が良好であり、またテレフタル酸および/またはエチレングリコール以外の酸成分および/またはジオール成分を含むポリエステルを原料とすることにより、インクとの接着性が向上して印刷性は改善される。
(4)産業廃棄物の問題
近年、プラスチックボトルの利用が急速に広まっている。このようなボトルの回収を考えた場合は同物質で形成されることが好ましく、本発明の熱収縮性ポリエステルフィルムをポリエステル系ボトルの包装に適用することはこの点有利である。
(5)収縮ムラ
本発明のフィルムは高い収縮率と高い収縮応力を有し、また平均収縮速度係数が低いことから収縮ムラの発生はない。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例に何ら制約されない。本発明で用いた測定方法を以下に示す。本実施例において、横方向とは、フィルムの成形方向であり、主収縮方向である。また縦方向とは、フィルムの成形方向と直角方向であり、主収縮方向と直角方向である。
(1)平均収縮速度係数
加熱可能なテンシロン(島津製作所(株)製オートグラフHG−3000)を使用し、幅20mm、長さ150mmの資料片を採取し、そのフィルムに100mmの標線を記し60mmに設定した上下チャックに正確に100mmの標線を合わせて装着し、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃および120℃の熱風中(風速10m/秒)でそれぞれ処理し、収縮応力の発生するまでの時間(t)により以下の式でまずフィルムの横方向の平均収縮速度を求めた。
平均収縮速度 = (100−60)/(t) (%/秒)
横軸に熱風温度、縦軸に平均収縮速度をとり、回帰式により回帰線直線を引きフィルムの横方向の平均収縮速度係数(%/秒・℃)を求めた。
(2)収縮仕上がり性
ガラス瓶(300ml)に印刷を施した熱収縮性フィルムを装着し、130℃の熱風(風速10m/秒)の熱収縮トンネルを通し、仕上がり性を目視にて判定した。なお、仕上がり性のランクについては、
○:収縮ムラなし
△:一部収縮ムラあり(2ヵ所以内)
×:収縮ムラあり(3ヵ所以上)
として、○のみを合格とした。
(3)熱収縮率
サンプル標線間を200mm(横方向)にとり、フィルムを幅150mmに切断して100℃の熱風を用いて1分間加熱し、標線間長さを測定して横方向の熱収縮率を求めた。
(4)熱収縮応力
平均収縮速度係数で用いたテンシロンを使用し、幅20mm、長さ150mmの試料片を採取し、そのフィルムに100mmの標線を記し100mmに設定した上下チャックに試料片を装着して、100℃の熱風中処理し、その間の最大収縮応力を求め、次式に従って横方向の収縮応力を算出した。
熱収縮応力 = 最大収縮応力/断面積(kg/mm2 )
(5)ヘイズ
積分球式H.T.Rメーター(日本精密科学製)を用いて入射光量、装置と試験片による散乱光量を測定し算出した。
【0013】
実施例1
ステンレス製オートクレーブを使用し、二塩基酸成分としてテレフタル酸100モル%と、グリコール成分としてエチレングリコール150モル%(酸成分に対して)とネオペンチルグリコール60モル%(酸成分に対して)を用い、触媒として三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して)を用いて直接エステル化法により重縮合した。得られたポリエステルの固有粘度は0.70dl/g、平均ガラス転移点(Tg)は69℃であった。
このポリエステルを280℃で溶融押出し、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。このフィルムを縦方向に1.1倍延伸し、次いでこれを予熱100℃で処理後、横方向に80℃、85℃および90℃の3段階の温度ゾーンで合計4.1倍に順次延伸した。次いでこのフィルムを80℃で熱処理して厚さ40μmの熱収縮ポリエステルフィルムを得た。得られた熱収縮ポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
【0014】
実施例2
ステンレス製オートクレーブを使用し、二塩基酸成分としてテレフタル酸60モル%(酸成分中)と2,6−ナフタレンジカルボン酸40モル%(酸成分中)を用い、グリコール成分としてエチレングリコール210モル%(酸成分に対して)を用い、触媒として三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して)を用いて直接エステル化法により重縮合した。得られたポリエステルの固有粘度は0.71dl/g、平均ガラス転移点(Tg)は95℃であった。
このポリエステルを290℃で溶融押出し、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。このフィルムを縦方向に1.1倍延伸し、次いでこれを予熱120℃で処理後、横方向に105℃、110℃および110℃の3段階の温度ゾーンで合計4.1倍に順次延伸した。次いでこのフィルムを105℃で熱処理して厚さ40μmの熱収縮ポリエステルフィルムを得た。得られた熱収縮ポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
【0015】
実施例3
実施例1で製造したポリエステルに、ポリブチレンテレフタレートを80:20(重量比)で混合した。得られた混合物の固有粘度は0.71dl/g、平均ガラス転移点(Tg)は61℃であった。これを270℃で溶融押出し、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。このフィルムを縦方向に1.2倍延伸し、次いでこれを予熱100℃で処理後、横方向に70℃、75℃および80℃の3段階の温度ゾーンで合計4.1倍に順次延伸した。次いでこのフィルムを70℃で熱処理して厚さ40μmの熱収縮ポリエステルフィルムを得た。得られた熱収縮ポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
【0016】
比較例1
実施例1の未延伸フィルムを縦方向に1.1倍延伸し、次いでこれを予熱90℃で処理後、横方向に75℃で4.1倍に順次延伸した。次いでこのフィルムを75℃で熱処理して厚さ40μmの熱収縮ポリエステルフィルムを得た。得られた熱収縮ポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
【0017】
比較例2
実施例2の未延伸フィルムを縦方向に1.1倍延伸し、次いでこれを予熱110℃で処理後、横方向に100℃で4.1倍に順次延伸した。次いでこのフィルムを105℃で熱処理して厚さ40μmの熱収縮ポリエステルフィルムを得た。得られた熱収縮ポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
【0018】
比較例3
実施例1で得られたポリエステルを280℃で溶融押出し、厚さ100μmの未延伸フィルムを得た。このフィルムを縦方向に1.1倍延伸し、次いでこれを予熱100℃で処理後、横方向に80℃、85℃および90℃の3段階の温度ゾーンで合計2.0倍に順次延伸した。次いでこのフィルムを80℃で熱処理して厚さ40μmの熱収縮ポリエステルフィルムを得た。得られた熱収縮ポリエステルフィルムの物性を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
表1より、実施例1〜3の熱収縮ポリエステルフィルムは、横方向の熱収縮率が30%以上であり、かつ横方向の平均熱収縮速度係数が0.1〜0.5%/秒であり、収縮ムラがなく収縮仕上がり性が良好であり、さらに横方向の収縮応力が高いことがわかる。一方、比較例1および2の熱収縮ポリエステルフィルムは、横方向の平均熱収縮速度係数が0.5%/秒を超え、収縮ムラがあり収縮仕上がり性が悪いことがわかる。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、収縮ムラがなく、収縮応力が高く、印刷性、耐衝撃性および耐熱性が良好である熱収縮ポリエステルフィルムを提供することができるので、このフィルムを使用して包装すると破壊や荷崩れがなく美しくかつ仕上がりの寸法安定性が良好な包装物が得られる。またこの包装物にボイル処理やレトルト処理を行ってもフィルムの溶融、破裂、2次たるみがない。さらにこの包装物の印刷性も良好となる。従って、本発明の熱収縮ポリエステルフィルムは、被覆用、結束用の包装材料として非常に有用である。さらにまたリサイクルの点から、ポリエステル系ボトルの包装への適用が有利となる。
Claims (1)
- 少なくとも一方向の熱収縮率が30%以上、当該方向と直角方向の熱収縮率が9%以下であり、かつ少なくとも当該方向の70〜120℃の温度範囲における平均熱収縮速度係数が0.1〜0.5%/秒・℃の範囲であることを特徴とする熱収縮性ポリエステルフィルム。
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